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1乙SS・マキシマム仮面

19 : ◆xqjbtxNofI :2007/02/10(土) 22:56:32 ID:???

アタシは【1】。
今年の春からノモセ商科大学の学生になるの。
で、四月までいてもたってもいられなくなって、ちょっと早いけど田舎のズイタウンから出てきちゃった!

ということでノモセ不動産前。
「うーん、家賃6万以下で大湿原の見晴らし最高の部屋ってないかなぁ……」
何事もノープランで突っ走る【1】、もちろん事前に部屋など借りていない。
不動産屋の貼り紙を見て溜め息をつくしかなかった。
「はぁ……失敗したなぁ、自己嫌悪」
トボトボと不動産屋を離れる【1】。
とりあえず今日の宿だけでも探さなければならない。

「よ~う彼女!一人で何してんだい?」
背後から声をかけられた【1】は嫌な予感がしつつも、ゆっくりと後ろを向いた。
「ハーイ」
『やっぱり……』
声をかけてきたのはガムをクチャクチャと噛んでいるロン毛のチャラ男。
その左にはスキンヘッドの小男も嫌らしい笑いを浮かべて【1】を値踏みするようにジロジロと見回している。
「か~のじょ、俺らと楽しいことしようよ」
「へ……へへ……」
二人の男の目的は明らかだ。
【1】はふいと背を向けると、一目散に走り出した。
「ちっ、逃がすかよ!」
二人の男も【1】を逃がすまいと後を追いかけてくる。



20 : ◆xqjbtxNofI :2007/02/10(土) 22:57:32 ID:???

「はぁ、はぁ、はぁ」
日が落ちて暗くなってきた林を【1】は必死で走る。
しかし女性の一人身でトランクケースを抱えて逃げ切れるわけもない。
ほどなくロン毛のタックルをくらって倒されててしまう。
「ゼェゼェ、自分から人気のない所にくるなんて、誘ってんのか?」
「いや、やめて!大声出すわよ!」
ロン毛は仰向けに倒れた【1】の腹の上に腰かけると、ニヤニヤと笑った。
「今日はノモセ大湿原のクイック号竣工記念イベントだってよ、その騒ぎで街には声はとどかないぜ……」
スキンヘッドがトランクケースに結び付けられている名札を見ながらこちらにやってくる。
「い、【1】ちゃんっていうんだ……うへへ」

大ピンチだ。

『あぁ、こんな事ならベージュのブラじゃなくて勝負下着を付けてくればよかった』
あまりの緊急事態にどうでもいい心配をしてしまう【1】。
こんな事なら二ヶ月も早く来なければよかった。
皆の意見も聞かずにスレ立てを急がなければよかった。
しかし後悔をしても遅い。
「いい乳してんじゃねえか……拝ませてもらうぜ」
ロン毛の両手が【1】の襟元を掴む。



21 : ◆xqjbtxNofI :2007/02/10(土) 22:58:40 ID:???

【1】が純潔を失う覚悟をした瞬間、いやらしく歪んだロン毛の顔の右側が何か鈍器のようなもので潰された。
「ぷげああああっ!!」
上 にのしかかっていたロン毛がすごい勢いで左に吹き飛ばされる。
「な……」
【1】は目の前で起こった事実を必死に整理する。
ロン毛を吹き飛ばした鈍器は、丸太のように太い腕から繰り出された拳。
そしてその拳の持ち主は上半身裸の覆面レスラーだった。
『なぜ、こんなところにレスラーが?』
ロン毛を助け起こすスキンヘッドに、覆面レスラーが指を突き付ける。
「ノモセの平和を見出す不良ども、このマキシマム仮面が成敗してくれる!」
「マキシ……なんだって?コイツやべえよ……」
覆面レスラーの異様に圧倒された二人の男はヤバい雰囲気を察したのか、何も言わずに退散する。

「お嬢さん、無事だったかい?」
マキシマム仮面と名乗った男が倒れている【1】に手を差し出す。
【1】はゆっくりと手を差し出し、その大きな手を掴んだ。
『マキシマム、仮面、様……』
恐い思いもしたが、【1】は後悔していなかった。
『スレ立て焦っちゃったけど、これはこれでオッケーかな』
【1】は目の前の謎多きマスクマンに恋をしてしまったのだ。



22 : ◆xqjbtxNofI :2007/02/10(土) 22:59:43 ID:???

四月。
新生活が始まった。

結局【1】は大学の女子寮に世話になることになった。
八畳二人部屋、これが四年間を過ごす新しい世界だ。

「あーあ、今日も会えなかったな……マキシマム仮面様」
顔を赤くしながらマキシマム仮面ポスターを見つめる【1】。
それを呆れたように見ているルームメイト。
「ねぇ【1】、そんなにマキシ……いやマキシマム仮面に会いたいならノモセジムに行けば?」
その言葉を聞いてギロリと睨み返す【1】。
「あそこのジムリーダーはマキシとかいうオッサンでしょ!私が会いたいのはマキシマム仮面様よ!」
ルームメイトは溜め息をついた。
どこまで彼女の目は節穴なのだろう、こうなったらストレートに話すしかない。
「いや、だからマキシマム仮面はマk」
「じゃあ行ってきまあ~す」
ルームメイトの言葉も聞かずにさっさと出ていってしまう【1】。

「アタシ、マキシマム仮面様のお嫁さんになるのよっ!」



投下スレ


『スレ立て焦っちゃったけど、これはこれでオッケーかな』
この一節は、スレ立て時、独断で早すぎる新スレ立てをした【1】の
気持ちを表したもの。
宣言無しで早すぎるスレ立てを皮肉ったものとも言えるかもしれない。


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最終更新:2007年02月24日 17:23