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催眠がオカルトチックなのはどうして?

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匿名ユーザー

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(答え)
 一言で言えば、「演出」です。
 催眠(術)を好む人の多くは、オカルト的なもの、魔術的なもの、不可思議なものとしての催眠を好むからです。通常では期待できない「一発逆転」を狙う人のニーズに応えるには、尋常ではない力をもった魔術であるかのように催眠術を装うことが必要であるからです。

  催眠(術)そのものは、オカルト的でもなければ、オカルトを装う必要のないものです。それは不必要であるだけでなく、催眠についての過度の、そして歪んだ 期待を人々に起こさせ、催眠を誤解させることにもつながります。そのため催眠を研究する科学者や催眠を医学臨床で用いる人たちや、彼が所属する学会は、催 眠にオカルト的な演出を施すことに当然ながら否定的です。
 
 しかし一方で、オカルト的演出は、催眠術師にとっては不可欠の「演出」であるとも言えます。
 オカルト(occult)という言葉は、語源的にはoc-(覆い)+cult(隠す)、つまり「覆い隠す」ということからその意味は出てきます。うしろのcultは、ラテン語の「隠す」という意味の動詞celareから派生したものです。
 オカルトは「隠されたもの」「秘術」です。決して白日の下に晒されないもの、そんなことにでもなれば霧散してしまうものです。
 催眠術師の多くは知ってか知らずか、催眠の限界やメカニズムについて多くを語りません。秘密の部分がある方が、自分達にとって有益であることを知っているからです。
  知識や技術や情報といったものは、実はもともとそうした側面を持っています。つまり「コピー」が容易であるため、コピー・フリーにすると価値がなくなって しまうのです。逆に知識や技術の習得機会を制限すること(子弟制度や一子相伝)、つまり情報へのアクセスを制限すればするほど、その価値は高まります。し かし好事魔多い、その知識を秘伝化すればするほど、当たり前ですが知識の更新や発展は望めなくなります。
 多くの催眠術師の技術が、何年何十年経っても旧態依然のままなのは、そうしたところにも原因があるのでしょう。
(くる)
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