なんのためのライセンスか
オープンソースと言っても何もかもが自由というわけではなく、大抵の場合何らかの制限が付いている。
各ライブラリはそれぞれ主張したいライセンスを主張しているので、Pyのように沢山のライブラリを組み合わせて静的リンクまたは動的リンクするゲーム/ソフトウェアだと、実質の運用上は自由とは言いがたいソフトになってしまう。
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著作権表示 |
条文同梱 |
コピーレフト |
PublicDomain CC0 |
不要 |
不要 |
なし |
zlib |
不要+ 詐称禁止 |
必要 |
なし |
MIT License |
必要 |
必要 |
なし |
修正BSD |
必要 |
必要 |
なし |
GPL |
必要 |
必要 |
あり |
PublicDomain/CC0の違い
PublicDomainとは著作権が放棄・または失効した状態にある著作物。
CC0はクリエイティブコモンズゼロの略称で、著作権以外の権利(特許や商標は含まない)をも可能な限り放棄して、PublicDomainとして提供するライセンス。
国によっては著作権すべてを放棄することはできない(日本では著作者人格権は放棄できない)ので、
作者がPublicDomainと主張しても、実際にはその国では無効だったり、使用者に不都合で使いにくい場合がある。
CC0はクリエイティブコモンズの提唱するライセンスでPublicDomain化とともに権利の不行使を宣言するもの。
ただし、(ライセンス全般に言えることだが、)複合的な著作物は元となった著作物に権利を持たないのにPublicDomainを主張するなど、矛盾するような包括的に見えるライセンスを主張している場合や、単純に主張者がライセンスを勘違いしているパターンもあり、盲信はできない。最終的には配布者を信じるかどうか。
CardWirthPyを扱う際の注意
CWXEditorがアイコンも含めてほとんどk4nagatuki氏個人の著作物で構成されており、CC0が主張されているのに対して、パッケージされたPy(フォーク)の場合は、groupASK/CW愛護協会の著作物を含むClassicスキンが運用上必須であるため、単にLogの中の人氏や配布者の著作物と扱ってしまうのは問題がある。
ソースコードとプログラムのアイコン自体はLogの中の人氏及び貢献者の著作物でMITが適用されるが、
CWのライセンスは「CW関係・無償に限り自由」なので、実際的にはそちらを優先して守らなければならない。
特に「CW関係」というのが厄介で、クリエイティブコモンズライセンスとは互換性がない点には注意したい。
クリエイティブコモンズライセンスは、利用目的に制限を掛けることはできない。
結論
実際に、何の制限もないのはCC0(≧PublicDomain)だけ。
多様なライセンスを使うとそれだけややこしく雁字搦めになるので、CC0にする選択肢があるならCC0が望ましい。
最終更新:2020年02月19日 15:09