- イベント関係者:プリシラ、ルーシー、マーティン、セシル、むらくも、シモーヌ、ドグ
1日目
???「いい加減にしてくれ!もういい!帰る!!」
主人公「いったいなにごとですか?今の人、ずいぶん怒ってたみたいですけど。」
ドグ「俺の聞きまちがいがヒドくて堪忍袋の緒が切れちまったんダ。」
ドグ「お客さんを怒らせちまうなんて……まったく面目ねエ。」
マーティン「仕方ないですよ。つい今しがたまで急ぎの注文を打ってたんですから。」
ドグ「山師がまたみそぎの入門をしぶってたんですかラ?」
主人公「これは……怒るかもしれないですね。」
ドグ「すまねエ。また聞きまちがえちまったカ。」
ドグ「このままじゃ……なじみのお客さん以外、ダレも寄りつかなくなりそうだナ。」
主人公「マーティンさんがドグさんの代わりに接客をするわけにはいかないんですか?」
マーティン「それも試してみた。」
マーティン「しかしどうもオレがムリに愛想よくすると笑顔が怖いらしくてな……。」
マーティン「お客さんが逃げていくんだ。」
マーティン「かといって真顔でいると怒っているとカン違いさせてしまって、」
マーティン「やはりお客さんが逃げていく。」
主人公「それは……深刻ですね。」
ドグ「やっぱりダレかに手伝ってもらうカ。俺たちにゃ接客は無理ダ。」
マーティン「……そうですね。町の人たちに声をかけてみます。」
ドグ「あっちをひと煮立ち―――いや…そうは言ってねえナ?」
マーティン「ええ、言ってません。」
主人公「あはは……。」
2日目
プリシラ「いらっしゃいませ。『鍛冶工房ドグの屋』へようこそ。」
マーティン「バトルアックスを頼む。」
プリシラ「は、はい。バトルアックスは……。」
プリシラ「こ、こちらになります。」
マーティン「ふう…ケガをしそうでハラハラする。」
ドグ「プリシラにチカラ仕事は難しかったカ。」
むらくも「さあ、らっしゃい!活きのいい武具がそろってるぜ!」
マーティン「デザートウィンドを頼みます。」
むらくも「デザート……?甘味なら店をまちがえてるぜ、お客さん。」
ドグ「デザートウィンドは武器の名前ダ。」
マーティン「客の注文を聞き取れてもそれがなにかわからないのでは困ります。」
むらくも「うむむ……難しいもんだな。」
セシル「いらっしゃいませ!『ナゾ多き鍛冶工房ドグの屋』へようこそ!」
マーティン「……こんぼうを頼む。」
セシル「こんぼう……鈍器―――ジケンの予感!」
マーティン「次。」
ルーシー「まったく、みんなだらしないなあ。あたしが見本を見せてあげるよ。」
ルーシー「いらっしゃいませ!『鍛冶工房ドグの屋』へようこそ!」
マーティン「アイアンシールドを頼む。」
ルーシー「えーっ、お客さん。守りに入ってちゃ勝負には勝てないよ。」
ルーシー「悪いことは言わないからさ、こっちのスティールソードにしときなって。」
マーティン「押し売りはやめろ。店員は客のほしいものを出せばいいんだ。」
ルーシー「それだと店員の意味なくない?お客さんに一番合うものをススメてなんぼじゃん?」
ドグ「ルーシーが言うことも一理あル。」
ルーシー「ほらあ♪」
ドグ「だがそれは、お客さんをしっかり見極めて最適な武具をすすめられる目があっての話ダ。」
ドグ「俺もまだ、カンペキには見極められねエ。」
ルーシー「安心して。あたし、目には自信あるから♪」
マーティン「師匠にもできないことを付け焼き刃のオマエにできるはずないだろう。」
ルーシー「そうかなあ……遠くの看板の文字だって一字一句まちがえずに読めるんだけどな。」
マーティン「もういい。わざわざ来てもらってすまないが、全員不合格だ。」
ルーシー「ちぇ~っ。」
主人公(鍛冶屋の店員さんって難しいものなんだな……)
3日目
客の男「だ~か~ら、バトルエックスじゃなくてバトルアックスだって。」
ドグ「アルトマックス?あいにくウチにそんな武具ハ……。」
主人公「失礼しました。バトルアックスですね、少々お待ちください。」
主人公「お待たせしました。」
主人公「うちの職人が腕によりをかけて磨き上げた至高の一品です。」
客の男「ふうん……まあ、たしかにモノはいいみたいだな。」
客の男「それじゃあ、これは買うとして……あとは、そうだな。」
客の男「オレに合いそうな防具を1つみつくろってくれないか。」
主人公「お、お客さんに合いそうな防具ですか?」
ドグ「物腰からすると、武具の扱いには長けてそうだが腕力はそうでもないと見えル。」
ドグ「バトルアックスの重さを考えると軽くて動きの補助もできる風のマントがいいだろウ。」
主人公「バトルアックスの重さを考えると風のマントが動きの補助もできてオススメです。」
客の男「ほう、なるほど、風のマントか。その発想はなかったな。」
客の男「よし、それをもらおう。」
主人公「ありがとうございます。」
ドグ「助かったよ、アレス(アリス)。」
主人公「いえ、ドグさんがフォローしてくれたおかげです。」
マーティン「今そこで、お客さんらしい人が『いい買い物ができた』ってつぶやいていきましたよ。」
マーティン「さすが師匠ですね。」
ドグ「俺じゃねエ。アリス(アレス)が接客してくれたんダ。」
マーティン「アリス(アレス)が?」
ドグ「見事なものだったゾ。うちで働いてほしいくらいダ。」
主人公「大げさですよ。私(僕)はごく普通の接客をしただけですから。」
ドグ「それが俺たちにゃ難しいんだヨ。」
マーティン「…………。」
マーティン「アリス(アレス)。頼みがある。」
主人公「なんですか?」
マーティン「アリス(アレス)の接客を紙に書いて教えてくれないか。」
ドグ「なるほド。手順書を作るわけカ。」
マーティン「はい。」
マーティン「言葉と手順がわかっていれば、オレでも接客ができるかもしれないと思って。」
ドグ「そいつはいい考えダ。アリス(アレス)、俺からも頼ム。」
主人公「わ、わかりました。それでお役に立てるなら。
マーティン「助かる。」
マーティン「ひと晩はかかるだろうから、オマエの都合のいいときに話しかけてくれ。」
マーティン「手順書を作る時間ができたのか?」
いいえ・はい
▼いいえ
マーティン「そうか。時間ができたら教えてくれ。」
▼はい
マーティン「そうか。ならすまないが、少し付き合ってくれ。」
マーティン「―――お客さんが商品棚を見て回っているときはどうしたらいい?」
主人公「そうですね……人によるとは思いますが、あまり積極的に話しかけないほうがいいかもしれません。」
主人公「こちらに視線を送ってくるようになったところで『お決まりですか?』『ご用をお聞きしましょうか』って」
主人公「さりげなく話しかけるとお客さんも答えやすいんじゃないでしょうか。」
マーティン「ふむ……ムリに話しかけなくて済むのはオレとしてもありがたいな…そうしよう。」
ドグ「おいおい、もう真夜中だゾ。アリス(アレス)にムリはさせるなよ。」
マーティン「っと、すまん。つい自分のやり方に付き合わせてしまった。」
主人公「いいですよ。ここまで来たら、最後まで仕上げちゃいましょう。」
マーティン「……いいヤツだな、オマエ。」
主人公「え?」
マーティン「な、なんでもない。作業に戻ろう。」
ドグ「2人とも、ほどほどにナ。」
マーティン「できた―――!」
主人公「やりましたね♪」
マーティン「これだけ細かく作ってあればどんなお客さんも対応できるはずだ。」
マーティン「ありがとう、アリス(アレス)。」
マーティン「付き合わせておいてなんだが、今日はゆっくり休んでくれ。」
主人公「マーティンさんは?」
マーティン「オレはこれから仕事をする。」
主人公「はは……だと思いました。」
(強制的に翌日5:00へ)
4日目
マーティン「お買い上げ、ありがとうございました。」
客の女「こちらこそ、ありがとうね。おかげでいい包丁が見つかった。」
客の女「これであの人と子供にもっとおいしい食事を作ってあげられるわ。」
主人公「うまくいってるみたいですね。」
マーティン「おかげさまでな。」
主人公「今の顔……。(鍛冶道具を見てるときみたい……)」
主人公「いつもそんなふうに優しい顔をしていれば手順書なんてなくても接客はばっちりなのに。」
マーティン「こんな顔が誰にでもできるなら最初から手順書なんて作ってない。」
主人公「それは…たしかに。」
主人公(私(僕)には気を許してくれたってことなのかな)
主人公「ありがとうございます。」
マーティン「なぜオマエが礼を言う?ありがたいのはこっちのほうだ。」
主人公「ふふ、気にしないでください。」
マーティン「おかしなヤツだな。」
最終更新:2022年03月30日 20:43