たぶん素敵妄想集(爆@ ウィキ
サクラ
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rm96
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さーくらさいたら、いちねんせー。
そんな歌をふと、思い出した。
サクラが咲いて、モーニング娘。になったあたしたち。
そのサクラがすくすく育って、ぱあってきれいな花を咲かせて、そしてもっともっときれいになるんだって、ぐんぐんともっともっと大きくなろうって、空に向かって手を伸ばすの。
サクラが咲いて、モーニング娘。になったあたしたち。
そのサクラがすくすく育って、ぱあってきれいな花を咲かせて、そしてもっともっときれいになるんだって、ぐんぐんともっともっと大きくなろうって、空に向かって手を伸ばすの。
■ ■
「りかちゃん?」
「ん?」
「どしたの? 交信?」
膝の上に座ってるののがちょこんって首傾げた。
まだまだコドモ。コドモなのにね、あたしなんかよりずっとずっと大きいのの。
ちょっと悔しくて、ぎゅって抱きしめた。
「だって、飛んでっちゃうんだもん」
「は? りかちゃん?」
『言ってる意味わかんない。』ってカオ。
やっぱりまだまだコドモなんだよねって思っちゃって、自然と顔がほころんでた。
「いーよ。わかんなくても」
「なにそれ。りかちゃん、へん。って、いつものことか」
「あー! ひっどーい」
「ん?」
「どしたの? 交信?」
膝の上に座ってるののがちょこんって首傾げた。
まだまだコドモ。コドモなのにね、あたしなんかよりずっとずっと大きいのの。
ちょっと悔しくて、ぎゅって抱きしめた。
「だって、飛んでっちゃうんだもん」
「は? りかちゃん?」
『言ってる意味わかんない。』ってカオ。
やっぱりまだまだコドモなんだよねって思っちゃって、自然と顔がほころんでた。
「いーよ。わかんなくても」
「なにそれ。りかちゃん、へん。って、いつものことか」
「あー! ひっどーい」
こんなやりとりもあと少し。
気がついたら、夏なんてあっという間なんだよね。
気がついたら、夏なんてあっという間なんだよね。
あっちではあいぼんがよっすぃにじゃれ付いてる。
よっすぃに後ろから抱き付いて、きゃっきゃってはしゃいでるあいぼん。
そんなあいぼんの話を時々茶化しながら、でも穏やかな笑顔で聞いてるよっすぃ。
よっすぃに後ろから抱き付いて、きゃっきゃってはしゃいでるあいぼん。
そんなあいぼんの話を時々茶化しながら、でも穏やかな笑顔で聞いてるよっすぃ。
こんな風景も、あと少しなんだよね。
静かになるんだろうな…。
静かになるんだろうな…。
なんか、想像できないよ。
「りかちゃん?」
「ん…なに?」
ふっと我に返った。
今度はどうやらあたし、ホントに交信してたみたい。
見上げたら、ののがちょっと困ったような顔で笑ってた。
「ちょっと痛い…」
「あ…ごめん」
ぎゅうって、かなり腕に力が入っちゃってたらしい。腕の力を緩めたら、ののがなんかわざとらしくため息をついた。
「あー。心配だなぁ」
「は?」
「いつだって会えるじゃん。別にのん、遠くに行っちゃうんじゃないんだから」
「そうだけど…」
遠くに、行っちゃうじゃん。
そしたら、にーって、にくったらしいくらいかわいい笑顔で、あたしの頭をぽんぽんって…。
「大丈夫だって」
そして、ふりむいたののの視線の先にはあいぼんとよっすぃ。
「ね。だから大丈夫」
「ん…なに?」
ふっと我に返った。
今度はどうやらあたし、ホントに交信してたみたい。
見上げたら、ののがちょっと困ったような顔で笑ってた。
「ちょっと痛い…」
「あ…ごめん」
ぎゅうって、かなり腕に力が入っちゃってたらしい。腕の力を緩めたら、ののがなんかわざとらしくため息をついた。
「あー。心配だなぁ」
「は?」
「いつだって会えるじゃん。別にのん、遠くに行っちゃうんじゃないんだから」
「そうだけど…」
遠くに、行っちゃうじゃん。
そしたら、にーって、にくったらしいくらいかわいい笑顔で、あたしの頭をぽんぽんって…。
「大丈夫だって」
そして、ふりむいたののの視線の先にはあいぼんとよっすぃ。
「ね。だから大丈夫」
こんなことも言えるようになったんだね。
娘。で一番の甘えん坊ののの。
だけど、みんなの心の変化に一番敏感で、いっつもみんな癒されてた。
あたしも、あべさんも、そして、きっとみんなも。
だけど、みんなの心の変化に一番敏感で、いっつもみんな癒されてた。
あたしも、あべさんも、そして、きっとみんなも。
わかってる。
わかってるんだよ。
でもね、だから今、こうして甘えてるの。
今のうちだけだから。
わかってるんだよ。
でもね、だから今、こうして甘えてるの。
今のうちだけだから。
いつかはここを離れていくんだもん。
あたしも、よっすぃやきっと他のみんなも。
あたしも、よっすぃやきっと他のみんなも。
だから…だからね。
今のうちにね、甘えておきたいんだ。
のの。ホントはわかってるんでしょ?
だから、今だけ…ね。
今のうちにね、甘えておきたいんだ。
のの。ホントはわかってるんでしょ?
だから、今だけ…ね。
「うん。そうだね」
てへへ…って、なに照れくさそうに笑ってんのよ。
そういうことができるんだから、心配なんてホントはしてないよ。
だけどね、やっぱり気になる、複雑なキモチ。
そういうことができるんだから、心配なんてホントはしてないよ。
だけどね、やっぱり気になる、複雑なキモチ。
いっつも一緒だったあたしたち。
まさか見送るなんて思わなかった。
でも、こんなにおっきくなったんだもん。
もっともっと広い世界に飛んでかないと、大きくなれないもんね。
まさか見送るなんて思わなかった。
でも、こんなにおっきくなったんだもん。
もっともっと広い世界に飛んでかないと、大きくなれないもんね。
あたしもよっすぃも、いつも一緒にいるから。
キモチだけでも、一緒にいるから。
キモチだけでも、一緒にいるから。
「のの?」
「ん? なに?」
「一緒だよ。あたしたち」
「ん? なに?」
「一緒だよ。あたしたち」
しっかり目を見て、そして、あたしの視線はじゃれあう同期の二人へ。
あたしの視線を追って、ののは大きくうなずいた。
あたしの視線を追って、ののは大きくうなずいた。
「あっ! りかちゃーん!」
あいぼんがぱたたたたって駆け寄ってきて、のの共々あたしにぎゅうって抱きついた。
あいぼんがぱたたたたって駆け寄ってきて、のの共々あたしにぎゅうって抱きついた。
「いーなー。あいぼんもだっこー! のの、変わってー」
「べー! やーだよーだ」
「なんだとー!」
きゃはははっ…って、笑いながらじゃれあう二人。
よっすぃは、「よいしょっと」って、オヤジみたいな声を出してあたしの隣に座ると、ぽんぽんって膝を叩いた。
「のの、こっち来なよ。ほら」
「えー。しょーがないなぁー。もう」
とか何とか言いながら、よっすぃの膝の上に座るのの。
入れ替わってあいぼんがあたしの膝の上。
「わーい! りっかちゃーん」
すっごいうれしそうに笑ってくれるから、ついついかわいくって、ぎゅってしてしまうあたし。
「あれー。なんだか今日の梨華ちゃん、甘えんぼだねー」
「いいでしょ? たまには」
「えー。たまにかぁ」
って隣からの横やり。ニヤニヤするよっすぃ。
「なによぉ。だったらよっすぃだって甘えればいいじゃない」
「あたしはいーの。梨華ちゃんが甘えてくれるから」
そしたら、ののが『ん?』って上を見て、そしてあいぼんと『ん?』ってカオを見合って、ぽつりと言った。
「それって結局、よっすぃも甘えてるってことだよね。りかちゃんに」
「っていうか…しょっちゅう、いちゃいちゃしてるよね」
あいぼんがあたしとよっすぃの顔を交互に見る。
あたしがちらりと隣のよっすぃと見ると、『へへへ…』って困ったように笑ってる。
「ほら、ぴったりくっついちゃって」
「ね、のろけちゃって」
くすくすって笑って、膝の上の二人は「ねー」って声をそろえた。
あたしとよっすぃはお互い顔を見合って苦笑い。
「べー! やーだよーだ」
「なんだとー!」
きゃはははっ…って、笑いながらじゃれあう二人。
よっすぃは、「よいしょっと」って、オヤジみたいな声を出してあたしの隣に座ると、ぽんぽんって膝を叩いた。
「のの、こっち来なよ。ほら」
「えー。しょーがないなぁー。もう」
とか何とか言いながら、よっすぃの膝の上に座るのの。
入れ替わってあいぼんがあたしの膝の上。
「わーい! りっかちゃーん」
すっごいうれしそうに笑ってくれるから、ついついかわいくって、ぎゅってしてしまうあたし。
「あれー。なんだか今日の梨華ちゃん、甘えんぼだねー」
「いいでしょ? たまには」
「えー。たまにかぁ」
って隣からの横やり。ニヤニヤするよっすぃ。
「なによぉ。だったらよっすぃだって甘えればいいじゃない」
「あたしはいーの。梨華ちゃんが甘えてくれるから」
そしたら、ののが『ん?』って上を見て、そしてあいぼんと『ん?』ってカオを見合って、ぽつりと言った。
「それって結局、よっすぃも甘えてるってことだよね。りかちゃんに」
「っていうか…しょっちゅう、いちゃいちゃしてるよね」
あいぼんがあたしとよっすぃの顔を交互に見る。
あたしがちらりと隣のよっすぃと見ると、『へへへ…』って困ったように笑ってる。
「ほら、ぴったりくっついちゃって」
「ね、のろけちゃって」
くすくすって笑って、膝の上の二人は「ねー」って声をそろえた。
あたしとよっすぃはお互い顔を見合って苦笑い。
「ほんっと、あんたたちって、家族みたいよね」
そんなやりとりを見ていたカオたんが微笑んだ。
そしたら、あいぼんとののがにーってわらって、
「「だって、家族だもーん!」」
って。
そしたら真里ちゃんがうんうんって、うなずいた。
「よっすぃと梨華ちゃん見てると、双子の子持ちの新婚夫婦みたいだもんな」
新婚…ねぇ。
よっすぃを見たら、にやって笑ってあたしの肩を抱き寄せた。
でも、あたしもまんざらじゃないって顔してる。だって笑いが止まんないんだもん。
「もう、よっすぃってば」
「愛してるよ」
なんて言うから、ちょこんって肩に頭を乗せてみた。
「うはー! もういいって。あんまり見せ付けんなよ。おまえらー!」
そんなやりとりを見ていたカオたんが微笑んだ。
そしたら、あいぼんとののがにーってわらって、
「「だって、家族だもーん!」」
って。
そしたら真里ちゃんがうんうんって、うなずいた。
「よっすぃと梨華ちゃん見てると、双子の子持ちの新婚夫婦みたいだもんな」
新婚…ねぇ。
よっすぃを見たら、にやって笑ってあたしの肩を抱き寄せた。
でも、あたしもまんざらじゃないって顔してる。だって笑いが止まんないんだもん。
「もう、よっすぃってば」
「愛してるよ」
なんて言うから、ちょこんって肩に頭を乗せてみた。
「うはー! もういいって。あんまり見せ付けんなよ。おまえらー!」
「「はーい」」
なんか、心のこもってない返事よね。
よっすぃと二人でまたくすくすって、笑みが零れた。
なんか、心のこもってない返事よね。
よっすぃと二人でまたくすくすって、笑みが零れた。
「ねぇ」
よっすぃが急にちょっとだけ真剣な顔であたしとののをさらにぐっと引き寄せる。
あたしはあいぼんをきゅっと抱きよせた。
そして、よっすいの手があいぼんの肩を抱く。
「愛してるから」
ののとあいぼんをまっすぐに見る少し真顔のよっすぃ。
あたしもののとあいぼんの目を見て、少し緊張した顔をしている二人に微笑みかける。
「愛してるよ。あたしも」
よっすぃが急にちょっとだけ真剣な顔であたしとののをさらにぐっと引き寄せる。
あたしはあいぼんをきゅっと抱きよせた。
そして、よっすいの手があいぼんの肩を抱く。
「愛してるから」
ののとあいぼんをまっすぐに見る少し真顔のよっすぃ。
あたしもののとあいぼんの目を見て、少し緊張した顔をしている二人に微笑みかける。
「愛してるよ。あたしも」
だから、辛くなったらいつでもおいで。
二人の特等席は、あたしたちの膝の上。
一緒にすごした時間、ぶつけ合ったキモチがお守り。
二人の特等席は、あたしたちの膝の上。
一緒にすごした時間、ぶつけ合ったキモチがお守り。
「のんも、だいすき。愛してるよ」
「あいぼんも、愛してる」
「あいぼんも、愛してる」
なんだろうね。ヘンな感じ。
ちょっとじゃなくってかなり大げさかもしれないけど、でも、そうせずにいられなかった。
よっすぃもきっと同じ。
だって、照れくさそうに笑ってるんだもん。
ちょっとじゃなくってかなり大げさかもしれないけど、でも、そうせずにいられなかった。
よっすぃもきっと同じ。
だって、照れくさそうに笑ってるんだもん。
へへへへへへって、4人で顔を見合わせて笑った。
二人はぱっと膝の上から飛び降りると、わーってみんなのところに飛び込んでいった。
「ねぇ、梨華ちゃん」
よっすぃが走ってく二人の小さな背中を目で追う。ちょっと不安げで、だけどやさしいまなざしで…。
「翼がさ、あるよね。真っ白な」
よっすぃが走ってく二人の小さな背中を目で追う。ちょっと不安げで、だけどやさしいまなざしで…。
「翼がさ、あるよね。真っ白な」
なんでもない顔してるくせに、本当はさびしい。
それが今のあたしたちの、きっとホンネ。
それが今のあたしたちの、きっとホンネ。
「うん。だって、あの二人は天使じゃん」
「そっか。そうだよね。太陽の次は、天使かぁ…」
「そっか。そうだよね。太陽の次は、天使かぁ…」
まぶしそうに目を細めるよっすぃ。
「きっとさ、うちらが娘。になったときとか、小学校に入るときとか…親ってこんなキモチだったのかな?」
「うん。かもねぇ。ねぇ…よっすぃ」
「ん?」
「やっぱさ、家族なんだよね。あたしたち」
「…うん」
「うん。かもねぇ。ねぇ…よっすぃ」
「ん?」
「やっぱさ、家族なんだよね。あたしたち」
「…うん」
■ ■
桜が咲いて、一緒に娘。一年生になったあたしたち。
先に卒業しちゃうけど、あたしたちはその背中をしっかり見届けて、そして後を追いかけていくよ。
待ってなくてもいいから、すぐに追いつくから。
先に卒業しちゃうけど、あたしたちはその背中をしっかり見届けて、そして後を追いかけていくよ。
待ってなくてもいいから、すぐに追いつくから。
散って、そして咲いて…。
繰り返す季節の中で、家族になっていたあたしたち。
いつまでもコドモだなーって思ったのに、ほら、見て?
あんなしっかりしたこと言っちゃったり、あんな大人びた顔するようになったり…。
繰り返す季節の中で、家族になっていたあたしたち。
いつまでもコドモだなーって思ったのに、ほら、見て?
あんなしっかりしたこと言っちゃったり、あんな大人びた顔するようになったり…。
巡り、巡る季節。
ゆっくりとゆっくりと育てていこう。
あたしたちっていうサクラを。
少しずつ少しずつ枝を広げて…。
空に向かってまっすぐに。
ゆっくりとゆっくりと育てていこう。
あたしたちっていうサクラを。
少しずつ少しずつ枝を広げて…。
空に向かってまっすぐに。
あたしたちの場所は、きっとそのサクラの下。
どこにいても、どんなときでも…。
どこにいても、どんなときでも…。
(2004/3/14)