森の洋館
344 :。:2006/12/08(金) 08:33:21 ID:???
スモモ「ねぇコウキ君。今度の土曜日にハクタイの森に行きませんか?」
コウキ「ハクタイの森?あんなトコに何か用でもあんのかぁ?」
スモモ「はい、ちょっと気になる話を聞いたので…ダメですか?」
コウキ「う~ん…土曜日はフェスタに行きたいんだけどなぁ…」
スモモ「あ、あの…出来たら、泊まりがけで行きたいなぁって…
キャンプの用意も借りてありますから…」
コウキ「……行く!絶対行く!!」
スモモ「本当ですか!?わぁい♪」
コウキ『やべぇ…初めてのお泊まり…今から鼻血が出そうだぜ…
俺の中の獣が暴れまくりんぐ!!』
後のコウキ「その時は期待で胸いっぱいでしたよ、えぇ。でも、
まさかあんな事になるなんて……」
ドザアァーッッ!!
コウキ「何で急に土砂降りになりやがんだよおぉぉぉーっ!?」バシャバシャ
スモモ「と、とにかく荷物は諦めましょう!早くどこかで雨宿りしないと
風邪ひいちゃいます!」バシャバシャ
コウキ「畜生…あ、おいスモモ!あれって建物じゃねぇか!?
あそこで泊めてもらおうぜ!」
スモモ「は、はい!」
かくして2人はハクタイの館へ…
巨大な館は不気味にそびえ立っていた…
ギイイイィィィィィ~……
スモモ「こんばんは~…どなたかいらっしゃいませんか~…?」
コウキ「っつーか薄気味悪い屋敷だなオイ…庭一面に弟切草が生えてたし…帰りてぇ…」
スモモ「誰もいないみたいですね…あ~ぁ、おニューのワンピースが
びしょ濡れだよぅ…」
コウキ『ぅぁ…白いワンピースが濡れて、下着が透けてやがる…
っつーかこいつノーブラじゃねーか!イカンイカン!鎮まれ俺のポケットモンスター!!』
スモモ「すみませーん!…お留守なんですかねぇ?」
コウキ「っつーか単に空き家なんじゃねーの?俺も前にココ入った事あるけど、
誰もいなかったぜ?」
スモモ「そうですか…でもどうしましょう?」
コウキ「え…あ、あぁ…しょ、しょうがねぇから今日はここに泊まるか?
も、もちろん部屋は別々にな?」
スモモ「…別々なんてイヤですよぅ…」
コウキ「へ?」
スモモ「こんな広くて暗いお屋敷なんですょ?ずっと一緒じゃないと…怖いです…」
コウキ「え…あ…」
346 :。:2006/12/08(金) 09:27:02 ID:???
コウキ「ず、ずっと一緒って…ずっと?朝になるまで?」
スモモ「……」コクコク
コウキ「ね、寝る時もか?」
スモモ「……」コクコク
コウキ「ふ、風呂は流石に…」
スモモ「……」コクコク
コウキ「ま、まさか…トイレも…?」
スモモ「……」コクン…
コウキ「…ス、スモモ…!」ギュッ!
スモモ「あっ…コ、コウキ君…私…お、お風呂に入りたいです…」
コウキ「…一緒に?」
スモモ「はい…」
後のコウキ「あの時は幸せの絶頂でしたね。
まぁすぐに絶望のズンドコに叩き落とされるんですけどね……」
スモモ「…あれ?ちょ、コウキ君!あそこに誰か倒れてますよ!?行ってみましょう!」タッタッタッ
コウキ「…え?えぇ!?誰か住んでたってぇのか!?」タッタッタッ
スモモ「解りませんけど…って…」
コウキ「ナ、ナタネ!?」
薄暗い廊下の真ん中にナタネは横たわっていた。
いや、正確には「それ」は過去にナタネと呼ばれていたものだが。
ナタネの身体には無数のナイフが突き刺さっていたのだ。
床一面を赤く染め上げ、ナタネは絶命していた…
コウキ「うわああああああああああああ!?な、何だよ…何だよこれぇっ!?死んでるじゃねーかよぉっ!!」
スモモ「そんな…ナタネちゃん…どうして!?」
ギィ……ギィ……
スモモ「この音…隣りの部屋から?誰かいるの!?」タッタッタッ
コウキ「お、おい!待てよスモモ!!」タッタッタッ
スモモ「……!!」
コウキ「どうしたんだよスモモ?何があるん…だ…よ……」
348 :。:2006/12/08(金) 10:23:05 ID:???
そこは食堂だった。広さがジムほどもある食堂には大きなテーブルと巨大なシャンデリアが。
そして、その見事なシャンデリアにぶら下がっている小さな影…
コウキ「ひ、ひいいいいいいいいいいいいいい!!」
スモモ「ヒョウタ君!?そんな…」
ギィ……ギィ……
シャンデリアのすぐ真下にヒョウタがいた。首とシャンデリアを荒縄でつながれて…
コウキ「な、何がどうなってんだよ!?何で2人が死んでんだよおぉ!?」
スモモ「わ、解りません…私にも何が何だか…」
コウキ「に、逃げよう!こんな所にいたら俺達だってどうなるか!」
スモモ「は、はい!」
2人は出口に向かって全力で走りだした。しかし…
コウキ「お、おい…誰か出口の前に立ってるぞ!助けてくれえっ!!」
スモモ「コウキ君待ってください!何だか様子がおかしいです……
あ、アナタは誰ですか!?」
スモモが声をかけると、出口の前の大きな人影はゆっくりとコウキ達に歩み寄る。
ズル…ズル…と何かを引きずる音と共に…
コウキ「おい…嘘だろ…マジかよぉ…」
もはや半泣きなコウキは見た。ホッケーマスクをかぶった筋骨隆々の大男が、
血まみれのスズナを引きずりながら歩く様を…
殺人鬼「ふしゅるるるぅ~…コ…ロ…ス……」
コウキ「エヘ…ヘ…ヘヘヘ…お、俺…死んじまうのか…」
スモモ「コウキ君…私が食い止めます…だから…コウキ君だけでも…」
スモモの決意の言葉を遮り、コウキはスモモの前に立つ。
ヒザが局地地震のように盛大に震えていたが…
コウキ「そ、そういうのは男の役目だろ…お前を死なせてたまるかよ…ヘヘ…」
スモモ「コウキ君…わ、私…」
コウキ「出ろ!パルキアぁっ!!」
パルキア「パルパルパルパル…!」
スモモ「……え!?」
コウキ「殺られる前に殺る!あくうせつだんで皆殺しだぁーっ!!」
殺人鬼「え、ちょ、そこまでやるなんて聞いてねぇって!誰か止めろーっ!!」
スモモ「コ、コウキ君やり過ぎですってば!みんなも止めてくださぁーい!!」
349 :。:2006/12/08(金) 11:23:04 ID:???
コウキ「万象一切灰燼と化せぇーっ!!アヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
バターンッ!ダダダダダダ…
ナタネ「ちょっとコウキ君!目を覚まして!」
ヒョウタ「落ち着けって!あれは殺人鬼じゃなくてただのマキシさんだから!」
デンジ「俺達が手足を押さえるから、ナタネは早くパルキアをヒールボールに帰すんだ!」
スズナ「コウキ君!アタシまで巻き添えにしようとは良い度胸じゃないの!」
マキシ「やっぱりやめときゃ良かったーっ!」
スモモ「うぅ…もう無茶苦茶だょ…」
10分後、仁王立ちするコウキと、正座する6人のジムリーダー達。
コウキ「…で?誰の悪知恵だ?」
ヒョウタ「いや…実はこないだの定例リーダー会議でメリッサさんがいきなり
『愛の吊橋効果』について語り始めてさぁ…」
ナタネ「多分『スピード』とか見て思いついたんでしょうけどね…で、実際に試してみようって話になったのよ」
スズナ「でも私達の中で特定の相手がいるのって、スモモちゃんくらいしかいなくてさぁ」
スモモ「エヘヘ…」テレテレ
コウキ「笑ってんじゃねーよ!!」ゴツン!
スモモ「痛っ!?うぅ…」
コウキ「ったく…大体マキシさんもマキシさんだよ。
アンタ大人だろ?何でこんなイタズラに付き合ってんだよ?」
マキシ「仕方なかったんじゃ…
大晦日のプロレスイベントの特別リングサイド席をもらってしまっては…」
コウキ「たかがプロレスのチケット如きで釣られんじゃねーよ!!」
マキシ「何を言うか!メインイベントはリザードン永田VSバシャーモ斎藤の
炎の頂上決戦だぞ!?漢なら特リンで観戦するべきだろう!?」
コウキ「知るかあぁっ!!」
デンジ「みんなはちゃんと見せ場があって良かったじゃないか!
俺は1人淋しく風呂場で犬神家の一族やってて危うく死ぬ所だったんだぞ!?」
コウキ「うるせぇしうぜぇ!むしろそのまま死ねっっ!!
…で、肝心のメリッサさんとトウガンさんは?」
ヒョウタ「メリッサさんはコンテストに出てる。
父さんは家で『渡る世間はオニゴーリ』見てる」
コウキ「ったくどいつもこいつも…」
スモモ「あの…コウキ君…その…」
スズナ「…そろそろ雨もやんだかしら?じゃあ私達は帰るわね」
ナタネ「ええ、そうしましょう。じゃあスモモ、頑張ってお説教されてね~」
スモモ「えぇっ!?そ、そんなぁ…」
350 :。:2006/12/08(金) 12:42:46 ID:???
コウキ「……」
スモモ「……」
コウキ「…反省してんのか?」
スモモ「してます…試したりしてごめんなさい…」
コウキ「…今日の俺は何点だ?」
スモモ「仕方ないとは言え、怖がり過ぎでした。0点です」
コウキ「ば、て、てめぇ!」
スモモ「でも最後は震えながら私を守ってくれました…だから1000点です♪」
コウキ「…ま、まぁ解れば良いんだけどな!さて、俺達も帰るか…」
スモモ「え?泊まっていかないんですか?」
コウキ「え?」
スモモ「お風呂もまだ入ってないですょ?それに…おトイレにも行きたいですし…」モジモジ
コウキ「ス、スモモさぁーんっ!!」ガバァッ!
ナタネ「雨あがってるわね。ちょっと暗いけど帰りましょ」
デンジ「あぁ。次回は八ツ墓村でチャレンジさせてくれ」
ヒョウタ「何だかんだ言ってノリノリだったのか…てか次回は無いでしょ」
デンジ「いや、是非また来てくれと言われたんでな」
スズナ「え?誰に?」
デンジ「屋敷の執事らしき老人と少女にな。
若干身体が半透明だったが、中々気さくな人達だったぞ」
ヒョウタ「……マジで?」
スズナ「ね、ねぇ…それって…」
マキシ「まさかとは思うが…」
ナタネ「ひょっとして…本物の…?」
コウキ「ぴぎゃああああああああああああああああああああ!?」
ナタネ「あ…」
デンジ「おぉ、中々激しいな。若さってヤツかなぁ、ハハハハハ」
全員「「「「…………」」」」
最終更新:2007年01月04日 22:48