マーティン「よし、マクガイヤー。今日も調子が良さそうだな。」
主人公(
マーティンさん……誰と話してるんだろう?)
主人公「
マーティンさん?」
マーティン「………………。」
主人公(僕(私)に気づいてないみたい……。すごい集中力だなあ)
マーティン「……ははは、デュークのことも忘れてないぞ。」
主人公(……デューク?)
マーティン「……ん?」
マーティン「うわっ!? アレス(アリス)、いつからそこにいたんだ?」
主人公「ずっと後ろにいましたよ。」
マーティン「そ、そうか……。」
マーティン「それより、オレになにか用か? これから鍛冶道具の手入れをするつもりなんだが。」
主人公「えっ? いまのままでも十分磨かれているように見えますけど……。」
マーティン「いや、この程度ではいい武具を打つことはできない。」
マーティン「たとえば、このハンマー……。すこしフチが欠けているだろう?」
マーティン「こういうところをきっちり直しておかなければ、思い通りの仕上がりにはならないんだ。」
主人公「な、なるほど……。」(どこが欠けているのか、全然わからない……)
主人公「でも……ずっと働き詰めなんじゃないですか? すこしは休憩をとったほうが……。」
マーティン「世界一の鍛冶職人を目指すからには、少しも時間をムダにするわけにはいかない。」
主人公「
マーティンさん……。」
さすがですね・僕(私)も見習いたいです
▼さすがですね
主人公「
マーティンさんはさすがですね。」
マーティン「当然のことだ。オレは鍛冶に一生を捧げると心に誓っている。」
マーティン「もっと修行を積んで腕をみがき、最高の鍛冶屋になるんだ。」
マーティン「そして、いつかは師匠に追いつき、その高みを感じてみたい。」
主人公「ふふ……。応援してます。」
マーティン「ハッ!……すまん。つい熱くなってしまった。」
主人公「いえ。話してくださってありがとうございます。」
▼僕(私)も見習いたいです
マーティン「アレス(アリス)にも夢があるのか?」
主人公「僕(私)には
マーティンさんのような大きな夢はまだありませんが……。」
主人公「
マーティンさんが仕事に打ち込む姿を見ていると、僕(私)もいっぱい頑張ろうって思えるんです。」
マーティン「……そうか。アレス(アリス)も頑張っているのだな。」
マーティン「案外、オレたちは似ているのかもしれない……。」
主人公「ふふ、そうかもしれませんね。」
主人公「それじゃあ、そろそろ僕(私)は帰りますね。仕事のジャマをしちゃってごめんなさい。」
マーティン「いや、いい気分転換になった。アレス(アリス)、それじゃあな。」
主人公「はい。……ん!?」
主人公「わっ、
マーティンさん! 立てかけている道具が倒れそう!」
マーティン「なに!? ……っ! は、ハンニバル!」
主人公(えっ!?)
マーティン「……ふう、危ない。大丈夫か、ハンニバル!!」
主人公「
マーティンさん……ハンニバルって?」
マーティン「…………。」
主人公「…………?」
マーティン「……な、なんのことだ。」
主人公「だって、いま……。」
マーティン「…………。」
主人公(
マーティンさんの顔が赤くなっていく……。何も聞かなかったことにしよう……)
主人公「あはは……な、なんでもないです。それじゃあ、また!」
マーティン「ああ……またな。」
主人公(……デューク、マクガイヤー、ハンニバル……)
主人公(あれって、たぶん鍛冶道具の名前だよね)
主人公(ちょっとかわいい所、見ちゃったな)
最終更新:2021年08月09日 00:08