郵送09 (9)「決勝トーナメント」


[98/5/6] ロボット集+α Vol.9  決勝トーナメント


 トーナメントの組み合わせは決勝進出の8体をリーグに残し、メニ
ューからオートトーナメントを選ぶ、という方法でおこないました。


<トーナメント表>

錆付いた重い扉が、軋んだ音を立てながら久しぶりに開いた。僅かだ
が、開場前から列を作っていた人たちが、静かに目当ての席に向かう。
今となっては最新設備から程遠いこのコロシアムに、今なお集まる人々。
彼らは、特別な何かを知っているのだろう。

コロシアムのある矢田川付近に、咲き乱れる桜。昨日までの晴天とは
違い、今日は曇り。午後0時15分。久しぶりの、そして、ここでの
最後の大会は今、ひとにぎりの人たちの見守る中で厳かに幕を開けた。
舞台は、アスファルト。


MR-H/S/ v.s. GEKKO
(H SOL MIS)  (6 LSR ENG)

試合は始まった。共に初期動作はなく、停止したまま。MR-H/S/が1
HEX後退するが、すぐに前に出て元の位置に戻る。お互いに一歩下
がり、また同じような動作。このまま壁際の争いにに縺れ込むか。
...しかし、GEKKOは回転し、軌道を変える。そのためお互いに射
軸が合うが、発砲はない。お互いにチャンスを狙っている。さらに
GEKKOは軌道を変えMR-H/S/を狙う。60度の角度で遭遇するが、射軸
が合うと両者ともに回避行動を取る。その後、MR-H/S/が下方のGEKKO
に向かってミサイル発射。1HEX横を通り過ぎる。MR-H/S/はさらに
1HEX横でミサイル発射。今度はその先にGEKKOが居る!
GEKKO、回避行動。間に合うか?ギリギリでミサイルは脇をかすめる。
回転しながらMR-H/S/を隅に追いつめるGEKKO。壁際が迫る。しかし、
その時、近距離でMR-H/S/はミサイルを発射。命中!
すかさずGEKKOも極太レーザーを発射!外れた!!

エネルギーの残りが少なくなった。しかも、火が付いている。GEKKO
ピンチ!少し離れたところで3回のエネルギーを補給して、再び
MR-H/S/に立ち向かうGEKKO。またもや先程と同じように近距離で
MR-H/S/の前に飛び出すGEKKO。ミサイルを食らう!しかし、今度は反
撃のレーザーが命中!ほぼ同じくらいのダメージ。エネルギーを回復
したGEKKOの前に飛び出すMR-H/S/。が、その時ちょうどGEKKOも1H
EX横に移動していた。難を逃れたMR-H/S/。MR-H/S/はその後、2発
ミサイルをブラインドショット。共に外れる。GEKKOの炎は消えた。
しかし、GEKKOは残り40秒で、再び壁際でMR-H/S/の前に飛び出して
しまう。向かってくるミサイル。振り返り、レーザーを...その前
にミサイルは命中、GEKKOは吹き飛んだ。

MR-H/S/が1回線を突破。


W.ANGEL2 v.s. NANDEMOE
 (H SOL MCN)  (6 SHL MIS)

極小火力のW.ANGEL2と、ミサイルにシールドの、力と力のNANDEMOE。
2戦目は両極端なハードウェアの戦いになった。共に初期動作はない。
先に動いたのはNANDEMOEだった。1HEX前進。その後、W.ANGEL2が
1HEX後退、射軸が合うためNANDEMOEがミサイル発射。W.ANGEL2は
まだ居る。ゆっくり回避したが、何とかミサイルは当らなかった。射
軸が一筋ずれたまま、下に移動。その後、NANDEMOEはW.ANGEL2の方を
向く。前進してW.ANGEL2の方に近づく。W.ANGEL2は距離を取る。更に
近づくNANDEMOE。W.ANGEL2の前に飛び出した!マシンガンを食らう!
反撃のミサイル!しかし、これはかわされる。その後、良いポジショ
ンを取ったNANDEMOEだが、1方向回転し、再び同じような状況。また
もやマシンガンを被弾。2つの炎が付いている。NANDEMOEは向きを変
えたので、今度はW.ANGEL2がNANDEMOEの正面に飛び出すような配置。
しかし、NANDEMOEは1方向回転し、違う方向を向いてしまう。試合時
間は半分を経過。W.ANGEL2はノーダメージ、NANDEMOEは炎に虫食まれ、
半分ほどのダメージ。ジグザグに動く両者。W.ANGEL2が壁際に段々と
追いつめられていく。このままだと、W.ANGEL2はNANDEMOEの3HEX
前にバックで飛び出す事になる。飛び出した!
しかし、その時、NANDEMOEもちょうど後退。すかさずもう1HEX後
退するW.ANGEL2。壁際で一進一退を繰り返す両者。
再び撃ち合うとき、既に時間は切れていた。

時間切れ、判定でW.ANGEL2が2回戦に進むことになった。


SAKO-49 v.s. HOWK-EYE
(H POW ENG)  (6 RAD MIS)

第3戦は、近距離対遠距離の戦いとなった。
試合開始。HOWK-EYEがSAKO-49にミサイル発射。軽快にかわすSAKO-49。
HOWK-EYEに近づこうとするSAKO-49。自分の間合いが欲しいHOWK-EYE。
HOWK-EYEのサーチ範囲内である遠距離の正面に、相手を捉え切れない
SAKO-49が向かっている。だが、今度はSAKO-49は壁際を嫌う動きで、
HOWK-EYEを追いかけはじめる。正面にHOWK-EYEを捉えた。HOWK-EYEは
6足の回転を活かし、すぐさま攻撃!。SAKO-49はバックステップで
これをかわす。
近づこうとするSAKO-49。HOWK-EYEは逃げる。その時HOWK-EYEが突然
反転。距離を測るタイミングでSAKO-49が動いたための勘違いか。ど
んどん接近する。近距離で出遭い、SAKO-49はこれをかわすが、下がっ
たところにHOWK-EYEも来ていた!ミサイル!
回避するも間に合わずSAKO-49被弾!炎が燃えている!
急接近するSAKO-49。そこをまたもやミサイルが襲う!命中、かなり
のダメージのSAKO-49。
だんだん距離を開けていくHOWK-EYE。追うSAKO-49。逃げながらミサ
イルを放つHOWK-EYEだが、3発撃ってすべてかわされる。エネルギー
を補給するSAKO-49。最後のミサイルを発射するHOWK-EYE!しかし、
かわされる。もう弾はないが、このままならHOWK-EYEの判定勝ちだ。
SAKO-49の炎は消えた。追いかけるSAKO-49。HOWK-EYEの方はエネルギー
が無くなってきた。SAKO-49はHOWK-EYEを追いつめる事が出切るか。
時間切れ!

HOWK-EYEは逃げ切った。エネルギーはあと3ドット分ほど。


JOE.16 v.s. 45POMI01
(H SOL MIS)  (4 POW MIS)

試合開始後、JOE.16は1HEX下がり、45POMI01はその場で、お互い
の方向を向く。突然、JOE.16は安心したように隅に向かう。45POMI01
はJOE.16の方を向き、ミサイルを発射。ぐんぐん逃げるJOE.16。当た
らない。お互いに激しいポジションの取り合いを繰り広げる。そのう
ち、JOE.16が45POMI01の前に出たので45POMI01は一殴りするが、既に
そこには居ない。またもやポジションの取り合い。今度は45POMI01の
2HEX前に出るJOE.16。45POMI01はミサイルを発射。外れた。1H
EXでにらみ合う。45POMI01はいきなりJOE.16の前を横切る。JOE.16
はすかさずミサイル発射。しかしここは4輪得意のアスファルト。既
に目の前を通過し終わっている。反発しあう磁石のように右下へ。そ
の後、45POMI01が上に動いたところでJOE.16を発見、ミサイル発射。
しかし、これも当たらない。1HEX隣で撃ち合う!
お互いに命中!ダメージは同じ。しかし、その後JOE.16が45POMI01の
前に飛び出す。すかさす後退してかわすJOE.16だが、ミサイルは容赦
なく機体を捉える。1HEX隣に移動した45POMI01に、今度はJOE.16
がミサイルを叩き込む!同じダメージ!
が、さらに45POMI01がミサイルを発射。ヒット!JOE.16後が無い!
後退するが、位置関係は前進すれば45POMI01の前の前という、JOE.16
には不利な位置。JOE.16はそこで前進してしまう!
45POMI01のミサイル命中!

1分18秒、JOE.16を粉砕した45POMI01が1回戦を勝利した。


★★ MR-H/S/ v.s. W.ANGEL2

MR-H/S/は最初1HEX後退し、すぐ元に位置へ戻る。その後、2体
共1HEX後退。同じようにMR-H/S/は後退して戻り、更に後退、
W.ANGEL2は1HEXずつ後退を繰り返す。壁際まで来てお互いに一瞬
向かい合うが何もしない。その後、W.ANGEL2はMR-H/S/に向かってい
く。3~4HEXの間合いを取り合い、一進一退。そのまま時間切れ
までまったく同じ。引き分け。

次に選ばれた舞台は、砂漠。が、ここでの展開もアスファルトとまっ
たく同じ。試合開始時に表示された勝敗結果は0勝0敗10分と言う
もの。次の舞台である森で、果たして勝負は付くのか。

試合開始。W.ANGEL2が1HEX下がって中央を向く。MR-H/S/はその
位置で後退・前進をたまにするのみで、動かない。W.ANGEL2はたまに
旋回し、外へ行くかに見えたが、これも同じ場所を行き来しているの
み。そのまま、試合時間3分が経過。結果はドロー。

3つの地形すべてで引き分けたので、予選順位が上のW.ANGEL2を決勝
進出とします。


★★ HOWK-EYE v.s. 45POMI01

45POMI01はその場で中央側を向き、HOWK-EYEは1HEX下がって同じ
く中央側を向く。45POMI01は大胆にHOWK-EYEの正面を突っ切り隅に追
いつめながら、近づいていく。45POMI01がちょうどHOWK-EYEに背中を
向ける格好になったとき、HOWK-EYEは45POMI01を発見、ミサイルを撃
つ!しかし、45POMI01はゆっくりと旋回し、難なくかわす。が、その
あとHOWK-EYEは1HEX横に移動、ちょうど45POMI01の索敵圏外から
ミサイルを撃つ!こんどはなすすべも無く、45POMI01に命中。おまけ
に火が付いた。相手を見失って戸惑う45POMI01。下に向かって移動す
るも、そこを再び狙われる。ミサイル命中!さらに一発!
これは外れる。隅を避けながら近づく45POMI01。HOWK-EYEは突然反転
して、逆に周り出す。お互いにかなり接近するが接触はなく、
45POMI01は再びHOWK-EYEを見失う。火が回って、だんだんダメージが
蓄積。あと1HEXでHOWK-EYEの正面に飛び出しそうなところで旋回。
ここで火が消える。45POMI01はHOWK-EYEを発見、ミサイルを撃つが
かわされる。その後、2HEXで向き合い、お互いに発砲。ダメージ
の差で45POMI01は敗れた。

1分14秒、HOWK-EYEは決勝へと生き残った。


★★★ W.ANGEL2 v.s. HOWK-EYE

決勝は、予選1位と2位の対戦となった。
HOWK-EYEは、スタート直後に後ろに下がって中央を向き、そのまま後
退して距離を稼ぎ、相手の索敵範囲外からの攻撃を狙う。ちょうど
そこで相手を見失ったのか、W.ANGEL2は1HEX前進。そこは
HOWK-EYEの正面になる。HOWK-EYEはミサイルを発射。かすめたが、当
たらない。W.ANGEL2は壁際に近づくのを避け、向きを変えながら
HOWK-EYEを探す。再びHOWK-EYEの射軸を横切る!ミサイルは...
当たらない。W.ANGEL2は壁際を2HEX残してターンするので、
HOWK-EYEの狙いやすい位置にはなかなか来ない。が、移動のタイミン
グがちょうど合って、一瞬先にW.ANGEL2がHOWK-EYEを発見、マシンガ
ンを放つ!HOWK-EYEもすかさずミサイルで応戦!その距離ちょうど
5HEX。W.ANGEL2は斜め後ろに後退し、ミサイルをかわした!
その後、お互いに離れていくが、HOWK-EYEが突然ターン。再び両者は
接近する!HOWK-EYEがW.ANGEL2の正面に出てしまった。マシンガンを
食らってしまう。
距離の取り合いをし、途中HOWK-EYEがミサイルを1発。これは当たら
ない。そのうち、だんだん距離が開いてきて、ついにHOWK-EYEの正面
にW.ANGEL2が!
しかし、HOWK-EYEはそれよりも後ろの壁を気にしたのか、ターンして
移動していってしまう。W.ANGEL2は再び接近する。それに気付いた
HOWK-EYEはミサイルを発射するも、またしてもかわされる。後退して
すぐ戻るW.ANGEL2。それをミサイルがもう一度狙うが、又かわされる。
また位置の取り合いを始めるが、W.ANGEL2はHOWK-EYEの正面にはなか
なか来ない。画面下まで来たところで、HOWK-EYEがW.ANGEL2の正面に
出てしまう。マシンガンとミサイルの撃ち合い。マシンガンは当るが、
ミサイルはかわされる。隣のHEXに移って、もう一度打ち合い。し
かし、やはりミサイルは当たらない。HOWK-EYEはミサイルを使い果た
してしまった。その後、移動を繰り返すが、マシンガンをボツボツ
食らっていく。

タイムアップ!

その瞬間被弾したマシンガンが、HOWK-EYEを燃やしはじめた。予選か
ら決勝まで、W.ANGEL2は、完全勝利を達成した。



      <第9回郵送ロボットバトル大会最終結果>




優勝  W.ANGEL2  真鍋 寛
準優勝 HOWK-EYE  Ruy-Macmiran(IRI)
 3. MR-H/S/   谷川正洋
 3. 45POMI01   佐藤 清之
 5. NANDEMOE  APFSDS
 5. GEKKO   三矢明良
 5. SAKO-49   後迫浩一
 5. JOE.16    松井 和宏


最終更新:2023年06月03日 05:43
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