桜満集が記憶を取り戻したのは、つい昨日の事であった。
朝、駅を抜けて、校門に入れば、いつもの様なやかましい毎日がそこにある。
カメラ片手にはしゃぐ友人の姿がそこにある。
変な噂話で盛り上がるクラスメートの姿がそこにある。
互いの端末の内容を見せ合い笑っている女子グループがそこにいる。
何処にでもあるような普通の日々。
何故だろう。
とても懐かしさを感じられる気がする。
教科書の内容を熱心に解説している教師の声は、いつもの様に耳から滑ってしまい、
気が付けば、もう下校のチャイムが鳴り響く。
校門を抜けようとした途端、
「集~!」
振り向けば、幼馴染の祭の姿がそこにいた。
(あれ…何で…祭が…)
「あ…うん。」
その時は適当に返事をして返したが、帰りの電車に揺られながらその違和感は
増していった。
祭は死んだはずじゃなかったのか。
あの時、僕が、僕が、守ってやれなかったから。
…そういえば、何で僕はそんな事を考えているのだろう。
ふと、自分の右腕を見つめると、それを見つめる目は驚愕を極める。
(僕の王の力がああああああああああ!!)
この腕…確か涯に切り落とされたはずじゃ…
そういえば、何で僕、目が見えているんだ!?
そんな事を考えていれば、車内のスピーカーが自宅への最寄駅の名を唱える。
電車を出て、駅の改札を抜けても、集はこの謎の疑問からは抜け出せなかった。
帰り道をトボトボと歩きながらも、人気のない住宅街に来た時、不意に左ポケットに違和感を覚える。
その時、考えるより先に左手が動き、左ポケットから耳に取り付ける型の携帯音楽プレーヤを取り出す。
そしてそれを無意識の内に取り付け、スイッチを押す。
すると、スピーカーからきれいな歌声が聴こえてくる。
聞き慣れているのに、聞き足りない、自分にとってはかけがえの無い歌が。
そうすれば、自分が命を懸けて守ろうとした、彼女の姿が眼の前に現れる。
「いのり…」
そう呟いた集の左手の甲には冠の刻印が光を伴って現れ、右手の甲には、剣の突き刺さった冠の様な模様が、赤い光によって描かれる。
桜満集の中に、他の嘗ての記憶が、散り散りになったパズルのピースが集まるように収束していき、それに加わり、
「聖杯戦争」「サーヴァント」「令呪」「ムーンセル」
それに関する情報が流れ込んでくる。
その時。
集の目の前で光の粒子が収束していき、1人の男の姿を形作る。
赤い炎が描かれた紺色のコートに、赤いゴーグルを額に引っ掛けたという格好の青年の姿を。
そして青年は問う。
「お前が、俺のマスターか?」
彼こそが、桜満集のサーヴァントであった。
◆ ◆ ◆
夕焼けが射す公園のベンチに、集と、そのサーヴァントである青年は腰掛けていた。
立ち話もなんだろう、しかしココらへんには喫茶店もないし、使う金も勿体無いという事で
選んだのがこの近所の公園だ。
目の前で数人の子供達が無邪気にはしゃいでいるのが聞こえる。
そこで、青年は少年に問う。
「なあ、シュウ。」
「え?」
「お前、願いはどうするんだ?」
聖杯戦争は、即ち願いを優勝カップとした殺し合いだ。
そして、同じ釜の飯を食う事となる事となるサーヴァントが、
それを聞くのはある種の必然であろうか。
「願い…か…」
集にも、叶えたい願いが無いか、といえばそれは嘘だ。
「強いて言うなら、死んでいった皆を助ける事…かな。
だけど、きっと皆は、それを望んではいないと思う。」
いのりも涯も、他の皆も、結局は満足に旅立っていった。
それを引き戻そうとするなんて、結局は僕の我儘に過ぎないじゃないか。
すると、青年は、少し沈んだ顔で集を見て答える。
「そうか…意外だな。」
「え?」
「実は俺も、そう考えていた所さ、生き返らせたい人なら山程いる。
でも、彼奴等だってそれを望んじゃいない、俺だって、彼奴等の代わりに
前に進むって決めて、生き続けたから…
それで、願いなら無いならどうするんだ?」
すると集は、その問いにしばらくの間沈黙した。
それもそうだ。
願いがないのに戦うなんて。
まるで前に八尋が見せてくれた映画にあった、突然大量のサメが生息している海域に
投げ込まれた時の様な気分だった。
僕は、これからどうすればいい。
そんな事を考えていたら、自分と同じような状況に置かれているかもしれないマスターの姿が
思い浮かんだ。
だったらせめて、この身は。
誰かのために使いたい。
誰かの手を差し伸べるために使いたい。
だから。
集は従者に言う。
「ライダー…僕は、この聖杯戦争を止める。そして、他のマスター達と一緒に、このムーンセルから抜け出す。」
そう言い切ると、集のサーヴァント…ライダーは、口で弧を描き、答える。
「ああ、分かった!聞き届けたぜ!お前の願い!ライダーのクラスで現界した大グレン団の元リーダー、シモンが、
お前の思いを繋げてやる!」
ここに、桜満集の方針は決まった。
◆ ◆ ◆
二人は、他の者にはない、大きな物を持っていた。
とても強い優しさの持ち主だった。
それは人々を引き寄せ、やがて王として祭り上げられた。
だが、結局それは、王の器に値するものでは無かった。
二人の優しさは、結局愚直な優しさでしか無く、
政を成す力は持ち合わせていなかった。
それでも、二人は、星に現れた約束された終末を、
1人の愛する女を守るために、
人を集める罪の冠で。
天を突く螺旋の顔面で。
敬っていた幼馴染は逝った。
愛する女は守れなかった。
それでも、彼らはこの腕に、この背中に、この胸に、
一つになって生き続けている。
悔いはない。
ならば願いはない。
だったら、握らされたこの力は何のために振るう。
すると、助けを求める人の声が、また聞こえてくる。
それなら、伸ばされた手を掴むために、この力を使おうではないか。
人を集める罪の王と、銀河を貫いた螺旋の王は、
その冠を、そのドリルを再び手にとった。
人々の苦を集め背負うために。
死んでいった者から、これから生き続けていく者へと命を繋いでいくために。
【クラス名】ライダー
【出典】天元突破グレンラガン
【性別】男
【真名】シモン
【属性】秩序・善
【パラメータ】筋力D+ 耐久D+ 敏捷C+ 魔力B 幸運C 宝具A++
【クラス別スキル】
騎乗:B
乗り物を乗りこなす才能。
ガンメンやブタモグラはある程度ならせるが、
聖獣、幻獣は乗りこなせない。
対魔力:B
魔力に対する耐性。
第三節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法をもってしても、傷つけるのは難しい。
【固有スキル】
螺旋力:EX
遺伝子の二重螺旋に埋め込まれた、「生きる」力。
彼の螺旋力は計り知れない程の膨大なもので、
銀河を、更には宇宙をも創りあげた。
戦闘続行:B
往生際が悪い。
致命傷を受けない限り戦闘を続行する。
カリスマ:C+
人々を導く才能。
一国を従えるにはまだまだ足りないが、
「生きよう」とするものに対しては本領を発揮する。
星の開拓者:EX
人類史におけるターニングポイントとなった英雄が持つスキル。
あらゆる難行が「不可能」なまま実現可能となる。
【宝具】
「燃え上がる螺旋の魂(グレンラガン)」
ランク:C+ 種別:対軍宝具 レンジ:30 最大捕捉:1〜100人
ライダーが生前駆ったとされる人型兵器「ガンメン」である
「ラガン」と、彼の数多くの仲間が乗ったとされる「グレン」
が合体した姿。彼の意志と共に、「螺旋の力」の象徴として
次の世代へと受け継がれていった。全身から出現するドリルが武器の他、
合体時に何処からとも無く出現する飛行ユニット「グレンウィング」、
全身から出現する「ギガドリル」グレンの装飾品である「グレンブーメラン」
等の装備を持つ。操縦は主にライダーが行うが、彼の許可により他の人間
が「グレン」のコックピットで操縦することも出来る。
操縦方法は簡単。「気合」でレバーを動かす、それだけ。合体解除も可能。
「天に風穴開く己の道(ロード・オブ・スパイラル)」
ランク:A++ 種別:対界宝具 レンジ:100 最大捕捉:1000人
ライダーの最たる偉業とされる、「アンチスパイラル」との戦いを再現した宝具。
幾つもの惑星が見える宇宙の様な、螺旋の戦士たる彼の多元宇宙での戦いを再現した
固有結界を展開する。この中でのみ、ライダーは最高クラスの知名度を入手し、
「アークグレン」「超銀河ダイグレン」の召喚、そしてグレンラガンとの合体が可能となる。
更に、マスターの魔力が許す限りではあるが、彼が率いた「大グレン団」のメンバー全員を
英霊の座から呼び寄せ、「天元突破グレンラガン」「超天元突破グレンラガン」
への合体も可能となる。ただし、ロシウの様に政治面において活躍した人物は
呼び寄せられるかどうかは不明であり、不死身であるために英霊の座に来ていないヴィラル
は呼び出せない。
尚、本来ならグレンラガンが彼らと合体した姿は惑星レベルの大きさとなるはずだが、
その際には代わりに結界のスケールが大きくなっていき、グレンラガンの大きさは5mに留まる。
【Weapon】
「コアドリル」
螺旋力を引き出すためのドリル型アイテムで、
ラガンの起動キー。
持ち主の螺旋力により威力は変動し、
ライダーの力でなら、敵に突き刺すことで
強力な光と共に敵を貫く事が出来る。
また、このコアドリルはグレンラガンと共に
次の世代へと受け継がれていったため、、三種の神器
やロンギヌスの槍に匹敵するほどの神秘性を誇る。
「ラガン」
グレンラガンの頭部に当たるガンメン。
ライダーがコアドリルとともに掘り当て、彼の運命を変えたガンメン。
嘗て螺旋族が対アンチスパイラル用に作り出したガンメンで、
コアドリルを媒介として搭乗者の螺旋力を最大限に引き出すことが出来、
全身のアチコチから「ドリル」を生成して武器とする。
そしてこの機体の最大の特徴。それは、「他の機動兵器の構造を乗っ取る機能」である。
ラガンが目的の機体に引っ付く(例えばドリルをぶっ刺して固定するなど)事で制御権を奪い、
更にはカラーリングもラガンと同じ赤に変える事もある。宇宙船を変形ロボに変えることも出来る。
乗っ取るのはロボットの破片でもOKな様で、グレンラガンの兜は実際に敵から分捕った物である。
嘗てアンチスパイラルとの戦いで使われていたラゼンガンはその機能を応用したもので、
グレンラガン、アークグレンラガンも機体を「乗っ取る」形で合体を果たしたものである。
「グレン」
正式名称は「ギャンザ」、グレン団が最初に強奪したガンメン。
後に改良が施され、目の部分にはサングラス型の投擲武器「グレンブーメラン」が装備されている。
ラガンに機体を乗っ取らせることで「合体」を果たし、「燃え上がる螺旋の魂」を顕現させる。
【人物背景】
人が地へ押し込められた世界で、一人の少年は、ある日天井を貫いた。
両親が死んだ、仲間が死んだ、愛するものも死んだ。
それでも、彼は諦めなかった。ドリル片手にひたすら前へと掘り続け、
地を、天を、銀河を、そして宇宙をも貫き、遂には創りあげた。
これは、1人の穴掘り男の物語。語り尽くせば、また日が昇る。
【聖杯にかける願い】
特に無い。
【マスター名】桜満集
【出典】ギルティクラウン
【性別】男
【Weapon】
「ヴォイドゲノム」
アポカリプスウィルスを解析して得られた遺伝子コードを基に生み出された、
人の心を具現化する力。左手の甲に宿した王の刻印からその力を顕現させる。
対象と互いに視線を合わせることで、対象の体内から「ヴォイド」と呼ばれる
武器を取り出す。武器の形状は対象の心象を表した物となる。武器を抜き取られた対象は
抜き取られる前後の記憶を喪失する。尚、サーヴァントからヴォイドを抜き取られるかは不明。
【能力・技能】
無し、強いて言えばヴォイドゲノム。
【人物背景】
少年は、誰よりも優しく、決断力のある人物だった。
しかし、失われた聖夜のその日から、彼は心に影を
落とした。だが、1人の歌姫に出会ったその日、
彼の錆び付いた運命の歯車は回り出した。
少年は多くの挫折を味わい、多くの友を失っていった。
だがそれを乗り越え、少年は本来の自分を取り戻した。
そして死にゆく人々の抱える呪いを全て背負い込み、
自分の命と引き換えに全てを救わんとした。
少年が最後に見たのは、少年の呪いを奪い取り
消えゆく歌姫の姿であった。
【聖杯にかける願い】
死んでいった仲間達を生き返らせようなどとは思わない。
聖杯戦争を止める。
【方針】
基本的には、サーヴァント同士の争いに介入して和解させる。
若しくは、同じ考えを持った仲間を探す。
戦闘においては、ライダーの宝具である固有結界は、極めて強力な代物ではあるが、
消費する魔力は莫大なためそう安易に使用できない上、
「超天元突破グレンラガン」の顕現は限りなく難しい。
ただし、グレンラガンでも強力な戦力となる上に、
マスターである集自身も「ヴォイドゲノム」という力を持っているので、
固有結界を切り札として置いても十分に戦い抜ける。