お誘い
ベアトリス「デートのお誘いですね。お待ちしておりました。」
ベアトリス「わたくし、考えていることがありますの。明日、10時に大樹の広場ではいかがでしょう?」
主人公「わかりました。」
ベアトリス「それでは…楽しみにしていますね♪」
ベアトリス「明日の10時に大樹の広場でお会いしましょう。」
翌日
ベアトリス「今日の10時に大樹の広場でお会いしましょう。」
ベアトリス「ごきげんよう、アレス(アリス)さん。」
主人公「ごきげんよう、ベアトリスさん。」
ベアトリス「わたくしたち、恋人になったのですよね。」
主人公「はい、僕たちはお互いに好きあう恋人です。」
主人公「あらたまって言うと、照れますね……。」
ベアトリス「先日わたくしが読んだ物語では、恋人同士が愛の証を贈りあっておりました。」
主人公「証……。」
ベアトリス「はい、わたくしの父と母も……」
ベアトリス「お気に入りの宝石を贈りあったと聞いております。」
主人公「ほ、宝石!?」
主人公(ベアトリスさんのお父さんとお母さんということは、ノーラッドの王さまと王妃さまだよね……?)
主人公(そんな2人が贈りあった宝石って……どんな高価なものだったんだろう?)
ベアトリス「ですから、わたくしたちも同じような宝石を贈りあいステキな記念にできればなと思うのです♪」
主人公「あの、ベアトリスさん、ちょっと待って。」
ベアトリス「はい?」
主人公「ベアトリスさんはその……おうじょ…おじょう……!」
ベアトリス「『普通』のお嬢さまです。」
主人公「そう、ノーラッドのお嬢さまなんですよ。」
主人公「そのご両親が贈りあったような宝石なんて、ものすごく高価なものだと思うんですけど……。」
ベアトリス「あ……!」
ベアトリス「たしかに、今のわたくしはただの遺跡住まい。町の皆さんのような仕事もありません……。」
ベアトリス「宝石を望むなど、ぜいたくすぎる考えでした。わたくしをお叱りになってください、アレス(アリス)さん!」
主人公「いや、それくらいで叱らないですよ。」
主人公「それに、記念にプレゼントを贈りあうのはすごくいいなと思いました。」
主人公「もうすこしお金のかからないものを考えてみましょう。」
ベアトリス「そうですね……お互いに贈りあえる安価なもの…。」
ベアトリス「あ!そういえばわたくしーー」
ベアトリス「プレゼントに結ぶリボンだけは、もう用意しているのでした。」
ベアトリス「これを結べば、どんなものでもプレゼントになりそうですね♪」
主人公「リボンか……。」
リボンを自分の体に巻いてみる・リボンを自分の指に巻いてみる
▼ リボンを自分の体に巻いてみる
主人公「そのリボン、ちょっと借りていいですか?」
ベアトリス「はい、かまいませんけれど?」
主人公(しゅるしゅるしゅる…ぎゅっ)
ベアトリス「まあ!どうしたのです、自分にリボンを巻き付けるなんて…?」
主人公「今は宝石を買ってあげられないので……僕(私)自身をプレゼントします!」
ベアトリス「………………………………!?」
主人公(しまった…盛大に引かれちゃった?)
ベアトリス「………………あはっ。あははははは!」
ベアトリス「アレス(アリス)さん……♪あなたのそういうところが大好きです!」
ベアトリス「父と母も『自分がそばにいると思ってもらう』ために宝石にその想いを託したと聞きました。」
ベアトリス「わたくしたちは、すぐそばにいられるのですから……自分自身を贈りあってもよいのですね!」
ベアトリス「ではお返しに、今度わたくしもリボンを巻いてアレス(アリス)さんの家に遊びに行くことにしましょう。」
主人公「いや、それは!(ぜったい
ラインハルトさんに怒られる!)」
ベアトリス「えっ…よい考えだと思ったのですが…。」
▼ リボンを自分の指に巻いてみる
主人公「そのリボン、ちょっと借りていいですか?」
ベアトリス「はい、かまいませんけれど?」
主人公(しゅるしゅる…きゅっ)
ベアトリス「どうしたのです、小指にリボンを結んで…おケガでもーー」
ベアトリス「あ……!」
ベアトリス「わたくしも。」
ベアトリス(しゅるしゅるっ…きゅっ)
主人公「うん。」
ベアトリス「……まさしく。運命の赤い糸…というものですね。」
ベアトリス「この大樹には、町に伝わる伝説があるそうです。」
ベアトリス「
プリシラさんやユキさんから聞きました。恋人同士がこうして2人で……。」
ベアトリス「この大樹に愛を誓うと、それは永遠に続くのだと。」
主人公「永遠の愛を、誓うーー。」
ベアトリス「はい………………。」
主人公「それってつまりプロポーズということでは……。」
ベアトリス「あっ……。」
主人公「………………………………。」
ベアトリス「………………………………。」
ベアトリス「ま、まだわたくしたちには早かったでしょうか。」
主人公「そ、そうですね。まだ早いかも……。」
主人公(いつか、そんな日が来るのかな)
最終更新:2024年11月10日 18:50