AMD

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(Advanced Micro Devices, Inc./AMD) は、アメリカの半導体製造会社である。インテルx86互換マイクロプロセッサ及び自社64ビット技術のAMD64対応マイクロプロセッサやフラッシュメモリ等を生産している。1969年設立。米国本社所在地はカリフォルニア州サニーベル、日本本社所在地は東京都新宿区。ドレスデン、シンガポール、ペナン、蘇州に製造拠点を、ドレスデンおよびトロントに研究拠点を持つ。

目次

  1. マイクロプロセッサ部門
  2. グラフィカルプロセッサ部門
  3. チップセット部門
  4. Intelとの関係



1.マイクロプロセッサ部門

       * AMD K6
             o AMD K6:MMX Pentiumとピン互換。
             o AMD K6-2:Pentium II対抗。「3DNow!」実装。その開発呼称からK6-3Dとも呼ばれる。
                   + AMD K6-2-P:K6-2のモバイル版(PowerNow!は未搭載)
                   + AMD K6-2+:K6-2に128KBのL2キャッシュを実装した高クロックモバイル版(PowerNow!搭載)
             o AMD K6-III:256KBのL2キャッシュを実装。
                   + AMD K6-III-P:K6-IIIのモバイル版(PowerNow!は未搭載)
                   + AMD K6-III+:K6-IIIの高クロックモバイル版(PowerNow!搭載)
       * AMD K7:K6までのアルファベットと数字の組み合わせによる製品名を改め、固有名詞を付けることになった。
             o Athlon
                   + Athlon XP:モデルナンバーの導入に併せ名称をリニューアルした製品。”XP”はeXterme Performanceの略。
                   + Athlon MP:デュアルプロセッサ向けのAthlon。
                   + Athlon 4:初期のモバイル向けAthlonに使用された名称。”4”は4世代目のAthlonから。
             o Duron:Athlonシリーズの廉価版。キャッシュ容量が削減されている。
       * AMD K8:「AMD64」を実装。
             o Athlon 64
             o Athlon 64 X2:Opteronに次ぐK8系デュアルコアプロセッサ。
             o Athlon X2:Athlon 64 X2の改称。
             o Athlon 64 FX:Athlon 64の上位製品。Athlon FX-60以降はデュアルコア。
             o Opteron:サーバ向けCPU。デュアルコア版も存在する。
             o Turion 64:モバイル向けK8プロセッサ。Mobile Athlon 64の改称。
             o Turion 64 X2:初のx64対応デュアルコアモバイル向けプロセッサ。ソケットは専用品。
             o Turion X2:Turion 64 X2の改称。
             o Turion X2 Ultra:Turion X2の改良版。L2キャッシュが増量されている。
       * AMD K10:K8のマルチコア向け改良版。
             o Phenom:クアッドコアプロセッサ。L3キャッシュを搭載する。トリプルコア版も存在する。
             o Phenom II:Phenomの改良版。L3キャッシュが増量されている。トリプルコア版も存在する。
             o (K10)Opteron:サーバ向けクアッドコアCPU。
       * Sempron:2004年に低価格機種向けに新設された、Duronの後継ブランド。
             o Sempron for Notebooks:モバイル向けSempron。
             o Sempron X2:K8系デュアルコアプロセッサの最下位製品。L2キャッシュ容量は大幅に減少している。
       * AMD Geode:National Semiconductorから買収した低消費電力の組み込み向けブランドと製品群。
             o Geode GX
             o Geode LX
             o Geode NX:ThoroughbredコアのモバイルAthlon XP-Mを改称したもの。



2.グラフィカルプロセッサ部門

   DirectX 9.0b世代のRADEON 
   ATI Radeon X850XT Platinum Edition

   DirectX 9.0b世代のRADEONビデオチップ	コードネーム	クロック(コア/メモリ)	備考
   X700XT	RV410	(475/525)	 
   X800XT	R420	(500/500)	AGP
   X800XT	R423	(500/500)	PCI-Ex
   X800XL	R430	(400/500)	 
   X850XT	R480	(520/560)	 

   R420
       Vertex Shader2.0b・Pixel Shader2.0aに対応した、DirectX 9.0世代RADEON。256bit・GDDR3対応、0.13μmで製造され、Vertex Shader6基・パイプライン16本。
   R423
       PCI Express対応版R420。
   R430
       0.11μmで製造される、R423。パイプライン12本・DDRの廉価版もある。
   R480
       R423改良版。0.13μmで製造される。
   RV410
       R430廉価版。128bit・パイプライン半減の8本。廉価版は、DDR対応。

   DirectX 9.0c世代のRADEON 
   ATI RADEON X1900 XTX

   DirectX 9.0c世代のRADEONビデオチップ	コードネーム	クロック(コア/メモリ)	備考
   X1300 HM	RV515	(450/1000)	 
   X1300	RV515	(450/500)	p4/v2
   X1300 Pro	RV515	(600/800)	p4/v2
   X1300 XT	RV530	(500/800)	p12/v5
   X1550	RV516 / RV505pro	(550/800)	p4/v2
   X1600 Pro	RV530	(500/780)	p12/v5
   X1600 XT	RV530	(590/1380)	p12/v5
   X1650 Pro	RV530 / RV535	(600/1400)	p12/v5
   X1650 XT	RV560	(575/1350)	p24/v8
   X1800 XL	R520	(500/1000)	 
   X1800 XT	R520	(625/1500)	 
   X1950 GT	RV570	(500/1200)	p36/v8
   X1950 Pro	RV570	(575/1380)	p36/v8
   X1900 XT	R580	(625/1450)	p48/v8
   X1900 XTX	R580	(650/1550)	p48/v8
   X1950 XTX	R580+	(650/2000)	初のGDDR4 SDRAM採用、コア自体は「X1900 XTX」と同じ
   X1950 CrossFire	 	(650/2000)	初のGDDR4 SDRAM採用、コアは「X1950 XTX」と同じクロック周波数

   R520
       OpenGL 2.0対応。ATIのDirectX 9.0c世代のグラフィックカードである。Shader Model 3.0をサポートしている。2005年10月にローンチされ、このシリーズはいくらかの拡張が持ち込まれている。つまりアンチエイリアシング付きのHDR レンダリング用途で必要とされる浮動小数点レンダーである。カードはX1300~X1950としてリリースされている。



   DirectX 10世代のRADEON 
   RADEON HD 2900XT

       2007年出荷。コードネームはR600。VLIW命令を採用している。
       尚、この世代よりDirectDrawサポートを打ち切っている為、Windows2000/XP上一部のアプリケーション(ゲーム等)で動作速度に影響を及ぼす場合がある。WindowsVistaは全般問題なく動作する。※Windows7についての加筆を求みます。

   DirectX 10世代のRADEONビデオチップ	コードネーム	クロック(コア/メモリ)	シェーダ数	備考
   HD 2400 Pro	RV610	(525/400)	40	65nmプロセスでの製造。シェーダー数40。UVD搭載。
   HD 2400 XT	RV610	(700/800)	40	HD2400Proの上位版。クロック以外はHD2400Proと同じ。UVD搭載。
   HD 2600 Pro	RV630	(600/500)	120	HD2600XT(GDDR3)の低クロック版。UVD搭載。
   HD 2600 XT(GDDR3)	RV630	(800/700)	120	メモリ以外の仕様はHD2600XT(GDDR4)と同じ。UVD搭載。
   HD 2600 XT(GDDR4)	RV630	(800/1100)	120	65nmプロセスでの製造。シェーダー数120。UVD搭載。
   HD 2900 PRO(GDDR3)	R600	(600/800)	320	XTの低クロック版。GDDR4 1GBモデルもある。
   HD 2900 XT(GDDR3)	R600	(740/825)	320	80nmプロセスでの製造。ほかは65nm。シェーダー数320。UVD非搭載。
   HD 2900 XT(GDDR4)	R600	(740/1100)	320	メモリ以外の仕様はHD2900XT(GDDR3)と同じ。UVD非搭載。

   R600
       OpenGL 2.0対応。ATIのDirectX 10.0世代を初めてサポートしたグラフィックカードである。また、この会社のユニファイドシェーダー技術を用いた2番目のグラフィックス製品でもある(初代は Xbox360のGPUに採用されたXenos)。このプラットフォームによる製品名はHD 2400,HD 2600,HD 2900である。またHD 3xx0シリーズはこれらR600ファミリのダイをシュリンク+改良したものである。こちらはDirectX 10.1もサポートする。
   UVD
       Unified Video Decoderの略称で動画再生支援機能の事である。詳しくは下記公式より。
       【AMD】フルHDを最適に表示する“UVDテクノロジ”

   DirectX 10.1世代のRADEON 
   RADEON HD 3870 X2
   RADEON HD 4870

       この世代のチップはR600アーキテクチャに基づいているが、DirectX10.1に対応するための変更が加えられている。この世代からはハイエンドで新しいアーキテクチャを採用し、ミドルレンジ、ローエンドと派生製品を作っていくのではなく、$200~300のミドル(正確にはアッパーミドル)をダイサイズを抑えて作り、ハイエンドはCrossFire(2GPU) を使用して競合他社に対抗している。そのため、ハイエンドの製作コストが下がるだけではなく、ミドルレンジやローエンドの新アーキテクチャ採用チップの登場が早くなっている。(同時期のNvidiaはビックワンチップ戦略をとっているため、GT200アーキテクチャのミドルレンジ以下の製品は出せていない。)R700世代ではストリーム・プロセッサ及びテクスチャユニットが増強、ROPが強化されており、従来弱かった高負荷(AAなど)・高解像度時の性能が改善された。またリングバスが廃止されたことなどにより、チップ面積あたりの性能と電力効率が劇的に改善している。なお、この世代よりXTやPro等の表記は外され数値は絶対性能順になっている。またPCI Express 2.0に対応。

   DirectX 10.1世代のRADEONビデオチップ	コードネーム	クロック(コア/メモリ)	シェーダ数	備考
   HD 3450	RV620	(600/500)	40	55nmプロセスで製造されるRV610の後継機種。メモリバス幅は64Bit。UVD搭載。
   HD 3470	RV620	(800/950)	40	55nmプロセスで製造されるRV610の後継機種。メモリバス幅は64Bit。UVD搭載。
   HD 3650	RV635	(725/800)	120	55nmプロセスで製造されるRV630の後継機種。メモリバス幅は128Bit。UVD搭載。GDDR4メモリ搭載版有り。
   HD 3830	RV670	(670/830)	320	メモリバス幅は128Bit。UVD搭載。HD 3850のメモリバスだけを半減した廉価版。
   元々は、HD 3690と呼ばれていた。発売は、中国のみ。
   HD 3850	RV670	(670/830)	320	55nmプロセスで製造されるR600の後継機種。メモリバス幅は256Bit。UVD搭載。TDP95W
   HD 3870	RV670	(775/1125)	320	55nmプロセスで製造されるR600の後継機種。メモリバス幅は256Bit。UVD搭載。GDDR4メモリ搭載版有り。TDP105W
   HD 3850 X2	RV670	(668/829)	320x2	HD 3850のデュアルGPU版。メモリバス幅は256Bit×2。UVD搭載。
   ASUSのみ製造販売。
   HD 3870 X2	R680	(825/900)	320x2	RV670を2つ搭載したもの。コアクロックを上昇させメモリクロックが少し下がっている。
   ビデオチップ	コードネーム	クロック(コア/メモリ)	シェーダ数	備考
   HD 4350	RV710	(600/500)	80	55nmプロセスで製造。メモリバス幅は64Bit。UVD2.2搭載。GDDR2メモリ使用。TDP20W
   HD 4550	RV710	(600/800)	80	55nmプロセスで製造。メモリバス幅は64Bit。UVD2.2搭載。GDDR3メモリ使用。TDP20W
   HD 4650	RV730	(600/500)	320	55nmプロセスで製造。メモリバス幅は128Bit。UVD2.2搭載。GDDR2メモリ使用。TDP48W
   HD 4670	RV730	(750/1000)	320	55nmプロセスで製造。メモリバス幅は128Bit。UVD2.2搭載。DDR3メモリ使用。TDP59W
   HD 4830	RV770	(575/900)	640	55nmプロセスで製造。RV770のユニットを削減した廉価版。メモリバス幅は256Bit。GDDR3メモリ使用。UVD2搭載。
   HD 4850	RV770	(625/1143)	800	55nmプロセスで製造されるRV670の後継機種。メモリバス幅は256Bit。
   GDDR3メモリ使用。UVD2搭載。TDP110W
   1チップでは初の1TFLOPSを達成。
   HD 4870	RV770	(750/1935)	800	55nmプロセスで製造されるRV670の後継機種。メモリバス幅は256Bit。
   初のGDDR5メモリを採用。UVD2搭載。TDP160W
   競合製品はGeForceGTX260
   HD 4890	RV770	(850/1950)	800	55nmプロセスで製造されるRV670の後継機種。メモリバス幅は256Bit。
   GDDR5メモリを採用。 UVD2搭載。TDP190W
   競合製品はGeForceGTX275
   HD 4850 X2	R700	(625/993)	800x2	55nmプロセスで製造。RV770を二基搭載。Sapphireのみ製造販売。
   メモリバス幅は256bit×2。GDDR3メモリ使用。
   HD 4870 X2	R700	(750/1935)	800x2	55nmプロセスで製造されるR680の後継機種。RV770を二基搭載したもの。
   メモリバス幅は256bit×2。GDDR5メモリ使用。TDP286W

   R700
       OpenGL 3.0対応。ATIの現在最新のシリーズである。R700はR600アーキテクチャーに基づいている。R700ではアッパーミドルのチップ(RV770など)を製作し、2GPUを同一カードに乗せることにより、競合他社のハイエンドと競合する。R700アーキテクチャではストリーム・プロセッサ及びテクスチャユニットが大幅に増強され高負荷時に強くなった。更に今までの高解像度、AA時に弱いという弱点はROP(RBE)強化で克服している。その上で電力消費を抑える改良と、アッパーミドルであるRV770チップではGDDR5のサポートを含む。また4000シリーズでは新たにUVD2が搭載されており、専用ソフトでアップスケール(解像度の大きいディスプレイで拡大してもシャギーなどを抑えて綺麗に見える。PowerDVDなどが対応している)が可能になっている。RV770は2008年6月発売以来、高い描画性能と比較的安価な価格設定により好調な売行きを記録している。そのため、対抗するNVIDIA製品の値下げがたびたび実施されている。8月に発売されたR700(4870X2)では海外のベンチマークテストでGTX280に大きな差を付けており、単体カードでは最速であった。HD4850、 HD4870は800のストリーム・プロセッサを搭載しており、GDDR3、GDDR5のビデオメモリを使用している。R700は合計1600のストリーム・プロセッサを搭載しており、GDDR5のビデオメモリを使用している。
最終更新:2009年05月27日 22:20
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