アルバム 続き1

26: 名前:夏色☆01/10(月) 17:56:19
第06話 MEА

先生に見つかった時、
「自分で屋上の物置に遊びに行ったら誰かほかの学年の子に鍵閉められました」

って、言った。

自分でも、不思議だった。

その日は、なんとなく、部活を顧問の先生に言って体調不良でさぼった。

まぁ、癌だし。
体調不良だよね!?

家に帰ると、置手紙があった。

―――――――――――

 真へ

 今日は、2人共仕事が残業です。
なので、そこに置いてあるご飯をレンジで温めてたべてく
ださい。

by 母親

――――――――――――――

そっか。



何故か、そのご飯は、異様にしょっぱかった。



……

次のひ、学校へ行くと何時も通り……では、無かった。

虐めをされなかった。

不思議だった。

私は、遅刻気味で来たから、先生はすぐに来た。

「今日、転校生がきた」

こんな時期、珍しい。

そう重いながらもドキドキしてた。

「入れ!」

そう言われてきたのは可愛らしい少女だった。

「はじめまして。 倉崎 芽亜 (クラサキ メア)です。
祖父が亡くなって、祖母が独りになるのでこっちに来ました」


へぇ。
大変だな。

そう、軽くしか考えていなかった。

休み時間、勿論倉崎さんの周りには、人がたくさん集まっていた。

倉崎さんは、迷惑そうな顔をしていた。

「えっと、あの。
それは……」



27: 名前:夏色☆01/10(月) 19:17:51


普通ここで助け船をやるべきか。

しかし、残念にそこまでしてあげる義理がない。

「ゴホッ、ゴホッ!」

こうやって、咳が出るたびあと2年なんだって思い知らされる。

「あ、あそこにいる田中 真、近づかない方が良いよ。
虐められてるから」

その瞬間を見逃さなかった。
倉崎さんの顔が青くなるのを。

「私、お手洗いに行って来ます」

そう言って、倉崎さんは席をたった。

「あ、場所わかんなく無い?」
「いいえ。 もう先生に教えていただいています」

「そっかぁ」

そう言って、教室を出た。

それを確認すると、岡原さんは……。

「ぷっ、あははははは! アイツ、くっれー!」
と言って、他の子と笑いだした。

「何が可笑しいの?」

私は、遂聞いてしまった。
「は? お前は、ひっこんどけ~」
「そーだ! 関係ねーし!」

そう言って、紙クズを私に向かって投げてきた。

勿論、命中。

もう……やだ。


……

お昼休みは勿論1人。
1人虚しく食事。

私手作りのお弁当。

私が、ふたを開けた瞬間。

パラパラ……

そこには見慣れぬものだった。

普通、ここは、消しゴムのカスとか、チョークの粉だろ。
でも、それは鉛筆の芯・シャープペンの芯だった。

「あはっ。 ごっめーん!
でも、それ美味しいから食えよ!」

「くーえ。 くーえ。 くーえ」

クラス中からのコール。

……怖い……。

そう思ってしまうのが私。

「食えよっ!」

山崎さんが私を抑え、
川上さんが口をこじ開けさせる。

そして、岡原さんが口の中にいれようとしてくる。


「やぁ、やぁらぁよ!」

口が開いてるから、上手に喋れない。

苦しい。




28: 名前:夏色☆01/11(火) 19:32:46
「何やってるんですかっ!?」

青ざめた顔をしながら、倉崎さんが叫んだ。

「あぁ!?」

イラッとした言い方をする岡原さん。

山崎さんも、川上さんの力が弱くなった。

私は、その隙に逃げた。

「ちょっ、お前!」

山崎さんが、声をあら上げる。

「逃げてっ」

倉崎さんが私の手を取り、走る。

そのスピードは速かった。
私は、倉崎さんに着いていくことしかできなかった。

「んはぁ、はぁ」

そこは、体育館倉庫だった。

「か、鍵閉めたから平気ですね」

「ゴホッ、ゴホッ」
「大丈夫ですか!? ゴメンなさい。
無理に走らせて!」

私は、おどおどしてる倉崎さんを見て『プッ』と吹きだした。

「大丈夫。 ハァ、ハァハァ。 
ハァ、ハァ、ハァ」

「でっ、でも」

「あそこにいるより、良いって」

私は、そう言って近くのマットの上に寝転んだ。

その隣に、倉崎さんが座った。

「私の秘密、教えて良いですか?」

倉崎さんの質問に疑問を抱いた。
普通、秘密って教えてもらいたいぐらいじゃん。

「私、前の学校で虐められてたんです。
それは、前の学校の先生も知りません」
「虐めって、どの学校でも有るのかな?」

「そうですね」

その言い方は、寂しかった。

「じゃぁ、私も」

私は、静かに語り始めた。

「あのね、私……。

前、親に暴力振るわれてた」

「っえ?」

倉崎さんは、驚いていた……。




29: 名前:夏色☆01/11(火) 19:43:36
第07話 約束


「で、その頃、暴力振るわれないように、一生懸命『優等生』を演じてた。

で、そのせいで虐めは受け……るし」

私は、自然と零れてきた涙を拭いながら話した。

「それで……、こんな世界にいたくないって何回も願った。
そしたらさ、次は、あと2年しか生きれないとかさ。
今更気付いた。
まだ、私は、生きたいって思ってることに」

倉崎さんは、眉間にしわを寄せながら聞いた。

「それって……、どういう事ですか?」

「受動喫煙って言って、人の吸った煙草の煙吸う事なんだけど……。
親吸ってんの、私も吸っちゃって……。

で、肺癌になったの。
だ……、から。
も……う。

2年しか、生きられないの。
お母さんたちとは、仲直りしたよ?

でも、辛いもんは辛くて」

私は、大粒の涙を流した。

「怖かったですね。
1人で。
虐め、虐待、病って。

どれだけ、田中さんは苦しむんですか?」


倉崎さんは、涙を私の為に流してくれた。

「倉っ崎さん!」

私は、おもっきり泣いた。

家族以外に話したのは、初めてだ。

「あ、誰にも言わないでね」

泣きやんだ私は、倉崎さんにそう言った。


31: 名前:夏色☆01/12(水) 20:37:25
「じゃぁ、私もっ!」

倉崎さんは、急に顔を近づけてきた。

「えっ、勿論守るよ」

「じゃぁネぇ……」
「今考えるの!?」

「うんっ、あっ! 私達は、お互い絶対に裏切らないこと!」

「勿論っ!」

私は、頷いた!

「ねぇ、私達って……、親友?」

急に倉崎さんが聞いてきた。

「え……?」

キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン


その時、鐘が鳴った。
いくらなんでも授業は放っておけない。

この前とは、違う。

今回は、自分達から入ったんだ。

親友かぁ。







32: 名前:夏色☆01/12(水) 20:45:44
親友ってなんだろ?

ずっと仲のいい友達?

心がとっても通じ合う友達?

何でも言える友達?

駄目だ。

心当たりが多すぎる。


私達が教室に来ると、すぐ岡原さんと目が合いこっちに来たが、先生が来たから一安心。


授業はなかなか進まなかった。

みんなが、何故かイライラしてるからのみこみが遅すぎたのだ。


なんか、空気悪いなぁ。




33: 名前:夏色☆01/13(木) 20:47:05
第08話 夢

そうこうしてたら、放課後。

クラス全員が、私と倉崎さんの事を囲む。


「お前ら、どこに居たんだよ!」

1人の男子が言った。
苛立っている様子。

名は、沖長 瞬句 (オキオサ シュンク)。

確か、岡原さんに恋してるとか。

まぁ、どうでもいい。

「学校に居たよ?」

私は、笑いながら言った。

「ゴホッ、ゴホッ。 ゲホっ」

はぁ、疲れるな。

「んなこと分かってんだよ!」

山崎さんが切れる。

勝手にしろよ。
なんて言って良い状況かろうか。

「だったら、聞かないでよ~」

私は、またしても笑った。
倉崎さんは、顔を青ざめていた。

大丈夫かな?

私が守ろう。

「てゆーか、倉崎さんもだよね?
なんで、そんな奴構う訳?

あ、もしかして虐められるの好き?」
「え、うぅ。 あっ」


戸惑っている倉崎さんを見て、岡原さんは強く攻めてきた。

「Mかよ! お前~。
新入生は、Mでーす。

って、校内にばらまこうかぁ?」

「いいねっ! てか、あれでもいいんじゃね!
『美人転入生は……! なんとドM!』とか」

と、川上さん。

私は静かに聴いていた。
今日は、部活休みだ。
全員。

今日は、忙しいらしい。
「おぉい! なんか言ってくれなぁい?」

岡原さんは、睨んでくる。

「睨まないでよ」


35: 名前:夏色☆01/14(金) 17:36:53
私は、そう呟いた。

そして、スクールバックを手に取り言った。

「倉崎さん、帰ろう」
「え。 ハイっ」

そう言って慌ただしくついてきた。





36: 名前:夏色☆01/14(金) 19:33:39
……


「倉崎さん」
「芽亜って呼んでください」

「うん」


ぎこちない返事。
決して良い状況ではない。

「田中さんの夢ってなんですか?」

急に芽亜が聞いてくる。

「えっ!? 何だろう」

今考えれば、真面目に考えた事ない。

「私は、獣医です」
「え?」

意外だった。
もっと大人しい職業って言うか。

「何時も癒してくれるペットが苦しんでいると言うのに、自分は何もできないなんて苦しいよ」

この話を聞くと、自分のペットが昔亡くなったようだ。

でも、悲しそうな顔をしていたから……聞くのは辞めた。

「私、何もない。
ていうか、考えた事ない。

多分、2年よりも生きたいって思ってながら、死 ぬって諦めてれる。
可笑しいね。
口だけだね」

「そんなことないですよ!」

芽亜がかばってくれた瞬間、悲しくなって涙がすごく出てきた。


……


「おはよう!」

今日も、勢い良く学校に着く。

「っはぁ。 うるせぇよ!」

そう言って、勢い良く誰かの机を蹴った。

ガターン!



私は、ハッとした。

「あ……れ?」

「あ、おはようございます!」

芽亜が私に挨拶をしながら教室に入っていた。

「どうしたんですか?」

芽亜が不思議そうに聞く。

私は、涙がこみ上げてくる。




だって、だって。


菊の花が置いてある。



有紗の机に。




37: 名前:夏色☆01/14(金) 20:41:24
第09話 ARISA

「ねぇ、なんで有紗の机に?」

私は、意味が分からなかった。

「自殺だとよ!」

……

「えー、悲しいお話をします」

担任の坂口(サカグチ)先生が暗い面影で話しだす。


「昨日、神田さんが首を……吊ったらしいです。

自殺らしいです。
発見された時は……」

私は、目がしらが熱くなった。

「何それっ!」

私は、つい大声を出してしまった。

「悩みあるなら……言えよ!」

岡原さんが、苛立ちを表す。

「遺書が見つかったらしいです。
その内容を読み上げます」

先生は、涙を流しながら読み上げた。

『私の大切な人へ

この自殺は、決して私が虐められていた訳ではありません。
私のクラスでは、虐めがありました。

それは、私も虐めていたのです。

親友の、真を。

もう、生きていていいのかどうか分かりません。

ごめんね。

お母さん、お父さん、お姉ちゃん。
クラスの皆。




さ    よ    う    な     ら。


     有紗より 』


「先生は、この『虐め』に気付けなかったことを深く……深く後悔しています。

だから、皆ももう『虐め』なんて辞めなさい!」

先生は、泣きながら言った。

「有紗っ、有紗ぁ」

私は、1人大きな声で泣いた。

「それと、田中さん手紙を預かっています」


私は、封をあけた。

『    真へ


最後の最後は、手書きでしょ!
今までゴメンね。 私、馬鹿だよね。
何があっても味方で居てくれた真を虐めるなんて。

苦しいの。 ゴメンね。

私が居なくなって喜んでるよね。
そうだよね。

ホントっ……ゴメンっ』


それは、悲しい手紙だった。

中学3年生で、あの世に行くなんて。

私は、有紗に力を貰った。

私は、勢いよく立ちあがった。


「先生、皆良く聞いて」

私は、真剣に話した。

「私は、2年後……、高2の時に死……にますっ。

自殺ではありません。 
この間、医者に宣告されました」


クラスがざわめく。








38: 名前:夏色☆01/15(土) 19:56:25
「このことを、有紗に伝えなくて良かったと思います。
私は、『肺がん』です。

理由は、受動喫煙と言い、誰かの煙草の煙を吸う事です。
悲しいです。

皆、死 ね死 ね言いますが、安心して下さっ。

わ、私は……、皆よッ……り、早く逝きます」

途中で、涙が勢いよく出てきた。

「ふざけんなよ!」

岡原さんは、勢い良く机を蹴った。

「それ、本当なの?
何で言ってくれないの!?」

先生が私に聞く。

「言える訳ないじゃん!
もし、言って! 言って……。

『なんだ、2年後の事か。 まだ先じゃん』
とか、言われたら悲しすぎるじゃんっ!

皆にとっては、まだまだかもしれないけど!

私は……、違うの!」


私は、つい怒鳴ってしまった。

「なんだよ! それ!
お前が、素直になってくんない限り、
本当の自分出してくれねぇと虐めは辞めねぇぞ!」

沖長君が言う。

「私だって、分かってるの!

でも……怖すぎるの」






39: 名前:夏色☆01/16(日) 13:35:42
私は、息を切らしながら言った。

「虐めが始まった時、1番に傷ついた理由を教えるよ。
それは、皆が見て見ぬふりをしたことっ!
有紗とは、幼稚園からの付き合いで親友だって思ってた。
それまで、1番長く付き合ってる友達が親友だって思ってた。

もう解決したけど、前までは、親からも『愛』を感じなかった。

その事、有紗には言わなかった。
有紗に悲しい顔させたくなかったからだよ!?
有紗がいれば、いれば!

なんでも乗り越えられた。
それなのに、虐めが始まった瞬間、有紗は何の躊躇(チュウチョ)も見せず私の事裏切った!

辛かった! 辛くて、辛くて!
虐めは受ける、親は最悪!
そして、病気にかかるし!
それから、私には妹がいました。
その妹は、川で頭を打って亡くなりました。
悲しかった!


もう、生きていて良い事なんてないって思った!
だから責めて前向きに生きようって思った。

そしたら、芽亜がやってきた!
これは、神様からの褒美なのかなって思った。

それで……気がついたの。
親友は、1番ずっといる友達じゃなくて、お互い信じあえて、何でも言えるのだった!」

私は、大きい声で言った。

先生は、俯いていた。
クラスのみんなも。

静まり返る教室は、とても寂しかった。

「私も」
芽亜が立ちあがった。

「私は、昨日その事聞いたんです。
嬉しかった。
私は認めてもらえる感じがして。

私は、前の学校で暗いからと虐めに有っていました。
あっちでは、友達と言える人物なんてこれっぽっちも居ませんでした。

でも、でも!
こっちでは、田中さんがいました。
親友の田中さんが悲しむことは私も苦しいです」

私は、こみあげてくる涙を必死に我慢した。
でも、通用しなかった。

「うぅ。 うぁぁ!」

私は、勢い良く崩れ落ちた。

私の大切な人がどんどん消えていく。

妹の琴葉。
大好きだった有紗。

こんなに不幸なのは理由があるよね?

神様。

私は、私の人生を作っておきながら、不幸にした神様を呪ってもいいですか?




40: 名前:夏色☆01/17(月) 19:38:49
第10話 生と死

その日、クラスのふいんきは最悪だ。
帰りの道。

芽亜とは、バラバラに帰ることにした。

独りきりの道は、どこか何時とどこか違う。


ポツ……ポツ……ポツ


アスファルトには、染みができてきた。
空を見上げると雨が頬に乗った。

「雨だ」

気がついたら、泣いていた。

有紗とは、2度と会えないんだ。
雨は、次第に強くなる。


その雨は、今の私の心の様だ。

お願い、お願い。
これ以上、苦しみたくないの。

私は、胸が苦しくなる錯覚を覚えた。

「ゴホッ、ゴホッ。
ゲホっ、ゲホっ。
ゲホっ、ゴホッ、ゴホッ」

咳が止まらなかった。






41: 名前:夏色☆01/17(月) 19:56:39
―バタンっ


あれ?
力が入らない。

何でだろ?
もう、死ぬのかな?

こんな世界に居るよりマシか。

違う?

もうどうでもいいけどさ。
そうだよ。

どうでもいいんだもん。

今更……ミレ……ンとか……。

私は確かに、力尽きていくのを感じた。



「うわぁ! 有紗絵、うまーい!」
「うん! ありがと!
絵だけが自慢だから!」

有紗は、満面の笑みだった。

「でも、真は良いとこ無いよね?」
「え」

有紗は、私の事を鼻で笑った。

「お前なんて、消えろ」

消えろ、消えろ、消えろ。

私の中で有紗の消えろがリピートされる。

「有紗」

私はハッとした。

気がついたら、有紗はいないからだ。
見えるのは、天井。

少し、薬品臭い気もする。
そこで分かった。


「病院?」

「真っ?」
優しい声で、我に返った。

「お母さん!」
「大丈夫?」

お父さんの影は、見えなかった。
それに察したのかお母さんは、教えてくれた。




42: 名前:夏色☆01/19(水) 20:33:07
「お父さんは、仕事よ」

そう言った。
―なんだ、仕事か―

え?

自分で、何言ってんの?
意味わかんない。

仕事じゃなきゃ、何を願うの?

「ただの、貧血だったんだよね? 私」

私が、聞くとお母さんは、顔を俯かせた。
「どこか、悪いの?」


私は、不安になった。

「ねぇ、倒れる寸前、胸焼けしたでしょう?」

私は、頷いた。

「肺から、胃に癌が転移してる事が分かったわ。
胸焼けを感じたのは、自覚症状よ」

お母さんの言葉に、驚きを隠せなかった。

―転移?―

「言っておくけど、余命は……。 半年以上早くなるわ」

―半年―

半年。

この言葉は、重かった。

「お母さんは、なんでそんな平気な顔できるの!?」

「ふざけないで!」

パシンっ

私は、頬にしびれを感じた。


私は、もしや泣くことしかできなかった。

私は、入院することになった。

ただ、命を1日でも伸ばすために。






43: 名前:夏色☆01/21(金) 20:23:49
第11話 望み


お母さんが、帰った後私は途方に暮れていた。


面白い本の続きも、可愛い服も、カッコイイバックも、
何も要らない。

そんな、もの要らないから。

命だけは、取らないで。

怖くて、怖くて。

こうしている今も、私の体は、がんによってぼろぼろにされる。


生きたいって思うのは、人間の、動物の本能だろう。

私は、自殺している人の寿命を付けたしたい。

生きたい、生きたい。

将来の夢がかなわなくて良いの。
だから、だから。

命だけは、ずっと、ずっと。

この命を、神様は見捨てるんだ。

食べきる前に腐った食べ物。
それを、捨てる人間。

私は、腐った人間。
それを見捨てる神様。

あぁ、なんてこの世は残酷だ。
過酷だ。
残虐だ。

どう考えても、幸せになれないこの世。






44: 名前:夏色☆01/22(土) 20:35:56
私は、なんでこんな不幸なんだろうか。

そう考えると、止まった涙が再びあふれ出した。
勢い良く。

生きたくても、生きていけないこの人生。

短すぎる幕。

昔に戻れるのかな?

有紗が居た日々。

虐めが無かった日々。

暴力が無くて……琴葉が居た日々。

戻れるなら、戻りたいんだ。
でも、戻れないから、戻れないからっ。


「っ、っう」

私は、必死に声を押し殺した。


こんな弱い姿、誰にも見てほしく無かった。

芽亜が来ても、断った。

怖いんだ。

もう、生きていけないこの身体は要らない。

何時も、ただ薬を飲んで。

助かるわけないのに。

もう、余命を判決されてから半年も過ぎた。

そして更に……、半年もかき消された。

今、私に夢もプライドもない。

消えるんだ。
私は。


……




あれから、1ヶ月半。

退院することはできたけど、何時戻ることになるかは分からない。



……


今日は、登校日。

教室のドアを開けるのが怖い。

今日は、先生に行って9時に自習の時間を作ってもらってその時に行く事にした。

そして、クラス全員で色々な問題に取り組むことにした。


ガラッ

私は、勇気を振り絞ってドアを開けた。
皆の視線が私に向けられる。

1歩歩くのが怖かった。

廊下から教室に入るのが。

足が震えた。

なんでだろう。

「おはよう!」

その時、芽亜が私の前に来て挨拶してくれた。

その瞬間、気持ちが軽くなるのを感じた。



タグ:

a9sm3
+ タグ編集
  • タグ:
  • a9sm3
最終更新:2011年03月07日 16:45
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。