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1乙SS・ミカン


20 :ドラーモン ◆Op1e.m5muw :2006/12/14(木) 21:39:28 ID:???

【1】は今日もナギサシティに来ていた。
ナギサシティのシール売場は、曜日によって品物が変わるので毎日足を運ぶ必要があるのだ。
いつものように買い物を済ませると、その足で海岸に向かう。
そこにはいつも海の彼方を見つめている不思議な少女がいるのだ。

「……やあ」
海岸に立たずむ少女は【1】を見るとパッと顔を輝かせる。
「今日もシールを買いにきたの?」
「ああ、それともうひとつ」
少女が首を傾げる。
【1】はそんな様子を楽しみながらこう言った。
「ミカンに会いにきたんだ」


ミカンとの初めての出会いは五日前。
ナギサシティの海岸から遥か遠くにあるというポケモンリーグの会場を一目見ようと砂浜に来たときだ。
「うーん、やっぱり見えないか」
目を皿のようにして海岸線を見つめていたが、目指す会場は見えない。
何度か試し、いい加減帰ろうかと思ったときに彼女…ミカンが現われたのだ。
「なにを、見ているんですか?」
その少女の不思議な迫力に押されて、先程まで行なっていた行為を説明する。
「ポケモンリーグの会場ですか……ちょっとしゃがんでみてくださいませんか?」
【1】は怪訝そうにしゃがみこむ。
ミカンはそんな【1】の背中に回り込むと、その肩に足を掛けた。
「ななな、何を!」
「肩車ですよ、それなら見えるかも」
狼狽する【1】にミカンは真面目に答える。



21 :ドラーモン ◆Op1e.m5muw :2006/12/14(木) 21:40:16 ID:???

もう足を掛けられてしまった以上仕方ない、【1】はミカンを担いで立ち上がった。
「わわっ!」
頭の上から白い布がかぶせられる。
それがミカンのワンピースだということを理解するのに数秒かかった。
『なんか俺ってヤバい格好なんじゃないか?』
両の頬に当たる太ももが暖かい。
「見えませんね……」
ミカンの声だけが聞こえてくる。
「はぁ、ダメか」
「きゃっ!」
【1】のため息が太ももを刺激し、びっくりしたミカンのバランスが崩れて>>1とミカンは砂浜に倒れてしまう。
「いたた……あ、自己紹介がまだでしたね。あたし、ミカンっていいます」
「あ、ああ、よろしく。とはいっても顔が見えないんだけど」
そう、【1】はワンピースの中に頭をつっこんだままだったのである。


それから二人はいろいろな話をした。
ポケモンの話、夢の話、旅の話、そして直されたスレタイの話。


二人は砂浜で腰を下ろし、ただ海を見ていた。
【1】の肩を枕にして寝ているミカン。
そんな姿をたまらなくいとおしく感じた>>1はその唇と自らの唇を重ねようとした。
「だめですよ」
目をつぶったままでミカンが制した。
「キスするならちゃんとケジメ、付けてください」
【1】は照れ臭そうに「好きなんだ」と言った。
そんな【1】の唇にミカンの唇が重ねられた。


それはミカンのように甘酸っぱいファーストキスだった。




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最終更新:2007年01月05日 21:44