0. 目次
1. 摘要
2. 必要条件
3. ベースクロックとの関係
4. 電圧変更
5. メモリコントローラ内蔵の場合
6. 注意事項
1. 摘要
オーバークロック(Overclock:以下OC)とは、コンピュータを構成する半導体素子(CPU、RAM、GPU、MCH、IOH)および、それらを接続するバス(FSB、QPI、HT、PCI-E)などの動作周波数を、規定速度以上に動作させる行為のことを指す。また、広義には規定動作以下の速度で動作させる行為も含まれる。
2. 必要条件
OCを行うにはそれなりの勇気が必要だ。
というのも、製造者が規定する速度を超えて動作させるため、その対象に負荷をかけるほか、その周りの回路素子にも大きな負荷をかけ、最悪の場合システム全体がダウンする可能性がある。
この点を留意してOCには挑んでもらいたい。常に自己責任。これを忘れてはならない。
勇気が出たところで、次に必要になってくるのはOCに耐えうるだけの構成部品である。一般にOCを行うと、システム全体の消費電力は増加する。特に、阻止の電圧を高めた場合、消費電力は2乗に比例するため、電源装置には注意を払わねばならない。
3. ベースクロックとの関係
CPU動作周波数 Fc は次の式で与えられる。
Fc = BC x Ratio
BCはベースクロックと呼ばれ、FSBの動作周波数も規定する。
RatioはCPUの内部倍率と呼ばれ、製品によって異なる。
たとえばCore2 Duo E8600は BC=333MHz Ratio=10 の3.33GHzとなる。
つまり、CPUの動作周波数をあげるには、BCないしはRatioをあげればいいわけだが、
残念ながらRatioは、ExtremeEditonを除いて、固定倍率となる。
したがって、一般的にはBCを上げる手法を使う。
ここで問題となってくるのは、BCがFSBおよび、RAMの速度も規定しているということだ。
FSB、RAMの周波数をそれぞれFf、Frとすると、
Ff = BC x 4
Fr = BC x R (R=2.0:DDRII-667、2.4:DDRII-800)
Rの値はメモリ対比と呼ばれ、変更できるマザーボードが多い。
したがって、BCを上げる場合、対比の値を変更して、RAMの周波数が上がり過ぎないようにする必要がある。
FSBは最近のマザーボード(P4x系)の場合、1600MHz程度まであれば、動作する傾向にある。
例
CPU:E8400 333x9 = 3GHz 400x9 = 3.6GHz
FSB:333x4 = 1333MHz → 400x4 = 1600MHz
RAM:DDRII-800 333x2.4 = 800MHz 400x2 = 800MHz
メモリ対比を2.4から2に変更し、規定動作範囲内に収まるようにしてある。
4. 電圧変更
3の手法で、BCを上げていくと、やがて起動しないあるいは不安定になってくる。
ここで、CPUの電圧を上昇させてみる。
一般に半導体素子は電圧を上げると、動作周波数が高くなる特性がある。
したがって、動作マージンがあがると考えられる。
ただし、上昇させる値は、0.0125Vないしは0.0250V単位で上げる。(いきなり0.1Vも上昇させると故障する場合がある。)
これはCPUだけに限った話ではなく、RAMや、FSBについても同等の理論が適用される。
最終更新:2009年05月27日 22:21