ラインハルト「やあ、おはよう。アレス(アリス)どの。」
主人公「ラインハルトさん、こんなところで何をしているんですか?」
ラインハルト「先ほど
シモーヌどのがいらなくなった家具を処分すると言っていたのだが、再利用できそうなモノがあったから頂いているのだ。」
ラインハルト「あっ、もちろん、彼女の許可は得ているぞ。」
主人公「もしかして遺跡での生活に不便が? 何か困ったことがあるなら、エンリョせずに言ってくださいね。」
ラインハルト「ははは、気遣い無用だ。不便は全くない。」
主人公「本当ですか? でも、いらないモノって……。」
ラインハルト「これは、わたしの趣味のようなものだ。」
主人公「趣味……?」
ラインハルト「不要と言われたものを修理したりして、再利用するのが好きなのだ。」
ラインハルト「少し手を加えるだけで、また使えるようになる物は多い。」
ラインハルト「たとえば、この椅子。足を付け替え、ヤスリをかけて色を塗り直せば充分現役だ。」
ラインハルト「細工もとても美しいし、捨ててしまうなんて、それこそもったいない。」
確かにそうかも・買った方が良いのでは……?
▼確かにそうかも
ラインハルト「歴史を感じるモノには、真新しいものとは別の趣(おもむ)きがある。」
▼買った方が良いのでは……?
ラインハルト「少しでも自分で手を加えたら、その分愛着も湧く。モノには命が宿っているのだ。」
主人公「ラインハルトさんはモノを大切にするんですね。」
ラインハルト「よく言われる。」
ラインハルト「やはり、縁があって出会ったモノだからな。最後まで大切にしたいと思う。」
主人公「僕(私)も捨てる前に修理できるかどうか考えてみようかな……。」
ラインハルト「是非、そうしてみるといい。何かわからないことがあったら、相談に乗るぞ。」
主人公「ありがとうございます。」
主人公「でも、直すのって大変そうですよね……。ラインハルトさんみたいに手先が器用だったら良かったのに。」
ラインハルト「何事も経験だ。わたしも初めの頃はうまくいかなかった。」
主人公「でも、失敗したらもっと壊れちゃうじゃないですか。」
ラインハルト「そもそも捨てようと思っていたものだ。だからこそ、それを救い出したいという思いで修理してみればいい。」
主人公「それは面白い考え方ですね……!」
ラインハルト「その内、慣れてくると不要なものを組み合わせたりして、新しいモノも自作出来るようになるぞ。」
主人公「へえ、そんなことまで……。ラインハルトさんは何か作ったんですか?」
ラインハルト「ああ。」
ラインハルト「ここだけの話……遺跡の家具のほとんどは、拾い集めた不要品で、わたしが作ったものだ。」
主人公「え!?」
ラインハルト「節約にも効果絶大だ。お嬢様は色々な用途のモノを欲しておられるのでな。」
主人公「節約というレベルの話じゃないと思います……。」
最終更新:2025年02月13日 22:19