ルーカス「……もう少し戻ってみますか…。」
主人公(ルーカスさん?なにをしてるんだろ……)
ルーカス「……おや、また昼食ですね。知りたいのは夕食なのですが…。」
主人公(ルーカスさんがおかしなことを言い始めた!?)
主人公「ルーカスさん!」
ルーカス「はっ。」
ルーカス「アリス(アレス)さん。どうかしましたか?」
主人公「どうかしたのはルーカスさんですよ。なにをしているんですか?」
ルーカス「ここに住んでいた人の昼食のメニューをメモしていました。」
ルーカス「今日で3世代ほどさかのぼったでしょうか。」
主人公「えええ……?」
主人公(またおかしなこと言ってる)
主人公「ここ、ずいぶん前から空き家だと思うんですけど……。」
ルーカス「私はモノに残る記憶を読み取ることができるのですよ。」
主人公「モノに残る記憶を……?」
ルーカス「はい。」
ルーカス「素手で触れると残留思念を読み取れるのです。」
主人公「それも手品……いえ、神さまのチカラですか。」
ルーカス「いかにも。」
ルーカス「もっとも、今を生きている人間には触りません。」
ルーカス「それは観測者たる神として、禁止事項にあたりますから。」
ルーカス「いつも手袋をしているのはそのためです。」
主人公「じゃあ、今のルーカスさんに触れられたら私(僕)の考えていることもわかっちゃうんですよね?」
主人公「試してみてもいいですか?」
ルーカス「やれやれ……。」
ルーカス「禁止事項だと言っているのに、あなたの好奇心は神をもおそれないのですね。」
主人公「えへへ。」
ルーカス「まあ、いいでしょう。あなたにはお世話になっていますしね。」
ルーカス「では、失礼。」
ルーカス「…………。」
ルーカス「フッ、クフフ。」
ルーカス「明日なにを食べるかでアタマがいっぱいになっていますね?」
主人公「あ、当たりです…!」
主人公「これは……キケンなチカラですね。」
主人公(アタマの中を丸裸にされちゃう)
ルーカス「わかっていただけてなによりです。」
ルーカス「神のチカラにみだりに触れるものではありません。」
最終更新:2022年04月07日 22:46