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夕方、小学生の4人組が帰路についている。そのなかに白人の少年が一人混じっていた。
彼は最近町に引っ越してきた外国人であり、色の薄い頭髪にオッドアイという珍しい容姿もあって休み時間などは周囲に人が集まる。
基本クールな少年だが、いざという時には流暢な日本語で態度をはっきりと表す。そのうえ付き合いも悪くない為に2~3人ほど親しい友人が既に出来ていた。
帰り道が分かれる所に差し掛かったので、3人とはここで別れる。

「じゃーねー!マキー!」「また明日ー!」「それじゃあ…」

マキは思案気に一様に並んだ顔を眺めた。
こういう時にどう言えばいいのかは既に分かっている。けれどこの言葉は寂しい気持ちになるから好きじゃない。
だが、言わなければ。

「…さようなら」

機械的だったが、はっきりとマキは別れを告げた。
手を振ってこちらを見送る同級生達に小さく微笑んだマキは自宅に向かって走り出す。
その間に考えるのは忠誠を誓った女性の事。


☆

アンバーより大事なものなんて僕にはないんだよ…?
黒より、雨霧より、アンバーに相応しい契約者は僕なのに…。僕が一番なんだから…。

―許さない。

思わず表情が歪む。
アンバーから自身を引き離した聖杯に対して、どろりと濁った感情がマキの奥底から湧き出た。

☆


自宅にたどり着いたマキだったが玄関を開けても誰もいない。
この街ではマキは3人家族の一人息子…という役割が振られている。両親は共働きだった。

自室に入ってすぐ濃密な気配が部屋全体に満ちていくのが分かる。マキは気にすることなくランドセルを勉強机に抛った。
まもなく部屋中に散っていた威圧感が一点に集まっていき、マキは集束点に仏頂面を向ける。
目の前に契約したサーヴァントの姿が現れる。血に塗れたような真紅の鎧とファー付きの外套に身を包んだ中年の男。
後ろに撫でつけた頭髪や整えられた口髭、纏う雰囲気から身分の高さが窺えるが、燃えるように赤い眼は尋常のそれではない。

彼こそはこの度、ランサーのクラスで現界した反英霊。アカネイア大陸に名高い「暗黒皇帝」、オレルアン王族のハーディンであった。

「マキよ…。貴様、この私を呼び出しておきながら未だに戦場に出ぬとはな」

本気で戦う気があるのか?ハーディンは不遜な態度でマキに問う。
問われたマキは目を合わせたまま椅子に腰を下ろし、面倒くさそうに言った。

「今は動かない…。僕らは戦いが終わった後を狙う」

皇帝の威光を前にしても、マキは眉一つ動かさない。

「漁夫の利をさらうか」

ハーディンは低く笑い、嘲弄を隠そうともしない。

「…そんなに戦いたいならランサーが一人で行けばいい」

平坦な声でランサーを嗜める。マキはただアンバーの関心を引きたいだけだ。
彼女が欲するなら聖杯でもなんでも取ってくるが、マキ自身にとって聖杯は優秀さの証明以上の意味はない。手に入ったら目障りな男の抹殺に使おうか…くらいにしか考えていない。
聖杯がなくたってアンバーの役に立つ自信がマキにはある。必要とあれば勿論戦うが自分から敵を引き寄せるなど合理的じゃない。

そんな事もわからないでやられるようなサーヴァントなら…いらない。

マキはハーディンから視線を外すと時間割を確認して、明日の準備を始める。
ハーディンはしばらくマキの背中を見つめていたが、憤然とした表情で鼻を一度鳴らすとその場から姿を消した。



【クラス】ランサー

【真名】ハーディン

【出典作品】ファイアーエムブレムシリーズ

【ステータス】筋力A 耐久A 敏捷C 魔力E 幸運E 宝具B++

【属性】
混沌・悪(秩序・善)

【クラススキル】
対魔力:B
魔術に対する守り。三節以下のものを無効化する。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。


【保有スキル】
カリスマ:C
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
 カリスマは稀有な才能だが、大国の王としてはCランクでは心許ない。

黄金律:B
身体の黄金比ではなく、人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命。
 大富豪でもやっていける金ピカぶりだが、散財のし過ぎには注意が必要。

精神異常:A
宝具の影響により、精神が変容している。他人の痛みを感じることが無く、周囲の空気を読むことが出来ない。
 精神的なスーパーアーマー能力。


【宝具】
『暗闇の中に独り(闇のオーブ)』
ランク:B++ 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1人(自身)
封印の盾に嵌められていた聖玉のうちの一つ。
闇の加護によりレンジ内なら所有者への攻撃を全て封印する効果を持つが、Bランク以上の神・竜の属性を持つサーヴァント、宝具による攻撃には太刀打ちできない。
また、所有者の心の闇を引き出すことで精神異常や精神汚染のスキルを自動付与するデメリットがある。


『抉り穿つ剛毅の宝槍(グラディウス)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:1人
アカネイア王家に伝わる三種の武器のひとつ。岩をも容易く貫く逸品。
担い手の技能習熟を助けるほか、投擲すると砲弾の様な速度で飛んでいき敵を貫く。投擲された槍は対象を攻撃した後、込められた理力によってランサーの手元に戻る。


【weapon】
宝具に依存。

【人物背景】
アカネイア大陸・オレルアン王国の第二王子であり、現国王の実弟。後のアカネイア神聖帝国・初代皇帝。
狼騎士団長を務めていることから、「草原の狼」の異名をとる。マムクートが率いるドルーア帝国軍との大戦「暗黒戦争」当時、アカネイアから落ち延びたニーナ姫をアリティア連合軍と交流するまで守り抜いた。

暗黒戦争終了後は国土復興に尽力。司祭ボアの薦めもあってニーナ王女と婚約、アカネイア第24代国王となる。
しかし、妻ニーナは戦死したとされるカミュへの未練を断ち切っておらず、アカネイアの騎士達とも関係が上手くいかないことから次第にストレスが溜まりハーディンは毎晩自室で酒を煽るようになった。

其処に目を付けた暗黒司祭ガーネフが商人に化けてハーディンに近づき、闇のオーブを渡す。
オーブの魔力で嫉妬心や憎悪を引き出されたハーディンは残虐な暴君と化し、アカネイア神聖帝国の建国を宣言。
圧政によって民衆を苦しめるが、後に英雄戦争と呼ばれる戦いで討ち取られることになる。

【聖杯にかける願い】
?



【マスター名】マキ
【出典】DARKER THAN BLACK -黒の契約者-
【性別】男

【Weapon】
なし。

【能力・技能】
「契約者」

契約能力を行使できる人間。能力使用後には必ず特定の行動をとる、或いは特定の現象に見舞われる様が何かと「契約」しているように見えることから、契約者と呼ばれる。
個人差はあるが契約者になると感情が希薄化し、常識や良識に囚われなくなり自身の生存・願望達成を第一に考えるようになる。その有用性から何処かしかの組織で諜報活動に従事していることが多い。

マキは手で触れた物を爆破させることができる。鼻を擦る仕草を起爆の合図とし、手形のような物が浮かび上がると対象が爆発炎上する。対価として能力使用後にホットミルクを飲まなければならない。

【ロール】
小学生。


【人物背景】
契約者の権利確立を掲げる集団「イブニング・プリムローズ(EPR)」に参加している少年。幼いながら感情の希薄化度合が大きく無愛想で寡黙。
リーダーである女性・アンバーに心酔しており、彼女が絡むと感情を露わにする。
彼女が恋い焦がれる男性・黒(ヘイ)に嫉妬している。

【聖杯にかける願い】
恋敵である黒の抹殺。ただし黒の顔は知りません。
最終更新:2016年06月11日 07:49