君を好きになる5秒前 続き16

487: 名前:雷蓮☆2011/11/03(木) 18:15:43
~蓮side~

  • 生徒会室-


ガラッ

「来てやったぞ、生徒会共」

俺はノックなんてしない。

礼儀を守る不良になるからな。

「遅いぞ、不良野郎!!」

そうそう口が悪くなったのは生徒会長の須江金 奏太。

「ちょっと、奏太!いじめの相談かもしれないでしょ!?」

「んなわけねーだろ、このアマ」

「あら、蓮じゃない。何の用かしら? とりあえず、お茶飲んでく?」

「こんな奴に出すんじゃねぇ!せいぜい、スポーツドリンクにしろ!」

「……好み、分かってるのね」

何だかんだ言って、良いやつらなんだよな。

「あっ!蓮だーっ!蓮っ蓮っ!」

「千里、お前まだ生きてたのか」

ちょっといじる。

「ひっ、ひどいーーーーっ!もうお婿いけないーっ!」

「すでにいけないだろ」

「うわぁーーーーっ!」

ほらな。

反応が面白いんだ。

けど、本気でコイツは泣いてるわけじゃない。

「嘘泣き、へたくそだよな」

「やっぱりー? 最近、演技力を磨こうと思ってさ~」

「意気投合すんな!!俺!!生徒会長俺だから!!」

本当に反応が面白いのはこいつ。

「面白くない生徒会長なんていらないわ。もう辞めなさいよ」

書記の佐竹真奈は毒舌担当。

「そーだそーだー!」

「お前は調子乗ってんじゃねぇぞ?」

いつもこの調子だから、

生徒会の仕事もろくに進んでないんだろう。

すぐ傍の机には、山積みの資料がずっしり。

吐き気がしそうなくらいの量。

「おいおい。仕事もろくにやってねーんじゃねーの?」

「ん? あぁ、そこの資料のことか?」

「終わってないのが山積みじゃねぇか」

「そこにあるのは全部終わったやつだ。お前が先生に提出してくれるのか?」

「……は?」

よくよく見ると、その資料には全部生徒会の印鑑が押してあった。

「こんなに大量のもんを一日で?」

「あぁ」

「ここに来たのはいつだ?」

「ついさっき。お前が来る10分前くらいだ」

「嘘言ってんじゃねぇよ」

「嘘じゃないわ。私たち、仕事終わらせるの早いから」

「いや、早い以上にヤバいだろ」

490: 名前:雷蓮☆2011/11/03(木) 20:27:23

「それより、蓮。蔵間まで連れてきてどうしたの?」

「は? あぁ、蔵間も連れてきてたっけ」

「蓮ー!それより、呼び出された側なんだから
 どうしたのって言われたことにツッコんでー」

「あらあらー。有能な右腕くんが忘れられてるなんて無様~。残念ね~」

「お前の性格もこの上残念でならないけどな」

奏太が割ってはいる。

「だまらっしゃいな。私は美女だから許されますぅー」

「お前のナルシストぶりもそろそろヤバいんじゃないの? キャラが濃すぎてよぉー」

「それよりご自身の心配をなされてはいかがー?
 もうすぐ天の遣いがお迎えに来るころでしょうー?」

キャラの濃さで競争している二人は、結構仲が悪い。

付き合っているという噂もあるが、あれはデマ。

表向きは仲良さそうにしているけどな。

「どーでもいいけど、そろそろ本題に入ろーよー」

珍しく千里が指揮をとった。

「それもそうね。…で、蓮。あんた、教師に暴言吐いたりしてないわよね?」

「…………………………しねーよ」

「なげーよぉぉぉぉぉ!!」

「してるじゃないの。前に見たし」

「じゃあ、何で聞くんだよ」

「それでね、色んな先生方からも苦情がきてて。
 蓮を相当怖がってるみたいなの」

「不良として好成績を納めたってことだな。んじゃ、俺行くわ」

「表彰されるとでも思ったの?」

「んなわけねーだろ。お前らのおせっかいが降りかかるのはごめんだ」

「おせっかいとは失礼ね!この学校の校風を守るのも、生徒会の勤め!
 亜久間 蓮!今日から一週間、武塔先生の雑務担当!」

「はぁ!?」

「ちょっと待ってよ、真奈。いくらなんでも、そこまで……」

「蔵間じゅん!あなたの過保護も度が過ぎるのよ!厳しさも与えて!」

「えー……。だって、一応蓮も自分のことは自分で……」

「誰がそんなこと信用できるの? とにかく、雑務よろしく!終わり!」

バタンっ

飲みかけのスポーツドリンクと共に投げ出された俺と蔵間。

「な、な、な……」

「蓮…。えーっと……夕飯は遅めに作っておくね」

蔵間は基本、武塔のパシリだけは拒むから当然付き合うハズもなく……。

「……あぁ。なるべく、早く帰る」

今週の舞とのデートの有無の選択が迫られていた。

493: 名前:雷蓮☆2011/11/06(日) 19:54:04

…。

……。

「おい、蓮」

「…………」

「蓮?」

「………………」

「蓮!」

「おっ!? な、何だよ、驚くじゃねぇか」

「舞ちゃんとのデートは?」

「今週はロリコンのパシリだしな。行けないだろ……」

「せっかく予定まで作ってたのに?」

「……おい、てめ今、何て? 何でそんなこと知ってんだ?」

「昨日徹夜で考えてたんでしょ? 後ろに立ってても気づかないから相当集中して……」

「ぜってぇー誰にも言うなよ?」

「大丈夫だよ! 弱みとしては活用させてもらうけど」

俺と蔵間が教室に戻っている途中---

「おっ!いたいた、蓮きゅん」

事の発端と会った。

「ちょーどいいところにきたなぁ~、武塔せんせぇ~?」

「え、ちょ、何、え? あ、ははは、ちょ、蓮く…ってうぉっ!? ちょ、コンパスしまって!インポケット!オアふでばこ!あ、間違った!ぺんそーけいす」

「んなことぁ、どーでもいんだよ。ちょっと一発殴らせろ。大丈夫、一発だ」

「蔵間!!お願いだから、蓮を止めてぇ!!」

「嫌っスね。俺、基本仲裁だけど先生の味方にはなりたくないんで」

「そんなバッサリ言うなよぉぉぉぉぉぉー!」

「ほら、怖がんないでこっちおいで。怒ってないから……このロリコン教師」

「絶対怒ってるって!何、あの子!そんなに俺の事キライ!?」

「先生。ここまでくると、俺も止められないです」

「そんなっ……」

「すぐに終わりますよ」

「うん、何が!? てか、何する気!? あ、すいませ、ちょ、待てぇぇぇー!」


      • 30分後---


「……」

「大丈夫ですか、先生」

「俺は悪くねぇ。すべての事の発端はお前だ、ロリコン」

「にしても、扱いひどくない? いや、まぁ古い付き合いってのもあったから許すよ? 10発殴ったことは……」

「先生も苦労しますね。変な生徒がいると」

「お前もだぞ、蔵間。人事みたいに言うな」

「あぁ、そうだった。けど、蓮よりはマシだと思うよ~」

「もっかい言ってみろ!!」

「はいはい、もう血は交えない戦いにしてね。話し合いとか」

「男ってのはなァ、拳で語り合うモンだ」

「カッコいいこと言ってもダメ。それで? 俺に何か用事?」

「何か用事? だとぉ……?てめぇ、人様にパシリ強制してよ、んな清々しい面見せてんじゃねぇよ……」

「何、あの子。めっちゃ怒ってる。めっちゃ怒ってるよ、アレ。俺、聞いただけなのに。なんか口開くごとに、脅されてない?」

「お前のアホ面見るために、わっざわざ時間つくってらんねぇんだよ」

「だんだん口が悪くなってってるんだけど……」

「あ、隣のクラスの奴が呼んでるから、俺行ってくる」

「え、待って、蔵間……」

「俺、面倒ごと好きじゃないんで。んじゃ」

タタタッ……

「完全に終わった……」

「何がだ、ロリ教師。早うこっち来いや」

「ひぇ……」


494: 名前:雷蓮☆2011/11/06(日) 20:22:07
      • 1時間後---

~教室~

 ガラッ

「あ、蓮おかえり」

「舞……」

「ん?」

「……ごめん。今週のデート、誘っといて何だけど行けない」

「え……」

「ごめん。楽しみにしてたのに…本当、ごめん」

「ううん、そんなことないよ? 謝らなくていいのに」

「俺が誘って、俺から破棄するってかっこ悪ぃじゃん。謝らせて」

「っ……私、蓮とのデート楽しみにしてた。けど、今週だけが空いてるわけじゃないし、怒らないよ?」

「あぁ。それでも、しめしはつけておきたい」

「…ありがとう、蓮。大好き」

「っ…このタイミングでそれは……反則だ」

俺の体中の体温が上昇していく。

それと同時に、舞の顔も火照り始める。

「「舞のこと、泣かせてんじゃねーよ」」

この声…


495: 名前:雷蓮☆2011/11/26(土) 12:59:35

「康介…」

「何だ、その呆れきった顔は…」

「呆れるも何も、事実じゃなぇか。お前のバカさ加減」

「う、うるせぇっ!!」

「何がうるせぇだ。お前の雄叫びのがうるせぇよ」

「雄叫びじゃねぇぇぇぇー!!」

「はいはい」

康介は拳を振り回して暴れた。

「お、おい、あぶねぇって」

「うるせぇぇぇ」

「だっ、おい!後ろ!!」

 ゴンッ

「ぶべしッ!!」

「あ……」

「……武塔……せんせ?」

「きょ、教師に熱い一発を喰らわすとは……ナイスガッツだな、康介」

「ちょ、ちょっと用事を思い出したんで、俺はこれd……」

 ガシッ

「やり逃げはナシだぞ? こうすけくん?」

「うぅ……」

  • 廊下-


「……てことで、康介も居残りで俺のパシリ決定ー」

「うそだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

「俺はともかく、こいつまでパシリだなんて分が悪いだろ」

「れ、蓮……?」

「コイツの理解力は俺の上だ。
 軟弱な俺じゃあ、逆に揚げ足を取っちまう。
 だから武塔、コイツだけにした方が効率いいぞ」

「いや、何でそうなるぅぅぅぅ!?」

「いや、明らかに俺の意見で合っている」

「喧嘩はそんくらいにしとけ。
 とりあえず、決定したことは変えられん。
 張り切って望めー」

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最終更新:2012年08月13日 01:37
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