当初2p軌道は3つあることは知られていたが磁場を外部から加えてやると2p軌道が僅かながらエネルギーに差が生じることが発見された。これをZeeman効果と呼ぶ。
基本的に電子は負の電荷を帯びながら回っているものである。「回転する粒子」とみなすと、角運動量を持つということが自然と満たされる。
その角運動量LはエネルギーEと慣性モーメントIを用いて次の関係が導かれる。
さて、今エネルギーEは量子化されていることは既知である。わしは特に物理屋でもないので、ここらへんの式導出は省略させてもらうが、結果的に(1)式から「オービタル角運動量量子数 l 」により角運動量の大きさを求めることができる。
なお
と今後表記する。(h はプランク定数)
また観測結果と物理屋さん的直感により「Z軸まわりの角運動量」がある整数倍を示すと考えられた。
(3)式にて登場した整数mは「2l+1」の値しかとらないとも約束されていた。
さて、(2)・(3)式から「角運動量の大きさ」と「Z軸の角運動量の成分(外部磁場方向の向き)」が整数によって支配されるということである。また、「 l 」の値さえ決めてしまえば、自然と整数mのとる値も限られてくる。
「角運動量の大きさ」は l の値によって支配される。その大きさにおいて、2l+1個の整数mが存在し、その個数分の「Z軸の角運動量の成分」が決定される。「角運動量の大きさ」と「Z軸の角運動量の成分」が双方決まっていたらラーモア歳差運動の概念から「角運動量」のベクトルが定まる。ベクトルが定まるということは、その物質(電子)がどのように回転しているかが分かる。
つまり、整数の値によって同じ軌道上(整数lはオービタル角運動量。あるひとつの軌道の形を示す(今後書く予定(?))で、2l+1種類の回転の仕方が決定されるということである。整数によって回転の仕方が支配されている。このことを空間量子化または方向量子化と呼んでいる。
また、議論されたこの整数mを磁気量子数と呼び、軌道の傾き(=外場(Z軸)に対する角運動量の大きさ)を操作する整数と意味付けすることが可能となる。
最終更新:2009年05月31日 02:23