松野おそ松!
松野カラ松
松野チョロ松
松野一松……
松野十四松!
松野トド松
オレたち六つ子! おんなじ顔が六つあったって……良いよな?
さっき会ったよね?
覚えてたぜ、お前の顔
一回、二回じゃないんですよね
多分……これで六度目だよ
今夜はサイコー! ねぇ、踊ろーよー!
キミの笑顔、可愛いよね
あ、心配しないで! 僕らも六人っ!
オレがアイツで、僕たちが僕
キミたちもそうだろ?
◆
ファニー・ヴァレンタインは睡眠から目を覚ました時、全てを思い出していた。
此処に来る以前に自分がアメリカ合衆国の大統領であったこと。自身のスタンドである『D4C』のこと。そして、奇跡を起こす『聖なる遺体』をめぐる戦いが行われた、『スティール・ボール・ラン・レース』……。
また、それらと同時に今自分が参加資格を得た、奇跡の願望器をめぐる戦い――『聖杯戦争』についての知識も彼は得ていた。
それは『スタンド』や『聖なる遺体』というオカルトを知っているヴァレンタインでも思わず存在を疑いそうになる程の物であったが、しかし、確かに死んだはずの彼が今こうして偽りの世界で官僚として日々を過ごしていることから、『聖杯』が起こす奇跡とやらはどうやら本物なのだろう。
死人を生き返らせるだなんて、どんなスタンドでも出来なかったことだ。
「そこまでの力を持つ『聖杯』……。これは必ずや合衆国の『利』となる物だ。他の誰にも渡すわけにはいかない……」
戦いの決意を固め、ヴァレンタインはベッドから上半身を起こした。
「さて……」
何故かと言うと、自分のサーヴァントを見つけるためである。
先ほど彼の頭の中に流れ込んできた説明によれば、『聖杯戦争』でマスターの武器となる存在――サーヴァントはマスターの記憶の復活と共に召喚されるらしい。
――ならば、この部屋の何処かに私のサーヴァントが居るはずだ。
そう考えながら、ヴァレンタインは部屋の中を見渡す。
すると、すぐに目当ての存在は見つかった。
それに二人も。
「二人……?」
得た知識で一人のマスターが使役するサーヴァントは一体だと知っていた彼は、思わず困惑する。
ヴァレンタインは『起きたばかりで視界がぼやけていたか』と考え、軽く目を擦った。
しかし、もう一度その場に目を向けても、其処に居たのは二人の男である。
それも、二人の顔は――彼がD4Cで連れてくる平行世界の同一の存在程ではないとは言え――瓜二つと言えるくらいそっくりだ。
着ている服の色に緑と黄色という違いさえなければ、見分けは殆ど付かないであろう。
――スキルや宝具によって分身、もしくは幻覚を生み出しているのか?
そう推測するヴァレンタイン。
と、その時。
「チョロ松とー」
「十四松のー」
「「デリバリーコントー」」
「「本当は怖い『聖杯戦争』」」
目の前の二人の男が突然そのようなことを口にした。
ヴァレンタインを置いて、彼らはそのまま言葉を――コントを続ける。
「いやぁ、ようやく聖杯戦争が終わったね」
「そうだね!」
「おっ、聖杯が出現するぞ!」
「「おおおおぉぉぉ!!」」
そう言いながら、部屋のドア部分に注目する彼ら。
ヴァレンタインもそれにつられ、視線をそちらに向けた。
同時に、向こう側からドアが開かれる。誰かが開けたのだ。
其処に居たのは――――
「「ヒジリサワショウノスケだぁー!」」
坊主頭に数本の毛が生え、唇から出っ歯が漏れている小さな男であった。
二人の男はそれを見るやいなや目を輝かせながらそう叫ぶ。黄色い服の男に至っては、嬉し泣きをし「宝具にすっべー!」と言いながらそれに抱き付いている程だ。
(な、なんだこの状況は……サッパリ理解出来ないぞッ!?……一体、何が起きていると言うのだッ!?)
大統領として、スタンド使いとして、今まで様々な『奇妙』と出会って来たヴァレンタインだが、流石の彼でも今この場のシチュエーションに汗を流して困惑するしかなかった。
しかし、彼の混乱はまだまだ加速することとなる。
「おいおいお前ら~、マスターのおじさん混乱してるじゃんかー。折角のファーストコンタクトが台無しじゃん」
「フッ、大人しくここはこの俺による†パーフェクトファッション†ショーにしておけば良かったものの……」
「いや、そっちの方が第一印象最悪じゃん!? 迷わず自害を命じるレベルだよ!? もしくはカラ松兄さんのあまりの痛さで、マスターが戦わずして死ぬからね!?」
そう言いながら――何も喋ってない一人を合わせて――四人の男がゾロゾロと、開かれっ放しのドアから入って来た。
「???」
頭の周りに疑問符と『PANIC』を踊らせるヴァレンタイン。
無理もない。何故なら、新たに入って来た四人を合わせて、この部屋に居る男たち六人は全員顔がそっくりだったからだ。
瓜二つどころか瓜六つである。
◆
「――というわけで、俺たちは六人で一体のサーヴァント扱いなんだよね」
「成る程……そう言う例外があったわけか」
六人のうち、赤い服を着た男――おそ松の説明を聞き、ヴァレンタインは納得する。
彼の言葉通り、六人の男たち――松野六人兄弟は六つ子であり、全員で一体のサーヴァント――『ニート』である。
それは絆や友情と言った綺麗なものではなく、ただ単に彼らクソカスゴミニート一人一人では英霊としての格が足らなかっただけなのだが……それはまあ良い。
ニートだろうと何だろうと、使える手駒が多いのは助かる。
彼はそう考えていた。
それに、自身がカスだと見下していた相手が、思いの外凄まじい力を持つことがあると彼は知っているのだ。
「もう一つ、聞きたいことがあるんだが、構わないか?」
「ん、何?」
それを置いといて、説明を受けていた時――いや、それ以前。サーヴァントを探していた時からずっと気になっていたことを質問するヴァレンタイン。
反応したのは先ほどと同じく赤い服を着た男であった。おそらく、彼はこの六人のリーダー的存在なのだろう。
「私には愛国心がある。この戦争の末に『聖杯』を手に入れたら、それを合衆国の幸福の為に使うつもりだ」
「へぇー、それはスゲェ」
「……で、だ。もし聖杯を手に入れたら、きみたちはそれに何を願うのかね?」
ヴァレンタインのこの発言の後、ニートたち六人は数秒思考し、次の瞬間には口々にこう言った。
「そんなん決まってるじゃん! 大金持ちなパチンコオーナーとして受肉するんだよ!」
「フッ、この世界の全てに俺の美しさを知らしめる……かな?」
「僕は……その……ふ、ふへへへへへ」
「……………」
「セックス! セックス! セックス!」
「世界平和……かな?」
目の前の彼らの欲深さに絶句するヴァレンタイン。
黙っている一名と『世界平和』などと言っている一名がいるが、表情からして彼らに俗な願いがあることは明白だ。
――まさか、一番聖杯を渡したくないタイプがこんな身近に居るとは……
思わず頭を抱えたくなるヴァレンタインであった。
【クラス】
ニート
【真名】
松野おそ松&松野カラ松&松野チョロ松&松野一松&松野十四松&松野トド松@おそ松さん
【属性】
中立・中庸
【パラメーター】
おそ松
筋力D 敏捷C 耐久E 魔力E 幸運D
カラ松
筋力D+ 敏捷D 耐久B+ 魔力E 幸運E
チョロ松
筋力E 敏捷C 耐久E 魔力E 幸運E
一松
筋力E 敏捷B+ 耐久E 魔力E 幸運C+
十四松
筋力A+ 敏捷A 耐久B+ 魔力E 幸運B
トド松
筋力D 敏捷B+ 耐久D 魔力D 幸運D
【クラススキル】
ニート:A+
成人してもなお、ロクに働かずダラダラとした堕落的な生活を送っていた者が得るスキル。六つ子にして全員がニートである彼らのこのスキルのランクはかなり高い。
己の陣地内(此度の聖杯戦争内だとヴァレンタインの邸宅)では魔力の回復速度が早まり、また、その場で戦闘を行った際には自分たちに有利な状況を引き寄せることが出来る。
しかし、デメリットとして、このスキルを持つ者は外部から必要とされた行動に積極的な参加の姿勢を見せず、あくまで己のやりたい事を優先する傾向が高まる。
なお、このスキルを持つ者が陣地を作成することはない。あくまで、自分の保護者や他人が作り上げた陣地に住み着くだけである。
【保有スキル】
六つ子:A
ニートたちは六つ子である。
故に、顔が似ており、初見だとまず区別が付かない。
主に錯乱や身代わり作戦において役に立つスキル。
個性豊富:-
ニートたちは個性豊かな六つ子であり、各人それぞれ自分の性質に見合ったスキルを保有している。
と、このような説明ではさながら『専科百般』の互換バージョンのスキルだと思われるが、彼らの本質はあくまでドクズのニート、その殆どは戦闘行為の役に立つとは思えない物であろう。
【宝具】
『F6(シックス・ビューティフル・フェイスズ)』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:-
普段はギャグ漫画のようなコミカルで線の少ない顔をしているニートたちが持つもう一つの顔。
この宝具を発動すると、彼らは顔立ちが少女漫画やアイドルアニメ、BL作品の登場人物のようになり、頭身もリアルなそれになる――つまり、びっくりするほどルックスが良くなるのだ。
この状態の彼らを見た者は性別を問わず魅了状態に陥る。
しかしこの宝具、内容の割には消費する魔力が多いらしく、長時間の使用は難しい。
『松野家の六つ子たち(シックス・セイム・フェイスズ)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:-
ニートでクズの彼らだが、一人一人の力を合わせれば、どんな困難も乗り越えられる…………はず。
この宝具はそんな思いを、またそれによって彼らが一つの限界を突破した(それで何らかの困難を打ち砕いたというわけではない)エピソードを昇華した物である。
1)彼ら全員がその場に揃っている。
2)全員の心が一つの目標の達成に向かっている。
これらの条件が満たされた時、ニートたちそれぞれの幸運以外のステータスにプラス補正が為される。
【weapon】
素手や石臼やバットやエトセトラエトセトラ
【サーヴァントとしての願い】
六人各々の願いは全く異なるが、一先ず『聖杯を取る』という点では彼らの考えは一致している。
【人物背景】
長男のおそ松、次男のカラ松、三男のチョロ松、四男の一松、五男の十四松、末っ子のトド松。
松野家の兄弟たちは六つ子である。
本来ならクソニートである彼らが英霊として聖杯戦争に参加できるわけがない
――のだが、それはあくまで一人一人での話。
六人全員が揃って、ようやくサーヴァントとして召喚されることとなった。
故に、六人のうち誰かが消滅した際には残りの五人も一緒に道連れになり消滅する。
ちなみに、彼らは全員共聖杯狙いでの参加だが、その願いは見事にバラバラなので、仮に彼らが聖杯を取った際、それの所有権を巡る新たな戦いが開かれるであろうことは火を見るよりも明らかである。
【マスター】
ファニー・ヴァレンタイン@ジョジョの奇妙な冒険 Steel Ball Run
【マスターとしての願い】
合衆国の幸福の為、聖杯を手に入れる。
【weapon】
・銃
・後述のスタンド
【能力・技能】
・Dirty Deeds Done Dirt Cheap (いともたやすく行われるえげつない行為)
精神が具現化した存在――スタンド。
ヴァレンタインが持つそれはウサギのような耳が生えた人型のビジュアルをしている。
物と物の間に挟まることで平行世界を行き来できる能力を持ち、其処へ何かを持って行ったり、逆に持って来たり出来る。
しかし、一つの世界に同じものが存在することは出来ず、ヴァレンタイン以外の存在が平行世界での同じ物と出会った際、消滅が起きる。
(ステータスは破壊力A/スピードA/射程距離C/持続力A/精密動作性A/成長性A)
【人物背景】
第23代アメリカ合衆国大統領。
奇跡を起こす『聖なる遺体』を得るべく、アメリカ大陸で行われるレース『スティール・ボール・ラン・レース』に介入する。
愛国心の為ならいかなる行為をも厭わず、それはスタンドによる擬似的な復活が可能とは言え、自分の命すら顧みないほど。
ついに『聖なる遺体』を手に入れ、あらゆる攻撃を無効化し、吉良のみを手に入れる能力『ラブトレイン』を得るが、レースの参加者の一人であるジョニィ・ジョースターとの戦いの末に完全なる黄金の回転を食らい、敗北。後に彼から頭を撃ち抜かれて死亡する。
【ロール】
官僚
最終更新:2016年05月09日 21:47