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 ぐっちゃぐっちゃ、ぐっちゃぐっちゃ。

 「ぺっぺっぺ~つばぺっぺー」

 ぐっちゃっぐっちゃっと噛み合わせられるのはガムである。呆けたような口から覗く黄ばんだ歯の間に、

歯は磨いているのだろうか? 食べたいもの何でも食べていいとは言われてないけれど、歯磨きを欠かさずするようにも見えない風貌であるなあ。

つばが混ぜ合わせれて発生する泡と、チラチラ見えるのは緑青色のガムだ。白と黄色と緑とあぶくのコントラストは一層の嫌悪感を引き立てる。

ミントみたいな匂いまで漂ってくるのは最悪だ。人様のいる空間に対して自分の口腔の食物の印象を叩きつけてくるんじゃない。本当に人間か?

そもそも口内の匂いの要因は様々で、たかが、匂い付きの練り消しのようなものを噛んだところでカバーできるのは数十分だ。

それぐらいで染みついた匂いは徐々に表層に浮き上がり始める。これを完膚なきまでに浄化しなさいと、歯の先から舌を乗り越え臓腑の中まで綺麗にしろと世間様はおっしゃる。

気を使わなければ皆様方は信じられない未確認生物を見たとまで思い存在そのものを否定しにかかるのだ。

そう思うと、口を開けてミントガム噛んで、周囲に対しての気遣いをアピールするということは存外悪くない選択肢なのではないだろうか。

 「ガームが欲しいかやらないぞ~」

 おら欲しがれよ物乞い共! いや別にこんな臭そうで濁ってそうでビョーキになりそうで細菌が基準値の数倍をはるかに超えてそうな場所から発射されたものを舐めとれ、

というわけではない。事実街を行き交う市民たちは嫌な物を見たと言わんばかりに顔を顰めて去って行く。

これから我々は仕事/学校なのだと、そんな気分の害するものを見せつけ、余計なストレスを与えてくるんじゃあないと。

でもそれを表面に出して気持ち悪がりを表現する必要がありますか?

そんなものを見たというのなら、表情をに出さず意識から消して何もなかったかのように振る舞えばいいのだ。早く忘れるための努力をすればいいのに。

現代の惰弱で情弱で貧弱な社会動物達はすぐに共通意識を持とうとする。私気持ち悪がってます貴方も気持ち悪がってますあれは我々の敵です排除しましょう。

そして、僕たちは仲間ですね、僕はこの社会という共同体のさらに深い一員になれたぞ! さあ皆さん認め合いましょ。支配するのはそんな承認欲求である。

見てみるがいい。今チラ見していやそうな顔をした後、周囲を見渡し同様の反応をしている市民たちを見て安心している高校生の姿を。

あれこそが現代社会の縮図、互いに認識を求めあう乞食どもの群意識の表れだ!


 『……何をやっているんだい? まったく、 しょうがないな、ポーキー君は~』

 落ち着く声であることだなあ。我々の深層意識に刻まれたある種の絶対的存在。声を聞いていた少年はガムをその場に吐き捨てる。

唐突に吐き捨てられたガムを見た善良なる町民の皆さん、近くの者は飛びのき、遠くのものは眉を潜める。

しょうがないことではないだろうか、変わらない一日を過ごそうとしているのに、いきなりこんな生理的嫌悪を煽る光景を見せつけられては反射的に行動することは避けられない。

公共の平和を乱す害悪に対して同情を払う必要などはなく、市民が一致団結して彼らのような存在を締め出すべきだ。

だいたい地面にガムを吐き出すという行為がどれだけの大罪であるか彼は理解しているのだろうか。

どんな穢れなき街の外観も小さなガム一つによりどんどん薄汚れていく。千丈の包みに開いた蟻の穴の如く。

大人しく人のいい掃除のおば様おじ様方の手を煩わせる。彼ら彼女らは地面にこびりついた汚れに暗澹たる心境に陥ってしまうだろう。

そして何よりも踏みつけたときに発生する不快な感触とまるで神に見放されたような惨めな気持ち……。人の精神を奈落の底に突き落としている。

靴にこびりついたガムを擦り落とすときの気分がわかるか! 途方もない徒労感の下必死になって十円を擦り合わせるのだぞ!

 さて、そんな罪よりもはるかに重い罪悪を積み重ねてきたポーキー少年は、唐突に空を見上げた。

叙情的な気分になっているのか……? そんなことがあろうはずはない。彼の精神は暗所で育てられたもやしのように歪んでいる。

今日の空模様に対しての罵詈雑言を吐いてみようかと試みたが、当てはまる語彙が彼にはなかった。

もっともどんな天気であろうが彼は文句を言っていただろう。彼は何に対しても文句をつけたがる年ごろのままだったから。

栄養に満ち溢れ豊かな外見とはうらはらに、悪ガキの精神性はぺんぺん草も生えない荒地のような環境にてどんどん屈折していった。

結局のところ彼の正体は、とてもすなおでちいさなただのしょうねんなのだ。だからみんなもかれにすなおにはなしかけるべきなんだ。

いままで吐き捨ててきた悪意ある言動の数々を、ゆるしてくれるだろうか……、ゆるしてくれるね。



 

 ※ ※ ※



 そして、舞台は夜へと移る。
周囲に嫌悪感を示すことだけでも、周囲の反応を窺っていた少年の帰り道だ。
社会が自分に合わせてくれないことに疲れ果てていた彼の前に、二人の珍客が現れる。
彼はその数奇な出会いに対して、どのように変化するのか――



 ※ ※ ※


 しょうねん
 ◇ハアハアハアハア、つかれたなあ。ハアハアハアハア。

 ◇だいたいアイツ、もっとおもしろいことがいえるはなしをすればいいんだ。アイツらめ!

 ???
 ◇オーイ……

 ◆だれにはなしているのだ

 ◇ドタドタ、ドタドタ。 
 
 ◇オイ! おまえだよ! そこのヘロヘロのおとなきどり!
 
 ◇ドタドタ、ドタドタ。

 ◇(まってよう、ポーキーくんー!)

 ◇ドタドタ、ドタドタ。
 
 しょうねん
 ◇うわあ! きんぱつのぶたみたいなやつとへんなあたまのふりょうみたいなくまがおそってくるー。 

 ◇ん……? きんぱつのやつみたなぶたとへんなくまみたいなあたまのふりょうかな。

 ◇ひえー。 ぶたみたいなきんぱつのやつとへんなふりょうみたいなくまのあたまだー。

 ◇タッタッタッタ。

 ポーキー
 ◇ゼエハア、オイクソ、まてよ。オイ!

 ◇まてといったらまてよ、オイ! にんげんきどり!

 ???
 ◇(にげられちゃったねえ)


 ポーキー
 ◇デヘ、ゲホ、にげられた、にげられちゃったヨ~ン。

 ◇ガホ、ゲヘ、おまえのせいだぞ。ふうふう、おいにげられたのはおまえのせいだ。

 ◇むちなくまみたいなかおのくせに、うしのふんみたいなあたまをするからだ。シロクロクマ!

 シロクロクマ
 ◇ぷっつーん。ボクのあたまがなんだって~。

 ◇だいたいなんだい、ボクはちゃんとおめかししてリーゼントにしたのに、きみときたらいつものまま。

 ◇これじゃあどうぶつえんからだっそうしてきたようにしかみえないよ!

 ポーキー
 ◇チラッチラッ、なんだよ、ぼくにはむかうのか。チラッチラッ。

 シロクロクマ
 ◇ああもう、やめてよ! ボクはきみのどれいロボットじゃない!

 ◇ボクはくま、りっぱなくま。うちゅうせんちきゅうごうのなかまだよ。

 ◇ボこりボコられいきていってるわけじゃないんだ。もちろんいしきをうばわれて、はっきょうするのはごめんさ。

 ◇なにがキモチイイだい! あんなのこわすぎてトラウマになるじゃないか。

 ポーキー
 ◇どうでもいいどうでもいい。オシリペンペーン。

 シロクロクマ
 ◇ああもう、やるきだしてよ。ボクらはせいはいせんそうにかたないといけないんだ。

 ◇めをちばしらせてハナイキあらいれんちゅうや、いらないとかいいながらチラミするれんちゅうから。

 ◇うおうさおうするうぞうむぞう、むしけらたちから、せいはいをまもらなきゃ。

 ◇がんばろう、せんせいはいまのわかもののやるきのなさをうれいているんだよ。

 ◇ほら、ヨーヨーみせてあげるから。

 ◆シロクロクマはカッコいいヨーヨーをひろうした。

 ポーキー
 ◇……ヘタクソ!

 ◆ポーキーはちょうしょうをあびせた!


【クラス】
 アヴェンジャー
【真名】
 モノクマ@ダンガンロンパ
【ステータス】
 筋力:C 耐久:C 敏捷:C 魔力:D 幸運:B 宝具:A
【属性】
 混沌・悪
【クラススキル】
 復讐者:A
 世界の秩序をせせら笑い、やせがまんする人々を馬鹿にする。
 やりたいようにやればいいじゃないか。だってそれが人間って動物だろう?
 被攻撃時に魔力を増加させる。
 忘却補正:E
 真面目ぶったお利口さんからはただの忌まわしい存在で忘れようとするけど、
 絶望したか弱い奴等からは紛れもない英雄、救世主だ。
 英雄に対してのダメージを心なしか上昇させる。
 自己回復(魔力):B
 才能があって豊かだからいい子ちゃんぶったことが言えるんだ!
 持ってなければ持ってないほど人生は荒んでしかも皆それに目を向けようとしない。
 それで落ちてきてから初めて受け皿があったことに感謝するのさ。
 皆ボクに消えてほしくないって思ってるんだろうなあ。
 
【保有スキル】
 専科百般:B
 わりと何でもできる。かつての主人が才能の塊だったからか? 希望が峰の堕ちた生徒達の象徴だからか?
 でもキュートな手足が届かないことはできないんだよ。可愛くってごめーんね♪ 
 話術:B
 口がうまい。ガチガチに理論武装した連中には勝てないだろうけれど、
 世間を知らない才能あふれる人たちを陥落させるには十分。
 精神汚染(他):B
 なんでかはわからないけど、ボクと話してるとみんな不快そうになったり、不安そうになったり、
 ひどいときには怒り出すんだ! ボクは正論を言ってるだけなのに。まったく、酷い話だよね。


【宝具】
 「絶望の象徴(モノクマ)」
 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:-
 こんにちは、ボク、モノクマです。
 滑らかなボディと愛くるしい見た目を持つボクですが、皆さんからのご期待に応え、
 なんと大量生産されることになりました。いやー技術ってのは偉大ですなあ!
 生産されるボクは本物と一寸変わらぬ出来で、本物とすり替わっても気がつかないくらい。
 今後はボクの亜種も順次生産していく予定です!
 このまま一家に一台モノクマ! と行きたいところですが、原料の不足……というか
 ポーキー君の魔力不足で、自己発電をもってしてもそんなに多くは出せないのです。ショボーン。

 「感染する絶望(超高校級の絶望)」
 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:-
 まったく、なんてことするんだ!
 いくらボクがいると、他人の感情(特に嫉妬やら憤怒やら)を煽るからってなんでもボクのせいにするなよな!
 絶望に堕ちきった連中はどこからともなくボクのプリチーな仮面をとりだして、破壊活動に勤しみだすんだ。
 それを見た連中もまた精神的にショックを受けてって……負のスパイラルじゃないか! やったのはオマエラだろ。
 まあ、ボクのことが好きで、そんな格好するっていうのは、悪い気はしないけどね。ウププププ。
 
【weapon】
 鋭い爪から何の変哲もないバズーカ砲まで。

【人物背景】
超高校級の絶望、江ノ島盾子が計画のために作ったキャラクター。
数々の絶望的事件に彼を介入させたことで、モノクマ自体が江ノ島盾子から離れ独り歩きし始めた。
性格は明るく道化的で様々なネタをちりばめた発言も多いが、歯に衣着せぬ発言や盲点を突いた発言で、
人の心を追い詰めていく。

【聖杯にかける願い】
 そりゃあ手に入れて、ボクらしい願い事をするよ。ウププ。



【マスター】
 ポーキー@mother3

【能力・技能】
 体力は同年代の子供以下。
 けれど彼には長い年月(数百年から数億年場合によってはそれ以上)かけて歪み切った精神と超絶した悪運がある。

【weapon】
 なし

【人物背景】
 mother2の主人公、ネスの迷惑な隣人。初めは底意地の悪いガキ程度だったが、選ばれし子供に選ばれなかったことを
 きっかけにドンドン悪の道を歩み、性格もガンガン破綻していった。
 物語終了後、ポーキーは手に入れたタイムマシンにより、自分の世界を求めて時空を彷徨ったが、
 どんな世界からも追い出され、生身で時間移動した代償により、干からびた老人のの身体のまま死ねなくなってしまった。
 家庭環境も劣悪で、酒浸りの父と暴力を振るう浮気母。唯一弟だけがまともに育っていた。
 ただ、ネスには友情を感じているようで、彼の冒険模様を映画館で流し、彼のヨーヨーを大事に保管している。
 参戦はmother3の直前。姿は2の少年時代の姿。このことをポーキーは素直に喜んでいる。
 
【方針】
 場を荒らせるだけ荒らす。最後の最後には聖杯を掻っ攫う。……まけたらしぬのか? どうなのか?
最終更新:2016年05月04日 14:46