桜の華..舞い散る..、

1: 名前:雫☆2011/08/27(土) 16:09:58 

ども、僕はシズクです

未熟な小説かもだけど...、

僕は僕ナリに精一杯咲かせたい





僕ナリの華を.......。
2: 名前:雫☆2011/08/27(土) 16:22:34 

『桜の華..舞い散る..、』

桜野 華 (サクラノ ハナ) 今日から高校1年生だ。


高校生ー・・あまり実感が無い

てか、ダルい...

華は嬉しいという感情を見せる素振りもなく無表情で高校の門を1人でくぐる。

桜の花ビラが肩に落ちた
手に取りつまんで見る、それにも感情を悟らせる事無く静かに捨てた。



1年2組の教室で華は椅子に座り皆を眺めていた。

元、同じ中学校なのだろう3人の女子達が嬉しそうに抱き合っている。
ぎこちないけど何となく会話が成立している・・そんな感じの男女も数グループ見かける、




窓を通し外を見れば桜の花がうっとおしいくらいに美しく舞っていた。


4: 名前:雫☆2011/08/27(土) 17:03:29 

先生が教室に入って来たところで今から集会があると呼びかけられる

集会...人混みは嫌いだ、息がつまりそうになる

きっと中学の時よりも混むのだろう
考えただけで嫌悪感が走った。





~in 屋上~


狭い人混みが嫌いな代わりに1人きりで広々とできる場所は好きだった、

学校では屋上が私の唯一心地よい場所で中学校最後の1年間もよく此処へサボりに来たりしていた。


今頃は集会が始まっているだろう..罪悪感は無いもう慣れていた、サボり癖がついている自分には何とも思わない



春の穏やかで温かい日差しに私のまぶたは重みを増した





どれ程時間が経ったのか半寝状態で携帯を見てみる

9時か・・

先生は私を探しているかな..怒られながら教室に入るのはカッコ悪い、みっともないプライドが人1倍高い私は恥をかくのが嫌だった。

そろそろ教室へ戻ろうかと腰を上げる、


カンカンカン・・・

屋上への階段の扉から渇いた足音が聞こえてくる

先生?
見つかる?
どうせなら同時に開けてやろう
そしてガン飛ばしてやるんだ
確か私の担任は女・・多分奴が私を探しに来たのだろう


徐々に足音は大きくなる
華はドアノブに力を込めた

そして勢いよく引いたのだ




5: 名前:雫☆2011/08/27(土) 17:13:22 
~豹side~


「は?」

ドアを開けるとそこには1人の女子が目の前に立っていた。

「何だ、教師じゃないのか...、」

驚いている自分とは違い相手は表情を一切変えることなく何事も無かったかの様に横を通り過ぎた、

てかアイツ1年だろ?
人の事言えねーけど入学早々って...


茶髪色の髪を掻き分けながら赤月 豹(アカツキ ヒョウ)は屋上のフェンスへ向かう





煙草の火を付けながら空を見る、吐いた煙はそこへ上がる事も無く風に身を任せる様に流れて行ったー・・


ふいに周りを見れば銀色に光る物を見つけた



8: 名前:雫☆2011/08/28(日) 08:23:01 
~華side~


勢いよく自分のクラスの戸を引いた、

皆の視線が私に集中する一瞬の戸惑いはあったが何事も無かったかの様に席に着く、


頬杖を付きながら屋上での事を考える
茶髪に染まった形ある髪、銀色に光る逆十字ピアス


私の学校ではネクタイによって学年が見分けられる
あの人は2年生だろう・・

目付けられたかな、入学早々のサボりだし



そこからは何とか適当に授業を流し昼になった

購買へパンを買いに行く
選んでいる時だった


「おい」

大きな手で私の細い肩は十分なくらい覆いつくされた
目線を肩に向けその手の主をゆっくり見上げた

大きいな...

「何?」

彼を数秒程見つめると屋上で会った奴だと分かった



9: 名前:雫☆2011/08/28(日) 08:37:25 
~豹side~

その冷徹な目に一瞬ビビった

そんな自分が情けなく思わせる事も遮る(さえぎる)彼女の視線...、

彼女はゆっくり俺と対面になる様体の向きを変えた

我に帰る

「これ、お前のだろ?」

そっけない感じで俺は銀色のピアスを落とす様に手の平に渡し握らせる


それを見て彼女はハッとした表情になった

「ありがと..」

ボソッとだが確かに聞こえた
鈴の様に響く心地よい声、俺は魅了されそうになった

小走りでパンを買わずに掛けていく後ろ姿の彼女を見ながら
しばらくの間立ち尽くしていた、



11: 名前:雫☆2011/08/28(日) 10:10:05 
~華side~

  • in屋上-


いつの間にか..屋上に立つ自分がいた、

動揺を隠せなかった
息が乱れる
汗がどっと噴き出した


自分らしくないな..

気を紛らわすかの様にフェンスに座りもたれた

次の授業はサボろう..ダルい、


~豹side~

何をしているんだよ..何がしたいんだよ..

自分に問いても動かずにはいられない
走ることをやめられない


狂うなァ..

俺はあの女を探している


手掛かりは1年..これしか分からないのであれば探し様が無い、教室に行けば教師に怒鳴られる

勘弁してくれよ...ったく..






脳裏に何かがよぎった



屋上か..


13: 名前:雫☆2011/08/28(日) 10:42:40 
~華side~

  • in屋上-


シャラッ....、

私はあの時手渡されたピアスを手に取っていた

チェーンが繋がれ石の埋め込まれた綺麗なピアス















目を閉じ昔を思い返そうとした...



バンッ、


ドアからだ
華は目を開け屋上の扉を見据える





14: 名前:雫☆2011/08/28(日) 10:57:38 
~豹side~

  • in屋上-


いた、


フェンスにもたれながら無防備に見据えた彼女がいた

心臓が脈打つ





側に行けば俺はいつの間にか彼女の髪に触れていた


形良い艶の入った黒髪を撫でていた、まるで...








「桜...、」

呟くと同時に彼女は俺の肩に触れる

花ビラを摘む(つまむ)

口をまた開らく彼女を俺は耳を澄ます様に聞く
















































「桜の華..舞い散る..、」

彼女の頬を一滴の涙が静かに自然につたった...


18: 名前:雫☆2011/08/28(日) 12:37:47 
第2話『華の儚さ花の未熟さ』

~華side~


何?

整理がつかない

気づけば泣いていた、涙を手の甲で拭う



状況を把握しなきゃ
弱みを握られちゃ駄目だ

「誰?」

止まらない涙を拭いながら聞いた

「ぁあ、俺?赤月 豹高2」

お前は?という風に指を指す、

「桜野..華..」


「ん、了解 早く泣きやめよ見かけによらず泣き虫だな」

歯を見せ笑いながら彼は私の頭をくしゃっと撫でる


泣き虫?そんな事無いと否定はできない..

私は口をつぐんだまま黙り込む、
撫でられている内に私の涙は渇いていた、

~豹side~

冷静な俺の表情とは裏腹に

俺は彼女の涙に疑問を抱く

俺、何か変な事言ったか?
言ってないよな、

「なぁ、何で泣いたんだよ?」

問いかけた時にはさっきまでの彼女は面影も無かった
今までの強気で冷たい目

「別に..赤月には関係ない」

おい、一応先輩だぞ?

彼女は自分の頭に置かれた俺の手を戻す

「桜のハナ・・・が何たら言って無かったかぁ?」

返事をする代わりにそっぽを向く

一変した彼女に調子が狂い立ち上がった

そしてパンを渡す


「ちゃんと食っとかね―と後で倒れるぞ?」

彼女は俺の言葉かけを無視しながら屋上を出た



23: 名前:雫☆2011/08/28(日) 14:17:08 
~華side~


赤月がくれたパンを見る、ジャム..

フッ..鼻で笑ってしまった、
私的にはクリームが好みだけど

そんな風に珍しく呑気な事を考えながら私はパンを頬張った





















高校の入学式から一か月後が過ぎたー・・



25: 名前:雫☆2011/08/28(日) 17:26:54 

あの日から私は屋上で過ごすのが日課となっていた、

一応授業には出ているが必要最小限しかクラスメイトとも話さないので良い接点は無い


  • in屋上-

この日も春の暖かさに浸りながら小説を読んでいた、

近くでは赤月が寝ている

別に仲良くなったわけじゃない
そんなに尻軽ではない

アイツが勝手にいるだけだ..

此処に初めて来たときから決めていたんだ、此処で学校生活を楽しもうって

それに此処に来るのは赤月と私だけじゃない




~豹side~


俺は今彼女の近くで背を向け寝ている・・ふりをしていた


一ヶ月間屋上で様子を見たが全ッ然変化が無ぇ..

あの時の涙の意味を問いても完全無視、他愛も無い話題も奴の一言で数十秒ももたねぇ、


アイツ何考えて生きてんだ?

てか、何でこんなつまらん奴に俺が引っ掛かってんだよ・・


今頃は仲間とサボって楽しくゲーセン行ってるってのに











やっぱ、飛鳥に容姿が似ているからか?




そうこう考えていると俺のまぶたには指で軽く重圧したかのような感覚ができた、

閉じていたまぶたが指によって無理やり開けられる


「いてぇよ・・」

呟き相手の指を払う

見ると彼女だった、

「何で寝たフリなんかしてんの・・」


「は?今日はたまたま目を閉じていただけだしぃ」

ヤバい。。今まで奴を観察するために寝たフリなんて知れたらヤバい

「昨日も一昨日もず~っと前からだよね」

腕組みしながら冷たい視線が俺に注がれる

「知ってたのかょ..」

「お前の寝方は分かり易いんだよ」

見下す様に鼻を鳴らせば再び小説に視線を戻す


俺は口の中で小さく舌打ちした


28: 名前:雫☆2011/08/29(月) 00:35:46 
~華side~

私も彼の事を言えない、
私も小説を読むフリをしていたから

彼は気づいていないのか..、
鈍感なフリをしているのか..、


視線を本の文字に移したままの様に思い返す
それで隠すかのようにピアスを..銀色に光る私のピアスを手の平で見つめながら思い返す


思い返すと時を忘れる
ページをめくる事さえも

それに気づけば紙の端を不自然に指で摘みページをめくる

捨てられない..苦しいだけなのに捨てられない

彼と私の間に残ったった一つの私だけの宝物...、


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最終更新:2012年01月25日 20:49
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