04.古傷


「ハア・・・・ハア・・・・」
放った技の負担が大きかったようだ
さくらとチャトの目の前で膝から崩れ落ちた
「マスター!!」
「だ・・・・大丈夫だ・・・・っツ!・・・・」
右肩を抑える旭を見て
さくらが真っ赤に染まった服を食いちぎる
「あれ?マスター、傷が・・・・」
「ンニャ~、さっきまで血が出ていたのに
なんでニャ??」
そう
戦闘中は確かに血が流れていた
さくらもチャトも本人の旭も見ている
それにあの痛み・・・・

だが改めて見ると
傷口が開いたわけでもなく
血が止まったわけでもない
右肩から腹部にかけ傷跡が走っているだけだ

代えの服を荷物から出しながら
旭は傷を撫でながら考え込む
「でもよかった・・マスターがなんとも無くて」
さくらがほっとした顔を旭に見せる
「あ・・ああ、そうだな」
そう答えた旭だったが表情は曇ったまま
そして右肩の古傷も
旭の表情を映し出しているかのように疼いていた

最終更新:2009年12月05日 00:38