ムーンセルが構築したSE.RA.PHにおいても、魔術という存在は一応は存在していた。
カバラ、呪術、錬金術、黒魔術、その系統も数多く存在し、多くの魔術師が根源に向かって走り続けていた。
無論、厳重に秘匿され多くのマスター達は聖杯戦争が魔術儀式の一種であったとも知らずに戦いを終えるだろう。
呪術の名家としてその名を馳せた柊家もまた、時計塔の下にある魔術師一族の一つであった。
まるで中世の城の様なデザインの柊邸は、今も尚この街にそびえ立っている。
最も、末っ子である自分には縁の無い話ではあるが。
そんな事をふと考えながら、柊シノアは地下室へと続く螺旋階段を降り続ける。
今は全く使われず放置されていた部屋だったので、権力が無いに等しい自分でも
鍵を手にするのはそう難しい事ではなかった。
(にしても、あの世界とはまるで大違いですねぇ)
この世界には、黙示録のウイルスに感染したものはいない。
それどころか、ヨハネの四騎士はおろか吸血鬼まで存在しないという。
それは、教科書で見た、自分が物心付く前の世界によく似ていた。
(魔術協会に時計塔、聖杯戦争…ですか)
手ほどきを受けていた呪術なら嫌というほど染み付いているが、魔術というものは聞いたことがない。
しかも、呪術がその「魔術」なるものの一種といい、魔術協会という組織の下厳重に秘匿されているという。
そしてその本部があるのが、「時計塔」。その名の通り、ロンドンにあるあの時計塔がそびえ立つ地域の近くにあるといい、
また時計塔の学部は魔術師にとってのエリート大学、兄もそこに留学しているという。
あの性格だ、きっと周りを睨みつけては威張り散らしていることだろう。
そして、聖杯戦争。
聖書やアーサー王伝説で語られていた、預言者の血を注いだ聖なる杯。
それが、この月に本当にあるという。
それに関する記憶を埋め込まれた時は、大層驚いたものだった。
そろそろ螺旋階段の段数も、数えられる程になってきた。
最後の一段に足を付けた時には、目の前に古びた扉がある。
そしてシノアは扉を開き、軽い足取りでスキップしながら部屋へと入る。
◆ ◆ ◆
一つの電球だけが照らしてくれる地下室。
木々で作られた壁には、数多くの怪しそうな道具が
置かれ、それはまるで骨董屋の様に感じられた。
そして、その中心にある机に、黒いコートを着た青年が座って何かの作業を行っていた。
そして、机の隣には、大量のトランクらしき物が積み上げられていた。
それも、3台ずつ積まれているものが6つある、という形でだ、計18台はある。
そして、相変わらず陽気な態度を取るマスターの声を聞き、青年は振り向き立ち上がる。
彼がキャスターのサーヴァント、シノアの従者であった。
そしてこの地下室は、マスターが用意した、キャスターの工房。
シノアは普段通りの笑顔を作り、キャスターに歩み寄る。
「作業は順調ですか?キャスター。」
「はい、順調です、手の動きは早くなり、その上ソウルメタルを生成出来るなんて…
サーヴァントの身体というのは本当に素晴らしい物です!。」
ニコニコしながら問いかけたシノアに、キャスターは熱意の篭った表情で答える。
ふと、シノアはキャスターの机の隣に積まれているトランクらしき物を見ると、面白そうな顔で、
「いやぁ~それにしても、あの形で積まれているのを見ていると、旅行の準備に見えてしまいますねぇ~」
キャスターにからかいの言葉を掛ける、するとキャスターは、
「これは荷物ではありませんマスター!号竜です!」
真面目な顔で言い返す。
「あはは~知っていますよ~それぐら~い」
シノアもそれを笑って返す、同僚はおろか上司にまでからかいの言葉を掛けてきていた彼女にとって、
からかうという事はもはや日常茶飯事。
だが、からかってはいても、その「号竜」という品はとても興味深くはある。
キャスターが扱う術は、シノア達の世界における呪術とは殆ど別物と言っていい。
筆を礼装に、生き物のような幻を生み出したり、波動を発射したり、その「ソウルメタル」なる金属を素材に
道具を作り出す。似ているのは呪符を使ったりする程度の物だ。
そして、先程自分が荷物と冗談を言った「号竜」。
あれは彼曰くキャスターの発明品だそうだ、戦闘力もかなりの物らしい、
最も、本人によると「サーヴァントとまともに戦えるかは分からない」らしいが。
しかし、姉以外に発明家と出会えたのは、これまた驚きの物ではあった。
◆ ◆ ◆
【クラス名】キャスター
【出典】牙狼-GARO-~MAKAISENKI~
【性別】男
【真名】布道レオ
【属性】秩序・善
【パラメータ】筋力C+ 耐久C+ 敏捷B+ 魔力C 幸運B 宝具A (鎧装着時)
【クラス別スキル】
陣地作成:C
自らに有利な陣地を作り出す能力。
法術を行使するのに有利な工房を作り出せる。
道具作成:B+
魔力を帯びた道具を作り出す能力。
キャスターの場合、一級品の魔導具の他、
生前の逸話から、「号竜」を大量に生産する
力を手にし、ホラーの骸がない限り作り出せない
ソウルメタルを錬成する力をも手にした。
【固有スキル】
対魔力:C
魔力に対する耐性。
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法等は防げない。
魔戒騎士:C
闇に生まれ、闇に忍び、闇を切り裂く護りし者。
反英雄、ないし怨念に起因する者に対しパラメータに
補正が掛かる。
法術:B
魔戒法師が持つ魔術基盤。
魔導筆を礼装として行われる。
【宝具】
「閃光騎士・狼怒(せんこうきし・ろーど)」
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:1
キャスターが継承した、魔戒騎士の鎧。
魔戒剣で頭上に円を描く事で鎧を召喚、
パラメータを高める。魔戒騎士としての在り方から
不死の英雄に対し特攻が着く。ただし、装着出来るのは
99.9秒間。その上固有結界内での召喚は不可となる。
【Weapon】
「魔戒剣」
ソウルメタルと呼ばれる金属で鍛えられた剣。
重量は持つ者の精神力に左右され、碌に訓練を受けていない者には
重すぎて持てない上に、女性には触れることすら出来ない。
「魔導筆」
霊獣の毛皮を筆毛とした、魔戒法師の必需品。
法術を行使することが出来る他、号竜にコマンドを打ち込む際にも使用される。
彼が使用している魔導筆は、尊敬していた兄の形見である。
その他、多彩な魔導具をコート裏に所持している。
【人物背景】
「閃光騎士・狼怒」の称号を受け継ぎゆく家柄の次男坊。
自分より優れた兄、シグマを優れた魔戒騎士となると信じ、
彼を支える優秀な魔戒法師となる事を決意するが、シグマには
護りし者としての心構えが足りなかったために自分が狼怒の
称号を手にする羽目となってしまう。これにより兄は家出してしまうが、
幼い頃兄と一緒に考えた「号竜」を形こそ違えど互いに完成させ、再会。
しかし魔戒騎士の根絶を掲げ十のために一を躊躇無く捨ててしまう兄とは相容れず決裂。
それからは若き天才魔戒法師として元老院で活躍していたが、「黄金騎士・牙狼」の
称号を持つ男やその仲間達と出会い、絆を深め合う。やがて狼怒の称号も正式に継承し、
兄、シグマとの決戦に挑んだ。基本的に真面目で心優しく謙虚な性格。
所謂天才型のため当初は想定外の事態に取り乱すこともあったが、戦いの中で大きく成長を遂げる。
【聖杯にかける願い】
護りし者に、願いなど無い。
【マスター名】柊シノア
【出典】終わりのセラフ
【性別】女
【Weapon】
「四鎌童子」
シノアが契約した「鬼呪装備」。通称「しーちゃん」
普段は黒いペンの様な形状をしているが、詠唱とともに
巨大な鎌へと変化する。リーチ内の敵を探る能力を持つ。
【能力・技能】
「呪術」
ダキニ天法による、東洋の魔術基盤。
呪術の名家の出身であることと、
少なくとも呪符の解呪法は知っている事から、
そこそこの心得はあると思われる。
【人物背景】
滅び行く世界で「日本帝鬼軍」を統べる名門柊家の出身。
無邪気に振る舞う悪戯好きだがその実クール。昇進に興味はないので
毎回蹴っている。家族も仲間も無い空虚な生き方をしていたが、
監視することになった百夜優一郎やその仲間との交流を重ねることで
変わっていく。
【聖杯にかける願い】
吸血鬼やヨハネの四騎士を消し去り、世界を元に戻す。
【方針】
基本的にサーヴァントのみを狙い、マスターは極力殺さない様にする。
また、シノアもキャスターも接近戦に秀でている他、号竜を扱った戦い方も出来る。