※短編だらけ※ 続き11

448: 名前:灰人 (sadism/GcE)☆12/18(金) 22:11:09
442の次の日ですw
私事ですがトリップを変更(もちろん気分です/笑)←
今日も危うく更新を忘れるところだった←
※※




【挑発する表情と唇】




 昨夜、夜這いなどと今どき馬鹿みたいな理由で襲われかけた恭悟。
 実際“最後まで”される事は無かったのだが、ただいま昨夜のお返しとばかりに、先にベッドに入っていた龍の腹の上に乗っていた。


「……なんで起きないんだこいつは。人が乗っかってるのに」


 一人ごちる恭悟の眼下には、大人の男が腹部に乗っているというのに規則正しい寝息を立て続けている龍が。
 起きろ、起きろ、と恭悟が念じてみるものの、当然だが全く効果なし。龍は未だ夢の中だ。


「……ばか。あほ。鬼畜。サド。自己中。俺様暴く--」
「子供か。オマエは」


 数々の龍に対する暴言を真顔で吐いていた恭悟は、不意にそれを止められ目を丸くさせた。
 いつの間に起きたのか、不機嫌なのを隠そうともしない表情の龍が恭悟を見つめている。


「起きないお前が悪いんだろ」
「なんだよ。昨日ヤらしてくれなかったと思えば今日はオマエが夜這いか?」
「分かってるじゃないか」


 今度は龍が目を丸くさせる番だった。まさか夜這いを肯定されるとは思っていなかった龍は自分はまだ夢を見ているんでは、とベタに己の頬を引っ張る。
 その結果、すぐに現実なんだと改めて驚いた。


「今どきベタだな」
「うるせぇ」
「痛かったか?」


 どうだった? と抑え気味の声色で尋ねながら龍が引っ張った頬を恭悟が撫でる。元から体温が低めの恭悟の手はひんやりとしていて、熱を持ってしまっていた頬を撫でられるのは心地が良かった。
 スッ、と龍が目を細め、腹筋を使って上体を起こす。その流れでついでに唇も奪われた恭悟だったが、予測していたのか特に驚いたり、抵抗する様子はなかった。


「んっ……ふ、ぅん……」


 口内を熱いそれに蹂躙されたと思うと不意に龍が離れ、挑発でもするように濡れた恭悟の唇を嘗める。恭悟の方も挑発的に小さく笑い自分から唇を合わせた。
 鳥が餌を啄むように短く触れるだけの接吻けを何度か繰り返して、深く互いを貪ればついに呼吸が苦しくなった恭悟が離れてしまう。
 名残惜しそうに二人の間に銀色の糸が引き、ぷつりと途中で切れた。


「……もう降参か?」
「……うるさい」


 低く甘い、官能を直に擽られる声に聴覚を愛撫されながらも恭悟は唇を尖らせた。
 赤く上気した恭悟の頬を撫で龍が薄く笑う。


「笑うなばか」
「おっ……!?」


 上体を押され、されるがままにベッドに逆戻りした龍は不満気に自分を見下ろす恭悟に微苦笑を洩らしたが、恭悟にとってはそんな表情も自分ばかりが余裕を無くしているように思えてならなかった。
 龍も恭悟のそんな心情を理解しながらも恭悟相手だと感情がすぐ顔に出てしまう。


「今日はオレが全部スるからな。余計な事はするなよ」
「了解。お手柔らかにな」


 とは言ったものの、最終的に上下を入れ替えられた恭悟が翌朝まで離して貰えなかったのは言うまでもない--。




 挑発する表情と唇。
 挑発してされる官能。
いやー、本当は最後までさせたかったんですけどね。力尽きました←


457: 名前:灰人 (sadism/GcE)☆12/19(土) 22:05:23
【料理とセクハラ】




「やっぱりそうだよな……」


 恭悟は背後からのそんな声と、痛い程に感じる視線にそれまで知らない振りをしていたものの、ついに耐え切れなくなった。
 眉を顰めながら背後の龍を振り返る。


「なんなんだ」
「いやさ、やっぱり裸エプロンだよなって思って」


 そう言った途端、恭悟の表情がそれまでの呆れと不快感が入り交じったものから一気に冷めたものになった。
 龍はといえば、そんな恭悟の反応も予想していて特に変わった様子は見せず、なにやら語り始めてしまう。


「フリル付きの、この際ベタにピンクで胸当てがハート型で--」
「黙れ変態」


 熱弁する龍に恭悟が手に持っていたお玉を振り上げた。ほんの威嚇のつもりだったのだが、龍はそんな恭悟に更に飄々と言い放つ。


「そうそう。お玉片手にお決まりのあの台詞でもう色んな意味で腹一杯だ」
「あの台詞……?」


 聞かなければ良いものを、一度口に出してしまった言葉はそれまでだ。龍がニヤリと口許を吊り上げたのに恭悟がしまった、と思ったがもう遅い。
 恭悟が龍の腕の中に閉じ込められ、腰をホールドされてしまう。


「ちょっ……、っん!?」


 かと思えば腰に回っているのとは逆の手が怪しい動き。
 太腿を緩慢な動き這い、遂には痴漢さながらに尻を撫で回す。
 恭悟が冷ややかな視線で龍を見上げた。


「お決まりって言ったらアレだろ。「ご飯にする? お風呂にする?」ってやつ」
「っ、これは、ただのセクハラじゃない、か……、っ!?」


 尻を揉んでいた龍の手が双丘を割り、布越しに恭悟の秘められた奥の窄まりに触れる。さすがの恭悟も龍のシャツを掴み身を固くさせてしまった。


「どうする。このままスるか?」
「ふ、ざけるな……! 離せ、っあ!?」


 この数分後、原形が判らない程に黒焦げになった物体を一人後始末する龍が見られた--。




 料理とセクハラ。
 裸エプロンは男の夢!








※※
はい! やっちゃったー\(^o^)/←
龍の言葉は私の言葉w←オイ
最近スラン…トランプ(←)気味なのでリハビリです。


461: 名前:灰人 (sadism/GcE)☆12/20(日) 23:05:51
【スーツは男の戦闘服!】




「あっ…… あんっ」


 風呂場の、タイルが貼られた壁に手をつく歩は背後から穿たれ甘い嬌声を響かせていた。
 場所が場所なだけに全てを晒している歩に対して、背後の男--祥吾は見るからに高級そうな三つ揃いのスーツの上着とネクタイを脱ぎ捨て、シャツの一番上のボタンを外しただけの装いだ。下も歩に穿っている為にフロント部分を寛げているだけ。


「やぁっ、離し、て……っ」
「何故?」


 欷歔を洩らす歩に祥吾は揺さぶるのを止めて耳元で囁く。
 壁に掛けられたシャワーは少し熱めの湯が出しっ放しにされ、風呂場は蒸し風呂の様になっていた。その上二人の身体を容赦無く濡らしている。


「声、響いて……ぇ、あぁっ」
「良いだろ? 濡れてるから髪なんかも肌に張り付いて色っぽい」


 そう言う祥吾の低く深みのある声も響いているのだが、歩にとってはそれも羞恥心を煽る要因となった。
 歩が上気し、潤んだ瞳で祥吾を振り返ればそこには額に濡れた前髪が張り付き、濡れて透けたシャツが鍛えられた体躯を曝す祥吾の姿。


「っ、あっ……」
「どうした」


 明らかに欲望の炎を揺らめかせた祥吾の瞳と声に投げ掛けられながらも、歩は返事が出来なかった。視線も射止められてしまったかの様に祥吾から逸らせない。
 普段はスーツの下に隠れている思いの外厚めの胸板。シャツの袖を捲った祥吾の筋肉のついた腕に今自分が抱かれていると認識した時身体の奥底から何かが沸き上がってくる感覚を覚えた。


「歩?」


 訝しげに、探るように瞳を覗き込まれてハッとした歩。今度は視線を逸らす事が出来た。
 視線を外された祥吾は怪訝な顔を崩さず歩を見つめる。


「…… 祥吾さん、も、脱いでよ」


 蚊の鳴くようなか細い声はシャワーの水音にかき消されてしまいそうだったが、祥吾の耳には届いた。
 祥吾が小さく笑みを洩らす。


「俺の身体が気になるのか?」
「えっ……ひぁ!?」


 艶のある声に聴覚を愛撫されながら、同時にぐんっ、と奥に捩じ込まれた祥吾の楔に歩の喉が反った。


「スーツは、俺の戦闘服なんだよ」


 祥吾の声も今の歩には届かない。喉が震えるのに合わせ歩の嬌声が風呂場に反響しいつまでも鼓膜を震わせる。
 灼熱の楔に貫かれ脊椎に痺れの様な快感が走った。


「や、やだぁっ! ああっ、あぁ!」
「何が嫌なんだ? 歩の中は嬉しそうに俺のに絡み付いてくるぞ?」


 祥吾が腰をぐいぐいと押しつける。
 先程感じた身体の奥底から沸き上がってくるようなそれは、今は歩の腰の辺りで滾っていた。
 歩の性器はこれ以上ない程に硬くなり先端の鈴口からは止めどなく白濁とした蜜が溢れている。


「あ、あっああっ、祥吾、さ……僕、もうだめ……っ」
「イッて良いぞ」


 歩の解放を促すように祥吾の手が歩の性器へと添えられる。緩く握り込みながら歩の体液で滑るそれを上下に扱きだした。
 途端に前後からの強烈過ぎる快感に呆気なく極みに昇りつめる。
 後ろは熱くうねる内壁が祥吾の雄蕊を締め付け、前は豊潤な花蜜を噴き上げた。


「ッ--!」


 一際キツい締め付けに祥吾が低く呻く。そして少し遅れて祥吾も歩の媚肉へと己の欲望を吐き出た--。




 スーツは男の戦闘服!
 その下にあるのは魅惑の肉体。








※※
タイトルは赤闇から頂戴致しました!!
ありがとう!!
ただいまスーツにハマっておりまして、ただ単に水も滴る“スーツの”良い男が書きたくなったんです^p^←


466: 名前:灰人 (sadism/GcE)☆12/21(月) 20:34:56
この二人(アシュルクとデバイス)は赤闇のオリキャラですw
しかも本文が長くなった為に分けます。
※※
改めて赤闇w誕生日おめでとう!!
一番最初(二番か?)に言っておこう!! 駄文だ!! そして長い!!
だが愛は溢れてます!! なんか(主に)伯父様が酷い扱いだが全ては愛故にだw←
伯父様とデバイスちゃん愛してるー!!!!!←
※※




【部屋に鍵をかけ遊びましょう】




 築何十年の貫禄漂う二階建てのアパート一室では、この部屋の住人であるアシュルクが何やら独りごそごそとしていた。
 実年齢はもう数年もしない内に嫌でも三十台と別れを告げなければいけない歳なのだが、いかんせんアシュルクは重度の中二病患者。ついでに言えば心はいつまでも少年なんだ、と現実逃避としか思えないような事を主張する人間だった。
 元も子もない言い方、手っ取り早く言ってしまえばアシュルクは痛い人である。
 この際アシュルクの容姿云々や中二病伝説云々は置いておいて。
 八畳一間の部屋には、必要最低限の家具と、何やらどんな風に使用するのか理解する事すら拒否してしまいたくなるような物がアシュルクが横になれるスペースを開けて所狭しと置かれていた。


「っ……んっ……」


 鼻から抜ける様な色を含んだ声。胡座をかきながら背中を丸めたアシュルクが両足の付け根の辺りで熱り立つ己の雄蕊に指を絡めている。男なら誰だってする、ぶっちゃけてしまえばただの性欲処理だ。
 ふと、アシュルクの耳が微かな物音を拾った。耳慣れたそれは、アシュルクの住むこのアパートの大家--デバイスのもの。いつもはそうでも無いのだが、乱暴な足取りでアパートの階段を駈け登ってくる。
 アシュルクの長年培ってきた勘--何度も同じ事を繰り返してきた結果--からして、デバイスは数秒後にこの部屋のドアを蹴破らん勢いで怒鳴り込んでくる筈。
 しかしアシュルクは手を止めようとしない。しかも、その髭を蓄えた口許は何故だか楽しげに歪められていた。
 とてもじゃないが中二病患者にして欲しくはない顔だ。


「アシュルク貴様ぁーっ!」


 今となってはこのアパートでお馴染みになったデバイスの怒号。階下にある部屋の住人達も我関せずを貫いている。


「貴様、また私の部屋にふざけた護符を張り付け--」


 不意にデバイスの怒声が途切れた。どうやらアシュルクが取り込み中だった事に気付いたらしい。顔を引きつらせ、また出直す、と一言声を掛けてからくるりと身体を反転。部屋を出て行こうとする。


「ちょっと待てデバイス」


 しかしそれを止めたのはアシュルクだった。
 デバイスの方を振り返りながら、普段のそれより幾分か色香を滲ませた深みのある声でデバイスに待ったをかける。
 本当は今すぐにでもこの場から立ち去りたかったのだが、生来の生真面目な性格が災いした。おずおずとアシュルクの方に顔を向けようとする。


「お前の所為で興が冷めた。責任取れ」
「なっ……! うあっ!?」


 いつの間にかデバイスの背後に居たアシュルクがデバイスを羽交締めにした。足元で何かが倒れたが、アシュルクは気にせず驚いて反応が遅れたデバイスを敷きっ放しの布団に押し倒す。
 デバイスのくすんだ金髪が布団に散り、瞠目するデバイスの銀が混じった青色の瞳が自分を押さえ付ける男を映した。


「っ!? 貴様っ、何をする気だ!?」
「良い事だ。大人しくしないと邪気眼を使わないといけなくなる。大人しくしろ」
「ハッ! 重度の中二病の貴様に私が負ける訳がない! 私の護符で、--っ!?」


 デバイスが不意に下腹部な感じた感触に言葉を詰まらせた。下を見てみれば自分の腹部を這う骨張った男らしいアシュルクの手。
 デバイスは血の気がサッと引くのを感じた。


「ちょっ、待てっ! 貴様、ついに末期症状が!?」
「俺はいつも通りだ」


 どこが!? とデバイスが突っ込みをいれようとしたがそれはアシュルクによって阻まれる。


「ん--っ!?」


 すぐ眼前にある所為で焦点が合わない視界はアシュルクの精悍な顔でうめ尽くされて、唇は確認するまでもない。アシュルクのそれが重なっていた。


「--どうせ初めてじゃ無いんだ。大人しく抱かれとけ」
「なっ、あ、ちょ……っ!」


 デバイスが抵抗する間もなく、デバイスの衣服をアシュルクが慣れた手つきで剥いていく。脱がせたものは適当に放り、パサリと服が落ちる音を耳の端で拾いながらデバイスは身を固くさせた。


「固くなるな。力を抜け」


 そう言われてもそう簡単には身体は言う事を聞かない。
 みるみる内にデバイスの顔が赤くなっていくのが暗闇に目が慣れていたアシュルクの方にも分かった。ふっ、と笑みを洩らしデバイスの首元に顔を埋める。


「ひっ!?」


 アシュルクがデバイスの首を嘗めたかと思えばその熱さと濡れた感触にデバイスが引きつった声を上げた。
 アシュルクはもっと色気のある声は出せないのか? と内心ぼやきながら舌を徐々に下降させていく。


「あ、アシュ、ルク……っん」


 デバイスの鎖骨を舌先でなぞっていたアシュルクが不意に肌に吸い付いた。途端に甘くなったデバイスの声は、アシュルクを昂ぶらせるには十分すぎる。
 下腹部を撫でていたアシュルクの無骨な手がデバイスの少し芯を持ち始めていた快楽の果実とその根元にある双果に触れた。

「アシュルク、やめっ…… あっ」


 思いの外甘さを帯びた己の声にハッとしたデバイスが口を両手で塞ぐ。
 固くなっていたデバイスの身体からもいつの間にか余計な力は抜けていて、今は両手も使えないとなるとアシュルクにはかなり都合が良かった。


467: 名前:灰人 (sadism/GcE)☆12/21(月) 20:35:47
 本当はすぐにでも内部を暴いてしまいたかったのを耐えながら、アシュルクはデバイスの内部を時間を掛けて慣らす。
 もう十分解れただろうという所でアシュルクはデバイスの秘所から、指を引き抜いた。


「やっ……」
「そんな声出すな。すぐにもっと良いモノをやるから」


 思わずと言う風に声を洩らしてしまったデバイス。アシュルクは少し困った様な表情を見せてから、デバイスの、物足りないとでも言うかのように開閉を繰り返す秘所へと己の猛りを宛てがった。
 アシュルクの熱い切っ先がデバイスの綻んだ花弁を散らさんばかりに開かせる。
 時間を掛けて筒状の狭隘なそこに灼熱の楔を打ち込んだところでアシュルクの額から玉の汗がデバイスの腹部に落ちた。


「ア、シュル、ク……っあ」


 容赦無く自分の内部を暴いていくそれの質量に眦を熱くさせたデバイスが、アシュルクの背に縋るかの様に腕を回す。
 デバイスの中でアシュルクのそれが一際脈打ち更に力を増した。


「っん!? や、あっ……なん、で……」
「少し黙ってろ……っ」
「あぁっ! あ、ひぁぁっ!」


 自分の中で質量を増したそれにデバイスが目を瞠り、口を開いたと思えば艶めかしい嬌声が迸る。
 アシュルクの雄蕊がデバイスの体内、丁度、豊潤な果汁を零している果実の裏側部分を刺激した。強制的に射精を促される様な感覚にデバイスは悩ましげに喘ぎ、もはや熟しすぎた果実からも白濁の果汁を溢れさせる。


「あっ…… や、あ……あぁっ」
「達きたいか? 達きたいならちゃんとそう言えデバイス」


 尋ねる様な口調ではあるものの、どこか有無を言わせない雰囲気と拘束力を持ったアシュルクの声。
 デバイスの、意識をしなくとも人を惑わせてしまうメタリックブルーの瞳に涙の膜が張る。
 頬に淡い朱を散らせ、瞳を潤ませたデバイスに見つめられアシュルクが口の中に溜まる唾を嚥下した。ゴクリという音と共にアシュルクの男らしい喉仏が上下し、それにデバイスの目が奪われる。


「あ……っ……ぃ、きた……」
「聞こえない」


 デバイスが眉を寄せながら逡巡した様子を見せ、か細い声を洩らしたが、アシュルクはそれでは許さなかった。


「っう……ぃ、達きたい--」


 先程よりもハッキリとしたデバイスの懇願にアシュルクの口許が吊り上がる。
 デバイスの腰を抱え直し、一度ぎりぎりまで己の怒張を引き抜いてから一気に最奥を突き上げた。
 狭隘な筒状の粘膜を灼熱の楔に蹂躙されデバイスの反った喉から絶えず嬌声が発せられる。アシュルクがデバイスの口を塞ごうとしたが、途中で思い直しそのままにした。


「ひ、あっ……あぁっ」


 すでに目先の快楽しか追えなくなってしまったデバイスは、このアパートの壁が薄く声が外に洩れてしまう事など失念していた。
 快楽に濡れた嬌声をアパート中に響かせるデバイスは最早、自分はアシュルクのものだとアパートの住人、はたまたアパート周りを縄張りとする野良猫達に通告しているにも等しい。


「あっ…… あ、達く、達く--っ!」


 デバイスの内壁がアシュルクの怒張をキツく締め上げる。
 白濁の果汁が噴き上がった。


「ッ…… クッ」


 果汁を己の胸にまで飛ばしながら、ついに迎えた放埒に恍惚とした表情のデバイスの最奥に少し遅れて、アシュルクも熱い飛沫を飛ばした--。




「……そうだ。つい流されて忘れる所だった。アシュルク、今月の家賃を払え」


 つい先程まであんなに乱れていた人間とは思えない程にしっかりとした口調で言ったデバイス。
 当のアシュルクと言えば無言でデバイスに背中を向ける。


「…………グー」
「おい! 寝た振りなんて今時熊にも通用しないぞ!」
「俺は寝てる……グー」
「どこがだ! 起きているじゃないか! アシュルク貴様っ、家賃を払--うぐっ」


 もっともな事をアシュルクの後頭部に向かって叫んでいたデバイスが不意に苦痛を滲ませた呻き声を上げた。それに気付いたアシュルクが身体を再度デバイスの方に向ける。


「無理をするな。身体ガタガタのくせに」
「誰の、せいだ……っ!?」
「とりあえず今は寝とけ」


 アシュルクに引き寄せられ、必然的にアシュルクの胸板に顔を埋める事になったデバイスはムスッと眉を顰めながらも抵抗しようとはしない。


「っ……またふざけた事をすれば否応なく追い出すからな」




 部屋に鍵をかけ遊びましょう。
 鍵をかける扉を壊し、かけられたとしても壁が薄いという罠。


475: 名前:灰人 (sadism/GcE)☆12/22(火) 22:10:24
【Sっけなあの子に首ったけ】




 俺の恋人はSである。
 俺は所謂“タチ”だが恋人はSだ。
 くどい様だが、俺の恋人はSなんです。




「ふ…… く、っン」


 ただいま俺の愛する知佳が俺のに奉仕してくれている。しかし、サドである知佳のそれはただの奉仕ではない。


「裏筋舐めるとビクビクするな?」


 ニヤリと口角を器用に片方持ち上げた知佳。
 なんてエロい顔なんだ……。
 そう。知佳の奉仕には必ずと言って良いほど“言葉責め”という要らぬ特典が付いてくるのだ。
 肉体的に責めているのは多分きっと俺なんだけど、精神的には完全に俺が責められてる。
 しかも的を得ているから末恐ろしい。


「先っぽ弄られるの好きなのか?」
「っ、ぅあっ……!」


 先端をチロチロと擽っていた赤い舌が、不意に俺のものの先端にある小さな穴を尖らせた舌先で抉ってきた。
 ただでさえ敏感なそこを嬲られて堪らず声が洩れる。


「もっと啼いてよ、大和」


 俺は啼きたくないんです……っ!
 誰も好き好んで自分の喘ぎなんて聞きたくないと思う訳だ。少なくとも俺は自分のなんて聞きたくない。
 知佳のなら大歓迎だが。


「知佳。もう俺のは良いよ」
「なんで。大和だって感じてるじゃん」


 いやまぁ、そうだけど……。
 俺の股間から知佳の頭を半ば無理矢理引き剥がす。
 不服なのを隠そうともしない知佳が整った眉を顰めるのを見て見ぬ振りをして、俺は知佳を布団の上に押し倒した。


「ふぅん? そんなにオレの中に挿入れたいんだ? ならおねだりは? 大和」


 男に押し倒されたっていうのに、余裕な笑みを浮かべた知佳の指先に顎を捉えられる。
 俺の下に居る知佳は艶やかな微笑を浮かべていて、細められた目元なんかは特に色気が滲み出てる気がした。


「ほら大和。言わないと、いつまで経ってもご褒美あげられないよ?」


 俺の名前を呼んで、ナチュラルにサド発言をする知佳の唇はマシュマロみたいに柔らかくて、でも弾力もあって。そして何より甘いんだ。
 無意識に喉が鳴った。


「知佳の中に、入らせて?」
「“入らせて下さい”」


 細かいよ知佳。
 意を決して“おねだり”をすれば気に食わなかったらしい。速攻で訂正された。
 でも文句を言っても仕方ないから、とりあえず知佳の綻んだいやらしいそこに、さっきまで奉仕されて知佳の唾液と自分の体液で濡れた俺のを宛てがう。
 そして、知佳の色香を滲ませる目を見つめながら俺は再度“おねだり”をした。


「知佳の中に入らせて下さい」


 言ってから数秒の沈黙。たった数秒でも今の俺にはとてつもなく長い時間に感じられた。


「合格だよ。おいで、大和」


 知佳の腕が伸びてきて、俺の首に絡められる。それに導かれるかの様に、知佳の唇に俺のを重ねながら知佳の体内へと押し入った。
 狭くて濡れてて、その上熔けそうな程に熱い知佳の中。
 腰に絡み付いてきた知佳の足に引き寄せられ、より一層結合が深いものになる。


「知佳ぁ……」
「さっさとイカないでよ?」
「分かってるよ」


 どうだか、なんて揶揄うような笑みを洩らす知佳の額には大粒の汗。
 知佳の中は俺のをキツい位に締め付けてて、俺がこんな辛いなら知佳は相当な筈なのにそんな様子を知佳は微塵も見せない。
 でもそんな事を言えば知佳は機嫌を損ねるだろうから、俺は何も言わない代わりに知佳の額の汗を舐め取った。


「知佳。大好きだ」
「“愛してる”」


 てっきり馬鹿、とかそんな事を言われると思ってたのに。
 俺は内心驚きながら、“おねだり”をさせられる時のように知佳の目を見つめる。


「知佳。愛してるよ」


 俺が言ったらすぐに知佳が滅多に見られない様な極上の笑顔を見せてくれた。
 急激に跳ね上がった鼓動がうるさい。


「オレもだよ。大和」




 Sっけなあの子に首ったけ。
 サドだけどそんな貴方が大好きです。








※※
これはS受けだと主張します!!!←
書いてて楽しかった(*´艸`)←


479: 名前:灰人 (sadism/GcE)☆12/23(水) 20:14:08
【呪い子という個性】




 皆さんに問おう!
 ドMが攻めでも良いですよね!?


「貴様! 気持ちが悪い!」
「あぁんっ。もっと罵って下さいぃっ」


 自分で言うのもなんだか気恥ずかしいけど僕はMです。しかもドM。おまけにゲイでタチだから今までの体験人数は一人。
 今僕の下に居る義孝さんだけだ。


「黙れっ! そして降りろ!」


 ちなみに義孝さんもタチなんだけど、体格差があるのを良い事に僕が押し倒してます。
 誰か僕のこの行動力を貶して下さいっ!


「義孝さん。どうしよう……すごい興奮します……」


 堪らない興奮と高揚感から呼吸が荒くなる。
 僕の下に居る義孝さんは、快感に目元を赤くさせながらも汚物を見る様な目で僕を見て来て、僕が“お願い”しなくても僕を罵倒してくれるんだ。


「発情するのは勝手だが、俺の上から降りろと言っているんだ! この駄犬がっ」


 あぁっ……! 僕、今なら動かなくても義孝さんの暴言だけでイケそう……っ!
 熱くて狭隘な義孝さんの中は僕のを食いちぎりそうな程なんだけど、そのキツさも堪らない。
 僕に対して苛ついてるいるのを隠そうともしない義孝さんの表情、言動に僕は昂ぶっていく。
 それは限界まで猛った僕のものから伝わって、義孝さんにも判っているみたいだった。さっきから唇を噛み締めた義孝さんは僕に蔑むような目を向けている。


「義孝さん、っ。僕イキそ、です……っ」


 僕の視界の中の義孝さんが目を瞠った。


「ふざけるな! 抜け! っ、クソ野郎ッ」


 どこにそんな力が残っていたのかと聞きたくなる様な程に強い力で肩を押されて、しかも“クソ野郎”の言葉と同時に左頬を殴られた。


「っあ……! んっ、あぁんっ……!」
「な、っ……!? ひっ!?」


 ……ごめんなさい。出しちゃいました。
 殴られた瞬間一気に快感が身体中を巡って、耐える間も無く僕はご主人様中に放出して、尚且つ覆い被さったまま脱力してしまうという失態を犯してしまう。
 本当ならさっさと抜いて土下座とかするべきなんだけど気持ち良くて動く気がしない。


「貴様……っ」
「へ……?」


 押さえられてはいるが、滲み出る怒気がひしひしと感じられる義孝さんの声。
 身体を起こしたのと同時に腹部に重い衝撃。胃がひっくり返るような感覚を覚えて口の中に酸っぱいものが広がった。


「死んでしまえ」


 あぁ、最高……っ。




 呪い子という個性。
 マゾだって個性だと主張しますっ!








※※
M(マゾ)が攻めても良いじゃないか!!! という思いから生まれたブツ←
タイトル然り、M君の思考然り、義孝の暴言然り、書いててツッコミの血が騒ぎましたw←
楽しかったのは言うまでもありませんww

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最終更新:2010年05月25日 21:23
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