関係者:フーカ、エルシェ、ルーシー、ベアトリス、スカーレット、マーティン、ルーカス、リュカ、プリシラ、みささぎ、シモーヌ、リヴィア
1日目
フーカ「ガッ!? アレス(アリス)――!」
主人公「あぶない!!」
フーカ「ギャウッ!?」
主人公「つっ!!」
エルシェ「フーカ!!」
フーカ「ガ……アウ…………。」
主人公「フーカ!!」
ルーシー「大丈夫、アレスくん(アリス)?」
主人公「う、うん、少し顔をひっかかれただけだから。」
ベアトリス「フーカさんはどうしてこのようなことを……。」
主人公「僕(私)が悪かったんです。」
主人公「前も不意にアタマをなでてびっくりさせちゃったことがあって……。」
スカーレット「しかし今のは不可抗力でしょう。」
主人公「びっくりさせちゃったのはたしかですから。僕(私)、フーカに謝ってきます。」
エルシェ「ちょ~っと待った。たぶん、探してもムダ。」
エルシェ「あの子、悪いコトして叱られると落ち込んでどこかに隠れちゃうのよ。」
ルーシー「あー……そりゃ見つかんないね。なんたって、リグバースのかくれんぼ王だもん。」
主人公「たしかに……。」
エルシェ「ま、そのうち帰ってくるから時間を置いて様子を見に来てやってよ。」
主人公「わかりました。」
2日目
エルシェ「フーカ、もう誰も怒ってないからごはんを食べなさい。」
フーカ「ガウ……アレス(アリス)、ガウガウガウ。(ウソ……アレス(アリス)、きっとおこってる)」
フーカ「アレス(アリス)ガウガウ……(アレス(アリス)にキラわれたら……)」
フーカ「フーカ、ガガウガウガウ。(フーカ、ちいさくなってきえちゃう)」
フーカ「ガウ…ガウガウガガウ、ガウガウガウ(それに…ヒトをキズつけたら、町からおいだされる)」
フーカ「ガウ……ガウガウガウ。(まえも……おなじコトあった)」
フーカ「フーカ……ガウガウガガウ。(フーカ……もう町にいられない)」
フーカ「アレス(アリス)ガウガウガウ。(アレス(アリス)といっしょにいられない)」
エルシェ「……って言ってるけど。どうなの、アレス(アリス)?」
僕(私)は怒ってないよ・ごめんね、フーカ
▼僕(私)は怒ってないよ
主人公「むしろ僕(私)が悪かったと思ってる。ごめんね、フーカ。」
フーカ「アレス(アリス)、ガウガウ!(アレス(アリス)、わるくない!)」
フーカ「フーカ、ガウガウガウガウ。(フーカ、れんしゅう足りなかったせい)」
主人公「練習?」
エルシェ「人をひっかかない練習。」
エルシェ「この子、町に来たばっかりのころは怖がりですぐビクッとなってたのよね。」
エルシェ「すると出るわけよ、手が。」
エルシェ「だから
シモーヌが町にいたいならひっかいちゃダメって練習させたの。」
エルシェ「
ランドルフさんに手つだってもらってね。」
エルシェ「急におどろかせたりして、手を出すのをガマンできるように何度も。」
主人公「何度も……。ランドルフさんはひっかかれなかったんですか?」
フーカ「ランドルフ、ガウガウ。(ランドルフ、ただ者ない)」
フーカ「フーカ、ガウガウガウガウ。(フーカ、1ぱつもあてたことない)」
エルシェ「そのうち、ランドルフさんに一発入れるためにフーカが奇襲をかけるようになったっけね。」
主人公「本末転倒だ……。」
フーカ「フーカ、ガガウガウガウ!(フーカ、れんしゅうやりなおす!)」
フーカ「ガウ、アレス(アリス)ガウガガウガウ。(ずっと、アレス(アリス)といっしょにいたいから)」
主人公「フーカ……。」
エルシェ「元気でたなら、ごはん食べな。ずっと食べてなかったでしょ。」
フーカ「……フーカ、ガウガウ、ガウガウ。(……フーカ、はらぺこ、おもいだした)」
フーカ「ガウ……ガガウ……。(目……まわる……)」
主人公「フーカ!!」
エルシェ「あーあー、目を回しちゃうくらい空腹なのを忘れるなんてねえ。」
エルシェ「こういうの、恋はモーモクっていうんだっけ?」
主人公「合ってるような、まちがってるような……。」
エルシェ「ま、いいわ。起きたらごはんも食べるでしょ。」
エルシェ「心配かけて悪かったわね。あとは任せてもらっていいから。」
主人公「は、はい。それじゃあ、よろしくお願いします。」
3日目
マーティン「次は……そうだな。これでいってみるか。」
ルーカス「よろしいですか、フーカさん。」
フーカ「ガウ!(おう!)」
ルーカス「それでは――ワン、ツー、スリー。」
主人公「………………。」
フーカ「ギャウ!?(くっさ!?)」
マーティン「落ち着け。動く前によく見ろ、考えろ。」
フーカ「ス~……ハ~……ス~……ハ~……。」
フーカ「ガガウ、ガウガウ。(だいじょぶ、おちついた)」
主人公「えっと……これはなにをやってるんですか?」
マーティン「不意のことにもおどろかない練習だそうだ。」
ルーカス「私の奇跡でお手伝いしています。」
フーカ「マーティン、ルーカス、ガガウガウガウ!(マーティン、ルーカス、れんしゅうしてくれてる!)」
フーカ「ガウガウガウ、ガウガウ!(もうなにきても、びっくりしない!)」
マーティン「ほう。だったら、次にいってみるか。」
マーティン「ルーカスさん、最後はアレでいきましょう。」
ルーカス「承知しました。」
ルーカス「いきますよ、フーカさん。」
フーカ「ガウガウ!(どんとこい!)」
ルーカス「ワン・ツー・スリー。」
フーカ「フギャッ!?」
リュカ「うおっ!?」
フーカ「ア、ウ……ゴメ、ナサイ。」
リュカ「ん……あれ?痛…………くない?」
ルーカス「ふむ、っひっかいたと見えましたが傷はないようですね。」
リュカ「へえ、ツメを出すのはガマンできたのか。ちゃんと成長してんじゃん。」
マーティン「思い切りひっかいてやってもよかったんだがな。」
フーカ「………………。」
主人公「どうしたの、フーカ?」
フーカ「……ガウ、ガウガウ。(……また、ひっかいちゃった)」
リュカ「気にすんなって。これくらいはじゃれあいの範囲内だ。」
リュカ「オレとマーティンなんてハンマーで殴りあってるぜ。」
主人公「それはやりすぎです。」
フーカ「ガガウ、ガウ。(みんな、やさしい)」
フーカ「ガウ……ガウガウ。(でも……これじゃダメ)」
リュカ「あーあー、落ち込んじまって。」
マーティン「とっさの反応は野生の本能のようなものだろう。そうそう抑え込めるものじゃない。」
ルーカス「それでも町にい続けるために努力する――なんともけなげですね。」
リュカ「そういうかわいげが、このカタブツにもあればな。」
マーティン「オマエのようなナンパで半端な人間になるのはごめんだ。」
リュカ「ああ言えばこう言う。ほんっとにかわいげがねえ。」
主人公「(フーカ……)」
4日目
プリシラ「はい、フーカちゃん。」
フーカ「ガウ。(うん)」
主人公「(またなにかやってる……)」
ルーシー「これならアレスくん(アリス)となにしたってドキドキしないでいられるね。」
みささぎ「恋人とのドキドキを消す練習だなんてもったいないことをしますね。」
ルーシー「だってアレスくん(アリス)といっしょにいてもドキドキしないようになりたいって言うんだもん。」
ルーシー「しかたないじゃん?」
みささぎ「その新鮮なドキドキが尊いのに…。」
ルーシー「まあまあ、フーカの希望ってことで。」
プリシラ「だいたいドキドキしそうなことはやりつくしたかな?」
フーカ「ガガガ、ガウガウ。(あと1つ、すごいのある)」
プリシラ「す、すごいの?」
ルーシー「なになに、めっちゃ興味ある。聞かせてみ? ほらほら。」
みささぎ「ちょ、ちょっと、いけません。」
みささぎ「こんなところですごいことなんて、Seedにタイホされてしまいますよ。」
フーカ「ガガウガウガウ、ガウガウガウ?(アタマなでなで、タイホされるのか?)」
ルーシー「アタマ……」
プリシラ「なでなで?」
みささぎ「ごくっ……ドキドキするなでなで。いったいどんななで方を……。」
主人公「いやいや、ふつうのなで方ですって。」
ルーシー「ふつうになでてドキドキさせるって逆にすごくない?」
ルーシー「試しにちょっとあたしのアタマなでてみてよ。」
主人公「こ、こう?」
フーカ「ガルル……。」
ルーシー「ちょっ、フーカ!ツメ、ツメ……!」
フーカ「ガウガウ……。(またやった……)」
フーカ「ガウガガウガウガウ……。(たくさんれんしゅうしたのに……)」
フーカ「ガウガウドキッガガウ……?(どうしてドキッとしちゃったんだ……?)」
みささぎ「それはね、ヤキモチをやいたからですよ。」
フーカ「ヤキ……モチ?」
みささぎ「大好きな人をひとり占めしたい、ほかの人に取られたくない――」
みささぎ「そんなふうに思う、かわいらしい気持ちのことですわ。」
フーカ「アレス(アリス)ガウガウ……ガウガウ?(アレス(アリス)スキだから……ツメでる?)」
みささぎ「私もよく夫の顔をひっかいたものですわ。」
みささぎ「てめえ、なに朝帰りしてんだ!」
みささぎ「なんてね、オホホ。」
プリシラ「今のが一番ドキッとしたよ。」
ルーシー「みささぎさんって、あれだよね?元ヤ――」
みささぎ「しいっ。オトナには、思っても言わないたしなみが大切ですよ。」
フーカ「ガウガガ……ガウ、ガウ。(スキだから……ツメ、でる)」
フーカ「ガウ、ガウ…ガウガウガウ……。(ツメ、でたら…町をおいだされる……)」
フーカ「アレス(アリス)ガウガウ、ガガガウ…?(アレス(アリス)スキだから、おいだされる…?)」
みささぎ「そんな深刻な顔をしないで、フーカさん。誰もあなたを追い出したりしません。」
フーカ「ガウガウ……?(ホントか……?)」
みささぎ「もちろんです。」
みささぎ「それより、もっとお勉強しましょう。」
みささぎ「あなたにはウェアアニマルの先輩としてたくさんのことを教えてさしあげたいですわ。」
みささぎ「オトナのあれこれなども、ね。」
プリシラ「オトナの……?」
ルーシー「みささぎさん。そこ、もっとくわしく。」
みささぎ「はいはい。順番にまいりましょう。」
主人公「(僕(私)は退散したほうがよさそうだな)」
フーカ「………………。」
主人公「(フーカ…思いつめなければいいけど)」
5日目
フーカ「……ガガウ、ガウ。(……黒い霧、でた)」
フーカ「ガウガウウ……。(3日つづいたら……)」
6日目
フーカ「ガウガウ……。(2日め……)」
フーカ「ガウガウウ……。(あしたもでたら……)」
フーカ「………………。」
7日目
フーカ「アレス(アリス)……。」
フーカ「ガガウ……ガウガウガウ……。(黒い霧……3日つづいちゃった……)」
フーカ「フーカ……。」
フーカ「ガウウ……ガウガウ。(ううん……なんでもない)」
主人公「フーカ……?」
8日目
シモーヌ「フーカはまだ戻らないのか?」
エルシェ「ええ。」
エルシェ「あの子、レストランの仕事をサボったこと、一度もないのに…。」
シモーヌ「ふうむ……心配だな。」
主人公「フーカがいなくなったんですか!?」
エルシェ「そうなのよね~…。」
シモーヌ「家出の理由になにか心当たりは?」
エルシェ「ん~……アレス(アリス)をひっかいてからずっと落ち込んではいたんだけど……」
エルシェ「びっくりしない練習をするんだって言いだしてからは、元気な日もあって――」
エルシェ「あ。」
エルシェ「あれかな……」
エルシェ「黒い霧。」
エルシェ「町に黒い霧が出た日から深刻な顔で考え込むことが増えてさ。」
エルシェ「落ち込んだり、怖がったり……泣いてることもあったわね。」
主人公「『黒い霧が3日続いたら宿を変える』」
エルシェ「なにそれ?」
主人公「前にフーカが言ってたんです。」
主人公「黒い霧を出すコワいものが追いかけてきてよくないことが起こるから、」
主人公「町を出なくちゃならないんだって。」
エルシェ「コワいものが追ってくる?フーカがそう言ったの?」
主人公「はい。」
エルシェ「シモーヌ。」
シモーヌ「ああ、私たちがフーカを助けたときうわごとのように繰り返していたのと同じ言葉だ。」
主人公「どういうことですか?」
エルシェ「何年か前に、私とシモーヌが偶然、ガディウス平原で倒れてるフーカを見つけたの。」
エルシェ「あの子、なにかに襲われたみたいに傷だらけでぼろぼろだった。」
エルシェ「もうろうとした意識のなかで、ずっとつぶやき続けていたのが……」
エルシェ「ガガウ、ガウガウ……だったわ。」
エルシェ「あ、ものまねしたんだけどわからなかった?」
シモーヌ「わかるか。それはフーカが言うから伝わるんだ。」
エルシェ「そうかな。私、けっこうこれであの子と会話してるんだけど。」
エルシェ「ガガウ、ガウガウ……。(コワいの、おってくる……)」
主人公「怖いの、追ってくる!」
エルシェ「ほら、伝わったじゃない。」
シモーヌ「もういい、話を続けるぞ。」
シモーヌ「つまりだ、私たちが聞いたうわごとと、キミが聞いた黒い霧を出すコワいものは」
シモーヌ「おそらく同じものだろうということだ。」
エルシェ「今も追われてたなんてね。」
主人公「フーカはまた襲われるのを恐れて町から出て行ってしまったんですね……。」
エルシェ「ふう、仕方のない子。」
シモーヌ「おい、その言い方は――」
エルシェ「……仕方がないから、探しに行ってくるわ。」
シモーヌ「本気か?立ち上がるのも面倒くさがるお前が。」
エルシェ「だから、仕方ないって言ってるでしょ~。」
エルシェ「あの子はもう……家族の1人なんだから。」
シモーヌ「エルシェ……。」
シモーヌ「いや――ちょっと待て。」
シモーヌ「フーカを思う気持ちには打たれたが、よく考えたらお前が行ってどうなる?」
シモーヌ「フライパンを振るのもおっくうがるお前がコワいものとやらに太刀打ちできるわけがない。」
エルシェ「私もそう思うけどね~……でもほら、」
エルシェ「フーカは生まれ育った集落を追い出されてからずっとひとりぼっちだったらしいじゃない?」
エルシェ「そんなあの子が1人で震えてるとこは想像したくないからさ。」
エルシェ「せめていっしょに震えるくらいはしてあげようかなって。」
シモーヌ「ううむ……しかしお前になにかあれば今度はプリシラが1人になってしまうんだぞ。」
エルシェ「だ~いじょうぶよ。プリシラはあれで、しっかりしてるから。」
主人公「ダメです、それは。」
主人公「誰かが誰かのために行動して……それでほかの誰かが悲しむなんて絶対ダメですよ。」
エルシェ「って言ってもね~……フーカをほっとけないじゃない?」
主人公「僕(私)が行きます。」
主人公「エルシェさんはフーカのことを家族の1人だって言いましたけど……」
主人公「僕(私)にとってもそうですから。」
主人公「いや、その、そうなる予定……という話ですけど。」
主人公「それに、かくれんぼのあとで約束したんです。」
主人公「フーカがさみしがっていたらかならず迎えに行くって。」
エルシェ「………………。」
エルシェ「フーカを探すあてはあるの?」
主人公「それは……ありません。」
シモーヌ「それを言うならお前もだろう、エルシェ。どこで探すつもりだったんだ。」
エルシェ「ん~……とりあえず黒い霧を探そうと思ってた。」
エルシェ「黒い霧はフーカを追ってんでしょ?だったら黒い霧の近くにフーカがいるかもだし。」
シモーヌ「なるほど…フーカを探し当てるのは難しくても町をおおいつくすほどの霧なら、あるいは……。」
主人公「Seedには異常気象の情報も集まってきますから」
主人公「お願いすれば霧のことを教えてもらえるかもしれません。」
エルシェ「……任せていいの?」
主人公「はい!フーカは僕(私)が連れて帰ります!」
エルシェ「そう。」
エルシェ「なら、お願いするわ。少しでも早く見つけてあげて。」
リヴィア「んあ?なにか用か、アレス(アリス)。」
主人公「じつは――」
リヴィア「んむう……フーカが。」
リヴィア「わかった、本部にといあわせておこう。」
主人公「ありがとうございます。」
9日目
主人公「リヴィア署長。黒い霧のことはわかりましたか?」
リヴィア「んむ。スカーレット。」
スカーレット「はい。本部からの情報によりますと――」
スカーレット「黒い霧は現在、ガディウス平原で断続的に観測されているようです。」
スカーレット「ルーンの異常との関係は不明ですが付近の住民には近づかないように呼びかけています。」
主人公「ガディウス平原……。」
主人公「フーカもそこにいるんでしょうか。」
リヴィア「さてな。しかし、とにかく行ってみるしかあるまい?」
主人公「……そうですね。」
主人公「ご協力、ありがとうございました。行ってきます。」
主人公「黒い霧――!」
主人公「(フーカ……)」
主人公「フーカ!!!!」
フーカ「アレス(アリス)……?」
フーカ「ガウ……。(どうして……)」
主人公「フーカこそどうして!なにも言わずにいなくなって!」
主人公「僕(私)が……みんながどれだけ心配したか……!」
フーカ「フーカ……ガウガウ……。(フーカ……バチあたった……)」
主人公「バチ?」
フーカ「フーカ……ガウガウガウガウ……。(フーカ……しあわせなったらダメ……)」
フーカ「ガウガウガウ……ガガウ、ガウ……。(しあわせ食いに……コワいの、くる……)」
主人公「わからないよ、フーカ。とにかく町に戻って、詳しい話を聞かせて。」
フーカ「ガウ……。(ダメ……)」
フーカ「フーカ……ガガウ……(フーカ……かえったら……)」
フーカ「ガガウ……ガウガウ……。(コイツ……ついてくる……)」
主人公「こいつって……?」
フーカ「ガガウ……ガウガウ……(コイツ……たおすまで……)」
フーカ「ガウ、ガガウ!!(町、かえれない!!)」
主人公「フーカ!!」
フーカ「………………。」
主人公「(意識がない……!)」
主人公「くっ、この――!!!!」
主人公「フーカ!フーカ!!」
主人公「(ダメだ……!呼吸がどんどん弱くなっていく――)」
エルシェ「フーカ!!!」
主人公「シモーヌさん!フーカが!!」
シモーヌ「ここからは医者の仕事だ!まかせなさい!」
主人公「シモーヌさん!フーカは!?」
シモーヌ「安心しなさい、一命はとりとめた。」
主人公「……!!」
エルシェ「……ありがとう、シモーヌ。」
シモーヌ「よせ。お前から礼なんて気持ち悪い。」
シモーヌ「それより、フーカのふところにこんなものが入っていた。」
主人公「それは……初めてのデートのときに僕(私)がプレゼントしたルーンの結晶です。」
シモーヌ「なるほど。」
シモーヌ「どうやらこれのおかげでモンスターの一撃が致命傷にならなかったようだ。」
エルシェ「わお……愛のなせるわざね。」
主人公「あの、シモーヌさん。フーカと話はできますか?」
シモーヌ「いや、今はよく眠っている。」
シモーヌ「キミも疲れているだろう。明日、また来るといい。」
主人公「そうですか……わかりました。」
エルシェ「アレス(アリス)。」
エルシェ「ありがとね。」
主人公「いえ。それじゃあ、おやすみなさい。」
主人公「(フーカ……よかった……。本当に…………)」
10日目
シモーヌ「こら、ダメだと言ってるだろう。まだしばらくは安静だ。」
フーカ「ガウ、フーカ、アレス(アリス)ガウガウ……!(でも、フーカ、アレス(アリス)にあいたい……!)」
エルシェ「じらして向こうから会いに来るのを待ったほうが……あ。」
フーカ「アレス(アリス)!!」
主人公「フーカ……元気になったんだね。」
フーカ「ガウ! アレス(アリス)ガウガウ!(うん! アレス(アリス)のおかげ!)」
主人公「ううん、シモーヌさんのおかげだよ、僕(私)はなにもできなかった。」
シモーヌ「なにを言っている。」
シモーヌ「キミが見つけて、キミが救ったんだ。」
エルシェ「愛のキセキでね。」
フーカ「アイ……?」
主人公「な、なんでもないよ。」
主人公「それより、あの黒い霧のモンスターはなんだったの?」
主人公「フーカの幸せを食べにくるって言ってたけど。」
フーカ「………………。」
フーカ「……フーカ、ガウガウ……。(……フーカ、わるいコ……)」
フーカ「ガウ、ガガウガウ。(だから、のろいかかった)」
フーカ「フーカガウガウガウ……ガガウガウガウ。(フーカがうまれた村……イケナイのツボあった)」
フーカ「ガウガガウ、ガガウガガウ、ガウガガウ。(見てはイケナイ、さわってはイケナイ、あけてはイケナイ)」
フーカ「ガウ……フーカ、ガウガウ。(なのに……フーカ、ぜんぶやぶった)」
フーカ「ガウガウガガウガウ……(そしたらツボからコワいものでてきて……)」
フーカ「ガウ、ガガウガウガウ。(村、黒い霧におおわれた)」
フーカ「ガガウ、ガウガウガガウガウガウ。(黒い霧、3日でヒトのしあわせぜんぶたべる)」
フーカ「ガガウガウガウ、ガウガウガウ。(しあわせ食べられたら、よくないコトおこる)」
フーカ「ガウ……フーカ、ガウガガウ。(だから……フーカ、村おいだされた)」
フーカ「ガウ……フーカガウガウガウ、(それから……フーカが行くさきざきで)」
フーカ「ガガウガウガガウガウ。(しあわせになると黒い霧でた)」
エルシェ「ん~……フーカが幸せを感じると黒い霧が出て幸せをうばってくってこと?」
フーカ「ガガウ……ガウ、ガウガウ。(わからない……けど、たぶんそう)」
フーカ「ガウガウ……ガガウ。(イケナイの…のろい)」
シモーヌ「村で封印していたモンスターの封印を解いて呪われてしまったわけだな。」
フーカ「フーカ……ガウガウ。(フーカ……わるいコ)」
シモーヌ「まあ、いい子とは言えないな。」
フーカ「アレス(アリス)ガウガウガウ、(アレス(アリス)のことひっかいたのも)」
フーカ「フーカ、ガガウガウ。(フーカ、わるいコのせい)」
フーカ「ガウ……ガガウガウガウ。(だから……いいコになるれんしゅうした)」
フーカ「ガウ、ガウガウ。(でも、ダメだった)」
フーカ「ガガウフーカ、ガウガウガウガウ。(わるいコのフーカ、しあわせになっちゃいけない)」
フーカ「ガガウガウガウガウガウ、ガガウガウ。(黒い霧が3日つづけてでたとき、はっきりわかった)」
フーカ「ガウ……ガウ、ガウ(それで……町、でた)」
フーカ「ガウ…アレス(アリス)ガウ……(だけど…アレス(アリス)のこと……)」
フーカ「アレス(アリス)ガガウガウ……(アレス(アリス)としあわせになること……)」
フーカ「フーカ、ガガウガウ。(フーカ、あきらめられなかった)」
フーカ「ガガウガウガウ、ガウガウガウガガウ。(コワいのたおしたら、またいっしょにいられるおもった)」
フーカ「ガウ……ガウガウ。(でも……ダメだった)」
フーカ「フーカガウガウ、ガウガウガウ。(フーカひとりじゃ、なにもできなかった)」
エルシェ「それでいいじゃない。」
フーカ「ウガ……?」
エルシェ「私だって、1人じゃなにもできないわよ。というかしたくないし。」
シモーヌ「堂々と言うことか。」
エルシェ「だから、フーカが必要なわけ。」
エルシェ「私ができないことはしてほしいし、フーカができないことはしてあげたい……」
エルシェ「と思うときもないことはない。」
エルシェ「いっしょにいるって、そういうことでしょ。」
フーカ「エルシェ、ガウガウガウ。(エルシェ、ちょっとムズかしい)」
シモーヌ「フーカはひとりぼっちじゃない。」
シモーヌ「できないことは助け合っていけばいい。そういうことだ。」
フーカ「フーカ……ガガウガウ?(フーカ……ひとりぼっちじゃない?)」
シモーヌ「エルシェは、キミのことを家族だと言ったよ。」
フーカ「カゾク……。」
エルシェ「アレス(アリス)もね~。」
主人公「え、エルシェさん!」
エルシェ「あ~……ごめん。」
エルシェ「そういう話は2人きりでしないとね。」
フーカ「ガウガウガウガウ?(ダレもいないとこいくか?)」
主人公「今から?」
シモーヌ「それは医者として、許可しかねる。せめてあとひと晩は安静にしてもらわなくては。」
フーカ「フーカ、ガガウガウ。(フーカ、ゲンキなのに)」
主人公「シモーヌさんの言うことを聞いたほうがいいよ。」
主人公「話は明日、ファームドラゴンの上でしよう。」
フーカ「デエトガウ!?(デエトか!?)」
主人公「うん。」
フーカ「ガウ! ガウガウガガウ!(わかった! それならガマンする!)」
主人公「じゃあ、明日ね。」
フーカ「ガウ!(うん!)」
11日目
主人公「お待たせ、フーカ。それじゃ、行こうか。」
フーカ「ガウ……。(うん……)」
主人公「(あれ……。なにか、元気ない?)」
フーカ「………………。」
主人公「どうしたの、フーカ?傷が痛む?」
フーカ「ガウ……ガガウ、ガウガウ。(ちがう……たからもの、なくした)」
主人公「宝物?」
フーカ「ガウガウデエト……(はじめてのデエトで……)」
フーカ「アレス(アリス)ガウガウキラキラ。(アレス(アリス)にもらったキラキラ)」
主人公「あ! ルーンの結晶!」
主人公「あれはモンスターに吹き飛ばされたときこなごなにくだけちゃったんだ。」
フーカ「ガガウ……ガウガウ?(くだけた……もうナイ?)」
主人公「う、うん。」
フーカ「フーカ……カナ、シ……。」
主人公「な、泣かないで。」
主人公「今度、新しいキラキラをプレゼントするから。」
フーカ「ガウガウ……?(あたらしいの……?)」
主人公「うん。」
フーカ「ガウーッ! ガウガウキラキラ!(やったー! あたらしいキラキラ!)」
主人公「あ、それでね。そのキラキラには家族になろうっていう意味が――」
主人公「聞いてない……。」
主人公「(ま、いいか。元気になってくれたみたいだし)」
主人公「そういえばフーカ。」
主人公「いま頭をなでたけどぜんぜん平気そうだったね。」
フーカ「ガガウ……フーカ、ドキドキガウ。(ホントだ……フーカ、ドキドキない)」
フーカ「ガウガウ、ガウガウ。(もういっかい、なでて)」
フーカ「ガウ。(へいき)」
主人公「じゃあ、これは?」
フーカ「ガウガウガウ。(なんにもかんじない)」
主人公「なんにもって。それはさすがにさみしいな……。」
フーカ「ガウガガウガウ、ドキドキガガウ?(もっとすごいのしたら、ドキドキするかも?)」
主人公「もっとすごいこと……。」
主人公「わかった。それじゃあ――」
フーカ「ガ……ウガ……!」
フーカ「ギャギャウ!?」
主人公「ちょ、ちょっと、フーカ?」
フーカ「ドキドキガウガウガガウ!!!(ドキドキでムネがタイヘン!!!)」
フーカ「ガウ! ガウ! ガウガウガウ!(ダメ! ダメ! しんぞうとびだす!)」
フーカ「ゼエ……ゼエ……。」
主人公「落ち着いた?」
フーカ「キャウッ!?」
主人公「え……フーカ?」
フーカ「アレス(アリス)ガウガウ、ガガウガウ。(アレス(アリス)さわったとこ、じんじんする)」
主人公「もしかして……もとに戻っちゃった?」
フーカ「ガガウ、ガウ。(れんしゅう、だいなし)」
主人公「ま、まあ、これからずっといっしょにいるんだしまたゆっくり練習していこう。」
フーカ「ガウ……ガガウ?(ずっと……いっしょ?)」
主人公「うん。フーカさえよかったらだけど……。」
フーカ「ガガウ? ガウガウ?(ホントか? ウソじゃない?)」
主人公「もちろん。」
主人公「さっき言った新しいキラキラはその約束にプレゼントするつもりだよ。」
フーカ「ガウガウガガウ……。(ずっといっしょのヤクソク……)」
フーカ「ガガウ……。(エヘヘ……)」
フーカ「フーカ、シア、ワセ。」
フーカ「ガガウ……ガウ。(ヤクソク……まってる)」
主人公「うん。」
最終更新:2026年01月16日 01:33