呪いの鬼ごっこ-助かる確率1%- 続き9

312: 名前:マロン☆01/02(土) 17:24:47
「痛い…!!痛いよ…!!竜君、手を離して?」


竜君がとてつもない力で私の肩を掴んでいる


痛いよ…なんで私はこんなに痛めつけるのに祐梨亜には同じことをしないの?


「…んで?何で私ばかり傷つくの?!!確かに私は悪いことを言ったかもしれないけど私ばかり痛めつけないでよッッ!!!」


私ははじめて竜君に反発した


「祐梨亜だって、私のことをたくさん傷つけているのに…
なんで、祐梨亜は傷つかないで私ばかり傷つくの!!?」


私は、目に涙をためながら竜君に怒った


いや、怒ったんじゃない怒りをぶつけたんだ


「祐梨亜なんて…祐梨亜なんて死んじゃえばいいんだ!!」


とうとう、私は心の中で思っていたことを竜君に言ってしまった


私の言葉を聞いた竜君は私をすごい目で睨みつけて私の頬をこぶしで殴った


「竜……君…?」


私は殴られた頬に手を当てる


殴られたところも痛かった。けど、殴られたところより心のほうがもっともっともっと痛かった


それからしばらく竜君は私を殴り続けた


何で…?何で私なの?


何で私ばかりこんな目に?


心が痛いよ…


身体も痛いよ…


315: 名前:マロン☆01/02(土) 18:09:54
竜君にさんざん殴られた私は気を失いかけていた


頬は腫れて、身体全体が痛くてたまらない


私のからはうっすらと涙が流れていた


「今度、祐梨亜が死ねばいいなんて言ったらお前を殺すからな!!?分かったか!?」


竜君は私の胸ぐらをつかんで私にもう祐梨亜が死ねばいいなんて言うなと叫ぶと私を壁に叩きつけるように投げてどこかへ行った


「痛い……なぁ…は…ははッ…うぅ…うっく…ひっく…」


竜君に殴られた私は身体が痛くてしばらく動けなかった


私は笑っていたけど目からは確かに涙が流れていて


なんで私が泣いているのか自分でもわからなかった


私はそれから数分泣いていた


これも全部、祐梨亜のせいだ……


祐梨亜がいるから竜君は祐梨亜に恋して私を痛めつけたんだ


祐梨亜がいなければ………!!!!


私は幸せだったのに!!


「なんで私がこんなに泣かなきゃいけないのよ…」


私はすっかり枯れた声で呟く


竜君に殴られた身体は少し動かすだけでも激痛が走る


だけど、このまま此処にいるわけにはいかない


私は、激痛が走る体で何とか立ち上がり壁に手をつきながら保健室へと向かった


保健室への道のりがやけに長く感じる


でも、何とか保健室にたどり着いた


保健室に着いた私は、保健室にある道具を鞄の中に詰めた


そのあとに私は、自分の体に湿布(しっぷ)やばんそうこうなどを張った


316: 名前:マロン☆01/02(土) 23:13:16
どうして、祐梨亜は私のものを全部取って行くの?


祐梨亜にこれ以上何が必要?何が欲しいの?


私が欲しいもの全部持っているのに?


その時、保健室のドアが開いた


「あれ…?未那?未那もどこか怪我したの?!」


その声の主は祐梨亜だった


祐梨亜は、懐中電灯で私を照らす


私はあまりにも懐中電灯の光がまぶしすぎて目を細める


竜君に殴られて傷だらけの体を見た祐梨亜は驚いた顔で懐中電灯を放り投げて私に駆け寄る


「未那ッ!!?一体どうしたの?!この身体中の怪我と頬の腫れ」


私に駆け寄った祐梨亜は、私の心配をしてくれた


あ…私すっかり頬が腫れているのを忘れていた


祐梨亜は、保健室にある湿布を私の頬に張ってくれた


「誰がこんなことを…こんなに未那を痛めつけて!!」


祐梨亜は私を痛めつけた相手が竜君だとも知らずに私を痛めつけた相手を許さないと言った


私の口元は自然とニヤけた





319: 名前:マロン☆01/03(日) 20:48:14
「ゆ…祐梨亜ァ…痛かったよ…殴られてとても痛かったよ…」


私は嘘泣きをした。私は、昔っから嘘泣きが得意なんだ!!


私が泣いたのを見た祐梨亜は、私をそっと優しく抱きしめた


「未那?誰に殴られたの?ユキちゃん?」


祐梨亜は私を殴った相手はだれかと問いかけてきた


祐梨亜…私を殴った相手はあんたが好きな人だよ!


「ぅっく…ひっく…竜君に殴られたの…」


私は嘘泣きをしたまま祐梨亜に私を殴った相手を伝えた


私が言った人物の名前を聞いて祐梨亜はしばらく固まったままだった


「未那…嘘でしょう?竜はそんなことしないよ?竜のまねをしたユキちゃんが未那を殴ったんじゃないの?」


祐梨亜が私の肩をつかむ


竜君とは違く軽く手を肩に乗せるくらいだった


「違わないよ…竜君が私を殴ったの…」


私は、下を向いて泣いたふりをした


でも、泣いたふりなのに本当に自然と涙が出てくる


なんでだろ?本当に泣くなんて私ったら変だな…


「で…でも、竜が殴るなんてめったにないし、何か理由があったんだよ!未那、何か竜を怒らせるようなこと言った?」


祐梨亜は、まだ、竜君のことを信じている


本当に竜君に殴られたのになぁ…


"親友"の言葉を信じてくれないんだ…


「…私が"1年前"のこと思いだして、祐梨亜なんか死ねばいいって大きな声で言っちゃってそしたらたまたまその場にいた竜君が怒りだして…ひっく…」


嘘…本当は、"一年前"も今もあんたなんか死ねばいいと思ってる


私の言葉から出た"一年前"と言う言葉に祐梨亜は私から目をそらした


「ごめんね…祐梨亜ァ。"一年前"の出来事なんかもうとっくに終わったことなのに思い出しちゃって…」


"一年前"のことなんか私の中ではまだ終わってもいないよ!!!


誰が、あんたなんか許すと思ってる!!?


一生許すわけないだろが!バーカ!!!


でも、もし、"一年前"のあの出来事がなかったら私は祐梨亜を恨んだりしなかったのかな?


いや、どっち道私は竜君が好きでたまらず祐梨亜を恨んでいただろう


私の選択肢はどちらを選んでも祐梨亜を恨む選択肢しかなかったんだ…


325: 名前:マロン☆01/04(月) 14:42:18
―一年前―

そう、私は一年前にこの中学校に引っ越してきた


お父さんの仕事の関係で大好きだった人とも、いつも笑い合っていた親友とも離ればなれになった


引越しのことは、春休みに入ってすぐに知らされた


私はショックだった


私の頭の中はぐるぐると回っている


嘘でしょう…?


だって…この町からは出ていかないって私、結華(ユイカ)と約束してそれでお父さん達もこの町から出ていかないよって笑顔で言ってたじゃん…


何で…?


 何で…?


           ナンデ…?


「転校なんて嘘でしょう?あはは…ほんと、嘘をつくのが上手だな~お父さんったら」


私は冗談だって…


嘘だって信じたかった…


だけど、お父さんは笑ってくれない


「嘘でしょ…?ねェ…嘘だと言ってよッ!!!」


私は、目からあふれ出す涙を必死にこらえながらお父さんに訴えた


お父さんは下を向いて


「すまない、未那。これは、本当なんだ…」


あぁ、今この瞬間が夢だったらどんなにいいことだろうか?


私は心の中で何度も思った


私が目を開けたらこの夢は覚めるの?


ううん…覚めないよ…


      ダッテ、コレハ現実ダモノ…


そうだよね…そんなことわかっているのに


分かっているのにッ!!!


私は、部屋へと走って向かった


ドアに鍵を閉めて、ベッドに体育座りをして泣いていた


だって…結華とお別れなんて嫌だよ!!


零(レイ)君を見てもうドキドキできなくなるなんて嫌だよォ


クラスの皆の顔を見れなくなるのは嫌だよッ!!!


その日私は一晩中泣いていた


331: 名前:マロン☆01/05(火) 22:49:39
泣きつかれていたのか気がつくと私は眠っていた


鏡を見ると目は腫れていた


今日は、いつもより早く起きたほう


だから、今日は早く準備をして私のほうから結華の家に迎えに行こう…


私は、結華を迎えに行くために朝食も何もかもすべて準備を終わらせた


そして、7時15分。少し早めに家を出て結華を迎えに行く


私の家から結華の家までは大体5分くらいでつく


私は駆け足で結華を迎えに行く


結華の家について私は玄関のチャイムのボタンを押す


結華のお母さんが出てきて


「あら?未那ちゃんじゃない!!ごめんね…結華、今朝ごはん食べているところなの。家の中に入って待っていてくれる?」


私は、結華の家の中に入る


「おじゃましまーす」


入ると結華が慌ただしく学校へと行く準備をしていた


342: 名前:マロン☆01/07(木) 20:28:16
学校へ行く準備を終えた結華と私は一緒に学校へと向かった


「未那のほうから迎えに来るなんて珍しいね?何?今日は台風でも来るのかね?」


結華が笑顔で私に軽い嫌味的なことを言う


いつもなら私も結華の嫌味に笑顔でいい返すけど


だけど、私は笑えなかった


「今日はノリが悪いね~?」


結華は心配そうに私の顔を覗き込んでいる


「結華…私、結華に話がある」


私の言葉を聞いた結華は不思議そうな顔をしていた


358: 名前:マロン☆01/14(木) 21:14:20
「結華…実はね?私、結華と同じ中学いけないんだ…」


私の言葉を聞いた結華は驚いていた


「う…そでしょ…?アハハ、嫌だな未那ったら!!面白い冗談だね?」


私の言葉を聞いて笑い飛ばす結華


結華の笑っている顔ももうすぐ見れなくなるんだ…


そう考えると胸がすごく締め付けられた


「結華…私が今言ったことは本当のことだよ…」


私は結華を見つめた


「未那…嘘でしょ?ねぇ!?嘘でしょ!!?」


私に問いかける結華


ごめん…結華…


私、結華にうそついちゃったね…




         本当にごめんね


だけど、結華は怒るどころか笑顔で


「だったら…未那が引っ越すまでたくさん楽しい思い出作ろうよ!!未那が引っ越し先でも寂しくないようにたっくさんおもいでを作ろう?」


結華は決して人前で涙を見せたりはしない…


いつも、誰もいないところで一人で泣いている


でも…私…親友だったから知ってるよ?


結華は泣くのを我慢するときって必ず髪をかきあげて誤魔化しているってことを…


だけど、やっぱり私を頼ってほしいよ…


だって親友でしょ?


親友にも黙って一人で抱え込むなんてずるいよ…


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最終更新:2010年12月22日 17:27
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