世界に見捨てられても、出来る限り生き抜いて欲しい。
例え、世界がどんなに残酷でも、どんなに悲惨でも。
◆ ◆ ◆
「人が数多待つ予言の日だ!」
ラウは、クローン人間として生を受けた。
しかし、本物の自分であるアル・ラ・フラガは決して、
自分を人間扱いしてはくれなかった。
だから彼は屋敷に火を放った。だが、例え屋敷を燃やす火が
消えても、彼の憎しみの炎は消えやしない。
彼はラウ・ル・クルーゼと名乗り、世界への復讐を開始した。
それから幾年が過ぎ、クルーゼは自分とは正反対の人間しかいない
人工惑星「プラント」に入り込み、頭角を表した。時が熟したと考え、
その次にはプラントと対立する「ブルーコスモス」にプラントの情報を
流し込む。彼の計画通り、コーディネイターとナチュラルの真っ二つに割れた人類は、
殺して殺されてのイタチごっこを続け、遂に、両者が滅びるその引き金が引かれようとしていた。
ザフトが隠し持っていた、撃ってはならぬとされた禁断の光「ジェネシス」。
憎しみに駆られた愚かな人間共は、その引き金に指を掛けた。
―これで、私のシナリオは完成する。
そう確信していたその時。やはり邪魔する者はいた。
「守りたい世界が、あるんだ!」
自分と真逆の生まれを持ったキラ・ヤマト、クルーゼのクローン元の忘れ形見であるムウ・ラ・フラガ、
そしてこの争いを止めようとする第三勢力だ。
彼らは戦いを止めようと、ジェネシスを壊し、クルーゼに刃を向けた。
熾烈な戦いの末、負けたのはクルーゼであった。
勝ったのは、完成作であったキラ・ヤマトであった。
◆ ◆ ◆
「踊るぞ、死神のパーティータイムだ。」
大道克己は、交通事故で命を落としたはずであった。
だが、克己を失いたくなかった母は彼を蘇らせた。
不死身の生物兵器「NEVER」として。
克己は、死にゆく人を拾っては、NEVERに変え、仲間とした。
だがある日、やっと、自分の言葉で、苦難に苛まれても生きようと決めた人々が、
目の前で散って消えた。しかもそれは、最初から決められていた事であった。
克己は絶望した、そして知った…いや、思い出した。
人間は、皆悪魔であると。
憎しみの炎を燃やして彼が次に向かう場所は、嘗ての克己が愛した街「風都」だった。
彼は「哀れな箱庭の住人を開放する」と今此処に宣言し、克己が風都中にばら撒いた
26本のガイアメモリは、今また彼の手の中に戻り、遂に手札は揃う。
風都のシンボルの塔は破滅の光を発しようとした…が、それを防いだ者がいた。
「さあ、お前の罪を数えろ!!」
彼…いや、彼らの名は、「仮面ライダー」。街の涙を拭うハンカチ。
今更数え切れないその罪とともに、生きる屍は英雄に立ち向かう。
しかし、英雄は愛する街とその人々の思いを胸に羽撃く。
彼らの黄金の一撃に、永遠に生き続けようとした骸人形は塵に還った。
◆ ◆ ◆
その日、英雄は「死神」を目の当たりにした。
「これで決める!!」
剣士の英霊…セイバーが、宝具を構えたその瞬間。
「無駄だ。」
『エターナル!マキシマムドライブ!』
死神がベルトのバックルから抜き取ったパーツを、
ナイフに合体させる。異変はその時起こった。
「!?なんだ…これは!!」
セイバーが手にとった宝具たる魔剣が…さっきまで光を帯びていた魔剣が…
突然、刃に纏っていた光を失った。
まるで電池の切れた懐中電灯の様に、セイバーの魔剣は光を閉ざす。
「お前のその剣は、たった今眠りについた、『永遠』にな。」
見てみれば、死神は上空に飛び上がり、回転しながら足を此方に向ける。
「お前も今からそこに連れて行ってやる。」
彼の足に、蒼い火が付く。
それはセイバーに当たり、彼は遠くに吹き飛ばされ、両膝を地面に着ける。
死神は倒した敵にその背を向け、死神は右手を横に広げ、サムズアップを作る。
そして…そのサムズアップを下に向け、叫んだ。
「さあ、地獄を楽しみな!!」
その言葉が吐かれた直後にセイバーは倒れ、
「うわあああああああああああああああああ!!」
路地裏に、大きな爆発が響いた。
死神の名は大道克己、暗殺者…アサシンのクラスを以って現界した、風の街を泣かせた悪魔。
不意に、パチ、パチ、パチ、と、手を叩く音が聞こえた。
大道克己…アサシンは、それに振り向くと、
「おめでとう、実に素晴らしかったよ、君の戦いぶりは。」
両手でカスタネットの形を作って拍手をしている、白い軍服を着た仮面の男が目の前に笑顔を浮かべながら遠くにいた。
男は眼と鼻はその銀色のマスクで覆われ、獅子の鬣を思わせるくせっ毛が目立った長い金髪という容姿であった。
「誰だ貴様は。」
白い詰襟という格好は自分を捨てたあの組織を思い出してならない為か、アサシンの眉間の皺が更に濃さを増す。
男はアサシンの眼の前にゆっくりと歩き、近づいていく。
その時、アサシンは、彼が近づいていく度に何か不思議な感覚がした。
アサシンは直ぐにこの感覚の正体に気づいた、いや、元々知ってはいた。
サーヴァントは、マスターに宿された魔術回路から魔力を受け取るという。
その時の供給ラインが、まるでマスターとの感覚を血管で繋がれた様に感じさせるのだ。
だから直ぐに感づいた。
「お前か、俺を喚び出したマスターというのは。」
「ああ、そうさ、私の名はラウ・ル・クルーゼ、君と手を取り合う事となるマスターだ、
所で、君のクラスと真名は何かね?」
「俺の名前は大道克己…またの名を…仮面ライダーエターナル…アサシンのクラスで現界した。」
「そうか、よろしく頼むよ、アサシン。」
クルーゼとアサシンは、その白い仮面越しにつまらない挨拶を交わす。
クルーゼは、聖杯戦争という物に、然程興味は沸かなかった。
ヤキン・ドゥーエでの戦いでキラ・ヤマトに倒されたその瞬間を、クルーゼは忘れない。
謎の抱擁感に包まれた様な、まるで牢屋から開け放たれたような感覚がした事を。
クルーゼに取ってあの世界は、ある意味牢獄に近かった。
そして、自分は死という形で出獄した、ということになる。
背を向けた牢獄にクルーゼは興味を示さなかった。
あの世界から抜けだした瞬間に、生涯消えることのなかった彼の憎悪は意味を無くし消滅した。
故に、今のラウ・ル・クルーゼには叶えたい願いなど無かった。
しかし、眼の前にいる仮面の死神はどうだろうか、何かやり遺した事はあるのだろうか。
「突然だがアサシン、君に願いはあるかね?君がその一生に遺した悔みは、想いは?」
それを聞くと、アサシンは突然、その仮面を地面に向ける。
先程迄の淡々とした態度から激変した、とも言って良いかもしれない。
「俺の願い…だと…ククク…ハハハハ!」
突如笑い声を吐き出し、アサシンは顔を虚空にやり右手を左側に運び、そこから空中に半円を描く。
彼を包む黒いマントが、手が切った風で揺らめく。
「俺の願いは…そうだな、この月にいる哀れな箱庭の住人を、開放することだ。」
「つまり…」
大道克己に、対した願いはない。
願望の源となる「欲」という感情は、死んでから消え失せた。
だが、それでも、彼の心中には深い絶望が渦巻いていた。
この世界の残酷さに対する、底のない絶望が。
彼は忘れない、既に死んだ自分が生き残って、生きている他の者達が倒れて逝った、あの光景を。
生きていてもこの世界には意味は無い。この世界は謂わば茶番劇だ。
馬鹿げているにも程があるシナリオを、人々に無理矢理演じさせている馬鹿げた劇。
そんな茶番を演じる気など必要ない。だったら、抜けださせてやる、この狂った劇場から。
世界という最悪のステージから、だから、人間達に地獄を愉しませてやる。故に、彼は殺す。
「皆殺しだ、この月にいる人間を全て、俺が地獄に送ってやる。」
それを聞き、今度はクルーゼが口元を歪め、仮面を右手で抑えて地面に顔を向ける。
「ククク…ハハハ…ハッハッハハハハハハアーハハハハハハハハハ!!」
そして空に顔を上げ、大笑いをし出す。
それを見たアサシンは顔を斜めに傾ける。
「どうした、それ程にまでに可笑しいか?」
「ああ、可笑しいさ!これ程可笑しい物があるか!嘗ての私と、同じ考えを持った人間がいる等と!
面白いよアサシン!君がどの様に足掻くかを見てみたい!」
今のクルーゼに、願いはない、復讐も終わった。それは事実だ。
だが、それで決して彼の憎悪が消えたわけでは無い。
空っぽの自分を形作った復讐という感情が消え、目的は失われたと思っていた。
だが、戦う意味は直ぐに見つかった。あの死神だ。
彼の行おうとしていることは、正に嘗てのラウ・ル・クルーゼだ。
ならば、彼の描くシナリオを見届けたい。
この暗殺者は、果たしてどうなるのだろうか。
儚く散って行くのか、それともこのムーンセルに滅びの憎悪を齎すのか。
それを見届けてやりたい。ならば、その憎悪を彼に貸し与えてやりたい。
嗚呼、もう誰にも止められはしないさ、この世界を覆う憎しみの渦は。
アサシンは、クルーゼの言葉を聞いた直後、手にとったナイフから、
先程装填したスティックを取り外し、バックルに再度嵌める。
そして斜めに傾いたバックルのスロットを90度の位置に傾ければ、
その仮面と鎧は塵となって消え失せ、男の姿が現れる。
「成る程、それが君の素顔か。」
蒼いメッシュの入った茶髪。
何かのエンブレムがプリントされた黒いジャケット。
そして、憤怒の表情が固まったような顔と、されど
光が感じられぬ虚ろな目。
素顔を晒したアサシンは、口を開く。
「付いてきたいならば勝手にしろ、踊るぞ、死神のパーティータイムだ。」
そう言って、彼は霊体化した。
相棒が消えたのを確認して、クルーゼは口元を歪めたまま、路地裏の外に向かって歩き出す。
【クラス名】アサシン
【出典】仮面ライダーW FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ
【性別】男
【真名】大道克己
【属性】混沌・悪
【パラメータ】筋力B 耐久B 敏捷A 魔力D 幸運E 宝具B(エターナル変身時)
【クラス別スキル】
気配遮断:C
自らの気配を絶つ能力。
ただし、戦闘中は解除される。
【固有スキル】
戦闘続行:A+
往生際が悪い、彼らは只では死ねない。
致命傷を受けないかぎり戦闘を続行する。
破壊工作:C
相手の戦力を事前に裂く能力。
ランクが高ければ高いほど、英霊としての格は下がる。
心眼(偽):C
NEVERとしての優れた直感能力。
視覚妨害への耐性、危険予知。
カリスマ:E-
人々を導く天性の才能。
闇に塗られた人々を鼓舞する力。
骸の人形:A
死体蘇生兵士「NEVER」である事を表すスキル。
NEVERは、既に死んだ存在。体温も、痛覚も、全く感じられない。
過去の記憶も、人間性も、何時かまた消え失せるだろう。
【宝具】
「古き記憶は永遠の眠りへ(仮面ライダーエターナル)」
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1
風の街「風都」を恐怖へと貶めた悪の仮面ライダー。
「エターナルメモリ」をロストドライバーに装填して、起動する。
更に、真名開放により発動される、エターナルメモリの
マキシマムドライブ「エターナルレクイエム」は、
生前、旧式のガイアメモリを全て機能停止にした逸話から、
アサシンが目にした宝具を、任意で凍結させることが出来る。
ただし、機能停止はメモリが働きかけている形で動くため、
持続時間はマスターの魔力に依存する。
「地獄の扉開く二十六の記憶(Memory of AtoZ)」
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:50 最大捕捉:26人
アサシンが奪い去った二十五のT2ガイアメモリ。
選別された二十五の力をそれぞれ持ち、またエターナルの
スロットに全て刺すことで、緑色のエネルギー波を
エターナルの全身に宿す事ができる。
【Weapon】
「ロストドライバー」
クオークスの実験場で奪取した新型ガイアメモリ装填用装置。
エターナルメモリの力を引き出すための物。
「エターナルメモリ」
アサシンを選んだT2ガイアメモリ。
地球上のデータベースから「永遠の記憶」を抜き取った
USBメモリ型アイテム。
全てのガイアメモリを機能停止させる能力がある。
ただし、中枢システムを破壊された場合その機能は
使えなくなる。
「ナイフ」
アサシンが傭兵時代に愛用していたナイフ。
「エターナルエッジ」
ガイアメモリのスロットが付けられている、エターナルの専用装備。
【人物背景】
心優しき少年は、ある日突然命を落とした。
だが、彼は戦う兵器として蘇った。過去も記憶も、全てを奪われて。
それでも、彼はせめて明日が欲しいと願い、足掻き続けようとした。
しかし現実は残酷だった、少年だった頃の優しさは、その残酷な世界への
絶望に呑まれ、彼は悪魔になった。悪魔は、自分が愛した街の重民に
死という名の葬送曲を送り、この世界から解き放とうとした。
だが、彼は消えた。倒したのは、自分の故郷たるこの街を愛する戦士だった。
生という名の呪縛から解き放たれた悪魔は、笑いながら消えて行った。
【聖杯にかける願い】
世界という箱庭に閉じ込められた哀れな人々を、開放する。
【マスター名】ラウ・ル・クルーゼ
【出典】機動戦士ガンダムSEED
【性別】男
【Weapon】
「拳銃」
護身用の拳銃。
かなりの殺傷力がある。
「マスク」
自らの素顔を隠すためのマスク。
机の引き出しの中ににスペアが沢山ある。
「薬」
老化を抑え生命を保つための薬。
【能力・技能】
・軍略
多人数を動員した戦闘における戦術的直感能力。
・直感
フラガ家の人間に受け継がれる天性の勘。
・モビルスーツ操縦能力
人型兵器「モビルスーツ」を操る能力。
前述の勘も合わせて、スーパーコーディネイターであるキラ・ヤマトと
互角以上に戦う程に力を見せつけた。
【人物背景】
彼は世界に見捨てられた命であった。
故に彼は世界を憎み、その為に動いた。
全ての人類を裁く権利となるシナリオを、
彼は書き上げ、世界を構成する人形を役者とした。
全ては計画通りに行く、そのはずだった。だが、彼は一筋の刃に消えた。
その刃を向けたのは、彼とは生まれも人格も正反対の少年だった。
光に消えゆくその素顔は、笑顔に満ちていた。
【聖杯にかける願い】
アサシンの行く末を見届ける。
最終更新:2016年07月21日 14:04