第七話


和也「一旦個室へ戻り、主要武器を装備してから『訓練室』に集合だ。いいな。」
隼人「ОK!受けて立つぜ!」
優馬(なんか、勝手に話が進められてるし・・・。)

―――個室前廊下

優馬「ホントに行く気か?隼人。」
隼人「あったりめぇだろ。売られた喧嘩はいくらでも買うぜ。」
沙織(いや、売ったのはアンタだから・・・。)

隼人はトゲメリケンを拳にはめ、やる気満々である。
優馬はマスターソードを入念に布で磨いている。
沙織はガトリング・メーサーガンにカートリッジを収納した。

―――同時刻、もう一つの個室では。

大輔「しかし、和也がここまで感情的になるのは初めて見たぞ・・・。」
和也「・・・オレはなめられるのだけは大嫌いだからな・・・・。」
鈴奈「それじゃ二人とも、行こっ♪」

――同時刻、一足先に訓練室にきていた成宮と伊織。

伊織「成宮先輩、このままやらせていいんですか?止めないんですか?」
成宮「ま、とりあえずは大丈夫だろ。それにこの戦いはあいつらの訓練にもなるしな。・・・ほら、もうきたぞ。」
伊織「あ。」

両チーム(?)揃っての入場である。

成宮「それじゃあ、審判はオレがやる。対戦カードはそちらで適当に決めてくれ。これは公式戦じゃないから。」

そして話し合った結果、グットンパに決定方法が決まり、そして結果は次のようになった。


大輔「うむ、久々に熱い戦いになりそうだ!」
鈴奈「ふ~ん、結構いい眼だね。皆本ゆうまん♪」
和也(ちっ。しかし、しくじったな。こいつらとチームを組むことになることをスッカリ忘れていた・・・・。今回だけだな・・・。)
優馬「ゆうまん・・・・・ゆうまんってなんだっ!?」
沙織「わたしの相手はあのバズーカを背負っている奴か。・・・できそうね。」
隼人「その刀、へし折ってやるぜ!」

成宮「よし、では優馬と鈴菜は前に出ろ。」
優馬「女の子相手か。やりづらいなぁ・・・・。こっちは剣だし・・・。」
鈴菜「よろしくね!ゆうまん♪」
優馬「ゆうまんって言うなっ!」
成宮「・・・・はじめっ!!」

マスターソードの柄を握り締め、構える優馬。鈴菜は軽いステップを踏んで構えている。

優馬「いくぞっ!」

ソードを振る優馬。鈴菜はそれを軽々としゃがんでかわす。そのまま足払い。優馬は体勢を崩し、そのまま訓練室の冷たい床に倒れこむ。そこへすかさず鈴菜が※「ギロチンキック」。それを間一髪ソードで受け止める優馬。床を転がって起き上がり、再び剣を構える。
※「ギロチンキック」
蹴り技の一種。「万葉集」で詳しく説明。

鈴菜「大丈夫?ゆうまん。」
優馬(くっ。自分の心配より相手の心配か・・・。この子、恐らくオレより格闘に慣れている・・・。)
隼人「おいおい優馬の奴、どうしたんだ?オレと戦った時と同じようにやればいいのに。」
沙織「・・・卒業試験の時のね。あれは一体、なんだったのかしら・・・。」
和也(・・・!卒業試験の時?・・・あの優馬とかいう男、まだ力を隠していると見た・・・・。)
大輔「よいぞ鈴菜!見事な戦(?)ぶりっ!!」
優馬「・・・これからが本番、いくよ、鈴菜さん!」
鈴菜「そ~こなくっちゃ♪」

再びソードを振る優馬。しかし先ほどと同じようにしゃがんでかわされる。と、その時、しめた!とばかりに優馬のつま先が鈴菜の顎を蹴りつけた。数十センチほど飛ばされ、床を転がる鈴菜。

沙織(・・・うまい。)
優馬「・・・ああっ!大丈夫!?つい足が・・・え?」

しかし鈴菜は飛ばされただけでほとんどダメージを受けていない。優馬の蹴りは手加減されていた。女の子を蹴るという理由で。すかさず鈴菜はマスターソードの柄を蹴る。優馬の手からソードがいとも簡単に抜けてしまった。思わず宙を舞ったソードを見上げる優馬。その隙を見逃さず、鈴菜が優馬の腹に思い切り※「横蹴り」。優馬は吹っ飛び、訓練室の網のような壁に叩きつけられた。

※「横蹴り」
元々、空手の型。「万葉集」で詳しく説明。

優馬「・・・ぐっ!」
隼人「あ~あ、終わったか。」
鈴菜「・・・あたし、普段はあんまり怒んないけど、男女差別だけは嫌いなんだよね~。ニャハッ♪これであたしの勝ち♪」
成宮「うむ、優馬は背中を激しく打ち付けている。よって勝者、藤森鈴菜!」
大輔「よし、まずは一勝目!この勢いに乗ずるのだ!」
和也(・・・皆本優馬の力はこの程度か。・・・くだらん。)「・・・次はお前じゃないのか?大輔。」
大輔「おお、そうだった!」

隼人「だらしねぇな~、お前。なんであんなに軽々と負けちまう!」
優馬「男女差別でも、女の子相手に男が本気になるのはやっぱりマズいでしょ?」
沙織(・・・次はわたしか・・・。)

大輔の方をチラ見する沙織。大輔は雄叫びを上げ、気合を籠めている。

伊織「次の審判はぼくがやりますね。では沙織さんと大輔くんは前に出て。」

大輔「オレはそちらの皆本優馬殿とは違い、女性が相手だからって加減はせぬぞ。」
沙織「ふっ・・・。元々、手を抜かせるつもりはないけど・・・!」
伊織「それでは、はじめ!」

合図と同時に大輔が「ドデカバズーカ」をぶっ放す。はっ!とした表情を見せる沙織。訓練室内は爆風で包まれる。構えていたバズーカを下ろす大輔。

大輔「・・・!いないっ!?・・・・どこだ!?」
鈴菜「・・・・上だよ!大輔!!」
大輔「なに!?」

上空でとんぼ返りを見せたあと、大輔の後ろに降り立ち、そこから大輔の首元に※「裏拳」を叩き入れる。よろける大輔。

※「裏拳」
空手の型。「万葉集」で詳しく説明。

大輔「くっ・・・。既に上空に逃げていたとは・・・!」

隼人「へぇ~、やるじゃん。」
優馬(前までとは打って変わった態度だな・・・。一体、どうしたというんだ。)

沙織「もう終わり?」
大輔「ほざけ。ここからが本丸。」

大輔のパンチ。またも空中に逃げる沙織。だが大輔は宙の沙織の脚を掴む。なっ!といった感じの表情をする沙織。そのまま投げ飛ばされる。だが、空中で体勢を立て直し床に着地。しかし着地の隙をつき、大輔のパンチが沙織の土手っ腹にヒット。沙織はよろけて壁にうつかる。

沙織「くっ・・・・!」
大輔「これで、とどめ!」

そう言うと大輔はバズーカを沙織の足元に発射。爆風で吹き飛ばされる沙織。そして床に叩きつけられる。

伊織(これ以上は無理だな。)「・・・・勝者!近藤大輔!」

鈴菜「やった!二勝目♪」
和也「・・・フン、そうでなくては困る。」

優馬「さ・・・沙織さん。・・・頑張ったよね。」
隼人「おいおい、大丈夫か?」
沙織「・・・・なんとか・・・・。」

成宮「よし、では最後の組は前に出て来い。」

優馬「頑張れよ!隼人!」
隼人「やられっ放しは趣味じゃねぇからな。一勝だけでも勝ち取ってくるぜ!」

大輔「刃(?)を交えたことであのチームの強さはわかった。今のところ我らの脅威ではないだろう。」
鈴菜「和也が勝ってくれれば、全勝だね♪」
和也「負けるつもりは・・・ない・・・!」

成宮「それでは、はじめ!」
和也「オレ・・・・たち・・・を甘く見た結果これだ。棄権するか?」
隼人「誰がそんなことするかよ」
和也「意気込みは良し・・・。・・・しかし、オレの様々な剣術にそのメリケンサックだけで勝てるかな・・・・。」
隼人「そんなこと、やってみなくちゃ・・・・・わかんねぇだろっ!!」
怒声と共に殴りかかる隼人。それを和也は軽々と避ける。少しだけ体勢を崩す隼人だが、立て直しそのまま※「後ろ回し」で反撃。それを名刀・「村正」で受け止める和也。しかし蹴りの衝撃が強く、数メートル吹っ飛ばされ床にしりもちをついた。

※「後ろ回し」
空手の型。「万葉集」に記述。

隼人「どうだ。」
和也「ふん、思ったよりできるようだな。」(こいつ、格闘センスだけはオレより遥かに高い・・・。)
隼人「オラ、立てよ。」

すると和也は村正を構えながら、目を閉じた。思わず構えていた手を下ろす隼人。しかし次の瞬間、和也はカッと目を開く。慌てて構えなおす隼人。しかし気づいた時には和也は既に隼人の後ろに立っていた。すると隼人の体に衝撃が走り、隼人の脇腹から血が流れ出ている。

隼人「・・!?・・・・なんで・・・?」
和也「これがオレの剣術の一つ、『疾(はやて)だ』・・・。」

優馬「・・・すごい!なんて速さだ・・・・!」
沙織「目で追えなかった・・・。」

鈴菜「・・・ニャハ♪・・・これで。」
大輔「・・・和也の勝ちだ。」

隼人「くそっ!」

もう一度殴りかかる隼人。和也はグッと体とひねる。そして隼人のパンチが当たる寸前でひねりを解放。和也の体は竜巻のように円を描きながら上昇。パンチも弾き返され、隼人は吹っ飛び床に叩きつけられる。

隼人「-――っ!!くっそ~・・・!!」
和也「そしてこれは二つ目の剣術、『烈風(れっぷう)』・・・・。」

優馬「・・・隼人がここまでやられたのは見たことがない・・・!」
沙織「あの刀を持っている奴・・・。かなりのやり手ね・・・。」

隼人「くそっ!」

起き上がり、今度は蹴りの体勢へ。しかしまたも体に衝撃が走り、床に倒れこんでしまう。

隼人「・・・くそ!止まれよ血!・・・くっ・・・動けねぇ・・・。」
成宮(出血が多い。)「勝者、浮葉和也!伊織、隼人の手当てを!」
伊織「はい!」

和也「ふん、この程度か・・・。」
鈴菜「ニャハハ~♪全勝!」
大輔「しかし、あのチームもこれから延びるであろうな。」

優馬「大丈夫か!?」
隼人「全然・・・・・・。」
沙織「・・・あのチーム、強いわね。・・・・全敗か・・・・。」

勃発した喧嘩は和也たちの圧勝であった。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2007年05月20日 14:06