20: 名前:きゅん☆12/19(日) 00:35:08
「じゃ、第一回体育祭のための話し合いを始めます。」
「なんですか。その名前は…。」
一個目が体育委員長の言葉で
二個目が保健委員長の言葉。
教室の中の雰囲気が一気に温まる。
「別にいいじゃーん。」
加藤先輩が口を尖らせる。
「いけません。ちゃんとした会議なのですから。」
保健委員長―如月先輩…は学年二位の天才。
もちろん一位は勝とう先輩なのだけれど。
「はいはい。じゃ、礼!」
「そうたぁ!」
そんな感じで体育祭の会議が始まった。
21: 名前:きゅん☆12/19(日) 00:35:54
「じゃ、放送4人、器具が10人、対応3人、
整備が8人、3年生は全員トラックで
1.2年生から8人が演技。他は後で決める。」
順に正確に話を進める加藤先輩。
如月先輩は書記担当なのか、
無言で机に視線向けている。
「……やっぱり演技が余るかぁ。」
加藤先輩は如月先輩の肩に手をやる。
「じゃ、一年生の1.2組でよくね?」
如月先輩はどうでもいいように加藤先輩の手を払う。
「…こんな決め方は嫌だが、いいか?」
加藤先輩は眉間に皺を寄せて顔を顰める。
教室の皆は渋々といった風に頷いた。
「じゃ、決まり!
担当の委員長は僕だ!よろしくな。」
先輩は決まってない人はまた明日ということと
演技は明後日に細かいことを決めると言う事を伝えた。
「起立、礼!」
「「ありがとうございました!」」
そして終了。
そして廊下に出た瞬間、
莉子に肩を掴まれた。
「演技係、がんばろーね!」
………っあ!そうか。
あたし2組だ。
ってことは―――
加藤先輩と一緒ぉぉぉ!?!!?
22: 名前:きゅん☆12/19(日) 00:36:17
「それじゃ、組体操は男子でソーランが女子でいいな。
それと、PTA演技と生徒会演技があるんだが、
それは組でわけるな。1組がPTAで2組が生徒会の方。
大変だけど遣り甲斐のある仕事だから全力でな!」
『第一回体育祭のための話し合い』
があってから二日。
演技係の会議が行われた。
「先輩、そういうのは何時動けばいいんですか?」
1組の男子が尋ねた。
「仕事の2つ前の競技までには本部にいろ。」
先輩はにっと口角を上げて笑う。
「まぁ、予行練習があるから
詳しいことはその前日にある会議で決める。
他は大丈夫か?」
みんな笑顔で頷いた。
「じゃ、よろしく!」
そして礼をして会議を終えた。
23: 名前:きゅん☆12/19(日) 00:36:43
「それそっちねー。」
「これも?」
「それはこっち!」
「じゃ、これもだな。」
「そうそう。」
様々の会議を終えて、
やっと予行練習の日が来た。
「じゃ、分からないことがあったら聞いてくれ。」
加藤先輩はすごく張り切っている。
なんてったって先輩は前年のマラソン大会で1位!
だから4組のエースだそうだ。
きっとはしってるところもかっこいいんだろうなぁ。
そんなことを考えながら歩いていると。
――ドンッ
誰かにぶつかってしまった。
顔を上げると願った通りの人物。
「まただね。」
先輩の額にはうっすらと汗が光っている。
「何考えながら歩いてんの?」
先輩が空いたほうの手であたしの頭をくしゃくしゃにする。
先輩のこと……
なんて口が裂けてもいえない。
赤面していると先輩が微笑んだ。
「君、すぐ赤くなるよね。かわいー。」
冷やかすようにそういうと、
先輩は本部のほうへ行ってしまった。
か、かかか…かわいいだなんて。
最終更新:2011年01月07日 15:41