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「ハッ!ハァッ!」

夜の自然公園に、鋭い剣撃が鳴り響く。

それを奏でる片方は、全身を甲冑で纏った西洋風の騎士。
もう片方は、クワガタムシを想起させる装飾品を付けた甲と、
クワガタムシの顎を思い出させる双剣を手にした戦士。
このSE.RA.PHにおいて、この様な変わった風貌をした者同士が斬り合っていると、
諸君らは、「またサーヴァント同士の殺し合いか」とでも思うだろう。
だが、それは違う、このクワガタムシの方の戦士は、マスターである。

名は加賀美新、マスクドライダーシステム「ガタック」の資格者である。


◆  ◆  ◆


加賀美が記憶を取り戻してから、大凡2日が経過する。
記憶を取り戻し、聖杯戦争を知り、サーヴァントを手にし、
今こうして彼はサーヴァントと斬り合っている。

しかし、何故加賀美がこのサーヴァントと斬り合っているのか。
というと、経緯はこれだ。

加賀美は、元々正義感が強く、戦いに乗れる気はしなかった。
だがある日、魂食いをしている連中がいたという噂を偶々聞き出す。
彼は早速、自らのサーヴァント、シールダーを引き連れ偶然遭遇した二組の陣営の間に入り、
その内片方はシールダーが対応している、向こうはともかく、自分はこうして苦戦している。


◆  ◆  ◆


「ハァッ…ハァッ…ハァッ…」


このままでは埒が明かない。
どういう事か、サーヴァントには、ろくに傷すら付いていないのだ。
もう何度も斬ったというのに、かすり傷が精々という所だ。

「どうした、そんなものか?」

「まだだ…だったらぁ!」

余裕じみた態度を浮かべる剣士を眼の前に置き、加賀美はベルトの横のパーツに手をかける。

「クロックアップ!」

『Clock up』


その瞬間、加賀美新を取り巻く時間が緩み、剣士の動きは遅まった。
マスクドライダーシステムの最大の特徴たるクロックアップ、
これでなら、あのサーヴァントにだって。


そう考え、加賀美はバックルにくっついているゼクターのスイッチを押し出す。
何度もワームを倒してきた、あの必殺技の準備を、慣れた手つきで、
彼は始めた。

『One,two,three』


「ライダーキック!」


『Rider kick』

ゼクターホーンを動かせば、エネルギーがゼクターからほとばしり、
彼に力を与える。


加賀美は飛び上がり、剣士に回し蹴りを放つ。

それは見事に命中、時を遅めていれば、こんな芸当、造作も無い。

「決まった!」

剣士はゆっくりとした動作で、空中に舞い上がり、後ろへスローモーションで飛ばされる。

『Clock over』

時は早まり、彼の時間は終わりを告げる。
クロックアップからの必殺技を使うと、決まってこれだ。

剣士の倒れる様は途端に早まり、彼は後ろの方向へと飛んで、倒れる。

それはまるで、映像をスローモーションから通常再生に切り替えたかのように。
剣士は背後の木にぶつかり、倒れる。
だが、剣士は直ぐに剣を支えにして立ち上がる。

「浅いな。」

剣士はライダーキックを受けても尚、平然としていた。
傷はとっくに塞がっていた。

「クソ…」

ガタックの力でも、こいつには太刀打ち出来ないのか…
と思ったその時。


<<伏せてろ!!マスター!!>>


サーヴァント、シールダーからの念話が聞こえて来る。

其の直後、上空から激しい爆音と光がこの自然公園を轟かせた。
慌てて後ろに下がった加賀美はその正体を知っていた。

光が消え、周囲を覆っていた煙が消え失せれば…

「うっ…」

地面に平行になって倒れた剣士の姿が露わになり、直ぐに光の粒子となって消え去る。

「はぁ…。」

加賀美はそれを見て一息着くと、バックルのゼクターホーンを折り曲げ、パーツを外す。
ベルトから外された青いクワガタムシは、加賀美の手から離れ飛び去る。
それと同時に、加賀美の身体からガタックのアーマーがベルトに吸収されていき、彼は人間としての姿を
取り戻す。


そしてその上空には、ロボットがいた。
闇夜に溶け込んでしまいそうなブラックな全身。
それがより一層目立たせる、頭部にある金色の角。
それは、かの「一角獣」を思わせるような形状であった。

そしてこれが、加賀美新のサーヴァント、シールダーにして、
自然公園にてマスターと戦った剣士を葬り去った者である。


そしてそのシールダーは、マスターがいる地面に向かって下降して行く。


◆  ◆  ◆


「悪いな、シールダー、途中で助けてもらって。」

戦いが終わった後、戦った自然公園にあったベンチで、加賀美とシールダーはくつろいでいた。
巨大な一角獣の鎧を剥いだシールダーは、血のように赤いラインが全身に張り巡らされたパイロットスーツ
を着ていること事を除けば、加賀美とほぼ同年代の外人の青年であった。

「仕方ないだろ、マスター、お前のあの甲冑には、神秘がないんだから。」

「…そう言えばそうだったよな。」

忘れていた。
シールダーから事前に聞いていたことだ。

加賀美が戦う羽目となった「サーヴァント」と呼ばれる存在は、
ワームやネイティブとは全くの別物だ。

サーヴァントは「神秘」とかという、架空の作品でしか見なかった力で
その身体を構成している。

そしてそのサーヴァントは、神秘が無ければ攻撃を与えられないという。

シールダーが火器でサーヴァントを倒せたのは、その火器が「神秘」を纏っているからに過ぎない。

しかしマスクドライダーシステムは、神秘の欠片もない、科学の産物だ。
そんな代物では、護身用品としての役割が精々だ。

ふと、天道が不遜な笑みを浮かべている姿が浮かんできた。

――いい加減にしてくれよ。

と心内で返しながらも、加賀美は顔をシールダーに向け直す。

するとシールダーも加賀美に顔を向け、何処か不安げな顔で加賀美に言う。

「俺のもう一つの宝具は、制限が厳しいし、長いこと開放してもいられない。
初めて俺と契約した時の様に、上手くは行かないから、気をつけないとな。」

「あのもう一つの姿は、そう好きに出せないのか?」

「ああ、あの『NT-D』は、飽くまで強い可能性を持った奴に対処するための力だからな。
あの時は偶々相手がそれに合致する奴だったから良かったけど、今回の様に発動出来ない時もある、
それと、あの時、マスターは疲労を更に感じたりとか、しなかったか?」

加賀美は初の契約の際、眼の前に金と黒を混ぜあわせた色の巨大なロボットを見た。
それが、あのシールダーのもう一つの宝具という。

その時の事を加賀美は思い出した。
やはりガタックに変身して臨戦体勢を取っていた加賀美は、あのロボットの勇姿を見る中、軽い疲労に襲われていた。

「それがどうかしたのかよ。」

加賀美の問いかけにシールダーは答える。

「その時、お前の体力が魔力となって、俺のバンシィに吸い取られているんだ、
多分、NT-Dを展開しながらの戦闘はお前には堪える、それに、あれは好き勝手に発動出来る訳じゃない。
『NT-D』が敵と見なしたサーヴァントに目を合わせた其の瞬間、あの宝具は発動するんだ。」

…ガタックの暴走システムみたいなモンなのか。
加賀美は、腰にあるライダーベルトに目を向けてそう考える。

途端に暴れだした天道の姿は今でも鮮明に覚えている。
そして、何時かは自分もこうなるのでは、と、考えさせられた。
突然以上を起こし、装着者の意志を完全に無視して暴れだす力。
それがガタックと、天道が持つ「カブト」に組み込まれていた。
ワーム、いやネイティブを潰すための最終兵器として。


あのシールダーの宝具は、そう考えると、カブトやガタックの暴走システムに似ているかもしれない。
もしそうだとしたら、かなり危険な物かも知れないと少し思えた。

でも、加賀美にはそれは危機感というには少し遠い物であった。
天道が見たら「面白い奴だ」と言うであろう、それは強ち間違ってもいない。

加賀美は、どちらかと言うとあまり考えない人間だ。
そのような事はくよくよ考えたりはせず、前だけを見て突っ走っていく、それが加賀美新だ。

「いや、俺の事は大丈夫だから気にするなって。」

そして、彼は非常に思慮深い人物である。

「俺だって、あんな疲労なんて軽く見えるような死線を沢山潜って来たんだ、
こんなモンどうって事ないよ。」

シールダーはそれを見て一溜息つき、加賀美に返答する。

「分かったよ、でも、あまり無茶はするなよ。」


◆  ◆  ◆


――俺が言える様な物でもないけどな。


そんな事を、盾の英霊、「リディ・マーセナス」は心内で呟く。
でも、だからこそ、この男に自分は喚ばれた。そう確信してもいた。

その無謀さは、嘗て、いや、この姿の自分に良く似ていた。
まだバンシィに乗っていない頃、量産機で只管ニュータイプに挑んでいた頃の自分に。

しかし、「願いがない」というのも、リディにとっても心労にはあまりならずに済む。
実際、リディにはこれといって願い事はない。強いて言うなら、ラプラスの箱に記された
第七の言葉を実現させるため、人類の可能性を広げることを祈る程度の物だ。

しかし、罪無き者も含めて殺戮を繰り返してまでそんな事はしたくはない。
そんな事をしたら、あの世の仲間達からは笑い者だ。

だが、自分を引き当てたマスターの願いは、「戦いを止める」という物であった。
そんな事を言った人はバナージ以来だった。
軍人である自分にとってそれに共感することは少し可笑しいとも取れるが、
しかし争いを望んでいるわけでもないし、何より自分は争いを止めるために、
人類の可能性を求めて戦い続けたのではないか。

だったら、俺はこの男と共に戦う。

争いを終わらせるために。

これ以上誰かが死ぬのを見たくはないから。


誰かを殺す者達が許せないから。



家の呪いに付き纏われ、曰く付きの力を手にし、運命に翻弄されていった二人の戦士。

彼らが望むのは、家の呪いを消すことでも曰く付きの力を放り捨てることでもない。

正義のために、誰かのために、この争いを止める、いや、止めてみせる。






【クラス名】シールダー
【出典】機動戦士ガンダムUC
【性別】男
【真名】リディ・マーセナス
【属性】秩序・善
【パラメータ】筋力E 耐久E 敏捷E 魔力E 幸運D 宝具A

【クラス別スキル】

騎乗:B
乗り物を乗りこなす才能。
モビルスーツ、車、馬などは乗りこなせる。

対魔力:E
魔力に対する耐性。
単なるお守り程度。


【固有スキル】

新人類:C
宇宙へと進出して進化した人類。
サイコ・フレームの制御などが出来る。
「直感」の特性も含まれている。



【宝具】

「漆黒の一角獣(バンシィ・ノルン)」

ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:― 最大捕捉:100

シールダーが騎乗した人型機動兵器「モビルスーツ」、これを召喚する。
その性能は通常のモビルスーツの数倍であり、一々面倒なチャージをして
放つビームランチャーに匹敵する威力を持つビーム・ライフル等を装備している。
装備に関してもまた召喚という形で取り出すことが可能となる。
及び、損傷に関しては一度消滅させてもう一度召喚するか、令呪を使用するかを
しないと治せない。



「可能性を殺す黒獅子(デストロイモード)」

ランク:D 種別:対可能性宝具 レンジ:― 最大捕捉:100

バンシィが特殊OS「NT-D」を起動することで変形した姿。
操縦が精神感応波にて可能となり、更にスペックは数倍に
跳ね上がる。ただし、サーヴァント化したとはいえ
シールダーにかかる負担はかなりの物である上、
五分しか発動させることが出来ない。
及び、この宝具は「ニュータイプ」と対峙した際に起動した逸話から、
「星の開拓者」スキルを持つ英雄や、人を超えた人と対峙した瞬間
自動的に起動する。


「可能性を導く黒獅子(アクシズ・ショック)」

ランク:A 種別:対界宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人

シールダーがバナージ・リンクスと共にコロニーレーザーを跳ね返したサイコミュの光。
バンシィ・ノルンから翡翠色のサイコミュの光を発現させる。
あらゆる物理攻撃のダメージを減少、もしくは中和させるサイコフィールドの結界を展開する。
これは対軍・対城宝具への強い耐性として効果を発揮する。
シールダーがシールダーたる所以の一つ。

【Weapon】

「アームドアーマーBS」
「アームドアーマーVN」

シールダーの装備。
魔力による修復、ないしエネルギーの補填が可能である。
詳細はWikiを参照。


【人物背景】

父の名をこれ以上言われたくない、青年が家を出て軍の門を叩いたのはそう思ったからだった。
家の呪いは何処までも追っていく、それは今自分が巻き込まれている戦争にも関わっていた。
青年はある少女が、家の呪いを自分と同じく背負っていた事を知る。
青年は、彼女を家の呪いから解くために自分の家に迎え入れようとするが、その話は振られた。
青年が黒獅子となって喰らおうとしたのは、その少女に寄り添う一角獣だった。
だが、黒獅子は一角獣と手を再び取り合った。果たして、争いは終わった。
黒獅子が追うのは、可能性の体現者となった一角獣の背中だった。

【聖杯にかける願い】

人類の可能性を広げていく。




【マスター名】加賀美新
【出典】仮面ライダーカブト
【性別】男


【Weapon】

「ライダーベルト」

マスクドライダーシステム「ガタック」を起動するためのベルト型デバイス。
腰に嵌めるだけで14歳の少年が瓦礫の下から自力で抜け出せる程度に力が増大する。
内部にはガタックのスーツの中身が圧縮されて入っており、ガタックゼクターを
バックルに装填してロックを解除することで装着される。


「ガタックゼクター」

マスクドライダーシステム「ガタック」のコアを担うクワガタムシ型ロボット。
「ジョウント」と呼ばれる時空を超えた転送システムを搭載しており、
「クロックアップ」の空間を通して資格者の元にタイムロスなしで駆けつける。
そしてデバイスに装填することで資格者をライダーに変身させる。
資格者の選定はこのゼクターが行うのだが、このガタックゼクターは加賀美新しか
選べないように細工してあった。本来ガタックゼクターは何処かを飛び回っているはずだが、
加賀美がライダーベルトを持ってきた影響でこのガタックゼクターも再現されている。
単体での戦闘力も高い、ガシガシとゼクターホーンを高速でぶつけて敵を邪魔してくる。
因みにこれ、この攻撃で何人もの資格者候補を病院送りにした、勿論加賀美も。


「ガタックエクステンダー」

ガタック専用の超高性能バイク。
ハンドルを左右に引っ張ることで「エクステンダーフォーム」に変形、
空中を飛ぶクワガタムシ型ソーサーとなる。ライダーベルトを持ってきた影響からか
こちらもガタックゼクター同様再現されている。
因みに、マスクドライダーシステム第一号「カブト」の専用バイク「カブトエクステンダー」は、
重力を無視して軌道エレベーターの壁を走る、資格者の危機に宇宙空間を通して駆け付け、
大破したとはいえ大気圏を突き抜けても燃え尽きない、といった高スペックなマシンなので、
恐らくガタックエクステンダーでもそんな真似事が出来る可能性は…ある。
加賀美がそんな事を思いつければの話だが。


【能力・技能】

・戦闘技術
ZECTでの訓練とガタックとしての戦闘経験で培ったある程度の体術への覚え。
でもタイではチンピラにリンチされた。


・マスクドライダーシステム「ガタック」

地球外生命体「ワーム」に対抗するために作られたマスクドライダーシステム第五号。
ZECTの戦力を一変させるとも言われた最強クラスのライダー、加賀美はそれの資格者である。
ガタックゼクターを呼び出しベルトに装填することでシステムが起動、「ガタック」へと変身する。
「ヒヒイロカネ」で鍛えられた装甲と「ガタックバルカン」と呼ばれる両肩に付けられたキャノンを
武器に戦う「マスクドフォーム」、マスクドフォームの装甲を外して「ガタックダブルカリバー」による
斬撃と時空を超えた「クロックアップ」と呼ばれる高速移動を武器とする「ライダーフォーム」の
2つの姿を併せ持つ。また、これには地球外生命体を全滅するまで強制的に暴れ続ける「赤い靴」と呼ばれる
暴走システムが仕込まれており、それを背負わせるためにガタックは加賀美陸によって新を資格者とするよう
仕組まれていた。この赤い靴が暴走しない保証はない、いつ暴走するかは誰にも分からない、
無論、加賀美陸にも加賀美新にも。



【人物背景】

地球外生命体「ワーム」と戦う秘密組織「ZECT」の見習い隊員だった男。
弟をワームに殺された過去を持つ。父が警視総監であることを気にしており、
コネ呼ばわりされる事を嫌っている。正義感が強く熱い心を持つが、
かなりのお人好しで騙されやすい。しかしそれは逆に捉えれば仲間思いとしても見られ、
組織の仲間を助けようとする姿は野良ゼクターとなったザビーゼクターが寄り付いたほど。
そのお人好しが原因でワームに命を落とされるが、ようやくガタックが認めたことで
仮面ライダーガタックとして復活、ワームとまともに戦う力を手にする。
それからはガタックとしてワームと戦い続け、ネイティブとも戦い続け、
やがて熾烈を極めた彼らの戦いは終わりを告げた。とある街の交番にいる巡査が、
世界を救った人間の1人であることを、誰が気づくだろうか。


【聖杯にかける願い】

特に無い。

【方針】

こんなフザけた殺し合いを終わらせる。
罪のない人々を傷付ける主従がいたら倒しに行く。
最終更新:2016年07月15日 18:37