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たとえお前が、私に背を向けようとも
後ろを振り返れば、オペラ座の怪人はそこにいる―――
お前の心の中に……
(オペラ座の怪人より)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


―――声が、聞こえる。
嗚呼、この美しい声、心地良い音色。
新たな歌姫が、今宵舞台に立つ。
今宵の歌姫、声の持ち主こそ我が運命。君こそクリスティーヌ、我が愛の声。
歌え歌え高らかに、愛を希望を死を。
おお、クリスティーヌ。嗚呼、愛しき君は今此処にいる。
共に唄おう、朽ち果てるそのときまで。
寄り添おう、君に私は最期のときまで。
共にあろう、君の美しき歌声とともに。
クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ――――


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


超高層ビルの最上階近く、一人の男がデスク上のパソコンと睨み合っていた。
時刻はもう深夜に近いのだろう。窓にはブラインドが下り、男は疲れ果てた様子でキャップに星形があしらわれた栄養ドリンクを飲んでいる。
目を引くのは男の容姿だ。万物を射ぬいてしまいそうな鋭い三白眼。目元には深いシワが刻まれており、見る者に威圧感を与える。
本来ならば男の肩書きは『株式会社346プロダクション シンデレラプロジェクトプロデューサー』。であるはずなのだが―――
現在彼が暮らしている町には『シンデレラプロジェクト』などという企画はおろか、『346プロダクション』すら存在していなかった。
男は、此度の聖杯戦争のマスターとして選出され、元いた世界から、まだ見ぬ世界へと連れてこられてしまったのだ。
男は、こちらの世界でもプロデューサーとしての役割を与えられていたが、彼がプロデュースし、共に成長してきたアイドルたちは、少なくとも彼が働くプロダクションには所属していなかった。
―――一人の例外を除いて。

「主よ、何をしているのですか?」

プロデューサーが栄養ドリンクを飲み終わり、思い詰めたような表情を浮かべていると、ドアを開けて新たな男――血色の悪い顔の右半分が不気味な髑髏の仮面で覆われ、上等なタキシードと手袋を身に着けている――が部屋に入ってきた。
彼こそが、プロデューサーの召喚した『暗殺者』のサーヴァントである。

「島村さんのプロデュース案について企画を立てていたのですが……」
「シマムラ……私は先程、彼の者の歌声を聴きましたが、彼女こそ世界一の歌姫の称号に相応しい!今を生きるクリスティーヌ!」
「?……いえ、島村さんは島村さんですが」
「彼女の歌声は美しい!そう、まさにクリスティーヌ!嗚呼、クリスティーヌ。私の愛。嗚呼、クリスティーヌ。私の業。」
「はあ……」

プロデューサーは困ったように、手を首筋に持っていき、こう言った。

「とにかく……私は、この世界の島村さんもトップアイドルにする予定です」
「おお 主よ。しかしてそれは無意味な選択。この世界は虚構で包まれている。この世界でいくら世界一のシンデレラになろうと、貴方の世界のクリスティーヌは依然として灰被りのまま」
「ええ……わかっています。ですが、例え島村さんが偽者であろうと、その輝きは――笑顔は本物です。それに、アサシンさんの願いは世界一の歌姫を指導することでしょう?」
「……」
「私と共に一歩を踏み出しましょう。そこにはきっと、今までと別の世界が広がっています」
「主よ、今一度私にクリスティーヌの指導をする機会をいただきありがとうございます。嗚呼、クリスティーヌ。今こそ私は微笑む君に唄う。おお、クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ」
「受けていただけるのですね。では、アサシンさんには、島村さんのボイスレッスンをお願いします」


彼らは手を組んだ。勝ち抜くためでもなく、生き残るためでもなく。一人の少女を影から支えるために。
さあ、開演の時間だ。
幕を開けた戦争は加速していく。そして、加速していく戦争は、戦闘の意思を持たぬ者さえも否応なしに巻き込んでいく。
喝采はない……喝采はない。これは虚構の演劇ではなく本物の殺し合いなのだ。




【クラス】
アサシン

【真名】
ファントム・オブ・ジ・オペラ@Fate/Grand Order

【パラメータ】
筋力:B 耐久:C 敏捷:A 魔力:D 幸運:D 宝具:B

【属性】
混沌・悪

【クラススキル】
気配遮断:A
サーヴァントとしての気配を絶つ。
完全に気配を絶てば、探知能力に優れたサーヴァントでも発見することは非常に難しい。
ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

【保有スキル】
無辜の怪物:D
生前のイメージによって、後に過去の在り方を捻じ曲げられた怪物。能力・姿が変貌してしまう。このスキルを外すことは出来ない。
小説『オペラ座の怪人』のモデルであるアサシンの場合は、作品の影響を受けて素顔が異形へと変わり、両腕も異形のものと化した。
手袋を外せば、大型ナイフよりも鋭い鉤爪が露わになる。
我が顔を見る者は恐怖を知ることになるだろう……

魅惑の美声:B
人を惹き付ける魅了系スキル。
透き通るような歌声によって獲得したスキルだが、ときにそれは、あまねく全ての存在に嫉妬し、呪いをかける悪魔の歌声にもなり得る。
彼は天使の如く唄う、愛の歌を。彼は悪鬼の如く唄う、呪怨の歌を。
嗚呼、クリスティーヌ。

精神汚染:A
精神が錯乱している為、他の精神干渉系魔術を高確率でシャットアウトする。
ただし同ランクの精神汚染がない人物とは意思疎通が成立しない。
このスキルを所有している人物は、目の前で残虐な行為が行われていても平然としている、もしくは猟奇殺人などの残虐行為を率先して行う。
歌姫の成長の弊害となる者が現れたとき、アサシンは容赦なく殺すだろう。――必要とあらば主でさえも。
クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ
クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ クリスティーヌ

【宝具】
『地獄にこそ響け我が愛の唄(クリスティーヌ・クリスティーヌ)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~100 最大捕捉:1~35

クリスティーヌ・クリスティーヌ。
かつての犠牲者たちの死骸を組み合わせて作成した、パイプオルガンが如き巨大演奏楽器。
異形の発声器官と併せる事で、この宝具は不可視の魔力ダメージを振りまく。

【weapon】
・スキル『無辜の怪物』によって得た異形の鉤爪と空中浮遊能力
・宝具である『地獄にこそ響け我が愛の唄』

【人物背景】
十九世紀を舞台とした小説「オペラ座の怪人」に登場した怪人――恐らくは、そのモデルの人物。
オペラ座地下の広大な迷宮水路に棲まい、若き女優に惹かれて彼女を歌姫へと導くも、成就せぬ愛のために連続殺人を行ったとされる。
普段は実に紳士的。
だが彼は真の紳士ではなく、「紳士としての自分」を演じているに過ぎない。
仮面の内側に巨大な悲哀と怒りを秘めており、一度それが溢れ出せば悲劇が生み出されることを深く自覚している。

【サーヴァントとしての願い】
自分が指導した歌姫が世界一の栄誉を受けること

【マスター】
株式会社346プロダクション シンデレラプロジェクトプロデューサー@アニメ版『アイドルマスターシンデレラガールズ』

【weapon】
特になし

【マスターとしての願い】
置いてきてしまったプロジェクトメンバーのためにも元の世界へ帰る
この世界の『島村卯月』をトップアイドルにする

【能力・技能】
名プロデューサーとしての腕前

【人物背景】
アニメ版『アイドルマスターシンデレラガールズ』に登場するプロデューサー。
正直者ではあるが、その目つきの鋭さと無表情、口数の少なさにより、アイドルたちからの誤解や職務質問を度々受けている。
また、どんな人物であろうと敬語で接するほどの礼儀正しさを持っている。
考え事をしたり困った際には首筋に手を回す癖を持つ。
通称『武内P』
アニメ11話直後よりの参戦。

【方針】
戦争に積極的参加はしないが、やむを得ない場合は戦う
最終更新:2016年05月31日 14:42