04.古傷
ズキッ
「グッ・・・・」
稲妻のような痛みが右肩に走る
旭が右肩を抑え屈みこんでしまった
「マスター!どうしたニャ??!!」
右肩から腹部にかけ服が真っ赤に染まっていく
「マスター!!血が・・・・怪我してるの?」
「だ、大丈夫だ・・・心配するな」
その血を嗅ぎつけ狂気と化したシャクラーの群れが
さらにスピードを上げ旭達に向かってくる
「ッチ!!」
間に合わないと判断したのか
門を背に右肩を庇いながらも左手でクレイモアを持つ
「マスター!!!そんな肩じゃムリニャ!!!」
「いや、やるしかない・・・間に合わない・・・・」
シャクラーに立ち向かおうとする旭
「マスター・・・・」
「いいか、二人とも・・・・伏せていろ」
旭から指示を出された2匹は頭を屈める
(片手で成功した試しはないが・・・・
兄さん・・・力を貸してくれ・・・
大きく深呼吸をして目を閉じる
旭が左手のクレイモアに意識を集中させると
クレイモアの柄から青い光が現れ
瞬く間に刀身全体を包んでいく
目を見開いた旭は大きく身体を沈ませ
目標であるシャクラーの群れを確認し
「天武五神流、蒼ノ三!」
光に包まれたクレイモアで
「水鬼!!!」
沈ませた身体を真横に回転させ大きく薙ぎ払った
クレイモアから放たれた青光が
シャクラー達に目掛け走り渡る
放たれた光にシャクラー達は気づいたのだろうか
一旦足を止めた
キーン・・・・・
水中に金具と金具が
ぶつかり合う鋭い音が響いたあと
シャクラーが一匹また一匹と斬り裂かれいく
先ほど何十匹といたシャクラーの群れが
今は残骸へと変わった
最終更新:2009年12月05日 00:37