- イベント関係者:ルーシー、ベアトリス、マーティン、ラインハルト、ランドルフ、ユキ、シモーヌ、ドグ、ジュリアン
1日目
主人公「どうしたの?なんだかすごく盛り上がってるみたいだけど。」
ルーシー「旅に出てるお父さんから、久しぶりに手紙とプレゼントが届いたんだ。」
ルーシー「見て見て。」
ルーシー「お父さんからもらった手鏡♪」
ルーシー「元々はたくさんの宝石が散りばめられてただろう裏面の装飾とか、」
ルーシー「長い時間ですすけた鏡面にわびさびがあってさ、じっと見てると―――」
ルーシー「じっと見てると……。」
ルーシー「お父さんを思い出して、さみしくなっちゃうな……。」
ルーシー「はっ!なに言ってんだろ、わたし。」
ルーシー「そうじゃなくて、鏡のわびさびに歴史のロマンを感じるでしょって言いたかったの。」
シモーヌ「見てのとおり、古びた手鏡だろう?」
シモーヌ「それは夫が古代の王墓を発掘していたときに見つけたものらしい。」
シモーヌ「同じものがいくつも出土されたとかで、そのうちの1つを
ルーシーに送ってきたようだ。」
主人公「王墓を発掘って、なにをやっている人なんですか?」
ルーシー「お父さんは考古学者なんだ。その筋ではちょっとして有名人♪」
主人公「へえ、すごいね!」
シモーヌ「年中、あちこち飛び回ってろくに帰ってこない、風船みたいなろくでなしだよ。」
ルーシー「またまた~そういうとこが好きなくせに……って、そんなこと言ってる場合じゃなかった!」
ルーシー「今から大好きな
プリシラや町のみんなにもこの手鏡を見せてあげるんだ!」
ルーシー「じゃあね、アレス(アリス)!」
シモーヌ「やれやれ……落ち着きのない。」
シモーヌ「よほどあの手鏡が気に入ったのか、今日は朝からずっとあの調子だ。」
シモーヌ「やけにはしゃいでいるというか子供っぽいというか。」
シモーヌ「しかし………。」
シモーヌ「寂しい、か。あの子のあんな言葉、初めて聞いたよ。」
ジュリアン「なんか、姉ちゃんらしくなかった。」
主人公(らしくないか……。そういえば、今日は勝負を申し込まれなかったな)
2日目
ラインハルト「この罪、どれほど謝ってもつぐないきれるものではないでしょう!」
ラインハルト「いつも、
ベアトリスさまが口にされるお食事。あれに、私は……!」
ラインハルト「とにかく安い食材を使っていました!」
ラインハルト「割引された見切り品にねらいを定め、節約レシピによって仕上げる日々!」
ラインハルト「せめて見た目だけは王宮のシェフに負けぬようにと工夫をこらすものの、やはり貧相この上なく!」
ラインハルト「あんなものを
ベアトリスさまに食べさせているのだと思うと、胸が苦しくて……!」
主人公(
ラインハルトさんって本当に真面目な人なんだなぁ……)
ランドルフ「ユキ、ワシは……キミに謝らなければならないことがある。」
ランドルフ「じつはな、ワシは……」
ランドルフ「時々キミに内緒で、冒険に出ているんだよ。」
ランドルフ「クロワッサンをひねっていると、モンスターを軽くひねっていた頃を思い出し……」
ランドルフ「オーブンの熱さを感じると、火山での死闘がよみがえって血がたぎるんだよ。」
ランドルフ「どうか、キミにウソをついていたワシを許しておくれ。」
ユキ「ふふふ。そんなこと、ずっと前から知っていたわ。」
ユキ「食材探しだなんて言っていたけれど隠せているつもりだったの?」
ランドルフ「ユキ……!」
ユキ「昔の血が騒ぐのは仕方がないわ。あなたは、すごい冒険者だったもの。」
ユキ「本当は……ダメって言いたいけれど心はとめられないものね。」
ユキ「でも、1つだけ約束してちょうだい。」
ユキ「たとえ、どこへ冒険に出かけたとしても、必ず無事に帰ってくると……。」
ランドルフ「ああ、ユキ……わかっているとも。」
ランドルフ「ワシが帰る場所はユキのとなり。生きる場所もユキのとなり。」
ランドルフ「なにより、ワシはユキの泣いている顔は見たくない。ワシはキミの笑顔がなにより大好きなんだ。」
ユキ「
ランドルフ……!」
主人公(……ごちそうさまです)
マーティン「どうして、俺が休まないといけないんですか!」
マーティン「確かに、ここ数日は依頼の品を仕上げるため働きづめでした。」
マーティン「でも、それは師匠も同じでしょう?」
マーティン「師匠が休まないのに、オレだけが休むわけにはいきません。」
ドグ「お前は下準備のために何日も徹夜していただろウ。」
ドグ「今は、仕事終わりで気が張りつめているから大丈夫だと思っているだけダ。」
ドグ「しっかり休メ。それも見習いの仕事ダ。」
マーティン「見習いなら、なおさらでしょう。オレには休んでいる時間なんてない。必要もない。」
マーティン「オレは―――師匠のような鍛冶屋になりたいんだ。」
マーティン「打てば鉱石が喜び、仕上がった品で依頼人が笑顔になる……最高の鍛冶屋に!」
マーティン「だから、もっと働かせてください!次の仕事も手伝わせてください、師匠!」
ドグ「む、むむ……わかっタ。気が済むようにすればいイ。」
マーティン「師匠……!」
ドグ「だが、その前にゆっくり休メ。」
マーティン「いや…だから、どうして休まないといけないんですか。」
ドグ「それも見習いの仕事ダ。」
マーティン「見習いなら、なおさら休んでいられないでしょう。」
主人公(話題がループしてる)
主人公(それにしても…
マーティンさんがあんなに熱くなるなんて珍しいな)
3日目
主人公「
ルーシー?難しいカオをして、どうしたの?」
ルーシー「お父さんからもらった鏡がね、ちょっと……ヘンなんだ。」
主人公「ヘン?」
ルーシー「うん。これに姿を映すと……」
ルーシー「いつもは口にしないようなことやヒミツにしてたことをぽろっと言っちゃうみたいなの。」
主人公(思い当たることがあるような……)
主人公「その鏡、ほかの人にも見せたりしなかった?」
ルーシー「え?えーっと、たしか……」
ルーシー「
ラインハルトさん、ランドルフさん……それから、
マーティンにも見せたかな?」
主人公(やっぱり……!それで、あんなことになってたんだ)
ルーシー「もしかしてこの鏡、呪いでもかかってるんじゃないかな?」
主人公「古代王家の呪いとか……?」
シモーヌ「アレス(アリス)。
ルーシーを見なかったかい?」
主人公「それが……今、烏に鏡をとられて東のほうに走って行きました。」
シモーヌ「ふうむ……それはまいったな。」
主人公「なにかあったんですか?」
シモーヌ「夫から急ぎの手紙が届いたんだ。」
シモーヌ「
ルーシーに渡したあの鏡……。どうやらいわくつきの一品だったらしい。」
シモーヌ「古代の裁判で使われていたもので、映した者の本音を告白させてしまうそうだ。」
シモーヌ「しかもまずいことに、長い時間見続けていると本音しか話せなくなる危険なシロモノらしい。」
主人公「それは……困りますね。」
主人公「でも
ルーシーなら、いつも本音で生きてるから呪いを受けても大丈夫そうですけど。」
シモーヌ「……いや。」
シモーヌ「あの子はあれで、人一倍本音を飲み込んで生きているよ。」
主人公「え?」
シモーヌ「なんでもない。」
シモーヌ「とにかく危ないものだから、早く片付けてしまいたい。」
シモーヌ「すぐ持ち帰るように
ルーシーに伝えてくれないか?」
主人公「わかりました。」
ルーシー「あの烏ってば、鏡を巣のなかに入れてどこかに飛んでっちゃって。」
ルーシー「今から木登りして回収しようかなって思ってたところ。」
危ないから僕(私)が代わりに登る・登らずにとれないかな?
▼登らずにとれないかな?
ルーシー「長い木の棒とかあれば、なんとかなるかもしれないけど……。」
ルーシー「それじゃ巣が落ちちゃうよね?ヒナがいるかもしれないし、できれば……。」
主人公「巣を落とさないようにしたい、か。やっぱり登ったほうが早そうだね。」
▼危ないから僕(私)が代わりに登る
ルーシー「で、でも…それじゃ悪いし……アレス(アリス)だって危ないじゃん。」
主人公「大丈夫、任せて。」
主人公「
ルーシーは烏が戻ってこないか様子を見ていてくれる?」
ルーシー「……うん、わかった。お願いね、アレス(アリス)!」
主人公(いつもなら、競争だ!とか言いそうなのに……これも鏡の効果かな?」
主人公(とにかく、烏が戻ってこないうちに鏡を回収しよう!)
主人公「よいしょっと……あっ、あったよ、
ルーシーの鏡!」
主人公「これでもう安心―――」
ルーシー「アレス(アリス)、危ない!」
主人公(烏が戻ってきた!?)
主人公「わわっ、まとわりつくのはやめて……あ!?」
ルーシー「アレス(アリス)!」
主人公「あいたたた……。」
ルーシー「大丈夫、アレス(アリス)!?」
主人公「う、うん、平気。ちょっと腰を打っただけだから。」
ルーシー「―――あ、腕すりむいてるじゃん!ちゃんと見せて!」
ルーシー「傷は深くないけど、血が出てる。手当てしなくちゃ。」
ルーシー「これでよし、と。」
ルーシー「応急処置グッズを持ち歩いててよかったよ。」
主人公「さすがお医者さんの子。」
ルーシー「
ジュリアンがすぐケガしちゃうからしょうがなく持ってるだけだって。」
主人公「あはは……そうなんだ。でも手際がよかったし、やっぱりさすがだよ。」
ルーシー「昔、お母さんの仕事の手伝いをしたくていろいろ勉強したんだよね。」
ルーシー「お手伝いができれば少しでもそばにいられるかな…と思って。」
ルーシー「あたし不器用だから、お母さんの役にはあんまり立ててないんだけど。」
ルーシー「アレス(アリス)の役には立ったみたいでよかった。」
主人公「うん、すごく助かったよ。ありがとう。」
ルーシー「どういたしまして。」
ルーシー「あたしのほうは……ごめんね。ケガさせちゃって。」
ルーシー「それから……その。」
ルーシー「最初に会ったとき、ひどい態度をとって本当にごめん。」
ルーシー「ずっと、謝りたかったんだ。」
ルーシー「アヤしい人だって疑い続けて……イヤな子だったよね、あたし。」
そんなことないよ・ちょっと傷ついてたよ
▼そんなことないよ
ルーシー「……ありがとう。キミって、優しいよね。」
▼ちょっと傷ついてたよ
ルーシー「や、やっぱり?」
ルーシー「だけど、それでもキミは……あたしに優しくしてくれるんだね。」
ルーシー「こうやって、自分が痛い思いしてもあたしを助けてくれたり……」
ルーシー「忙しいのに勝負にノってくれたり、くだらない話も真剣に聞いてくれる……。」
ルーシー「そんなキミが……今のあたしには、すごく大切な存在だよ。」
ルーシー「リグバースに来てくれてよかった。ありがとう……アレス(アリス)。」
主人公「
ルーシー……。」
ルーシー「な、なーんちゃって!今の全部、鏡のせいだよ。」
ルーシー「どうしよ~!?ヘンな言葉がぼろぼろ出ちゃうな~あはははは。」
主人公「確かに……
ルーシーの鏡には『本音を映し出す』っていう魔法がかかってるみたい。」
主人公「危ないから、早く片付けなきゃって
シモーヌさんが探してたよ。」
ルーシー「え、本当にそうだったの!?」
主人公「うん。……でも、ほら。」
主人公「さっき木から落ちたときに割れちゃって。もう、魔法はかかってないと思うけど。」
ルーシー「あ、あ、ああああ……!!」
ルーシー「じゃあ、あたしが言ってたのって全部……」
主人公「鏡とは関係ない本音、かな。」
ルーシー「うう~そんな……恥ずかしい……。」
主人公「僕(私)はうれしかったよ。
ルーシーの本音が聞けて。」
ルーシー「アレス(アリス)……。」
主人公「鏡のほうは、なんとか元に戻せないかドグさんに相談してみるね。」
ルーシー「ううん。危ないものみたいだし、このままでいいよ。」
ルーシー「壊れたままでもお父さんの気持ちは残るしね。」
ルーシー「それに……もっと大事なものを見つけられたから。」
主人公「えっ?」
ルーシー「さ、さーてと、それじゃあ町に帰ろっか!」
ルーシー「どっちが早くたどりつけるか―――勝負だよ!」
最終更新:2022年02月17日 22:22