2階同次線形

定係数2階同次線形微分方程式とは、以下のような式で表される微分方程式の事を指します。


\frac{d^{2} y}{dx^{2}} + a\frac{dy}{dx} + by=0     (1)

ただし、a,bは定数とします。

ここで、この微分方程式の解を、

y=e^{\lambda x}     (2)

と考えて(1)に代入すると、exp(λx)≠0から、両辺の割り算が可能で、

\lambda^{2} + a\lambda + b =0     (3)

(3)を満たすλが見つかれば、(2)に代入することで(1)の解とできる。

この(3)のことを特性方程式といいます。

特性方程式はλに対する2次方程式であるので、判別式によって

(Ⅰ)異なる実数解を持つ場合
(Ⅱ)異なる虚数解を持つ場合
(Ⅲ)重解を持つ場合

の3通りが考えられます。それぞれの場合に対して一般解を考えましょう。



(Ⅰ)異なる実数解を持つ場合


2つの実数解をそれぞれα,βとすると、

y_{1}=e^{\alpha x} , y_{2}=e^{\beta x}     (4)

これらはそれぞれ(1)の解です。これでも答えの一部としては正しいです。

ですが(1)は線形方程式であることから、これらの解を実数倍して足し合わせたもの(=一次結合)も(1)の解と考えられます。

従って、一般解は

y=C_{1}e^{\alpha x}+C_{2}e^{\beta x}     (5)

となります。

(Ⅱ)異なる虚数解を持つ場合


2つの虚数解は共役なので、それぞれa±ibとおきます。


y_{1}=e^{(a+ib)x} , y_{2}=e^{(a-ib)x}     (6)

(6)を一次結合の形で表記すると、

y=e^{(a\pm ib)x}     (7)

ここでオイラーの定理

e^{ibx}=cos(bx)+ i sin(bx)     (8)

を用いると

y=e^{ax}(cos(bx)\pm isin(bx)     (9)

これらは互いに共役なので、和と差をとると、これらの一次結合は一般解となるので、

y=e^{ax} \{C_{1}cos(bx)+C_{2}sin(bx)\}     (10)

(Ⅲ)重解を持つ場合


重解をαとおくと、

y_{1}=e^{\alpha x}     (11)

これと一次独立な解を

y_{2}=C(x)e^{\alpha x}     (12)

(12)を(1)に代入してC(x)を求めると、

C''(x)=0
C(x)=C_{1}x+C_{2}     (13)

ゆえに、

y=(C_{1}x+C_{2})e^{\alpha x}     (14)




以上をまとめると(特性方程式の判別式をDとする。)

\frac{d^{2} y}{dx^{2}} + a\frac{dy}{dx} + by=0 の解

 D>0 \Longleftrightarrow y=C_{1}e^{\alpha x}+C_{2}e^{\beta x}

 D<0 \Longleftrightarrow y=e^{ax} \{C_{1}cos(bx)+C_{2}sin(bx)\}

 D=0 \Longleftrightarrow y=(C_{1}x+C_{2})e^{\alpha x}
最終更新:2009年05月31日 02:20
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。