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その夜・・・

人参はふと目を覚ますと、基地内のトイレに向かった。
その帰り、聞き覚えのある高い声と物音に気づいた人参は、その声と音のする外に出た。

すると・・・そこにはニョロモが居たのだ。
人参が眠い目をこすると、ニョロモは"あわ"を何度も、一本の木に向かって放っている・・・。

人参には確認する暇がなかったが、基地内の時計には2:37と表示されている。
満月とは程遠い欠けた月と、点のように見える星々が暗い空に光り、
どこからかホーホーやヨルノズクの鳴き声が響く。

センターである程度の回復は完了して歩けるようにはなっていたが、
それでもまだ、体調が万全というようには見えなかった。
ニョロモは自分でもその体調のことを分かってはいるのだが、
それでもなお、こんな夜遅くに技を磨いている・・・。

ボール内で休んでいたはずのニョロモが、どうやって脱出したのか。
―それだけがどうしても気がかりだったが、本人に聞こうにも聞く術がない。
それに、必死で特訓しているところを邪魔するわけにもいくまい・・・そう察してか、
人参は近くにあった木のベンチに腰掛け、ニョロモをただただ見つめていた。

月はいつの間にか見えなくなっていた。


6/21 そると





 緑豊かな大地に燦々と暖かな日光が照りつける翌日。
 ジムの前で相談する四人がいた。
「でも、勝てるのか……?」
 と腕組みしながら語るファング。 その言葉に太太郎はムッとしたのか
「勝てる可能性は無いでは無いじゃないか」
 実際ポケモンバトルは攻撃をした側が倒れたり、爆発しても相手側には何事もなかったりと何が起こるかが分からない勝負である。
「それは実際の勝負で決まるでしょ、じゃあ行くわよ」
 四翼はジムのドアを開くと三人もあとに続いた。 その後通路を通りジムの対戦部屋につくとすでにユキヒロが他の挑戦者とジムバッジを賭けた戦いを行っていた。
 フィールドにはユキヒロが支持を出している草を身にまとったミノムシのようなポケモン、『ミノマダム』と挑戦者が応戦させているオレンジ色の体毛に包まれたイタチの姿をしたポケモン『ブイゼル』が戦っていた。
 挑戦者と思われる少女が「ブイゼル! スピードスター!」と一声支持を出すとブイゼルは口から小型で星型の光弾を大量に発射する。
 光弾はミノマダムめがけて飛んでいくがユキヒロは
「守る!」
 と一声上げるとミノマダムはすぐさま体の葉をさらに正面に寄せ防御の体制をとる。 スピードスターは当たりこそしたものの、ダメージは殆どなかった。
 そしてミノマダムがしばらく静止しかと思うと、バトルステージ上の葉がざわざわと揺らめき始めた。
 トレーナーの少女も何が起こるかわからずブイゼルに「水鉄砲!」と指示を出すとブイゼルは口から水を吹き出しミノマダムに発射し続ける。
 数秒ほど水鉄砲が当たり続けていたかと思うと次の瞬間ユキヒロが命令を出した。
「リーフストーム!!」
 その瞬間放たれた一筋の緑色に光る竜巻は水鉄砲の勢いを無視し、一直線にブイゼルに向かっていく。
 発射に気づき水鉄砲の発射を止めたブイゼルが避けるにはあまりにも早すぎ、一瞬でブイゼルを十数メートル後方にと吹っ飛ばした。
 ブイゼルは最後に苦しそうな声を上げて、草原のバトルステージに倒れ込んだ。
「試合終了! 挑戦者0-3で敗退です」
 審判がホイッスルと旗を上げ試合終了の合図を出す。 ユキヒロが少女に「もっと鍛えてからくることですな、生半可な実力ではバッジは渡せない」と語りかけると四翼達の方へ来ると、
「試合は十五分後です」
 それだけを言うとファング達がきた道の方へと歩いていった。 ユキヒロがいなくなったのを確認すると四翼は圧倒的な力の差に泣いている少女にハンカチを差し出した。
「ほら、泣くのはいけないわよ。 涙拭きなさい」
少女はハンカチを受け取り「ありがとうございます……」と一礼するとジムの後ろの観客席に腰掛けた。

「しかしミノマダムのあの攻撃……以前より強くなっているわね」
 四翼は少々不安げな顔を見せる。 やはり太太郎では頼りないと思われているのか、それとも先程の結果を見たからなのか、それは分からない。
「大丈夫だよ、太太郎ならやってくれるって」
 そういうと人参は太太郎の背中からを叩く。
「分かったわ、最後にアドバイスだけど先程の戦闘でほんの少しだけど判断力を失っているかもしれない。 じゃ、ファング。 人参。 アタシたちは見守りましょ」
 そういう都市浴は二人をつかんでツカツカと観客席の方へと言ってしまった。

そして十分後、ユキヒロが戻り、バトルフィールドを挟み太太郎と対峙する。
「では、これより! ジムリーダーユキヒロと挑戦者、太太郎の試合を開始します!」
旗を上げ
「使用ポケモンは両者一匹のみ! 開始!」
二人は一斉にボールをフィールドへと投げた。


6/22 粉




モンスターボールの形をそのまま再現したような円形のバトルフィールド
その中にカイロスとヒンバスは居た

自分より一回りも二回りも大きな体から放たれる殺気、プレッシャー、威圧感
それら全てをヒンバスは受け止め、そして臨戦体勢へ入った

五秒、十秒、そんなわずかな時間も、今のヒンバスには長く感じたに違いない


「ヒンバスッッ!!体当たりだッッ!!」
そんな辛い辛い沈黙を破るように太太郎はそう叫んだ

その声に反応し、ヒンバスは一直線にカイロスに突撃していった

その突然の攻撃にはジムイーダーであるユキヒロでさえ指示を出せなかった


   ドサッッッ!!!
カイロスは体当たりをもろにうけ、後方に飛んでいった

「決まったか?・・・・」
観客席に居るにんじんは渋い表情でそう言った


「いや、カイロスは不意打ち一発でやられるほど柔なポケモンじゃないぜ」
ファングは額に汗を浮かべている


案の定ファングの予想通りカイロスは以外にもあっさり立ち上がった

「カイロスッッ!!近づいて「しめつける」ですッッ!!」

カイロスはその体からは想像できないような速度でヒンバスに近づき、状態をそらし、しめつけるの体勢に入った

『終わった・・・』
ファングは目をつむった


しかし以外にもヒンバスがカイロスをかいくぐってしめつけるを避けたのである

これにはユキヒロも驚いたようでぽかんとしている

それもそのはず、三匹の中でもっとも素早さが芳しくないはずのヒンバスがカイロスの攻撃を避けたのだから
驚かないはずがないのである

「まさかあの子!!」

「そうさ、太太郎のやつ、修行のほとんどをすばやさに費やしたんだ・・・」

四翼の問いににんじんが苦笑いで答える



「良く聞けジムリーダー!!俺のヒンバスのすばやさは、エイパムをも超えるッッッ!!!」


6/24 ポルンガ




ユキヒロは唖然としている
ヒンバスの動きが信じられないのだろう

「ヒンバス、体当たりだ!」
指示を受けていないカイロスに体当たりをしかけた

正直太太郎は体当たり直撃を確信したのだろう
「カイロス、よけてしめつけるです!」

先ほどまで唖然とし、茫然とたちつくしていたユキヒロは冷静を取り戻し、新たな指示を出した

ジムリーダーの気迫のようなものが伝わってくる

やはりジムリーダーも人間、負けたくはないのだろう

だが、太太郎も意地をみせる
一番変態な太太郎とヒンバスが底力をみせた

「ヒンバス!!ヌメヌメでかわせ!」
なぜか人参は腕を組む

なんとヒンバスは人参のニョロモのヌメヌメまでも
習得していたのだ
「なっ・・・」

ファングと四翼がそろえて声をあげる
それに対して満足した表情の人参が
「俺がしたてあげたぜ☆」

「・・・・・」

「だってあのままじゃ勝てないと思ったんだもん」

ファングたちはしけた目で太太郎と人参をみる

太太郎は気づいていないようだ
バァーンとジム全体にぶつかる音が広がる

皆が息をのんだ、誰もさっきのようなしけた目を向けていない

「ど、どっちが勝ったんだ?」
白い、いや、気迫のような白煙からニ体のシルエットが見える

だんだん白煙が薄くなり太太郎が吠えた

「うっしゃぁぁぁぁ!!!!」

なんとヒンバスが勝ったのである
ヒンバスのヌルヌルがカイロスの目に入り、標的を
見失っている間に攻撃したのだろう

太太郎は人参の仕立てのおかげでかったのにも関わらず、よろこんだ

   「勝者太太郎」

審判がそう告げると、ジムリーダー、ユキヒロが崩れ落ちた



6/26 太太郎






「バカなっ・・・ヒンバスに負けた・・・」
ユキヒロが項垂れながら嘆いた。

太太郎はまだヒンバスと抱き合って喜んでいる。
やはりカイロスという強敵に勝てた喜びは大きいのだろう。

しばらく俯いていたユキヒロだったが、深く呼吸をして息を整えると最後のモンスターボールを手にした。
「まだ勝負は終わっていませんよ。ミノマダム!」
ユキヒロがそういってモンスターボールを投げてミノマダムを繰り出してくる。

太太郎は勢いでヒンバスに体当たりを指示しようとしたが、声に出す直前に踏みとどまった。
自分が戦う前に見たリーフストームを思い出したのだった。
水鉄砲を吹き飛ばして、ブイゼルを一瞬にして戦闘不能にした緑の竜巻を――。
勿論、ヒンバスがリーフストームを喰らえば瀕死は免れないだろう。
そのため、迂闊に攻撃は出来ない。が――
「体当たりだ!」
太太郎は閉じかけていた口を再び開いた。
「バカッ、無闇に突っ込んだら守られるだけだ!」
観客席で見守るファングが叫ぶ。
ファングの言うとおり、ミノマダムはユキヒロの指示で体の葉を正面に寄せて、突っ込んでくヒンバスに対して守る姿勢を取った。

それと同時に体中の葉と、ステージ内の葉が揺れ始める。
「今度こそ終わった・・・」
ファングがカイロスがヒンバスをしめつけようとした時のように再び目を瞑る。
四翼も人参も負けを確信したように天を仰いだ。

「リーフストーム!」
ユキヒロが叫ぶと同時にそれまで何も喋らなかった太太郎が叫んだ。
「はねる!」
その瞬間に3人とユキヒロは耳を疑った。
「はねる」はただ跳ねるだけであって何も起こらない、何の意味も持たない技である。
それを何故、この状況で指示したのか全く理解できなかった。

しかし――
ミノマダムから放たれた緑色の竜巻がヒンバスに襲いかかろうとしたとき、ヒンバスは尾を地面に強く打ち付けて飛び跳ねた。
上空に飛び上がったヒンバスはリーフストームの直撃を免れたが、竜巻の一部がヒンバスに当たった。

「そこだ!じたばた!」
体の一部だけを接触させただけで上手く瀕死寸前に調整されたヒンバスがミノマダムの真上から飛び掛かり、体を強く打ち付ける。
「くっ!守る!」
予想外の出来事にユキヒロは指示が遅れてしまった。
ミノマダムが防御の姿勢を取ろうとしたときにはもう手遅れだった。
数秒後、その場には瀕死寸前で息も荒いヒンバスと、倒れて目を回したミノマダムがいた。

「ミノマダム戦闘不能!勝者太太郎!」
レフリーはそう言ったが、まさかの展開に全員何も言葉が出なかった。

辺りにはしばらくの間静寂が続いた。




7/4 えちご




――ジム戦後の秘密基地内。

「初のジム戦勝利を祝して・・・」

「「「かんぱぁーいっ!」」」

グラスとグラスとがぶつかり、快音を響かせる。
そのグラス内のオレンジュースを飲み干すと、人参、ファング、太太郎の三人は今回のジム戦について語りあいはじめた。

「随分気持ちよく決まったよな、みだれひっかき」
「はねるのあんな使い道があったなんて・・・見直したぜ」
「おいおい、太太郎が勝てたのは俺のおかげでもあるだろ?」

おかむらのみだれひっかきを絶賛する太太郎、
ヒンバスのはねるの使い方に驚いたとファング、
そしてカイロスに屈した人参も、すがすがしい顔で会話に加わっていた。

四翼ははじめ呆れたような表情だったが、次第にその雰囲気に慣れてきて、耐え切れずこう言った。
「よーし、次のジムに挑戦しに行くわよ!出発は明日の朝、今の内にでも支度を整えておくこと!いい?」
その顔には晴れやかな笑みが浮かんでいた。

突然の提案(強制)に三人は驚いた様子だったが・・・
「よし、分かった!」
「え?俺はじめからそのつもりだったんだけど・・・」
「相変わらず調子のいいヤツだなぁ・・・まぁ、反対はしないけどな」
誰からも異論はあがらなかった。

「よっしゃ、道具の買出しだ!先に行くぜ!」
それだけ言い残すと、人参はさっさと基地を飛び出して行った。

「おい、ちょっと待て・・・ってもう遅いか」
やれやれと呆れながら、ファングも基地を後にした。

「・・・あれ?四翼は行かないのか?」
太太郎は不思議そうに四翼に問いかけた。
「私はもう済ませてあるからいいわ。それより、早くしないと置いて行かれるんじゃない?」
「・・・あっ!しまった・・・俺も行ってくる!」
四翼が言うと、太太郎は慌てて駆け出していった。

夕日はまもなく沈もうとしている。



7/4 そると




夕日が沈みかける頃に、太太郎は先に行ったファングと人参の後を走って追いかけながら一人ごちた。
「ハッ、ハッ!まっ、たく、早すぎ、なんだよ!」

既に前方のファングは地平線の向こう側に消えようとしている。
ここで見失ったらどこで買い物をするのか分からなくなってしまう……夜の街で一人ぼっちなど御免被る。
「おーい!待ってくれよー!」太太郎は走りながら出せる最大音量の叫びをあげた。

太太郎の静止の声に気づいたのか、ファングが街の入り口で立ち止まる。
太太郎が追いついた時にはもう太太郎はへとへとだった。
「ハァ、ハァ、ハァ……」 息が荒くなり、まるで犬の様だ。

太太郎の顔をのぞき込みながらファングが心配そうに声をかける。
「おいおい……大丈夫か?」
「な、何とか……」息も切れ切れに、何とか声を絞り出す。

落ち着いて街の入り口をを見てみると、既に人参の姿は無かった。
「あいつ……どこに行ったんだろうな?」そう太太郎が問いかける。
ファングはしばし考えた後
「分からないけど、デパートとか商店街を見ていけばいずれは見つかるだろ」と答えた。

ユキヒロからもらった賞金は分けてあるから何も買えずにいるという事は無いのでどこかの店にいるだろうと考え
慌てる事も無いだろうという事でゆっくり歩きながら探す事にした。

すると、すぐ行った辻道で人だかりが出来ていた。
いぶかしげに「なんだ?見せ物でもやってるのか?」とファングが呟くとその人だかりに見慣れた背中があった。

そこには人参がいた、しかも重そうな買い物袋を下げて。
「人参じゃないか!」すぐさまファングがが声をかける。

すると人参も気づき、興奮しながらこう言った。
「ストリートトレーナー同士がバトルしてるんだけど、それがものスゴイんだよ!」
どれどれと人混みの中に突っ込み、狭い人の隙間を通りながら何とか顔を出した。

目に飛び込んで来た光景は、まだ駆け出しのトレーナーである太太郎やファングにも分かる程のハイレベルな戦いが繰り広げられていた。
一方は形容しがたい程の中性的な顔をし、青いゴーグル、二重にクロスさせたベルト、片側に丸く穴の空いたズボン、ぴっちりとした黒いウェットスーツのような服の上に青いジャケットを着た
奇抜なファッションのトレーナーはブースターを巧みに操り、
もう一方の歳の重みを感じさせる鋭い眼光を持つベテラントレーナーのアーマルドの攻撃を軽くいなしていた。

次の瞬間、奇抜なファッションをしたトレーナーが口笛を吹くと、ブースターがアーマルドに向かって返しの炎の渦を吐き、アーマルドの動きを炎で封じた。
ベテラントレーナーが苦虫を噛み潰したような表情を見せる。
「クッ……!」

アーマルドは動きを封じられ、鋭い爪の一撃も当たらず、一方的な展開になっていた。

ファングと太太郎は開いた口がふさがらず、ただその試合を見ていた。
ファングは呆然となりながら口から「スゲーな」と言葉をこぼし、「ああ……」と太太郎も生返事を返す。
すると何時の間にいたのか横から人参が話しかけてくる。
「あっちのブースターを使ってるトレーナー、もう二十連勝だってよ!」
「本当かよ……」驚きの声しか出ない二人。

「オイ!試合が動くぞ!」と声をかける人参。
急いで目を通りに向けると、アーマルドの周りに鋭く尖った岩が漂い、その先端をブースターに向けていた。
ベテラントレーナーは動けず一方的になぶられる展開に業を煮やし、短期決戦に賭ける気だろう。

「喰らえ!ストーンエッジだアーマルド!」ベテラントレーナーが号令をかけると、鋭い岩がブースターに襲いかかる。

炎タイプであるブースターにとって岩タイプであるストーンエッジが直撃すればダウンは確実。
ゴーグルのトレーナーは慌てる事なく鋭い音の口笛を吹いた。

その瞬間もの凄い速さでブースターはアーマルドに向かって突進する。
ストーンエッジの隙間を縫うように動き、アーマルドの懐に入り、強烈な馬鹿力を腹に直撃させた。
ブースターが下がった頃にはもう既にアーマルドは崩れ落ちていた。

人だかりはしんと静まりかえる。
次の瞬間歓声がワァッとこだまするように沸いて出てきた。
「スゲーぞ兄ちゃん!」「素敵だわー!」「素晴らしい戦い、ありがとよ!」
ゴーグルのトレーナーに次々と賞賛と憧れの声が浴びせかけられる。

すると口を開き「ありがとねー」とまたも形容しがたい声で軽く返す。
そしてその場から立ち去ろうと背を向ける。
それでも歓声は止まず、ファング達も興奮にわき上がっていた。

ゴーグルのトレーナーは裏路地に入ると、一人の男と会った。
「……久々の休暇はどうでしたか?」男の声は酷く静かだった。
「研究ばっかりやってると体が鈍ってしょうがない、まぁこうやって趣味と道楽にかける時間もひとしおだけどね」
そう言いながら手に持っていたボールをポケットに入れながらこう言った。
「それよりもヘリの用意出来てる?気になる人材がいるんだけど」
「用意は万端ですが、あの子供達は良かったのですか?」そう言いながら黒いコートと鞄を手渡す男。

「まだ時期じゃないし泳がせといても大丈夫でしょ、まぁ気にはなったけど」
コートを上に着ながら言い、そしてこう続けた。




「あの研究も結構進んできたしそろそろ実行段階に移しても大丈夫じゃないの、ポルンガくん」

「はい、後数日もあれば実行段階に移せます……ボス」

「なら大丈夫だ」

黒いコートを着て、鞄を持ちながら、二人の男は裏路地の奥に消えていった。



9/13 弟者

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最終更新:2010年09月13日 23:08