番外編第5話

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♯5「徳島からのら違法者 ~運命の分かれ道~」 7月20日、それは一部を除いた日本各地の学校で終業式が行われる日だ。 だが、K中学校の終業式には、そこにいなければならない生徒のうち2人が欠けていた。 桜木華音とハヤブチシンヤである。 数日前、華音は彼によって拉致されシンヤ共々行方をくらましているのだ。 「以上をもちまして、平成22年度、第1学期終業式を―――」 教師の一人が終業式の終了を告げる。 その後は諸注意と短時間のホームルームの後、生徒達は帰路についた。 多くの生徒はこれから始まる夏休みに想いを馳せる。 しかし、菜月とクリスの心には違う想いが存在した。 「華音は今どこにいるんだろうか…」 「無事ならいいんだけどね…」 恐らく彼女は着の身着のままの状態だろう。 洗面用具もなければ着替えもない、生理用品もない。 その上あのシンヤと行動を共にしなければならないとなれば、華音の精神状態は既にボロボロだと言っても過言ではない。 「華音の次の生理まで計算上あと8日…華音の生理は結構重いから、それまでに救出しないと…」 「……ああ」 何故菜月が華音の生理に関してそこまで把握しているのかクリスティーネには甚だ疑問であったが、敢えてそれについては問わないことにした。 そこそこ綺麗に整頓されたとあるアパートの一室。 棚には音楽CDや本などが並び、その最上段には朱い翼を広げ、剣を構えたロボットのプラモデルが鎮座している。 だが、華音にはそれがまったく目に入らなくなるほど重要な案件が存在した。 彼女はここ最近、ほとんど眠れていない。 性欲を持て余したシンヤがいつ自分に襲いかかって来るのか分からないからだ。 華音はシンヤ共々1日目は(誠に不本意ながら)ホテルに『止まり』、2日目以降はシンヤがインターネットの巨大掲示板の家出人・ネットカフェ難民を泊めるスレッドを通じて知り合ったとある大学生の家に滞在している。 今シンヤはトイレに引きこもっている。 どうやら下痢を催したらしい。 しかしそれは華音にとって心安らぐ時間でもある。 彼と一時でも離れられるその時が、彼女の心の拠り所であった。 不意に玄関の扉が開く。 家主たる大学生が買い物から帰ってきたのだ。 「お邪魔しまーす」 さらに、彼の交際相手と思われる明るそうな女性がその後ろから現れた。 「へぇー、結構かわいいじゃないこの子。 貴方、名前は?」 彼女は華音を見掛けるとそそくさと近寄り、興味津々な様子で話しかけてきた。 「あ…さ、桜木華音です」 「華音ちゃんね、私は鷹月真理亜よ。 よろしくねっ」 「は、はい。 よろしくお願いします…」 真理亜と名乗った女性は華音の体をじろじろ見回すと、微かに笑みを浮かべ 「さて、華音ちゃんもずっと同じ服や下着着る訳にはいかないわよね。 あなたの為にいろいろ買ってきたから、今から着替えましょう? …ほら、慎、あっち向く!」 と言った。 慎と呼ばれた大学生は、やれやれと言わんばかりの声で分かってるよと返答し、2人に背を向けた。 「そういえばもう1人いるんだっけ? 確か男の子…」 真理亜が華音を着せ替え人形のように扱いつつも慎に問い掛ける。 「ああ、ハヤブチって奴」 「その子今何してるの?」 「トイレにいるよ、あいつの朝飯に下剤混ぜたから」 ひどい事するわね、と言う真理亜に慎は仕方ないだろと言葉を返す。 「こうでもしなきゃ隔離できないだろ?」 「まあ、確かに…」 華音はまだ事態を飲み込みきっていなかった。 しかし、その疑問は慎の一言によって解決する事となる。 「…家出の理由、あいつは駆け落ちだって言ってたけど、本当は違うんだろ?」 その言葉はしっかりと核心をついていたが、背を向けた状態で発言しているので少し間が抜けているように見える。 それを察した真理亜が着替え終わったからもう振り向いてもいいという事を伝えると、慎はゆっくりと体の向きを変えた。 「いくら駆け落ちと言ったって、君の荷物があんな鞄一つなんておかしい。 それに、恋愛感情もあいつからの一方的なものだ。 …もしかしたら言いにくい事があるかもしれないけど、何があったのか俺に―――」 慎がそこまで話したところで、不意にシンヤの携帯電話が着信音を鳴らし始めた。 画面には「着信 タクヤ」と出ている。 「…出た方がいいんじゃない?」 「…分かった」 真理亜に促され、慎はその電話に出ることにした。 「はい、もしもし…」 『もしもし、ハヤブチと申しますが…』 電話の相手は20歳前後、すなわち慎と同じくらいの歳と推測される。 「ハヤブチシンヤ君のご家族の方ですか?」 『はい。 …貴方は?』 「飛鳥です、飛鳥 慎です―――」 「華音の所在が分かったというのは本当か!?」 「うん、タクヤさんがハヤブチ君の携帯にかけたらね…」 その一報を聞き駆け付けたクリスに菜月は説明をし始める。 分かった事は、今現在華音とシンヤは広島に住む飛鳥という人物の家に転がり込んでいるという事、そして彼はシンヤの真意に気付き、こちらに協力する意思があるという事だ。 「これなら…」 「うん。 …もうすぐ華音を助けられるんだね」 暗い闇の中に、一筋の光が差し込んだような気がした。 (もうすぐ…もうすぐ助けてあげるから…待っててね、華音! …そしてその後は…ふひひ…) 「菜月、鼻血出てるぞ」 「いきなり呼び出したかと思えば、かわいいお嬢ちゃんのお出ましとは…なんだ? ロリコンに目覚めたか? んな訳ないか…」 「冗談は程々にしろ、貴教」 玄関の扉を開くと、その向こうから頭髪をオレンジ色に染めた青年と生え際が少し残念な青年が現れた。 「詳しい説明は今からします。 とりあえず座ってください、先輩」 慎は2人に座るように促すと、早速事の一部始終を話した。 「なるほどね…」 「ふむ…確かに少女を1人さらってここまで来るような人間となると、何らかの対策が必要だな」 話を聞き終わると、2人は深々と頷いた。 トイレから時折シンヤの呻き声が聞こえて来る。 予備のトイレットペーパーはあらかじめ慎が別の場所に移動していたため、拭くこともままならない。 しばらくシンヤはトイレから出る事ができないだろう。 「そこで提案があるんですが…」 慎は自らの考えた作戦を話し始める。 「―――という内容です。 2人には、この作戦に協力していただきたいのですが…」 「OK、張り切って行こうぜ!」 「分かった、俺もそれに従おう」 どうやら2人は慎の作戦に乗り気なようだ。 元々面倒見の良い兄貴系と正義感が強い(それが良い結果を生んだかどうかはともかく)2人だ、こうなる事は容易に推測できたことだろう。 「ありがとうございます。 じゃあ、決行日は決まり次第知らせます」 「今回の作戦の主旨は、華音の奪還及びハヤブチの隔離だ。 既に作戦決行ポイントの大型ショッピングセンターには飛鳥氏の先輩である沙良氏を通して協力を取り付けているらしい」 瀬戸内海を横断する快速列車「マリンライナー」の車内で、クリスティーネはメモ用紙に店内の見取り図を描いて作戦概要を説く。 その言葉一つ一つを絶対に聞き漏らさんとばかりに、菜月は耳を傾ける。 「…それで、その後のハヤブチの処遇なんだが…どうする? あちら側は警察へ引き渡す事を勧めているんだが…」 「それはボク達じゃなくて華音本人が決める事だよ。 …恐らく、華音の事だから警察沙汰にはならないと思うけど…」 「個人的には一度くらいお灸を据えてやったほうがいいと思うんだがな…」 クリスティーネは窓の外に目を向ける。 空は皮肉にも雲ひとつなく、晴れ晴れとしていた。 ―――華音は優しすぎる。 それがクリスティーネの正直な想いだった。 超展開のツケが早速まわって来た模様。 ふざけて種キャラを出したのも悪かったか。 ちなみに「運命の分かれ道」というのは、ここからifルートの分岐をさせようかと考えているだけなので特に深い意味はありません。 強いて言うなら飛鳥家に飾ってある某プラモでしょうか。 さらに言うと「作戦」の内容に関しては1ミクロンも考えていません。 いい案があったら是非米欄にどうぞ。 採用するかどうかは分かりませんが。 いやはや、それにしてもまさか華音・菜月・クリスの三人全員がイラスト化されるとは思ってもみませんでした。 描いてくださった方には非常に感謝しております。 ありがとうございました。 - 修正もあげたけど勝手に描いただけだし下手だし誰かうまい人描いてくれよオオオオオオオオ -- クリス描いた (2010-09-13 17:00:13) - 作戦を考えてみた -- 名無しさん (2010-09-13 17:42:35) - 屋上でヒーローショーのバイトを皆でする。→沙良が敵。あとは味方。沙良が華音・菜月・クリスイベントに参加させさらう→沙良人質を取り、退場→その後こっそり脱出 -- 名無しさん (2010-09-13 17:50:53) - ところでなんで菜月自重せんのん?いやかまわんもっとやれ -- クリス描いた (2010-09-13 18:00:32) - どうでもいいが飛鳥 慎だとどうしてもウルトラマンダイナを思い出すんだぜ。 -- 名無しさん (2010-09-13 18:13:41) - なんかカードビルダー(だっけ?)の漫画思い出す展開だねwそっくりさんが出てくるってのがw俺の案としては、吉良大和(仮)が出てきて糸屑を「やめてよね」って言ってボコるのが良いと思う -- 名無しさん (2010-09-13 21:15:32) - サブタイトル「徳島からのら違法者」拾ってくれて感謝 -- 名無しさん (2010-09-13 21:18:40) - まさか「シン・アズマ」まで拾ったわけじゃないよね?ね -- 名無しさん (2010-09-13 21:23:19) - アズマの方は拾ってません。 サブタイは使わせていただきましたが。 -- 番外編の人 (2010-09-13 21:46:14) - 次のサブタイトル『天駆ける厨人』(テッカマンブレード第一話『天駆ける超人』より)なんてどうでしょう? テッカマンブレード調べてみたら、兄タカヤ、弟シンヤ(笑) -- 名無しさん (2010-09-14 11:24:49) - 新作きてた!早速糸屑ざまぁとしか言わざるをえないな。 -- 名無しさん (2010-09-14 20:57:20) - シンヤの純ケツは俺がいただく -- 阿部 (2010-09-15 03:03:26) - じゃあ華音の純潔はボクが…じゅるり。 -- 菜月 (2010-09-15 03:18:56) - 菜月ちゃん……目が怖いよ… -- 華音 (2010-09-15 08:21:03) - また私は蚊帳の外なのか...。 -- クリス (2010-09-15 09:43:36) - 気にするな、俺は気にしていない。 俺はミネルバMSパイロットで唯一出演できていないからな。 -- レジェンド (2010-09-15 15:42:54) - えるしつているか らてはきていない -- フル・フロンタル (2010-09-15 16:24:57) - 糸甲…そんなものの存在を…認めろとでもいうのか…? -- とあるガンダムファイター (2010-09-15 16:56:18) - おれは いま もうれつに いかくさい! -- らてーる (2010-09-15 18:52:50) - 糸甲!おまえは生きていてはいけない人間なんだ! -- キレやすい若者 (2010-09-15 20:33:33) - あんたの存在そのものが鬱陶しいんだよ! -- ジャンク屋 (2010-09-15 21:00:47) - シンヤ、お前を・・・殺す価値もないな。 -- コードネーム:伝説の指導者 (2010-09-15 23:01:08) - 俺は糸甲ほど急ぎすぎもしていなきゃ、人類に絶望もしちゃいない! -- アフロ (2010-09-15 23:24:49) - ラテのカード、売るよ! -- 炎のモビルスーツ乗り (2010-09-16 17:13:34) - 冗談ではない! -- なんか色々三倍な人 (2010-09-16 18:10:41) - 自ら育てた闇に食われて、ラテは滅ぶとな! -- 変態仮面 (2010-09-16 21:48:44) - あべし! -- ラテールのゴミ (2010-09-17 07:28:31) - 〝東方〟に迎撃の準備あり。 -- 覚悟完了 (2010-09-18 03:38:04) - なにこれ要らない。 -- スキマ (2010-09-18 09:43:23) - ↑ラテ乙 -- 名無しさん (2010-09-19 21:12:11) - 糸屑タイーホマダ-? -- 名無しさん (2010-09-19 22:41:14) - わたしラテちゃん。今、かのんの家の前にいるの。 -- 都市伝説 (2010-09-20 09:47:01) - ワタシラテチャン。今、カノンノ部屋ノ前ニイルノ・・・。 -- 都市伝説2 (2010-09-20 18:04:39) - うぎゃあああああああ!! -- 糸屑のサイゴ (2010-09-20 20:29:41) #comment()
♯5「徳島からのら違法者 ~運命の分かれ道~」 7月20日、それは一部を除いた日本各地の学校で終業式が行われる日だ。 だが、K中学校の終業式には、そこにいなければならない生徒のうち2人が欠けていた。 桜木華音とハヤブチシンヤである。 数日前、華音は彼によって拉致されシンヤ共々行方をくらましているのだ。 「以上をもちまして、平成22年度、第1学期終業式を―――」 教師の一人が終業式の終了を告げる。 その後は諸注意と短時間のホームルームの後、生徒達は帰路についた。 多くの生徒はこれから始まる夏休みに想いを馳せる。 しかし、菜月とクリスの心には違う想いが存在した。 「華音は今どこにいるんだろうか…」 「無事ならいいんだけどね…」 恐らく彼女は着の身着のままの状態だろう。 洗面用具もなければ着替えもない、生理用品もない。 その上あのシンヤと行動を共にしなければならないとなれば、華音の精神状態は既にボロボロだと言っても過言ではない。 「華音の次の生理まで計算上あと8日…華音の生理は結構重いから、それまでに救出しないと…」 「……ああ」 何故菜月が華音の生理に関してそこまで把握しているのかクリスティーネには甚だ疑問であったが、敢えてそれについては問わないことにした。 そこそこ綺麗に整頓されたとあるアパートの一室。 棚には音楽CDや本などが並び、その最上段には朱い翼を広げ、剣を構えたロボットのプラモデルが鎮座している。 だが、華音にはそれがまったく目に入らなくなるほど重要な案件が存在した。 彼女はここ最近、ほとんど眠れていない。 性欲を持て余したシンヤがいつ自分に襲いかかって来るのか分からないからだ。 華音はシンヤ共々1日目は(誠に不本意ながら)ホテルに『止まり』、2日目以降はシンヤがインターネットの巨大掲示板の家出人・ネットカフェ難民を泊めるスレッドを通じて知り合ったとある大学生の家に滞在している。 今シンヤはトイレに引きこもっている。 どうやら下痢を催したらしい。 しかしそれは華音にとって心安らぐ時間でもある。 彼と一時でも離れられるその時が、彼女の心の拠り所であった。 不意に玄関の扉が開く。 家主たる大学生が買い物から帰ってきたのだ。 「お邪魔しまーす」 さらに、彼の交際相手と思われる明るそうな女性がその後ろから現れた。 「へぇー、結構かわいいじゃないこの子。 貴方、名前は?」 彼女は華音を見掛けるとそそくさと近寄り、興味津々な様子で話しかけてきた。 「あ…さ、桜木華音です」 「華音ちゃんね、私は鷹月真理亜よ。 よろしくねっ」 「は、はい。 よろしくお願いします…」 真理亜と名乗った女性は華音の体をじろじろ見回すと、微かに笑みを浮かべ 「さて、華音ちゃんもずっと同じ服や下着着る訳にはいかないわよね。 あなたの為にいろいろ買ってきたから、今から着替えましょう? …ほら、慎、あっち向く!」 と言った。 慎と呼ばれた大学生は、やれやれと言わんばかりの声で分かってるよと返答し、2人に背を向けた。 「そういえばもう1人いるんだっけ? 確か男の子…」 真理亜が華音を着せ替え人形のように扱いつつも慎に問い掛ける。 「ああ、ハヤブチって奴」 「その子今何してるの?」 「トイレにいるよ、あいつの朝飯に下剤混ぜたから」 ひどい事するわね、と言う真理亜に慎は仕方ないだろと言葉を返す。 「こうでもしなきゃ隔離できないだろ?」 「まあ、確かに…」 華音はまだ事態を飲み込みきっていなかった。 しかし、その疑問は慎の一言によって解決する事となる。 「…家出の理由、あいつは駆け落ちだって言ってたけど、本当は違うんだろ?」 その言葉はしっかりと核心をついていたが、背を向けた状態で発言しているので少し間が抜けているように見える。 それを察した真理亜が着替え終わったからもう振り向いてもいいという事を伝えると、慎はゆっくりと体の向きを変えた。 「いくら駆け落ちと言ったって、君の荷物があんな鞄一つなんておかしい。 それに、恋愛感情もあいつからの一方的なものだ。 …もしかしたら言いにくい事があるかもしれないけど、何があったのか俺に―――」 慎がそこまで話したところで、不意にシンヤの携帯電話が着信音を鳴らし始めた。 画面には「着信 タクヤ」と出ている。 「…出た方がいいんじゃない?」 「…分かった」 真理亜に促され、慎はその電話に出ることにした。 「はい、もしもし…」 『もしもし、ハヤブチと申しますが…』 電話の相手は20歳前後、すなわち慎と同じくらいの歳と推測される。 「ハヤブチシンヤ君のご家族の方ですか?」 『はい。 …貴方は?』 「飛鳥です、飛鳥 慎です―――」 「華音の所在が分かったというのは本当か!?」 「うん、タクヤさんがハヤブチ君の携帯にかけたらね…」 その一報を聞き駆け付けたクリスに菜月は説明をし始める。 分かった事は、今現在華音とシンヤは広島に住む飛鳥という人物の家に転がり込んでいるという事、そして彼はシンヤの真意に気付き、こちらに協力する意思があるという事だ。 「これなら…」 「うん。 …もうすぐ華音を助けられるんだね」 暗い闇の中に、一筋の光が差し込んだような気がした。 (もうすぐ…もうすぐ助けてあげるから…待っててね、華音! …そしてその後は…ふひひ…) 「菜月、鼻血出てるぞ」 「いきなり呼び出したかと思えば、かわいいお嬢ちゃんのお出ましとは…なんだ? ロリコンに目覚めたか? んな訳ないか…」 「冗談は程々にしろ、貴教」 玄関の扉を開くと、その向こうから頭髪をオレンジ色に染めた青年と生え際が少し残念な青年が現れた。 「詳しい説明は今からします。 とりあえず座ってください、先輩」 慎は2人に座るように促すと、早速事の一部始終を話した。 「なるほどね…」 「ふむ…確かに少女を1人さらってここまで来るような人間となると、何らかの対策が必要だな」 話を聞き終わると、2人は深々と頷いた。 トイレから時折シンヤの呻き声が聞こえて来る。 予備のトイレットペーパーはあらかじめ慎が別の場所に移動していたため、拭くこともままならない。 しばらくシンヤはトイレから出る事ができないだろう。 「そこで提案があるんですが…」 慎は自らの考えた作戦を話し始める。 「―――という内容です。 2人には、この作戦に協力していただきたいのですが…」 「OK、張り切って行こうぜ!」 「分かった、俺もそれに従おう」 どうやら2人は慎の作戦に乗り気なようだ。 元々面倒見の良い兄貴系と正義感が強い(それが良い結果を生んだかどうかはともかく)2人だ、こうなる事は容易に推測できたことだろう。 「ありがとうございます。 じゃあ、決行日は決まり次第知らせます」 「今回の作戦の主旨は、華音の奪還及びハヤブチの隔離だ。 既に作戦決行ポイントの大型ショッピングセンターには飛鳥氏の先輩である沙良氏を通して協力を取り付けているらしい」 瀬戸内海を横断する快速列車「マリンライナー」の車内で、クリスティーネはメモ用紙に店内の見取り図を描いて作戦概要を説く。 その言葉一つ一つを絶対に聞き漏らさんとばかりに、菜月は耳を傾ける。 「…それで、その後のハヤブチの処遇なんだが…どうする? あちら側は警察へ引き渡す事を勧めているんだが…」 「それはボク達じゃなくて華音本人が決める事だよ。 …恐らく、華音の事だから警察沙汰にはならないと思うけど…」 「個人的には一度くらいお灸を据えてやったほうがいいと思うんだがな…」 クリスティーネは窓の外に目を向ける。 空は皮肉にも雲ひとつなく、晴れ晴れとしていた。 ―――華音は優しすぎる。 それがクリスティーネの正直な想いだった。 超展開のツケが早速まわって来た模様。 ふざけて種キャラを出したのも悪かったか。 ちなみに「運命の分かれ道」というのは、ここからifルートの分岐をさせようかと考えているだけなので特に深い意味はありません。 強いて言うなら飛鳥家に飾ってある某プラモでしょうか。 さらに言うと「作戦」の内容に関しては1ミクロンも考えていません。 いい案があったら是非米欄にどうぞ。 採用するかどうかは分かりませんが。 いやはや、それにしてもまさか華音・菜月・クリスの三人全員がイラスト化されるとは思ってもみませんでした。 描いてくださった方には非常に感謝しております。 ありがとうございました。 - 修正もあげたけど勝手に描いただけだし下手だし誰かうまい人描いてくれよオオオオオオオオ -- クリス描いた (2010-09-13 17:00:13) - 作戦を考えてみた -- 名無しさん (2010-09-13 17:42:35) - 屋上でヒーローショーのバイトを皆でする。→沙良が敵。あとは味方。沙良が華音・菜月・クリスイベントに参加させさらう→沙良人質を取り、退場→その後こっそり脱出 -- 名無しさん (2010-09-13 17:50:53) - ところでなんで菜月自重せんのん?いやかまわんもっとやれ -- クリス描いた (2010-09-13 18:00:32) - どうでもいいが飛鳥 慎だとどうしてもウルトラマンダイナを思い出すんだぜ。 -- 名無しさん (2010-09-13 18:13:41) - なんかカードビルダー(だっけ?)の漫画思い出す展開だねwそっくりさんが出てくるってのがw俺の案としては、吉良大和(仮)が出てきて糸屑を「やめてよね」って言ってボコるのが良いと思う -- 名無しさん (2010-09-13 21:15:32) - サブタイトル「徳島からのら違法者」拾ってくれて感謝 -- 名無しさん (2010-09-13 21:18:40) - まさか「シン・アズマ」まで拾ったわけじゃないよね?ね -- 名無しさん (2010-09-13 21:23:19) - アズマの方は拾ってません。 サブタイは使わせていただきましたが。 -- 番外編の人 (2010-09-13 21:46:14) - 次のサブタイトル『天駆ける厨人』(テッカマンブレード第一話『天駆ける超人』より)なんてどうでしょう? テッカマンブレード調べてみたら、兄タカヤ、弟シンヤ(笑) -- 名無しさん (2010-09-14 11:24:49) - 新作きてた!早速糸屑ざまぁとしか言わざるをえないな。 -- 名無しさん (2010-09-14 20:57:20) - シンヤの純ケツは俺がいただく -- 阿部 (2010-09-15 03:03:26) - じゃあ華音の純潔はボクが…じゅるり。 -- 菜月 (2010-09-15 03:18:56) - 菜月ちゃん……目が怖いよ… -- 華音 (2010-09-15 08:21:03) - また私は蚊帳の外なのか...。 -- クリス (2010-09-15 09:43:36) - 気にするな、俺は気にしていない。 俺はミネルバMSパイロットで唯一出演できていないからな。 -- レジェンド (2010-09-15 15:42:54) - えるしつているか らてはきていない -- フル・フロンタル (2010-09-15 16:24:57) - 糸甲…そんなものの存在を…認めろとでもいうのか…? -- とあるガンダムファイター (2010-09-15 16:56:18) - おれは いま もうれつに いかくさい! -- らてーる (2010-09-15 18:52:50) - 糸甲!おまえは生きていてはいけない人間なんだ! -- キレやすい若者 (2010-09-15 20:33:33) - あんたの存在そのものが鬱陶しいんだよ! -- ジャンク屋 (2010-09-15 21:00:47) - シンヤ、お前を・・・殺す価値もないな。 -- コードネーム:伝説の指導者 (2010-09-15 23:01:08) - 俺は糸甲ほど急ぎすぎもしていなきゃ、人類に絶望もしちゃいない! -- アフロ (2010-09-15 23:24:49) - ラテのカード、売るよ! -- 炎のモビルスーツ乗り (2010-09-16 17:13:34) - 冗談ではない! -- なんか色々三倍な人 (2010-09-16 18:10:41) - 自ら育てた闇に食われて、ラテは滅ぶとな! -- 変態仮面 (2010-09-16 21:48:44) - あべし! -- ラテールのゴミ (2010-09-17 07:28:31) - 〝東方〟に迎撃の準備あり。 -- 覚悟完了 (2010-09-18 03:38:04) - なにこれ要らない。 -- スキマ (2010-09-18 09:43:23) - ↑ラテ乙 -- 名無しさん (2010-09-19 21:12:11) - 糸屑タイーホマダ-? -- 名無しさん (2010-09-19 22:41:14) - わたしラテちゃん。今、かのんの家の前にいるの。 -- 都市伝説 (2010-09-20 09:47:01) - ワタシラテチャン。今、カノンノ部屋ノ前ニイルノ・・・。 -- 都市伝説2 (2010-09-20 18:04:39) - うぎゃあああああああ!! -- 糸屑のサイゴ (2010-09-20 20:29:41) - 「性欲を持て余したシンヤ」←この一文で某ダンボールフェチの蛇さん思い出したのは俺だけで良い。糸屑なんて彼に比べりゃ便所に吐き出されたタンカス以下だがな!! -- 名無しさん (2010-10-30 23:28:28) #comment()

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