白黒つけるぜ!


  • イベント関係者:むらくも



1日目


  • オルファスの石橋

リュカ「る……る……ルーンスフィア!」
ベアトリス「あ……愛のうろこ。」
ルーシー「こ、だね?」
ルーシー「こ…こ……あ! コーンフレーク!」
リュカ「く、か……うーん。」

主人公(あれ? むらくもさんは参加してないんだ?)

ルーシー「ほらほら、時間ないよ。3…2…1ーー」
リュカ「そうだ! グリーン……じゃねえ、グリーンドラゴン!」
リュカ「あっ……しまった……!」
ルーシー「はい、『ん』がついたからリュカの負け〜♪」
ベアトリス「ん……ん〜…………あ!」
ベアトリス「ンズィルフト、ですわ♪」
ルーシー「もうリュカの負け決定だから、ムリに続けなくていいんだって。」
ルーシー「だいたい、そんな言葉知らないし。」
リュカ「待て待て!」
リュカ「勝手に続けたんだから、存在しない言葉を言ったんならベアトリスの負けだろ?」
ベアトリス「いいえ、存在しない言葉ではありませんわ。」
ルーシー「えー、でも聞いたことないよ。」
リュカ「審判! こういう場合はどうなんのさ?」
むらくも「うむ。」

アリス(むらくもさん、審判だったんだ……)

むらくも「まず言葉が存在するかどうかだが、ンズィルフトは存在する。」
むらくも「王族が祭祀のときに唱える祝詞にある言葉で、『いにしえの光』って意味だ。」
ベアトリス「さすが審判さま。よくご存じですわ。」
ルーシー「てことは、勝負続行?」
むらくも「いや、そこが難しいところでな。」
むらくも「この言葉は『ん』を発音するかどうか諸説あるんだ。」
むらくも「だからここは俺が昔、泊り客に聞いた説で裁かせてもらうぜ。」
むらくも「ンズィルフトの『ん』はーー」
むらくも「有効! 勝負続行だ!!」
ルーシー「ちぇ〜っ、ということはあたしの番だよね。と…と……。」

主人公「むらくもさん、すごい。よくあんな難しい言葉を知ってますね。」
むらくも「旅館にはもろもろのお客さんが来るからな。話してるといろいろ学べるんだよ。」
むらくも「っと、悪いがおしゃべりはここまでだ。審判に集中しなきゃならねえ。」
主人公「あ、はい、すみません。」
主人公「……………。」
主人公(なんで審判をやってるんだろう)


2日目


  • 大樹の広場

ジュリアン「このにんぎょうはオレが先にみつけたんだから、オレのにきまってんだろ。」
ひな「でもひろったのはひなだから ひなのなの〜。」

主人公(めずらしいな、この子たちがケンカなんて)

むらくも「……………。」
むらくも「2人の主張はわかった。」
むらくも「だがどっちの主張も持ち主を決めるには決定打に欠ける。」
むらくも「そこでだ。」
むらくも「今から2人で人形の腕を持って、引っ張りっこをしてもらう。」
むらくも「勝ったほうが人形を自分のものにできる。」
ジュリアン「いいよ、やってやる。」
ひな「ひなもいいよ〜。」
むらくも「よーし、ではいくぞ!」
むらくも「よーいーー!」
むらくも「はじめっ!!」

主人公「ちょ、ちょっと、むらくもさん? こんなことさせて大丈夫なんですか?」
むらくも「大丈夫だよ。こういうのはどっちかが先に手を放すもんだ。」
むらくも「お人形がかわいそうってな。」

ジュリアン「うぬぬ……!」
ひな「おーえす、おーえす!」

主人公「どっちも放そうとしませんよ?」
むらくも「おかしいな、俺の知ってるお裁きだとこうじゃねえんだが。」

(ジュリアンとひなが同時に後ろに倒れる)

主人公「ふたりとも、大丈夫!?」
ジュリアン「にんぎょう、ちぎれちゃったじゃん。」
ひな「もうあそべないの。」
ジュリアン「はあ…… なにかちがうことしてあそぶか。」
ひな「うん……。」

むらくも「ま、待て待て!」
むらくも「勝負は引き分けーー いや、どっちも勝ちだ!」
むらくも「だから2人に1つずつ、新しい人形を買ってやる!」
ジュリアン「いいの!?」
むらくも「おう、男に二言はねえ。」
ひな「やった〜! おじちゃん、大好き♪」
むらくも「そうだろう、そうだろう。さあ、行くぞ。」

主人公「人形を引っ張りっこさせた意味……。」
主人公(でも子供たちがよろこんでるし、結果的にはよかった……のかな?)

  • リグバース北部の丘

主人公(なんだろう……?)
主人公(キレイな石が1、2、3……6つ。宝石のセットかな?)
主人公(落とした人が困ってるだろうからリヴィア署長に届けよう)

  • 署長室

主人公「お取り込み中、失礼します。」
主人公「落としものを拾ったのとどけにきました。」

商人風の男「おおっ、それは!」
商人風の男「まさしく私が落とした宝石箱!」
リヴィア「まちがいないか?」
商人風の男「ええ、ええ、たしかです。この箱に希少な宝石がーー」
スカーレット「どうかしましたか?」
商人風の男「いえね。足りないんですよ。」
商人風の男「石が6つしかない。7つ入っていたはずなのに。」
主人公「私が拾って数えたときには もう6つでしたよ。」
商人風の男「ほう……そうですか。」
主人公「あの……?」
商人風の男「こんなことは言いたくないのですが……本当に拾ったときに石は6つでしたか?」
主人公「どういう意味ですか?」
商人風の男「こちら、見てのとおり高価なものですからね。」
商人風の男「1つくらいならばと欲を出すお人もいないとは限らないでしょう。」
リヴィア「アリス(アレス)が石をぬすんだといいたいのか?」
商人風の男「まあ、状況からするとその可能性が高そうかなと。」
スカーレット「冗談はやめてください。アリス(アレス)さんはそんな人ではありません。」
商人風の男「ふうむ、みなさんそろってそちらの方のお味方らしい。」
商人風の男「そうなると、ますます疑わしいですなあ。ぐるになって私をだまそうとしているのでは?」
商人風の男「ま、それくらい魅力的なものではありますから気持ちもわからないではありません。」
商人風の男「それに私も商売人。商売先でもめごとは起こしたくありません。」
商人風の男「ですから……お代をいただければ、この件は不問にいたしましょう。」

リヴィア「ないものをあると言いはって金をとるだと……?」
スカーレット「それではまるっきり詐欺ではないですか。」
商人風の男「詐欺とは心外な。」
商人風の男「7つあったものが6つになっているから1つ分の代金をいただくと言っているだけでしょう。」
スカーレット「そんな無茶苦茶なリクツはとおりません!」
商人風の男「そう言われましてもねえ。石が1つなくなっているのは事実ですから。」
商人風の男「私を詐欺呼ばわりするなら、そちらの方が盗んだのではないという証拠を見せてください。」
スカーレット「そ、それは悪魔の証明ではないですか。」
主人公「私(僕)、宝石箱を拾ったあたりをもう一度しらべてきます。」
商人風の男「盗んだ石を『見つけた』と言って返すつもりじゃないんですか?」
主人公「そんなことしません。」
商人風の男「どうだか。」
商人風の男「とにかく、あなた方は信用できません。」
商人風の男「今すぐ残りの1つの石を返すか、代金を払うかの2つに1つです。」
リヴィア「こいつ……!」

むらくも「ちょおっと待ったぁ!!」
むらくも「話はすべて聞かせてもらったぜ!」
リヴィア「どこできいていたんだ。」
むらくも「俺の耳は特別製なんですよ。」
むらくも「そんなことより、こじれこじれの乱麻な状況とお見受けした!」
むらくも「ここは1つ、このむらくもに裁きを任せてもらうぜ!」
スカーレット「あの……ここはSeedですよ? 裁きなら我々が……。」
リヴィア「まて、スカーレット。」
リヴィア「おもしろそうじゃないか。ここはむらくもに任せてみよう。」
スカーレット「……まあ、署長がそうおっしゃるのであれば。」

むらくも「というわけだ。署長のお墨付きで裁かせてもらうぜ。」
商人風の男「はあ、なんでもけっこうですが早くしてもらえますかね。」
商人風の男「私も忙しい身なので。」
むらくも「安心しな。もう俺のなかで答えは出てる。」
商人風の男「ほう。聞かせていただきましょうか。」
むらくも「男。あんた、この宝石箱には石が7つあったと言ったな?」
商人風の男「ええ。」
むらくも「だが、実際には石は6つしかない。」
むらくも「つまりーー」
むらくも「この宝石箱はあんたのもんじゃねえってことだ。」
商人風の男「な、なにを言い出すんだアンタ。」
商人風の男「私は残り1つの宝石をそっちの人が盗んだんじゃないかと言ってるんだぞ。」
商人風の男「それを、そもそも宝石箱が私のものじゃないだなんてーー」
むらくも「まあ聞きな。」
むらくも「あんたの宝石箱は、あくまで石が7つそろってる状態のものだ。」
むらくも「だったら、6つしか石がない今の時点ではこの宝石箱が誰のものかはわからねえ。」
むらくも「あんたは7つあったと言うが、それを証明することはできねえだろ?」
商人風の男「そ、それは……。」
むらくも「だからよ、これはあんたのモノじゃねえ。あくまで今の時点ではな。」
商人風の男「そ、そうなるとこの先どうなるんです?」
むらくも「石の残り1つが出てくるか、石が7つそろった箱が出てくるまではSeed預かりだ。」
むらくも「もっとも、Seedの預かりには期限がある。そうだよな?」

スカーレット「はい。」
スカーレット「遺失物法により、拾得物の預かり期間は6ヵ月と決まっています。」
むらくも「6ヵ月を過ぎたらどうなる?」
スカーレット「Seedの権限による廃棄…もしくは、所有権が拾得者に移譲されます。」
むらくも「つまりーー アリス(アレス)のものになるってこったな。」
スカーレット「はい。」
商人風の男「ちょっと待ってくれ! 違う、違うんだ!」
商人風の男「思い出したよ! 石は最初から6つだった!」
商人風の男「だからそれは私のものでまちがいない!」
むらくも「ほう……。」

むらくも「するってえとナニかい?」
むらくも「あんた勘違いでアリス(アレス)を盗っ人よばわりしてたわけだ?」
むらくも「この俺の、大切な恩人をよう!!」
商人風の男「ひいぃぃぃぃっ!!」
むらくも「待ちやがれ、この野郎!!」

(商人風の男とむらくもが署長室を走り回る)

商人風の男「ちょ、ちょっと、Seedの隊員さん! 黙って見てないで助けてくださいよ!」
リヴィア「なにかきこえたか?」
スカーレット「いえ、なにも。」
商人風の男「ひゃあぁぁぁっ、お助けえ!!」

主人公「待ってください、むらくもさん。」
むらくも「なんだ、アリス(アレス)。自分でけじめを取る気になったか?」
商人風の男「ううっ……。」
主人公「……これはお返しします。」
むらくも「お、おい、アリス(アレス)?」
商人風の男「よ、よろしいのですか?」
主人公「はい。」
主人公「その代わり、もう二度と人をだまさないと約束してください。」
商人風の男「します! 約束します!」
商人風の男「これからは心を入れ替えますので! どうかご勘弁を!!」

(商人風の男が退室する)

リヴィア「やれやれ、アリス(アレス)らしいというか、なんというか。」
むらくも「わっはっは、大したもんだぜ!」
むらくも「なかなかの裁きをしたつもりだったが、悪人を真人間にしてやるなんて。」
むらくも「アリス(アレス)が一枚上手だったな!」
主人公「いえ。むらくもさんのお裁きのおかげです。」
主人公「私(僕)のために、ありがとうございました。」
むらくも「よ、よせやい。顔が熱くなんだろうが。」
スカーレット「ふふ。これにて一件落着、ですね。」
リヴィア「ふふん、そうだな。」


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最終更新:2023年07月15日 18:59
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