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『その眼に焼き付けろぉ!!』

 


アトリの亡骸が、粒子となって消えた。

彼女が消えた場所には、あの「三つの爪痕」が残されていた。

あの時、俺が倒したはずの仇が付けていた、極めて特徴的な傷。


そして、俺の目の前に立っていたのは・・・・


俺がこの「世界」に来て間もなく出会った、命の恩人であった。
左腕に付いていたギブスは地に崩れ、肩からは毒々しい鎌がうねっていた。

 

『志乃を殺したのも・・・俺だ。』

 

―嘘だ。

なんで、なんであいつが・・・・

 


何でお前が・・・・


あの日、PKされた俺を助けて、黄昏の旅団に入れてくれたお前が・・・・


何で・・・・

 

『追って来い、ハセヲ、お前が俺に追いついたその時、お前の物語が真の終焉を迎える・・・。』

 

あの男はそう言うと踵を返し、去る。


「うっ…ウゥゥゥゥゥ…」


地面に顔を向け、涙を落とす俺の中に、数々の思いが流れてきた。

悔しみ、悲しみ、怒り、憎しみ・・・

数えきれない程の負の感情に押し潰され、俺は俺で無くなっていく気がした。

だがそんな事はどうでも良かった。

恋人はおろか偶々出会った人すら守れなかったのが悔しかった。

半年を費やして手に入れたレベルも、居場所も、何もかも失ってしまった事が悲しかった。

それを奪った「奴」が憎かった。

しかし志乃を眠らせた男は、俺のPCをハッキングした者とは別人であった。

しかも、その犯人は…アンタだった…

アンタが…アンタが志乃を。

―許さない…絶対に。

体中が熱くなる、何かに焼かれている気がした。
まるで毛玉が一本の線に変わるかのように、俺の思考は単純化していった。


そして…遂に。


「O―――vaaaaaaannnn!」


俺の思考は、殺意と狂気に塗り潰された。


俺から何もかも奪っていったあの男が、嘗ては俺に教え、与えてくれた人であったことも知らずに。

『オーヴァンを…救ってあげて…』

彼女との別れ際の約束も、忘れてしまいながら。

 

◆ ◆ ◆

 


1人の少女と、1人の男が、朱く染まりながら人気のない道路に横たわっていた。

 

周囲には、刃、刃、刃。
血飛沫と共に、無数の刃が地面に突き刺さって、この一面を気味悪く彩っていた。


そして、その中心では…


「■■■■!」

紅い獣、いや、正確には「獣のような紅い鎧を纏った男」が、何も感じられない様な其の目を虚空に向け、
まるで獣の様な咆哮を上げていた。


蛇のように畝る複数の尻尾は、朱く光る牙であり、
全身を纏う鎧は、茨のような黒い棘が無数に付いていた。

 

「■■■■■!!」

その咆哮が止んだ瞬間、無数の刃に切り刻まれた亡骸は光の粒子となって消え去り、
無数の刃は、構成されていた0と1に分解され消え、


「フシュゥゥゥゥゥゥゥ…。」

血に飢えた獣は、息を荒げながらも、沈黙した。


この狂戦士は、あろうもことかSE.RA.PHの空間に穴を開け、無数の剣が鎖のように固まった様な
刃を出現させ、サーヴァントの必死のガードも虚しく彼らを切り裂いてしまったのだ。


そんな光景の一部始終を、百夜ミカエラは目にしていた。


(あれが、僕のサーヴァントなのか…)

周囲を飾る刃、血、亡骸。
人の形をしているのに、人に見えない、
「死の恐怖」が固まって生まれた様な存在。
ミカエラが幾度も斬り捨てたヨハネの四騎士に匹敵、
いや、下手をすればそれ以上の力を秘めていた。
その狂戦士としての姿は、暴走してしまった嘗ての友を思い出す。


◆ ◆ ◆


ミカエラが記憶を取り戻したのは、つい一日前であった。

それまでは高校で授業を受け、友人と談笑を交わし、
孤児院に帰って寝る毎日だった。


そんな日々を過ごしていく内に、それが何処か懐かしさを
感じるようになってきた。そして遂に辿り着いた結論。

こんな日々を、僕はずっと過ごしてきていなかった。

そんな事が思い浮かんだ瞬間、

元の世界の記憶がパズルのピースが集まっていくように蘇り、
「聖杯戦争」に関する知識、三角の紋章、そして目の前で屠っている狂戦士。
これらが全て、ミカエラの前に集まった。しかし、その知識はあまりにも
驚くべき物であった。

子供の頃に読んだ本の中に出てきた、とっても強い騎士様を天国に送った「聖杯」。

カッコいい王様と騎士様が探していた、キラキラと光り輝くコップ。

それが、本当に存在するという、それも、この月の中に。

しかもそれは、「願望成就」という力を手にしていた。

ならば、それは何としても手に入れよう。

ミカエラが望む物は既にある。


友を救う。

 

欲望に塗れた人間達に騙されている、優ちゃんを救う。

願いに伸ばす手を弾く者達は愚かな人間、それにあちらがそうするならこちらもそうするまでだ。

倒すことには、何の躊躇いもない、これまでもそうしてきたのだから。

そして、そのためにも。

「力を貸してくれ、バーサーカー。僕が、優ちゃんを救うための力を。」

ミカエラは、目の前にいる狂戦士に問いかける。
契約を成立させたあの時と、同じ言葉で。

 

「Urr…」

 

獣は、肯定の意を表す様に吠える。

 

そして今、彼はこの戦いに足を踏み入れ、黙示録の獣を侍らせ願望機の中身を飲み込まんとする。


「世界」に侵蝕した病に、友を奪われた二人の少年。
あの「世界」と同じように黙示録の再現が行われる中、かの大天使の名を持つ少年は、
かの大天使に滅ぼされた獣の名を冠す狂戦士の首輪を握りしめ、走りだす。

 


君の元へと向かうから待っていてくれ。

奴らは何らかの形で君を変えてしまうだろう。

君は何処にいるの?


来い、来いよ、俺はここにいる。

僕が君を、救いだすから。

夢から醒めても、この手を伸ばすよ。

 

 


【クラス名】バーサーカー
【出典】.hack//G.U.TRILOGY(設定は.hack//Linkに準拠していますが、経歴は此方から)
【性別】男
【真名】黙示録の獣
【属性】混沌・狂
【パラメータ】筋力A 耐久B 敏捷A 魔力B 幸運C 宝具A

 

【クラス別スキル】

狂化:B
理性と引き換えに全パラメータを増強させる。
理性を完全に失う代わりに全パラメータが1ランク上昇する。


【固有スキル】

死の恐怖:-
「The World R:2」にて有名になったPKK。
反英雄、属性が「悪」の英雄に対しパラメータに補正が掛かる・・・はずなのだが、
正規のPCには程遠いこの姿で呼ばれた際には何故かうまく機能していない。


勇猛:B
威圧、混乱、幻惑などの精神攻撃を跳ね除ける。


錬装士:A
マルチウェポン。「The World R:2」におけるジョブ。
「剣術」「槍術」など多種多様な武器の扱いに関するスキルを
組み合わせた、一種の複合スキル。
Aランクだと、3rdフォームへのジョブエクステンドを完了し、
更に高いレベルへと至っている証となる。
バーサーカーが狂っていても尚器用に武器を扱えたのは、この
スキルの恩恵を受けているためである。

 

魔力放出:A
武器、ないし自らの身体に魔力を纏わせる。
時にはバリア、時には炎を発することが出来る。

 

【宝具】

「第一相碑文・死の恐怖(スケィス)」

ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:20 最大捕捉:1

嘗て「The World」に存在したとされるモルガナの化身であり、
バーサーカーのPCに宿った「碑文」と呼ばれる特殊プログラム。
本来は「憑神(アバター)」を呼び出し、
更にはデータを書き換える「データドレイン」を
可能とする宝具なのだが、このクラスで召喚された際には、
バーサーカーの身体と歪んだ形での「融合」を果たしてしまっており、
無数の刃を異空間から召喚して戦う「獣」に姿を変える力として
機能している。

【Weapon】
「刃」
バーサーカーが異空間から召喚する無数の刃。
大剣、大鎌、チェーンソー型大剣等「錬装士」の装備が、
一度に空間の裂け目から無数に出現する様は、
正に「バグ」という言葉が相応しいといえよう。

 

【人物背景】

世界的なオンラインゲーム「The World R:2」にて其の名を馳せた伝説のPKK、「死の恐怖」ことハセヲのPCが、
仲間をPKした「三爪痕(トライエッジ)」に対する強大な怒りによって歪んだ形でのジョブエクステンドを果たした姿。
ある世界では「三爪痕」を騙ったオーヴァンとの熾烈な戦いの末に敗北したと記録されているが、
またある世界では「The World R:X」における放浪AIとしても存在し、
同じく存在したハセヲの放浪AIもこの姿に変貌したとも伝えられている。
此度の聖杯戦争においては、「The World R:X」のサーバーにあったデータがサーヴァントとなった形で
現界している。だが、伝承の影響から、狂っているために意味こそ無いが、
オーヴァンに倒された方のハセヲの持っていた記憶は残っており、彼の目には、愛する仲間を殺した、嘗ての
恩人の姿が見えている。オーヴァンの過去や、後に自らが彼を救おうとしたことは、忘れてしまったが。


【聖杯にかける願い】

オーヴァンを、殺す。

 

 

【マスター名】百夜ミカエラ
【出典】終わりのセラフ
【性別】男

【Weapon】

「剣」
吸血鬼が所持する剣。
所有者の血を吸うことで威力を高める。
血を吸えないので使いどきが肝心。

 

【能力・技能】

・吸血鬼
数々の伝承でも語られている、血を啜って生きる亜人種。
しかし、ムーンセルにおいては食事は意味を成さなくなったため、
吸血をしなくても身体が維持できるようになった。
ただし、血を吸うと魔力が減る。

 

・終わりのセラフ
「百夜教」が開発を進めていた、禁忌の呪術。
彼はその実験体である。


【人物背景】

「百夜教」の孤児院に預けられた子の1人で、孤児達のリーダー的存在。
しかしその一方で「終わりのセラフ」の実験体として扱われており、
素質に関してピカイチであった。しかし吸血鬼達によって地下に閉じ込められ、
残飯を食べさせられる毎日を送っていたが、ある日脱出を決行。
しかしそれは失敗し、吸血鬼の貴族に連行されるも、吸血鬼の女王に気に入られ、
吸血鬼の力を望まずとも手に入れる。そして、仲間達の唯一の生き残りであり
親友である百夜優一郎を救うために帆走することになる。
吸血鬼となった影響で若干感情が希薄になっている上に人間を見下したような口を
きくようになったが、それでも友を救おうとする意志は決して揺るがなかった。

【聖杯にかける願い】

優ちゃんを救う。


【方針】
血を吸わなければ疲労を回復させられないので、
あまり剣に血は捧げたくない。
まずはある程度情報を入手してから、
バーサーカーの火力で他の敵を潰していく。

最終更新:2016年05月27日 05:28