03.Brotherfood

「旭!!!待てよ!」
ある夜
旅支度をした旭が村から出ようとしていた
ジンの叫びとも捉えれる声に旭は足を止め振り返る
「・・・・ジン兄さん・・」
「一言もなしに出るのか?水臭いやつだな」
「・・・・・」
うつむく旭
「・・・こんな僕を見送ってもらえる価値なんてありません」
「そんなことねえよ、だから俺もアソもきてんだよ」
「え?」
「アソ!隠れてないで出てこいよ!」
闇の中からアソが出てくる
「どうせ気になってついてきたんだろ?」
「お・・・オレは!!・・・オレは別に・・・」
アソは否定しつつ顔を背ける

「・・でも・・でも僕は兄さん達や友、ギルドの皆を裏切った人間です。
そんな最低な人間を・・・・・」
罪の意識に苛まれているのか
旭は震えている
その姿を見てジンは言葉を掛ける
「確かにお前が言うように皆を裏切った事には変わらない
だがこの経験を踏まえて
過ちを繰り返さないように努力するか、
それとも振り返らずに同じことを何度も繰り返すか、
そうじゃないのか?」
「・・・・・・はい」

「そう思っていても、また同じようなことがあったら
同じ結果になるかもしれないが
でもその心持を忘れないようにしていれば次に進める。
オマエの成長を信じてるから
俺もアソもここにいるんだぜ?」
「・・・・・・」
「オマエはまだ若いし、いくらでも成長できる。
今回の事をよく考えて次に活かせ。
そして前を見ろ!いいな?」
「はい・・・・」
返事はするが覇気が感じられない
最終更新:2009年09月08日 22:57