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young leaf 続き20

479: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆07/31(土) 19:46:47
 のッちさま
胸ぎゅーってなりますか?私自分で読んでると何も感じないので分からないんですよ(笑)ありがとうございます!ラストまでもう少し……頑張りますね。

 瑠季さま
お久しぶりです(´ω`)最近見ないな~と思ってました…!
見守って下さりありがとうございました*
莉恵は寂しがり屋なので甘えさせてあげてください^^あ、響に怒られますね←

 あやさま
コメありがとうございます。
やっと、やっとです。私的に前完結出来てなかったので2年越しの恋愛成就ですよw

 お知らせ的な
この間の話の中で、denwaがNGワードになっているのか***になってしまいました……^^;


*


『そっかー……じゃあもう少しだね』

「うん……ほんとにありがと、沙耶」

あれから数日が経って、もう年末。だから寮を出て家に帰ってきている。今は、引っ越しのために荷物の整理をしたり捨てたりしていた。その途中で、沙耶と携帯で話をしていた。
全部説明して、ひと段落ついたところ。

寮を出るのは冬休み明け。ただ、荷物の出し入れがあるから寮と自宅を行ったり来たりしないといけないので、それまで自由に寮で寝泊まりしたり、自宅に戻ったり出来るみたいだ。

『それにしても……やっとくっついたって感じね。これまで長かったわー』

「いや、でもさ、最初は嫌いだったし……」

『そんなことないわよー?
あたしは薄々そうなるだろうって分かってたけど。無意識ね、莉恵は』

「ま、まじ?」

自分ではそんなこと全然思わなかったのに……沙耶の観察力はすごい。沙耶こそ次にバスケ部のマネージャーするべきじゃないのかな。

『大マジ。
でもあんたらって、一見お互いツンツンしてるけど二人になったらべたべたしそうよね~。
実はすごいバカップルっぽくない?』

「(ドキ……)」

強ち否定出来ないし、そうかもしれない。というのも、あれから数日会ったけど、事あるごとに向こうは体寄せてきたり、肩に手回してきたり、手握ってきたり、肩にあご乗せてきたり、急にぎゅーってしてきたり……かなりべたべたしてる、かもしれない。

「……って、響ばっかりじゃん」

すると、はあというため息が聞こえてきた。

『そりゃそれが普通じゃないの?もうじき離れ離れになんのよ、しかもかなりの長期間……少しでも近くにいたいって思うのは当たり前。男の気持ちも考えて、あんたももっと甘えてみなさい』

「……」

『あ、今引っ越しの用意してんでしょ?じゃ、忙しいだろうしまたこんど連絡するわー、じゃあね』

「あっ……」

プツッ

(……)

あと少ししか一緒にはいられない、か……。
携帯を片手に少し考え込んでいると、お母さんが大きな紙袋を抱えて部屋に入って来た。

「沙耶ちゃんと話してたの?
あ、これあんたの昔の図工の作品いっぱい出てきたんだけどどうする?」

「うわー……いいよ、捨てて」

私は昔っから美術や図工系だけはどうも苦手で、今その絵を見るのも嫌だ。

「そう?懐かしいじゃないの……」

そう言いながらぱらぱらと中を捲っていると、中からするっと小さめの画用紙が出てきた。そこに描いてあるのは小さな双葉の絵、だろうか。

「何これ?」

「あぁ、それね……覚えてない?」

昔を思い出してか少し笑いながらお母さんが言った。

「小学校に入る前、まだ小さいのにすごく絵が上手な桃ちゃんっていたでしょ。その子があんまり上手いから、負けず嫌いなあんたが描いたのがその絵。
お母さんにかっこいいタイトルつけて!ていうから、そのまま『若葉』でいいんじゃない?てお母さん言ったのに、英語が良い!とか言いだして。
結局そのまま英語にして『young leaf』って書いてあるわ」

そんなことがあったのか。全然覚えてない。……ていうか、

「むしろシンプルに若葉、の方が良いよね。なんか下手に英語にしててダサい」

けど、この絵は私にしてはまだ見られるものなんじゃないだろうか。これだけでも置いておこうかな、思い出として。

「そーね、置いときなさいよ、それだけと言わずに。
若葉なんて、まさに今のあんたよね……お母さん羨ましい」

「若葉、かあ」

かけがえのない高校時代。もうすぐ離れ離れになっちゃうけど、それでも消えることはない思い出。

「……あ、そういや莉恵。あんたなんか最近嬉しそうでしょ……男の子が出来たのね?」

「へっ!?」

いきなりそう言われ、思わず変な声を出してしまった。

「親には何もかも分かるから隠しても無駄!
良いわね、青春しなさい!若葉でいられるのは今だけよー」

そんなことを言われた瞬間、携帯がブーッと鳴った。
開いてみるとそれは着信で、まさに今の話題の中にいた人物。

「あら、お母さんお邪魔ね」

何て言いながらさっさと部屋を出て言ってしまった母親。何だかその雰囲気に圧倒されていた自分に苦笑しつつ、通話ボタンを押した。

「もしもしー」

『1月の5日と6日って空いてるか?5日はオフで、6日は部活昼からだろ。家来いよ』

(えーっと)

いきなりそんな本題を言われて戸惑うが、特に予定も入っていない。

『その二日間ちょうど親が家開けんだよ。寮から出てても良い期間にぎりぎりかぶってるから』

「……私、一応寮か家にいないといけない感じなんだけど」

「バレねえよ」

(まあね……まあいっか)

「ん、いーよ」

『分かった。家はまた教えるから。
じゃあ、ちゃんと泊まりの用意して来いよ』

「え?泊まりって、ちょっと待……!」


プツッ

と、泊まりとか聞いてない。


……泊まるってことは、


(そ、そういうコト……だ、よね?)


ど、どうしよう。急に心臓がバクバクいいだした。


480: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆07/31(土) 20:39:58






――ピンポーン

(け、結局来ちゃったよ……お泊まり道具しっかり持って)


*


沙耶に報告した時は大変だった。やれそういう意味に決まってる、だのしっかりいちゃついてこい、だのちゃんとゴムつけなさい、つけなかったら急所を蹴って逃げて来いだとか(なんていうかすごい剣幕だった)

「ま、まあ……まだ昼間だし?とりあえず……」


ガチャッ


「お、早かったな」

「お、お邪魔します……!」


*


結構広い家で、居心地が良い。最初はリビングでテレビを見ながらどうでもいい話をしていた。それから行ったのが、響の部屋なんだけど……

(ひ……響の匂いしかしない!!)←

最初の感想がそれ。まるで変態だけど、ほんとにそう思った。部屋には彼らしく物はあまりなくて、その分大きめのベッドが嫌でも目につく。

(……ん?)

「ねーこれ、中学の時のアルバム?見て良いー?」

「あ?あー、別に良いけど」

そんなん見てどうすんだ、的な空気を出されたけど、やっぱり自分の彼氏の昔の写真は見ておきたい……と思ったりするもんでしょ。

「わー、若い!あ、これ駿だ」

「あー、付き合い長いからな……」

それ以外にも、前に話を聞いた慎太郎君とか。それにしても相変わらず、目つき悪いなー、響。
それでも充分かっこいいんだけどね……。
最後まで見終わると、そこに挟まれていた数枚の写真。

「……!」

そこにあるのは、文化祭かなんかだろうか、女の子との2ショットの写真が大量に出てきた。
え、しかも全部違う女の子じゃん。何これ。

「あー、俺はいらねえって言ってんのに一々焼き増しして来るから、まとめてそこに全部挟んだ」

いや、いらないんなら捨てるべきでしょ……

「捨てんの面倒だったんだよ」

いくら中学時代だとしても、女の子はみんな可愛いし嬉しそう。私なんて、まだ2ショットも撮ったことないのに……
俯いていると、響が携帯を弄りだした。(このタイミングで?)

「おい」

「え、な……んっ!」

いきなりキスされて、え、何でこうなってるのと思っている間にパシャっという音。そして唇が離された。

「ほらよ」

「へ……な、何撮って……!!」

見せられた携帯の画面にあったのは、たった今のキスの写メ。は、恥ずかしすぎるんですけどぉ!?

「この写真は捨てといてやるよ。妬いたんだろ?」

ニヤリと笑われ、一瞬何時も通り「んなわけないでしょ……!」と言いかけたが、やめた。

「……妬いた」

「、珍しく素直じゃねーか」

「だ、だって……」

ちょっと考えたんだもん。沙耶に素直になれとか色々言われたから。


「……好き、だもん。他の女の子と居られたりしたら、い……嫌だし……不安になるし、ずっと側に、いたい……」

(て、何言ってんの私!?)

いくらなんでも素直になりすぎだろ、そう思いぱっと顔を上げると片手で顔を押さえている響。かすかに顔が赤い、気がする。

「……あんま可愛いこと言うんじゃねー」

「っ!」

ぐいっと腕を引っ張られて、気付いたら腕の中にいた。
そのままごろんと横になる。ぎゅーっと強く抱きしめられたから、私も強く抱きしめ返した。

「……あのよー」

「?」

「悪ぃ、夜までもたねーかも」

「……!!」



「……何でそこで全力で離れんだよ」

「っだ、だって……
あっ!ご飯、オムライス作ったげる!ほらもうそろそろ夕方だし?」

「……ちっ」

この人今舌打ちした?したよね?こ、怖いんですけど。とりあえず夕飯を作るためにキッチンまで逃げた。


481: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆07/31(土) 21:24:02
「……」

「……おいしい?」

「……あぁ(ぼそ)」

「……」

「……」

(空気重っ!)

どうしよう、これ完全にさっきの私のせいだよね。結構オムライスは自信あるのに……!!
別に私そんなに悪くないよね…… まあ、恋人同士だけど。

(……)

い、嫌だ。せっかくの最初で最後のゆっくりまったり出来るデートがこんなになるなんて。せっかくの時間、大事にしたい。

「……分かった、分かったから!ごめん。何でもするから許して!!」

「じゃあ風呂入るか」

「……へ?」

「一緒にな。もう沸かしてあっから。ごちそーさん、上手かったぜ」

食器を流しに直して、唖然とした私の前を素通りしていく。

「おい早く来いよ、湯冷めるぜ」

「……ちょっと!!一緒にお風呂!?無理……い、嫌ぁ!!」

無理やり抱えられてじたばたする。ちなみにお姫様抱っこ何て可愛い抱かれ方ではなく、所謂俵担ぎというやつだ。そのまま脱衣所まで連行されてしまった。

「……んなあからさまに嫌がんなよ」

「……っ」

一瞬傷ついたような表情に見えて、胸がズキっとした。

「……じゃ、じゃあ先入ってて。後から入るから」

「……分かった」

横で響が服を脱ぎだしたので、慌てて体の向きを変える。

「先に洗っとくから。絶対来いよ」

そう言われた時の声や雰囲気的に、にやりと笑っていた気がする。あれ、さっきから全てにおいて嵌められたと思うのは私だけ?

(……恥ずかしすぎる!!)

仕方なく服を脱いでしっかりとタオルを体に巻きつける。恐る恐る風呂に入ると、先に湯船に浸かっている大きな背中が見えてドキドキした。

「……何でタオル巻いてんだよ……」

(何そのあからさまにがっかりした感じ!?)

「つーか一緒に風呂入んの初めてじゃねーよな」

「!……(そ、そうだった気もする)」

確か前の時は散々だった記憶も……いや、思い出さないでおこう。

とりあえず、(背中に痛いほどの視線を感じながら)出来るだけ隠して髪の毛を洗い、超特急で体を洗う。体を洗った直後にまたしっかりとタオルを巻きつけて、湯船に浸かった。

ぴちゃっ


「……!」


後ろからお腹に腕が回ってきて、静かに引き寄せられた。ぴったりと響の胸の辺りと、私の背中が密着する。タオル越しでも鼓動を感じた。

(……)

は、恥ずかしいことに変わりはないけど、

(これ、すっごい気持ち良い……かも)



「……好きだ」

「っ!」

耳元で息混じりにそう囁かれる。それだけでもう逆上せてしまいそうだった。
そのまま首筋に顔を埋めて、ちゅっちゅっと軽いキスを落とされる。

「んっ……ちょ……くすぐったい、よ」

身を捩って耐えていると、不意にタオルの巻き終わりを引っ張られた。

「ひゃっ!ちょ、タオル落ちるっ……!」

男の人の力に適うはずもなく、ずりっとタオルを下されてしまった。そのままお湯が入り込んできて、どんどん体から離れていく。ほとんど裸が丸見えだ。

「隠すには勿体ねぇよ」

「ぁっ……!んゃ、はっ……」

後ろから胸の中心部を触れられて身体がびくんと震える。
もう片方の手で顎をくいっと掴まれ、無理やり後ろを向かされる。そして自然と唇が重なった。ほぼ同時に舌が入り込んでくる。

「んっ……ぁ、は……」

体勢がきついから気付いたら向かい合わせの状態になっていた。お互いの身体にしっかりしがみ付いて、夢中で舌を絡ませ合う。
もうこれ以上息が続かない、そう思ったと同時に唇が離れた。ぺろりと響が唇を舐めて、その行為に何とも言えない色気があった。

「っ……」

「どうした?」

「な、なんか、……響が色っぽいんだもん」

そう言うとおかしそうに吹き出された。そして、ぎゅっと抱きしめられる。自分の胸が当たってるのと、響のそれが私のお腹辺りに当たっているのも感じて、かなり恥ずかしい。密着しすぎだ。

「それはこっちのセリフだ。頬赤くして、微妙に涙目で、髪は身体にはりついてるし……」


俺、もう限界だわ。


そう囁かれたと同時に、お湯から抱きあげられた。今度はお姫様抱っこで、でも裸だから恥ずかしすぎる。

「せ、せめてタオル……!!」

「どうせ中まで全部見るから気にすんじゃねえ」

(な、中まで!?)

さっさとベッドまで運びこまれてどさっと落とされる。すぐさま響が覆いかぶさって来た。

(……!!)

こうなることは分かっていたけど、やっぱり改めて緊張してしまって、照れ隠しにこう言った。

「こ、こんなに二人とも濡れてたら、ベッドがびしょびしょになるよ……」

「いいんだよ、どうせ濡らすから」


(……)


何を言ってもきっと一緒だ、そう思い瞳をそっと閉じたらまた唇に優しいキスが降ってきた。


482: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆07/31(土) 21:54:46


―――
――――

「えっ……ま、待ってっ……!!そんな、とこ、ひっひゃぁぁっ!」

「良いなら、大人しく喘いどけよ」

「ひっ……そ、そこで喋っちゃ……あ、あぁっ!」

私の足を大きく割って、その間に顔を埋める響。こんな、こんな格好、いくら好きな人だからって抵抗がある。

「あーあ、びしょ濡れ。つか濡れすぎ。お前やばくね?」

そう言われ、指が二本同時に入れられる。確かにそこはもうびしょびしょだったから、ほとんどスムーズに受け入れてしまった。

「っ……!」

「力抜け」

どうしてもなかなか慣れないこの感覚。ゆるゆると指を抜きさしされ、身体がひくひく反応する。自分でも耳を塞ぎたくなるくらい、指を動かされるたびに中からとろりとした液体が溢れ出した。

「!ぁあ……!?んっやっ……!!」

もう一本さらに指を入れられ、計三本の指を中でばらばらに動かされた。それでもある程度それを受け入れてしまう。


「っ……もう、入れんぞ」

「え……っん、分かった」


両手をしっかりと握られ、真っ直ぐ目を見られる。いきなり言われたことに戸惑いつつも、私が頷いたのを確認したと同時に、響のそれがあてがわれた。

「っ……あ、ぁぁあああ……!!」

「つっ……力、抜け」

「む、無理っ…あ、はあ……っ!」

耳元にふっと息を吹きかけられ、それに弱い私は一気に力が抜けてしまう。その直後に、指とは比べ物にならない大きさのそれが身体の中心を貫いた。

「んゃ……っ!は、は……っ」

「……何で、泣いてる?」

「わ、かんな……多分、嬉しっ…はぅっ……」

「!!
あー、俺もっ……今サイコーに幸せだ」

手探りで腕を伸ばしたら、ちゃんとそれを受け止めてくれる。しばらく繋がったままで、息遣いが荒いまましっかりと抱き合った。

「……好き。大好き。離れたく、ない……」

ぽろぽろ涙がまた零れる。嬉しくて、大好きな人と一つになれたことが嬉しくて。ぎゅうっと足を絡めて深く深く繋がりあう。

「……絶対、離さねえ。ずっと、一緒にいてやるよ」

「っ……!あっあ……!!」

激しく打ちつけられて、頭がついていかない。ただ分かるのは、好きという感情と幸せだと思えることだけ。



「っ……!!」

「……好きだ、莉恵」

頭がすーっと真っ白になっていく中で、その声だけはしっかりと聞こえた。


484: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆08/01(日) 12:10:36
 あやさま
ついについにですよぉ(*´;ω;)ここまで持ってくるの、長かったです……私としても、長い道のりでした。嬉しいです^^
楽しみにしてくださりありがとうございます!


*



「っん……」

目を開けると、温もりを感じた。目の前にあったのは、鍛え上げられた逞しい胸板。

(そっか……き、昨日、しちゃったんだ)

それで昨日のことを思い出し、一人顔を赤くする。だから今お互い何も纏わぬ状態だ。

「ー……莉、恵?」

掠れた声がしたので見上げると、寝起きだからか目をとろんとさせた響が。正直、かなりレアだ。ていうか、可愛い……
思わず頬に手を伸ばす。

(ん……?)

何かがおかしい。そう思った途端、それは来た。



「っひゃ!?え、ちょ、嘘っ……」

「あー……お前のせいだからな、これ」

何と、昨日の夜中から繋がったままだったらしい。今また響のそれがどくんと波打って、その……また大きくなってて。何してんのこの人ぉ!?


「……もう一発すんぞ」

「や、ちょっこんな朝から……や、あぁんっ」




*





「朝から盛るだなんて、最悪……」

ようやく一通りの情事が終わって、未だベッドの中で腰を擦る。痛い、今日の部活に支障が出たらどうすんのよ……
ふくれっ面をする私の頭を撫でながら、

「お前が悪いんだよ……いいだろ今日くらい」

「……」

「……莉恵?」

(初めては、好きな人と……か)

その約束は、守れなかった。それを考えるとものすごく胸が痛い。だけど、


「……?」

ぎゅっと響にしがみついた。

「私の初めては、響だけって信じてるよ」

「!」

言うと同時に息苦しいくらいに抱きしめられた。とくんとくん、鼓動を感じて落ち着く。

「あぁ……分かってる……」

たとえ身体はそうでも、心は違うって信じるから。だから、大丈夫。




(あったかいなあ)

まだ昼まで時間はたっぷりあるから、もう少しだけこうさせておいてほしい。

今まで散々悩んで泣いて、ここまで辿り着いた。だけど、今の私は昨日までと少し違う。
これで、私は私の道を進める。もう大丈夫、この人のおかげで。


(しばしの別れは目前)


485: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆08/01(日) 13:11:25
(寒っ……)

時間が惜しい、そう思った時に限ってさっさと過ぎてしまう。もう私の寮の部屋は来たときと同様まっさらな状態になった。そして今日は、最後の学校。

「今までお世話になりました!」

一人で寮の門のところに立ち、頭を下げた。
最初はここで、部員達と同じところで暮らすなんてとんでもないと思ったけど。今では大切な私のもう一つの家だ。

「……またね」

ゆっくりと背を向けて、学校に向かった。

*


「「「じゃーん!!」」」

「え、えぇ!?何これ……すごい」

教室に入るなり、いきなり人ごみに揉まれて前がよく見えない。訳も分からないうちに中のほうに引きずり込まれ、自分の席に着く。すると机の上にあったのは、大きな二枚の色紙。両方にそれぞれクラスのみんなで撮った写真が飾ってあり、周りにはぎっしりと埋まったみんなのコメントが。

「嘘……」

急なこの引っ越しのことをみんなに報告したのは、冬休みが開けてからだ。そんなに時間はなかったはずなのに、こんなに……

「あーあ、泣かないの……」

「うー、沙耶~~……」

「そんなんじゃ安心して行かせられないよ~!」

「みんな……」

嬉しすぎる。優しすぎるんだよ、みんな……
すると、担任の由佳先生が入って来た。

「みんなで橋場さんに見つからないようにそれ、作るの大変だったのよ。喜んでもらえたみたいで良かった!」

「はい……あの、一年にも満たない期間だったけど、ほんとにみんな……ありがとうございました……!!」

思いっきり頭を下げる。すると自然にぱちぱちぱちと拍手が起こった。それにまた目頭が熱くなる。

「今日は最後だから、思いっきり楽しんでね」

「はい……!」

この学校に初めて来た時も、最初は広くて迷うんじゃないかと思ったけど今ではそんなこともない。色んなことがあって、本当に色んなことがあったけど、大好きな学校だ。

(ほんとにほんとに、大好き。ありがとう)

最後にふと色紙に目を落とすと、シンプルにボールペンで書かれたものが目に入った。

『泣くんじゃねーぞ』

「ふふ……」

名前さえ書かれてないけど、その文字といいそっけない言葉といい、よく知っている。その人らしくて何だか笑えた。


*



「飛行機までまだ時間あるけど、何か食べる?」

「んー……いーや、いらない」

空港で、ぼーっとこの前もらった色紙を見つめながら上の空で返事をする。たくさんの写真もしっかりトランクにしまわれている。
ちなみにお父さんとは向こうで合流することになっている。
確かにまだ結構時間あるなあ、どうしよう……と思っていたその時。

「莉恵ーー!!」

「橋場!!」

空港中に響くような大きな声。びっくりして振り返ると、見覚えのあるジャージを着た軍団がすごいスピードで走って来た。

(え、えぇ!?)

その軍団は私の目の前まで来ると、全員がはあはあと膝に手をついた。まさか、見送りに来てくれるなんて。

「間に合った……ほら、これ」

一番前にいた駿が、大きめの本?のようなものを渡してくれた。

「……わあ!すごい……」

それは、手作りのアルバムだった。見開きを見ると、折り紙を切り取ったような文字で、「ありがとう」と貼られている。中をぱらぱらめくったらたくさんの今までの写真や、みんなからのコメントが。

「俺ら、全然先輩に恩返し出来てなかったっすから……それ、必死で作ったんです」

「こんなすごいの……」

みんなにオフが少ないことは私が一番知っている。そんな中、これを作ってくれたなんて。
監督のコメントまで書いてある。

「監督は、見送りには来れねぇけど、頑張ってくれって言ってたぜ」

「ん……分かった。ありがとう」

実はこの間、監督と二人でゆっくり話したんだよ。それだけで十分だ。まさかみんなが来てくれるなんて。
嬉しさに言葉を失っていると、後ろの方からゆっくりと響が現れた。みんなは気を遣ってくれたのか、少し私たちの周りに空間が出来る。


「……ほらよ」

「?」

首筋に何やらひんやりとした感触。見るとそれは、リングの飾りがついたネックレスだった。

「綺麗……」

高そうで、だけど私が好きなような可愛らしいデザインだ。こんなものもらっていいんだろうか。

ゆっくりと、響の顔が近付いて来る。それに合わせて瞳を閉じる直前に、響の首元にも同じものが飾られているのに気が付いた。

「ん…ぁ…っ」

息を呑んだ思わず周りの目も気にせずに、たっぷり一分間は熱いキスを交わす。ゆっくりと唇を離すと、囁かれた。

「帰ってきたら……本物の指輪、やるよ」

「……!!」

それって……というように顔を見つめると、ふっと優しく笑われた。その笑顔にいつも胸がぎゅーっとなっていることをこの人は知っているのだろうか。


「……橋場。そろそろ時間だって」

遠慮気味な声がサイドから聞こえ、はっとする。最後にもう一度、私から軽いキスをした。

「……行ってくるね」

「連絡しろよ」

「うん」

もう泣かない。お別れのときまで泣いたら、笑顔を思い出してもらえなくなりそうだから。それに、私にはみんなからのアルバムと、このネックレスがある。そう思って精一杯の笑顔をみんなに向ける。

「私、みんなのマネージャーで良かった!
全国、絶対勝ってね。報告待ってるから」

「ったりめーだ!びっくりさせてやるからな」

「元気でな!めそめそすんじゃねーぞ」

「無理もすんなよー」

(みんなったら、すっかり私の性格掴んでるんだから)

搭乗口のほうへみんなと移動する。最後まで、その人の顔を見つめる。
中に入る直前、響に肩を掴まれた。耳元で囁かれる。

「誰よりも、莉恵、お前だけが好きだ。俺のとこに、戻って来い」

(響……)

胸が高鳴る。いつもなら、頬をかあっと染めてしまうかもしれない。だけど今日の私には、何だか余裕がある。
背伸びして、耳元にある言葉を囁き返す。
すると、一瞬響が目を丸くして、珍しく少し顔を赤くして笑った。

「上等だ……じゃあな」

「ん。行ってきます!」

いつもの、あのにっという笑みを向けられた。
私達バスケ部員に、しんみりした挨拶や泣き顔での別れなんて似合わない。優しい笑顔なんかじゃ務まらない、不敵な笑顔くらいが丁度良い。
それが、私達の形だから。



(幸せな時間をありがとう。たくさんの、色んな形の愛を知れたよ)



離れてしまっても、怖くない。だって、心は繋がってる。それにこの空も繋がってるって、よく言うしね。
最後にぎゅっとネックレスを握りしめて、私は歩きだした。もう振り返らずに、新しい道だけを見つめて。


FIN






486: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆08/01(日) 13:25:45
あとがき

完結……してしまいました!!なんとか500以内で。
今は嬉しいやら寂しいやらの気持ちでいっぱいです。
前作のときに放置してしまったのでこれこそは、と
思っていたのですがなかなか更新出来ないことも
多かったので心配でしたが……逆に最後の方の更新の
頻度はすごかったですね(笑)少し駆け足になって
しまいすいませんでした。
この小説は小説雑談の板にある保管庫さんに
500にいってから保管お願いしようと思います。

本当に、この作品には思い入れがあってとても
終わってしまって自分でも寂しく感じます……莉恵や
響に会えないなんて(←誰
だんだんとたくさんの方がコメントをくださるように
なり、どれだけ私が救われたか!!もう言葉に出来ない
ですが、ありがとうございました。どうぞこの私の
多大なる愛を受け取ってくださいな つ愛

今のところ次作品を書く予定など何もないのですが
このyoung leafの番外編的なものを書きたいなあと
思っています。私の中で、未来の二人の様子は最後に
書こうと思っているのですが、もし皆さんが

「こんな話(番外編)読みたい!」

というものがありましたらどしどし言ってやって
ください。喜んで書きますので(^^)
だから多分2のほうは番外編集のようになるかと
思われます。
あまりにリクエストが少ないと作者は寂しがり屋
なので、はい……たくさんの方に言ってもらえると
とっても嬉しいです。
その際、こちらをコピーして使ってください!

↓

1.お名前
2.書いてほしい内容
(誰と誰の話か・その内容、など)
3.傾向
(甘い話?シリアスな話?おふざけ?あはんうふんな話、など)←
4.何か私に質問がありましたら
(どんなふざけたものでも真面目にお答えしますwww
あ、荒らしは駄目ですよ)

↑


基本的に何でもOKです
例えば、莉恵と響が高校生だけど日本に普通にいる設定で
街中デート、だとか
話中での、あのシーンのこの人の心境を……!だとか

まあ深く気にせず書いちゃってください、私が
それなりに対応しますので(^ω^)←


それではリクお待ちしています。
本当にここまでお読み下さりありがとうございました!


493: 名前:葵 (3e6wZ9rNfs)☆08/01(日) 22:00:57
あとがきに追加
一つ書き忘れていたのですが、空港で莉恵と響が
別れる前に莉恵が響に囁いた言葉というのは
皆さんにお任せ……という形にします^^
一応私の中では決まっていたのですが、後から
これ想像させたらいいんじゃ?と思い(どんなだ笑)



.

番外編はコチラ。↓ ピコ森の現行URLです(保管庫管理者)
http://bbsnobbs.com/bbs/bbs05/test/read.cgi/karadatext/1280804529/l50

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最終更新:2010年08月11日 11:36
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