13: 名前:赤闇 (AldickGl/2)☆10/12(火) 05:31:42
「……聞いたことがないなぁ、その名前も」
上流貴族というものは大体知っているつもりだったが、まさか知らないことがあるとは思ってもいなかった。
だが、それも当然と言えば当然なのだろうか。歴史の闇に呑み込まれ、消えていった一族があってもおかしくはない。
「そうですか……やはり、私が死んだ後に衰退してしまったのでしょうか」
「……まあ、そんなに気を落とすなセシリア。俺なんかただの〝その他多数〟とかでしかないんだから」
がっしりとした体付きにカーキ色の軍服を纏う姿は確かに軍人その物だったが、その軍服も全く見たことのない型のものだ。
雪は確かめるように何度か頷き、自分の足下に落ちたままだった袋を拾い上げた。
「……それで、僕に接触してきた理由は何ですか? セシリアさん」
一番自分にとっては疑問であったそれを、雪は彼女の目を見て問うた。
「……えっと……その、大変言いづらい事なのですが…………」
もごもご、と口籠もり、恥ずかしがっているかのようにセシリアの首が目を逸らす。だがすぐに意を決したかのように表情を引き締め、雪へと視線を向けた。
「……私の首を、くっつけては下さいませんか?」
「………………えぇ?」
余りにも的外れのような、予想していなかった〝お願い〟に、彼は思わず間の抜けた声を上げて聞き返してしまう。
「だから、このお姫サマの首をちょちょいとくっつけてくれって話しだよ。簡単だろ、現代少年」
あっけらかんと言ってのけ、白髪の交じった短い金髪を掻き乱して欠伸をするゲーデに雪は「僕は雪です」と訂正してから溜め息を吐いた。
「えっと、聞きたいことが三つくらいあるんだけどいいかな。まず一つ目。何で首をくっつけたいの? あの世、っていうか……天国に行ったら、傷も何もかも元通りになるんじゃないの?」
肉体と霊体に負った傷は、所謂冥界や冥府、天国というところに行けば全て治るのでは? 雪は今までそう考えていた。だがもしかして違うのだろうか、なんて事も考える。
14: 名前:赤闇 (AldickGl/2)☆10/12(火) 05:32:37
「……確かにそうなのですが、何というか…………と、とにかく、これだけが心残りなんです」
慌てた様子で自分に告げ、軽くこちらに生首を差し出してくるセシリアーデを手で軽く制して、雪は指を二本立てる。
「二つ目。……二人とも、怨念や恨みの類は?」
ロンドン塔に留まる亡霊達は、死ぬ間際まで苦痛を感じ、息絶えていったはずだ。自分に無実の罪を着せた人間を、自分を処刑した人間を、今でも永遠にこの場に留まって呪い続ける。そうではないのか。
「ンなわけねーだろ。俺は元々戦死だったからそこまで恨みはねーよ」
「私も、同意見です。……もう過ぎてしまったことです。今更何を言っても私が生き返ることはないのですから、もう数年でそんな思考は打ち切りました」
口許に微笑すら湛えて口にするセシリアーデの言葉に、雪は眉根を寄せる。
「……自分が、無実の罪で殺されたとしても?」
「はい。……苦しまずに死ねただけ、私は幸せだったんです」
そんな発言、自分には一生できそうもない。これは彼女の生来の性格か、優しさか、それとも余程彼女ができた人間なのか。
「……そっか。すごいね、君は」
ほんの少し暗い影を落とし、雪はぽつりと呟けば再び指を立てる。
「えっと……そして三つ目。これが一番訊きたいことなんだけど……」
「何だよ」
「何でしょう?」
早くしろよ、と苛立っているような視線と、どこまでも優しい視線を一新に受け止めながら、雪は数え切れなくなった息を大きく吐いた。
「……仮に僕が首をくっつけるとして。僕は、セシリアさんの首に触ることができるの?」
もう実体を持たない幽霊に、自分のような生身の人間が触れられるのか。まさか無理矢理魂を引っ張り出して、といったことをするのか、と雪はオカルトじみたことも一緒に考えてしまう。
「できます」
「できるから安心しろ、ソソギ」
「いや何で幽霊に触れるのかが分からない! それと何で首がくっつくのかも分からない!」
この際ゲーデに馴れ馴れしく名前を呼ばれようがどうだっていい。全く動じることもなく確信を持って言い切った二人に、雪は思わずそう声を張り上げてしまう。
15: 名前:赤闇 (AldickGl/2)☆10/12(火) 05:33:22
「私が心から思っているからこそ、貴方にも触れられるのです。だから、安心して下さい」
優しい声音はいつまでも変わることはなく、雪の耳に心地良さすら持って入り込む。
「そうだそうだ、女を助けてこその男だろ! ……お前、男だよな?」
「正真正銘の男です」
それをすぐさま男らしく低いながらも澄んだ声に遮られ、彼は顔を顰めてゲーデに言い放った。
「怖い怖い」なんて肩を竦める軍人を横目に、雪は諦めたように肩を落とし、自分の足下に拾ったばかりの袋を置いた。
「……ソソギさん?」
その場で大きく伸びをして、髪を手櫛で整えてから雪はセシリアーデに視線を向ける。とはいっても、糸目なのだからどのような目付きをしているのかまでは窺えないのだが。
「首、貸してくれるかい?」
今度は、彼女が間抜けた声を上げて疑問を示す番だった。
「え?」
「……くっつけて欲しいんでしょ? 今この場には僕しか居ないし、君がそれで成仏できるっていうなら、手伝うよ」
苦笑のような笑みを浮かべて、少し照れくさそうに言った彼の表情を見て、ほんの少し背が小さいだけの少女は手に持った自分の生首、その表情をぱっと明るいものへと変えた。
「おっ、やるねぇソソギ。……頼むぜ」
茶化したような前半の言葉とは違い、懇願のような励ましのような、曖昧な響きを持つ声。ゲーデの様子に雪は一瞬ぽかんとしていたものの、すぐにセシリアーデに向き直った。
16: 名前:赤闇 (AldickGl/2)☆10/12(火) 05:34:16
ゆっくりと両手を差し出し、その手に小さな人間の頭部を持つ。ずっしりと手にかかる重みとさらさらとした髪の毛の感触で、確かに自分が触れているのだということが理解できた。
頬を両手で挟み込むようにして持ち、ゆっくりと彼女の首へと持っていく。
白い骨や赤い血液、肉の見えた生々しすぎる傷口には流石に一瞬躊躇が芽生えたが、不思議と嫌悪感はなかった。
首と首との切断面をくっつけた途端、ぐちゅ、と粘着質な音が聞こえてくる。
まるで、この少女が今も尚生きているかのように。
そのままほんの少しずつずらして位置を調整し、怖ず怖ずと、これまた緩慢な動作で手を離す。
そうすれば、首には切断した後こそ残っていたがしっかりと頭部があるべき場所に存在していた。
「……一応、ただ乗っかってるだけってわけじゃないみたいだし……大丈夫かな?」
顎に指を当て、まるで授業中のように首を傾げながら、雪は上下左右、様々な角度から確認する。セシリアーデもまた、自分で触れたりして確認していた。
「うん、大丈夫だ。これで大丈夫」
何故だか達成感を感じながら、雪はうんうんと頷いて口許ににっこりとした笑顔を形作った。
「おー、こりゃまあ上手くくっつけたモンだな」
ゲーデが彼女の隣で感嘆の声を漏らすのもまた、嬉しくて堪らない。
自分が、何百という時を超えて一人の少女の無念――というには少し平凡すぎるのだが――を晴らすことができた。それが嬉しい。
しばらくは呆然とした様子で自分の身体を見たりするのを繰り返していたセシリアーデだったが、雪に視線を向ければ長い睫毛で縁取られた空色の瞳を細めた。
「……ありがとう、ありがとうございます。ソソギさん、本当に……ありがとう、ございます」
「いや、いいんだよ。実は僕も、上手くできる自信がなかったんだけど。……それと、後はこれかな」
今にも嬉し涙をぽろぽろとこぼしてしまいそうな程の様子で自分に感謝の念を告げてくる彼女に苦笑混じりに言い、雪はそこで思い出したかのように身を屈める。
17: 名前:赤闇 (AldickGl/2)☆10/12(火) 05:35:39
自分の足下に置いていた、土産の菓子やらが入った袋。その口を結ぶ桃色のリボンを解く。
「っと。ちょっと御免ね」
髪留めで留められることもなく、ただ下ろされていたセシリアーデの金髪を少し避け、彼女の首にリボンを通す。
そしてそれを蝶ネクタイのように首の前で結んでから、雪は今度こそ終了だと言わんばかりに息を吐いた。
「……どう? 首の傷隠してみたんだけど」
首に巻かれる、柔らかい布製のリボン。青白い肌には些か眩しすぎるが、雪からしてみればよく似合っていると思えた。
「よく似合ってるぜ、セシリア」
ははっ、と笑い、ゲーデは彼女の肩をぽんぽんと軽く叩く。
「……ここまで、して貰えるなんて……思っていませんでした。……もう私は居ない筈なのに、居てはいけないのに、……本当に、何とお礼を言ったらいいのか」
「気にしないで。首をくっつけるのはまだしも、リボンは僕の勝手な行動だから。でも気に入って貰えたなら僕も嬉しいよ、セシリアさん」
この世に存在していようといなかろうと、困っている人ならばどうしても助けたくなるものだ。少なくとも自分はそうだし、恐らく善哉であってもそうしたのではないか。
最初こそは恐怖と戸惑いでまともに口も利けやしなかったが、こうして見れば今の自分達と何ら変わりない、ただの一人の少女と男に見える。
「俺からも礼を言っておくぜ。……ありがとな、ソソギ」
「……いいんですよ、少しでも助けになれたなら」
こうしてかしこまって二人に礼を言われると、流石に少し照れを感じてしまうし恥ずかしい。そこまで大それた事をしたわけではない、と雪は思っていた。
その意思を告げようと再び口を開いた途端、今度はぱたぱたという小走りのような足音が近付いてくる。
それはセシリアーデやゲーデとは違う、明らかに生きた人間のそれ。
「……そろそろ、ですね。私はもう、この世に心残りはありません」
「俺もだ。……コイツと一緒にアッチに行こうじゃねーか」
セシリアーデの肩を抱きながら力強く言ったゲーデに、雪は冗談っぽくにやりと笑った。
「……彼女への告白ですか?」
「ばっ、ンなわけないだろ! 俺には一応妻も子供も居たんだよ! ……丁度セシリアくらいの娘がな」
がしがしと頭を掻き、ばつが悪そうにぼそりと呟いたゲーデに、流石に冗談が過ぎたかと雪は俯いてしまう。
18: 名前:赤闇 (AldickGl/2)☆10/12(火) 05:36:36
そんな彼の心境すら見透かしたように、ゲーデは笑った。
「でもいいんだ、俺は自分で守りたいものを守るために戦えたんだから。……クサいとか言うなよ、言ってる俺も恥ずかしいんだから」
雪とゲーデのやり取りを黙って見ていたセシリアーデはくすくすと笑い、少しだけ悲しげに目を伏せた。
「……ソソギさん。貴方のことは、あちらに行っても忘れはしません」
「僕も同じだ。忘れない。……といっても、忘れられそうにないんだけどね」
こんな奇跡にも近い出来事、一体どうすれば忘れられるというのだろうか。
もし綺麗さっぱり忘れられる方法があるならば、それを教えて欲しい。尤も、それを実践することは有り得ないが。
足音が次第に大きくなり、確実にその音の主が近付いてきていることを伝えてくる。
それもまた理解しているのだろう。セシリアーデとゲーデは、互いに笑みを浮かべ、ゆっくりと空気に融け混じるようにしてその輪郭をぼやけさせていく。
つい先程までは生きている人間のようにはっきりとした輪郭を持ち、透ける事もなくその場に存在していた二人が徐々に消えていくのを、雪は悲しげな光を宿した瞳で見つめていた。
「……ソソギさん、ありがとうございました。……また、生まれ変わってでも会うことができれば、素敵ですね」
「もしも本当に天国があって、生まれ変わりっていう概念があるなら……今度は、今の世界は、少なくとも世界中で戦争をしているような、物騒な世界じゃないから」
確かに、争いや飢餓という問題は絶えない。なくなることはないのだろう、と少し悟った気分にもなる。だがそれでも、彼女が今度生まれてくる世界は、果てしなく平和であって欲しい。
もう、無意味にその命を散らすことがないように。
「……そうだな、俺は是非ともコイツと一緒に生まれ変わってみてぇな」
最後まで絶えることない笑顔。最初は少し苦手とすら思えていたゲーデの笑みすら、今では名残惜しく感じてしまう。
今では既に声すら少し聴き取りづらい。それでも、雪は一字一句を逃さないように務めた。
それまで緩やかだったぼやけ方が、急にその速度を増していく。
「……さようなら、ゲーデさん。セシリアさん」
殆ど景色と一体になった状態の彼女らに届くよう、雪は涙を流すこともなく、声を上擦らせることもなく、声を上げた。
19: 名前:赤闇 (AldickGl/2)☆10/12(火) 05:37:27
別れの言葉が合図だったかのように、既に消える寸前にあった二人は完全に輪郭と色彩を失い、元から居なかったかのように掻き消えた。
現実離れしたその現象に、雪は虚空を見つめたままでその場に立ち尽くす。
そんな彼を現実へと引き戻したのは、丁度背後から近付いてきていた足音だった。
自分の名を呼ぶ声に肩を震わせ、ゲーデのときのように肩越しに振り返る。
小豆色の髪と紙袋を揺らしながら近付いてくる善哉に、雪はほっと息を吐いた。
「……善哉、どこに行ってたの?」
「それはこっちの台詞だ馬鹿。ちょっと速めに歩くだけで迷子ですか、ユキくんは」
そんな嫌味にも、雪は「仕方がないな」というように微笑で答える。
普段ならば、ユキと称せば面白いぐらいの反応を示してくれる彼が全く反応を示さないことに、善哉は不思議に思ったのかその顔を覗き込んだ。
「雪、お前何かあったのかよ。ユキって言って怒らないなんていつものお前じゃないぞ」
こつん、と頭を小突かれ、雪は笑ってそれを受け流す。
きっと善哉に話しても、このことは夢か見間違いと称されるに違いない。だって実際、自分だってあまりにも幻想的――もとい、ファンタジー的過ぎて呆然としているのだから。
一人の少女と、その保護者じみた一人の男。
ただ血塗られた歴史だけを凝縮したこのロンドン塔という城塞で、人間の闇以外の一面を見ることができた気がした。
「何でもないよ」
20: 名前:赤闇 (AldickGl/2)☆10/12(火) 05:38:28
ふふっ、と笑いリボンをなくした袋を大事そうに抱えた雪に、思わず空耳かと思ってしまうような声が届く。
風の音だろうか。誰かの話し声だろうか。草木が揺れる音だろうか。
男特有の低い声と、少女特有のソプラノ。その二つの声が、同時に『ありがとう』と言葉を響かせたような気がした。
二人の感謝の言葉は、空耳だろうか。
思わず頭上を見上げてしまった雪に、訝しげな表情で善哉は首を傾げる。それだけでは飽きたらず、更には彼の肩を掴んでかなり強めに揺さぶることまでした。
「おーい、雪。どうした? 眠いのか? 疲れたのかー?
自分が揺さぶられているせいか、彼の声が少し揺れて聞こえてくる。
むっ、と普段通りに顔を顰め、軽く善哉の手を叩いてその揺れを止める。大人しく手を離し、「悪い」と謝ろうと善哉は肩を竦めた。
しかし、次の瞬間にはもう雪は笑顔を浮かべていて、その謝るタイミングも逃してしまう。
「……雪?」
「…………今居る地球上の人間って、一体何人が『苦しまずに死ねたからそれだけでも幸せだ』なんて笑顔で言えると思う?」
〝苦しまずに死ねただけ、私は幸せだったんです〟。セシリアーデの言葉をなぞるように、雪は善哉に問い掛ける。
問われた善哉はと言えば、唐突すぎる質問に数秒ほど思考を停止してしまっていたが、ぽつりと呟く程度に口にした。
「そんなの、分かんねーよ。誰にも。苦しむ苦しまないに限らず、誰でも死にたくねぇはずなんだから。そもそも、死んだら誰も何も言えない。〝死人に口なし〟って、よく言うだろ?」
善哉の答えも分かる。誰しも、死にたくはないのだ。しかもそれが無実の罪であるのならば尚更。当然、自分も死にたくはない。
「……でもいきなり何でこんなこと訊くんだよ」
善哉に今度は問い返され、雪は少しだけ考える素振りを見せてから頭を振った。
「別に、何でもないよ。理由はないかな」
そう言い切れば清々しげに微笑んで、雪は自分の手を何かの感触を確かめるようにぎゅっと握る。
まだ、彼女の髪の感触が残っているような。そんな錯覚。
「ただ少し、いい思い出ができただけだよ」
Fun.
21: 名前:赤闇 (AldickGl/2)☆10/12(火) 05:55:29
◆後書き
お早う御座います、今日は、あるいは今晩は。
赤闇と申します。短編でこうして話しを書き終えるのは初めてだったりするのでちょっと興奮気味です。
普段はファンタジーでバッドエンド、シリアスなものばかりを考えて執筆していますが、今回は少し趣向を変えてみました。
この話しは、書き終えるまでにそこまで時間がかかりませんでした。累計して一週間もないと思います。
まあ、実際は今日で一気に書き上げたんですけどね。朝日が見えるぜコノヤロー。
ということで、以下。以下はこの作品を作るに当たっての紆余曲折とキャラのお話です。
元々この話を書こうと思った理由は、俺自身が拷問具や残酷な歴史などを通してロンドン塔に興味を持ったからでした。
中古本屋で買った本を少しばかり読んだらもう火がついてしまいまして、止まらなかったんです。
そしてふと「首をくっつけてくれないと成仏できない幽霊と、優しい男子高校生のお話が書きたい」と思ったんです。そう、これだけ。
少し俺の主観も入っているので、雪や善哉の発言が的外れに見えるかも知れませんが、悪しからず。雪の原爆発言は俺なりに考えたんです…(´・ω・`)
そして少し書き方を変えようと改行を入れたら何とまあ読みづらいwwwやっぱり俺にこの書き方は合わないと言いたいのですか、ゲーデさん(白目
理由はいつも、単純です。俺が初めて完結させた小説、「Want to return」も「グロい話が書きたい」だけでしたから。
それと裏設定ですが、この小説とWantはちょっとだけ繋がっているんです。本当に少しだけ。キャラで。
雪峯 雪
「ゆきみね そそぎ」と読みます。男の子です。
ちょこっと姓を変えただけで、元はWant to returnに出てきたサーベル使いの行峯くんと同じ子です。なので裏設定としてフェンシングで全国大会一位の成績を誇ります。
まさかただの出落ちでしかなかったコイツがここまで昇格するとは思いませんですだよ。
善哉 善哉
「ぜんざい よしや」です。間違っても「ぜんざい ぜんざい」ではありません。
名前の元ネタは俺が漢字クイズの善哉を「よしや」と間違えて読んだからです。ごめん善哉くん。安直で。
姓と名前が若干似ている所か全く同じ。ということで、似た姓名コンビとして今回雪くんと一緒に出してみました。案外お気に入りなんですよ。
ちなみに裏設定でコイツは剣道部です。案外似た者同士。
セシリアーデ=ルゥ=フェイ
金髪ドレスの中世のおにゃのこ。おにゃのこキャラは全体的に苦手ですが、大好きな子です。可愛いと思ってます、自分で。
モデルは雪くんの言っていたアン=ボレイン。首のない王妃の亡霊です。王妃じゃないけどお姫様だけど。
名前は浮かばなかったのでツイッターで急募をかけました。「マリー」や「ジュリエッタ」など多数の候補、有り難う御座いました。
ゲーデ=ギーディ
軍服のオッサンです。オッサンまじぱねぇ。
最初は軍人ではなく、セシリアちゃんを処刑した男だったんです。初期設定では断頭台の擬人化男。断頭台に宿った怨念などが人の形になったものという設定でした。
でもゲーデってぶっちゃけ、俺の書くファンタジー長編にいるとあるキャラの武器名なんですよね。どうしよ。
……中世の時代って軍服あったんでしょうかね。それだけが気掛かりです。
それでは、長々と綴りましたが、そろそろ後書きも締めさせて頂きます。
ここまで読んで下さった方、有り難う御座います。次からまた陰鬱なダーク野郎に戻ります。俺がほのぼのを書くとこうなるよー、って感じですね。
これを見て、拷問具に興味を持てとは言いませんが少しでも中世に対して興味を持って頂けると嬉しいかなぁ、なんて。
それでは、またどこかのファンタジーの世界で会いましょう。ぺこり。
22: 名前:赤闇 (AldickGl/2)☆10/12(火) 06:04:36
ああっと、書き忘れが…!
備考ですが、「苦しまずに死ねただけ~」の下り。
セシリアーデは描写や外見から分かるとおり、斬首刑(首を切り落とす処刑方)で殺されています。
ですが中世では斬首刑というのは一気に首を切り落とすのであまり苦痛がなく、貴族にのみ許された贅沢な死に方だったんだそうです。
当然それでも死にたくないので、本当に逃げ回った人も居るようですが。4回目でようやく首を切断できたという話しもありますから、処刑者の腕がよく、尚かつ抵抗しなければ即死できる死に方なんでしょうか。
参考書籍は「残酷と怪異 血塗られた真実の世界史(実業之日本社)」と「ウィキペディア(主にイギリス、ロンドン塔の項目)」です。
前者が俺的に物凄く好みでして。探してみるといいかもしれません。
それでは今度こそペコリと頭を下げてピュッと消えます。
最終更新:2010年10月16日 21:07