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セイバーが久方ぶりに現世に姿を現した時、最初に立ったのはマンションの一室だった。
目の前にラフな格好の男が座っており、紫煙を燻らせている。その目つきは鋭く、癖のついた頭髪もあわせて獅子のように見えた。

「あんたが俺の…」
「マスターらしいな。クラスは、セイバーか」

尾崎敏夫だ。敏夫は咥えていた煙草の火をもみ消して、名乗った。

「俺は柳生十兵衛。クラスは…敏夫が見たとおりだ」

セイバーは一つ頷くと、自身の真名を明かした。同名の剣豪なら敏夫も知っている。

「敏夫。聖杯にかける願いはあるのか」
「ある」
「…そうか」
「…セイバー。よければ、俺の村で起きている異変について聞いてもらえるか?そう時間はとらせない」
「聞こう」

セイバーが聞く体勢に入ったのを確認し、敏夫は話し始める。
――彼の村に入り込んだ災厄について。


☆

敏夫の話が終わった。セイバーが如何なる感想を抱いたか、その表情からは読み取れない。
あるいは不興を買ったのかもしれない。しかし――

「(……これ以上俺にどうしろというんだ)」

敏夫は形振り構わなかった。
小さな病院一つ背負っているだけの町医者にできることなど、たかが知れてる。
異変の原因を突き止めるために、ときには暴挙とも呼べる手段に訴えた。

その結果、唯一の協力者であった静信とは袂を分かち、村役場まで災厄……屍鬼の手に堕ちた。
故に自身が聖杯戦争に巻き込まれたことを知った時、敏夫は虚脱と諦観に打ちのめされた。

「外部に助けを求めようとはしなかったのか?」

そのときセイバーが声をかけてきた。表情に変化はなく、彼の考えを読み取ることは敏夫にはできない。

「それはできない。村人ですら屍鬼の存在を認めなかった。仮に外部が屍鬼の存在を認めたとして、村が救われるとは限らない」

外場の住人は脅威から目を背けた。
夜に出歩かなくなり、しなかった戸締りをするようになり、玄関先に魔除けを下げるようになっても。
これまで培った常識に背くことなく、脅威と対峙することを避け、彼らが過ぎ去ってくれるまで待つことを選んだのだ。

外部が屍鬼の存在を認めた場合、まず外場村は隔離される。屍鬼の汚染を外部に漏らさないために。
外部の人間は村の住人を受け容れるだろうか?敏夫には疑問だった。
敏夫の答えを聞いたセイバーは質問を続ける。

「村から逃げる気はないのか」
「逃げてどうする。屍鬼は外場を拠点に汚染を広げていく。奴らが生きる限り、逃げ場はない」
「だから聖杯に屍鬼の根絶を願うのか」
「そうだ。あるかどうかもわからん脱出ルートを探るより、聖杯に村の救済を願う方が確実だし、速いと俺は思う」

敏夫は既に孤立無援であり、村にはもう一刻の猶予もない。
このタイミングで自分が聖杯戦争に放り込まれれば、村は間もなく屍鬼の手に落ちるだろう。
かくなるうえは急ぎ聖杯を奪取した方がいい。忸怩たる思いで出した結論だった。

「村を救えると思うか?」
「!」

すぐには答えられなかった。
問題は山積しており、敏夫は疲弊している。これほどの犠牲が出てなお、外場は存続できるのか?
だが、と敏夫は思う。

「…俺の故郷を食い荒らした連中を生かしておく道理はない。結局、村を捨てることになるんだとしても、屍鬼は人類の敵でしかない。
っていうのじゃ不満かな?」
「……」

☆


「じゃあ、俺は先に行くぞ」
「あぁ、こっちはこいつ(令呪)をごまかす方法でも探しておくよ。何かあったら知らせる」
「あァ」

セイバーは敏夫に協力を約束した。
まずは情報収集を行う事で意見が一致した為、街に探索に出ることにした。
セイバーは一言告げると実体化を解き、部屋を出ていく。それを見届けた敏夫の視線が、窓から屋外に向いた。

「(…夜がこんなに明るいのは、久しぶりだな)」

村の夜になれたせいか。敏夫も令呪をごまかす方法を思索しながら、部屋から退出した。



【クラス】セイバー

【出典】鬼武者2

【性別】男

【真名】柳生十兵衛宗厳

【パラメータ】筋力B 耐久B 敏捷C+ 魔力B 幸運D 宝具A

【属性】中立・善

【クラス別スキル】
対魔力:D
一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
魔術による攻撃を何度か受けた逸話があり、ランクは低め。 ただし後述宝具の発動中はその限りでない。

騎乗:A+
 騎乗の才能。獣であるのならば幻獣・神獣のものまで乗りこなせる。ただし、竜種は該当しない。
セイバーはカラクリ仕掛けの幻獣に騎乗できる。

【固有スキル】
鬼武者:A
「鬼の力」の使い手であること。倒したサーヴァントの魂をしばらく残留させ、左手の印から吸収することで魔力に還元できる。
ランクが高いほど残留時間が伸び、倒したサーヴァントの格に応じて回復量が多くなる。セイバーは鬼の血を継ぐ柳生一族の出身であるため最高ランクで取得している。

武芸百般:B+
卓越した技術により、あらゆる武具をDランク以上の習熟度で使いこなす。柳生新陰流の開祖であるセイバーは剣術においてランク以上の冴えを見せる。
セイバーは刀、槍、薙刀、鉄鎚、大剣、弓、火縄銃を使いこなし、幻魔と戦った。

勇猛:C
威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。 また、格闘ダメージを向上させる効果もある。
 幻魔の軍勢を率いる信長に挑んだ胆力と、義に厚い気質に由来。


【宝具】

『龍が護った鬼の遺産(鬼戦術)』
ランク:A 種別:対人宝具  レンジ:1 最大捕捉:1(自身)
織田軍と戦っていた際に振るった5種類の「鬼の武器」を保有している。5種類の武器はいずれも自然現象を物質化させた器物であり、選択~出現~装備を一工程で行う事が出来る。

一度に一種類のみ出現させる事ができ、武器に応じた自然現象「鬼戦術」を放つ事が可能。生前は集めた幻魔の魂によって発動していたが、サーヴァントとなった今は自身の魔力によって発動することになる。
魔力量が十分なら連続使用3回目でパラメータが低下、連続使用4回目で現界を維持出来なくなる。保有武器の概要は以下の通り。

舞雷刀:バランスのとれた性能を持つ刀。斬りつけた敵に雷を落とす。

氷刃槍:リーチがあり一撃離脱に向く槍。直線状に冷気(氷の塊)を走らせる。

旋風丸:範囲は狭いが、続けざまに攻撃できる双頭の薙刀。セイバーの周囲に暴風を発生させる。

土荒鎚:重いが破壊力抜群の鉄鎚。セイバーの周囲に地震を起こし、敵を衝撃波で打ち上げる。

烈火剣:リーチと破壊力に秀でる西洋剣。セイバーの周囲に複数の火柱を発生させる。


『目覚めよ、幻魔を滅ぼすために(鬼武者)』
ランク:B+ 種別:対人宝具  レンジ:1 最大捕捉:1(自身)
自身に眠る鬼の血を解放することで"鬼武者"に変化する。移行後は15秒間、筋力をワンランクアップ。更にBランク宝具以下の物理及び魔術による攻撃を無効化する。相手が幻魔スキルを保有する場合はランク問わず無効化できる。
また鬼武者に変化している間は鬼戦術が使用できず、代わりに左手の印から「鬼神弾」を撃つ。

生前は集めた幻魔の魂によって発動していたが、サーヴァントとなった今は自身の魔力によって発動することになる。
魔力量が十分なら連続使用2回目でパラメータが低下、連続使用3回目で現界を維持出来なくなる。

【Weapon】
愛刀の三池典太光世。宝具によって出現させる鬼の武器。


【人物背景】
諸国を旅して武者修行を行っていた柳生一族の当主。
故郷が織田軍によって滅ぼされたのちに、里の洞窟に隠れていた高女から自身が鬼の血を引いていること、幻魔と鬼の因縁を伝えられ、"幻魔王"織田信長を討つ旅に出た。

【聖杯にかける願い】

?




【マスター名】尾崎敏夫
【出典】屍鬼(アニメ版)
【性別】男

【Weapon】
なし。

【能力・技能】
専門は内科だが、必要とあれば専門外の患者も診察できる。
また屍鬼による異変に際して、血液に関する医学書・吸血鬼に関する本なども読み漁ったものと思われる。

【ロール】
病院に勤める内科医。

【人物背景】
外場村(厳密には市町村合併により、溝辺町外場)で唯一の病院「尾崎医院」の院長。偶然の重なりによって、彼の故郷である外場村は「屍鬼」と呼ばれる吸血鬼達に拠点として狙われる。
立場上、屍鬼の暗躍に真っ先に気付いた彼は幼馴染である室井静信と調査を始めるが……。第15話終了後から参戦。

【聖杯にかける願い】
屍鬼の根絶。
最終更新:2016年05月12日 18:54