**早押し機って何? &color(white){__}さて、早押しクイズをやる際にあると便利なのが、早押し機です。 &color(white){__}早押し機がない場合でも、工夫次第ではできなくはありません。 &color(white){__}もっとも原始的な手段では「挙手」がありますし、身近なものを使う手としては、こんなものがあります。 ・消しゴム:机の中央に置いて、最初にとった人に解答権 ・電卓、パソコン:一人に一つのボタンを割り振って、最初に表示されたボタンの人に解答権 &color(white){__}また、バラエティ番組のような手としては、こんな手もあります。 ・ビーチフラッグス風:離れたところにある旗をとった人に解答権 ・TVチャンピオン決勝風:料理を最初に完食した人に解答権(まあ、実際番組では「完食した後にボタンを押している」ので、やっぱり早押し機が必要なのでは?というツッコミはあるかと思いますが……) &color(white){__}が、より正確に、より手間が少なく……と考えると、早押し機を使うのが一般的です。 &color(white){__}☆ボタンの代わりに、音声センサーを使ったら……懐かしの「マジカル頭脳パワー!」の「マジカルシャウト」です(緊迫感を増すために、「言い直し不可」というルールをくっつけています)。ここらへんも工夫次第でいかようにもできる「クイズの幅広さ」の一例です。 &color(white){__}さて、時々「早押し機とかどうしてるの?みんな1台ずつ持ってるものなの?」と聞かれたりします。 &color(white){__}一家に1台というわけではありませんが、どのクイズサークルも1台ずつは持っています(早押しクイズを全くやらないクイズサークルは、日本ではおそらく皆無だと思います)。 **早押し機はどこで手に入れるの? &color(white){__}で、早押し機はどこで調達してくるか、といいますと……実は売ってます。 ・「早押しピンポンブー」 6人対応の早押し機。ハンズのパーティーグッズ売り場なんかに置いてます。定価6500円、通販だと5000円くらい。 ・「フィーリングカップル5vs5」のマシン まだ売ってるかどうかは不明ですが、以前は渋谷のハンズで「ピンポンブー」の隣に売ってました。 「10人での早押しも可能」ということだったんですが、なんせボタンが「フィーリングカップル」用のもの(相手サイドの1~5番を選べるようになっている)なので、すごく小さくて押しにくかった記憶があります。 ・「アメリカ横断ウルトラクイズ」のボードゲームについていた早押し機 その姿から通称「千手観音」。 持ち運びに大変不便なため、「手」のプラスチックの部分をはずし、コードを継ぎ足す…という改造する人も多かったです。 スイッチオンしたときの「テーテーテッテテテテッテテー」という勝ち抜け音がチープでなんとも風流です。 以上といった市販の早押し機もあるにはあるんですが、欠点としては ・6人までしか同時にクイズができない。 ・誰が解答権を持っているのか見にくい。 ということ。 そのため、市販の早押し機は「手軽」ではあるんですが、本格的にやろうとするといろいろと限界があります。 **市販の早押し機で満足できなかったら? 作っちまえ。……と、今回はそんな話です。 こんな企業(1)(2)があったり、理系の人が自作される場合もあります。 一時期はハンズに早押し機作成キットってのが売ってて、実際にそのキットを使った見本として、4人用の早押し機が置いてあったりしました。 *ところでこのキット、HA-804Bって名前なんですが、「は-やおし」からだそうです。気づかなかった…。 …が、大半のサークルは、早押し機の製作を請け負ってくれる方、通称「職人さん」にお願いしています。 職人さんといっても、もちろん他にお仕事をお持ちで、早押し機製作はあくまで趣味、営利ではなく必要経費分での作業です。 マニアの心を知る職人さんの手作りだけあって、市販の早押し機よりも高性能です。 7人以上判定可能だったり、ランプが大きくて見やすかったり…。 たとえば、人数からいけば、東大クイズ研(TQC)が作成した「100人一斉早押し機」というものもあります。 実際に100人で動かしたことがあるかどうかはさだかではないですが、40人一斉早押しは体験しました。 *余談ですが(また余談かよ)、この早押し機はINB100といいます。「100人押しても大丈夫」→「イナバ物置」→「INABA」だそうです。そんな名前ばっかり…。 また、最近では「パソコンと接続できる早押し機」も開発されました。(このページに画像あり) パソコンの機能を利用し、「○回先に押した人に答える権利がある」とか、「コンマ何秒差かを表示する」など、さまざまな可能性がありそうです。 *現に知人の結婚式では、「高校時代の友人チームは1回押せば解答権を得られるが、クイズ研チームは30回押さないと解答権が得られない」…という風に工夫されていました。 で、特にポピュラーな「職人さん」がお二人いらっしゃいます。 このお2人がいらっしゃらなかったら、クイズ研の活動は大きく制約されたことでしょう。 ある意味クイズ界のライフラインを握っているお二方です。 まずお一人が、関西クイズ愛好会の荒屋泰樹さん。左のページ内の「荒屋製作所」において、ネット上で注文を受け付けています(画像もそちらに掲載されています)。 特色としては、複数の早押し機をつなげることで多人数早押しが可能なこと。また、外箱は工具箱が使われており、ボタンを収納して運搬することができるため便利です。 関西在住の方ですが、北海道や九州でもこの早押し機を見かけます。 そして、この荒屋さんと並び称される東の巨頭・Tさんがいらっしゃいます (ネット上で注文を一般募集されているわけではないので、名は伏せ、以下"匠"と表記します)。 白を基調とした西の荒屋氏と、黒を基調とした東の"匠"。 対比的な外見の両者ですが、どちらも非常に信頼されています。 約20年前に出版された『TVクイズで10倍儲ける本』(道蔦岳史著)にも早押し機の回路図を掲載されているベテランの"匠"。 "匠"作成の早押し機は、関東を中心にあちこちのサークルで目にします。 設置が簡単、本体が壊れにくい、リーズナブルな価格…という点が人気です。 本体(左)と文庫本(右)。 三つついているスイッチは、それぞれリセット、ブザー(誤答音)、チャイム(正解音)。 下側に見えるのは、音量ツマミ。スピーカーに接続して大音量でチャイム・ブザーを鳴らすこともできます。 ボタンを2つつなげてみました。最大で16個までボタンをつなげることが可能です。 ボタン一つの大きさはだいたい手のひらサイズ、名刺くらいの大きさ。 弁当箱程度の箱に電球をつけたビッグバージョンもあります。