たぶん素敵妄想集(爆@ ウィキ
愛してるのは…
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rm96
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時間がゆっっくりと流れていく。
重力が500倍くらいになったみたい。
重力が500倍くらいになったみたい。
もうすぐ深夜0時。
いつもはあっつい部屋の空気が重くて冷たい。
いつもはあっつい部屋の空気が重くて冷たい。
あー…何でこんなことになったんだろ…。
「ねぇ…。梨華ちゃん?」
「……」
顔を向けずに、ちらりと美貴を見るその目が怒りに満ちてる。
それこそ殺意を感じるキレた眼差し。
全身で触れるなといわんばかりで…。
顔を向けずに、ちらりと美貴を見るその目が怒りに満ちてる。
それこそ殺意を感じるキレた眼差し。
全身で触れるなといわんばかりで…。
あーもー…どうすりゃいいのよ!
「梨華ちゃん、その…ねぇ…あの…」
えーーーーっ! なんて言えばいいのよぉ!
なんか知らないけど、梨華ちゃんは今日一日激しくご機嫌斜め。
っていうか、90度くらい切り立っちゃってて…超お怒りモード。
あいさつもぼそっって、すっごい低い声で一言。それからちっともしゃべってくれきゃ、顔を向けてもくれないし…。
そりゃあさ、二人が付き合ってるのはいちおー秘密なわけで、二人っきりのときはもう、ほんっとにらぶらぶなわけですけれども、なのに今日は全くもって無視…。
っていうか、90度くらい切り立っちゃってて…超お怒りモード。
あいさつもぼそっって、すっごい低い声で一言。それからちっともしゃべってくれきゃ、顔を向けてもくれないし…。
そりゃあさ、二人が付き合ってるのはいちおー秘密なわけで、二人っきりのときはもう、ほんっとにらぶらぶなわけですけれども、なのに今日は全くもって無視…。
「何よ」
ようやく交わした本日の第一声は、がっちり凍り付いてる。
ようやく交わした本日の第一声は、がっちり凍り付いてる。
「あ…あのね、美貴……なんかした?」
ぴきっ…!
な…なに? この音、何の音…って、梨華ちゃんのマユゲがさら釣りあがって表情が凍りついた音。
うっわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! 怒り倍増させてますぅ!? 美貴ってば!?
「なんか……したぁ?」
「えっ!? ええっ!? 梨華ちゃん!?」
「えっ!? ええっ!? 梨華ちゃん!?」
ちょっと…ちょっと! なになになに? ほんっとに心当たりがないんですけど?
そしたら、梨華ちゃんが「はーーーっ…」って、すっごい重いため息をついた。
そしたら、梨華ちゃんが「はーーーっ…」って、すっごい重いため息をついた。
「美貴ちゃん」
「はい…」
「本気ですきって…言ったよね」
「言いました…」
「愛してるのはあたしだけ……そうも言ったよね」
「はい…」
「ねぇ。結局、すべての恋はシャボン玉なの?」
「は!?」
「この恋はあたし名義じゃないみたいだし」
「梨華ちゃん?」
「はい…」
「本気ですきって…言ったよね」
「言いました…」
「愛してるのはあたしだけ……そうも言ったよね」
「はい…」
「ねぇ。結局、すべての恋はシャボン玉なの?」
「は!?」
「この恋はあたし名義じゃないみたいだし」
「梨華ちゃん?」
『まだわかんないの?』って、じとーっと睨みつける目が訴えてる。
「美貴ちゃん…」
一度視線を外して小さくため息をついた。そして窺うようなためらいがちの上目遣い。
「何で昨日…ウソついたの?」
「ウソ? 美貴が!?」
「昨日、用事があるからって…言ったよね」
「うん。言った」
本当は梨華ちゃんちに泊まる予定だったんだけど、どうしても避けられない予定が急に入って、泣く泣く断念した。お仕事は午後入りだったから、ゆっくりできると思ってただけに…すっごくショックで…。
梨華ちゃんがまた一つため息をこぼす。
「それって、あの子に逢うためだったの?」
「えっ…」
「聞こえたよ。昨日…電話…」
「梨華ちゃん…?」
「ちょうど今くらいの時間だよね。電話もらったの…。急なことだったし…楽しみしてたから……うれしかった。けどね…」
言葉が途切れて、梨華ちゃんの怒りに凍てついた眼差しが再び美貴を射抜く。
「後ろから聞こえた。楽しそうに笑う…亜弥ちゃんの甘えた声…」
一度視線を外して小さくため息をついた。そして窺うようなためらいがちの上目遣い。
「何で昨日…ウソついたの?」
「ウソ? 美貴が!?」
「昨日、用事があるからって…言ったよね」
「うん。言った」
本当は梨華ちゃんちに泊まる予定だったんだけど、どうしても避けられない予定が急に入って、泣く泣く断念した。お仕事は午後入りだったから、ゆっくりできると思ってただけに…すっごくショックで…。
梨華ちゃんがまた一つため息をこぼす。
「それって、あの子に逢うためだったの?」
「えっ…」
「聞こえたよ。昨日…電話…」
「梨華ちゃん…?」
「ちょうど今くらいの時間だよね。電話もらったの…。急なことだったし…楽しみしてたから……うれしかった。けどね…」
言葉が途切れて、梨華ちゃんの怒りに凍てついた眼差しが再び美貴を射抜く。
「後ろから聞こえた。楽しそうに笑う…亜弥ちゃんの甘えた声…」
何で? 何で…そんなこと言うの?
「気のせいなのかな? それとも…? ねぇ、美貴ちゃん?」
ぐっと息を飲み込んで、大きく深呼吸。
そして、しっかりと梨華ちゃんの瞳を見据える。
そして、しっかりと梨華ちゃんの瞳を見据える。
「昨日、たしかに亜弥ちゃん、来てたよ。用事が済んだ後、偶然会って…ご飯食べに行った。それで、その後…来たいっていうから……」
無表情でじっと美貴を見つめる梨華ちゃん。
ぎゅっと拳を握り締めた。
あぁ…のどが渇く…。
ぎゅっと拳を握り締めた。
あぁ…のどが渇く…。
「泊めた…」
梨華ちゃんがふっと息をこぼして小さく肩を揺らした。
「そうなんだ…」
どこかあきらめたような口ぶり。
「だったらさ、言ってほしかったな」
そして、さびしそうに笑った。
そんな顔して笑わないで。そうさせる美貴が悪いんだけど…見てらんない…。
うつむいて目を逸らした。
「でも、亜弥ちゃんは美貴が梨華ちゃんと付き合ってるの、知ってるじゃん」
「だからって、黙ってたらそれでいいわけ?」
「それは……梨華ちゃんを信じてるから…だから…」
「でも、あたしはそれで美貴ちゃんがわからなくなった…」
つぶやくように掠れた声。
「美貴ちゃん。あたしがたとえばよっすぃを泊めて、それを黙ってたら…どう思う?」
「…」
「あたし、美貴ちゃんの何?」
「梨華ちゃん…」
「あたしのことを信じてるから黙ってた…。それ、違うよね。亜弥ちゃんのことを信じてるから黙ってたんだよね。一言でも言ってくれればこんなこと思わなかった。何で言ってくれなかったの? ねぇ、何もなかったって…言い切れる?」
どこかあきらめたような口ぶり。
「だったらさ、言ってほしかったな」
そして、さびしそうに笑った。
そんな顔して笑わないで。そうさせる美貴が悪いんだけど…見てらんない…。
うつむいて目を逸らした。
「でも、亜弥ちゃんは美貴が梨華ちゃんと付き合ってるの、知ってるじゃん」
「だからって、黙ってたらそれでいいわけ?」
「それは……梨華ちゃんを信じてるから…だから…」
「でも、あたしはそれで美貴ちゃんがわからなくなった…」
つぶやくように掠れた声。
「美貴ちゃん。あたしがたとえばよっすぃを泊めて、それを黙ってたら…どう思う?」
「…」
「あたし、美貴ちゃんの何?」
「梨華ちゃん…」
「あたしのことを信じてるから黙ってた…。それ、違うよね。亜弥ちゃんのことを信じてるから黙ってたんだよね。一言でも言ってくれればこんなこと思わなかった。何で言ってくれなかったの? ねぇ、何もなかったって…言い切れる?」
パン!
真っ白になった。
梨華ちゃんの顔が横にぶれて、じんとしびれる右手の痛みでゆっくりと、だけどはっと我に返った。
梨華ちゃんの顔が横にぶれて、じんとしびれる右手の痛みでゆっくりと、だけどはっと我に返った。
「なによ!」
赤くなった頬を押さえた梨華ちゃんの刺すような目。
「なかったって言い切れるの!? 信じてって…なにをどう信じればいいのよっ!」
「理由も方法もどうでもいい! 信じてっ! 美貴を信じてよっ!」
かーっと頭と体が熱くなる。
その熱にすべてを任せて梨華ちゃんを強引に抱きしめた。
「やぁっ! やめてっ! 離してっ!」
「やだ」
ぎゅうっと強く強く、腕の中で暴れる梨華ちゃんが叩こうが咬みつこうが、絶対に離さない。
「お願いだから…信じて」
梨華ちゃんの体から力が抜けていく。
「お願いだから……」
「……」
「信じて……」
まるですがるように抱きついてた。
そっと梨華ちゃんの手が美貴の頬に触れた。
「…不安に……させないで…」
「ごめん…」
「美貴ちゃんのこと…すきだよ」
赤くなった頬を押さえた梨華ちゃんの刺すような目。
「なかったって言い切れるの!? 信じてって…なにをどう信じればいいのよっ!」
「理由も方法もどうでもいい! 信じてっ! 美貴を信じてよっ!」
かーっと頭と体が熱くなる。
その熱にすべてを任せて梨華ちゃんを強引に抱きしめた。
「やぁっ! やめてっ! 離してっ!」
「やだ」
ぎゅうっと強く強く、腕の中で暴れる梨華ちゃんが叩こうが咬みつこうが、絶対に離さない。
「お願いだから…信じて」
梨華ちゃんの体から力が抜けていく。
「お願いだから……」
「……」
「信じて……」
まるですがるように抱きついてた。
そっと梨華ちゃんの手が美貴の頬に触れた。
「…不安に……させないで…」
「ごめん…」
「美貴ちゃんのこと…すきだよ」
チクタクチクタクチクタク……。
「でも、時々わからなくなる…。すきなのに…すきだけど、遠く感じるのは…どうして?」
抱きしめる腕に自然と力がこもって、首筋に顔をうずめる。
痛い…。痛いよ……。
梨華ちゃんの声は、切なげに微笑んでいるようで…。
「亜弥ちゃんにとって美貴ちゃんは恋人。もし仮に…たとえそれが冗談かもしれなくてもね、あたしには冗談には聞こえない」
「でも、恋人じゃない…」
「…そうだね。友達以上恋人未満って言ってたっけ」
小さくうなずくと、すっと髪を鋤くようになでられた。
「その場のノリかもしれない。でも、ウソじゃない言葉なんだよね…」
「…」
「時間には勝てないの。美貴ちゃんがあたしとよっすぃに感じてる時間の重さを、あたしは亜弥ちゃんと美貴ちゃんに感じてるの。過ごした時間の深さと重さ。だからね、つまらないウソが重く感じる…。不安になるの…」
髪をなでていた手が頬を包んで、そっと顔を上げさせられた。
ようやく見ることができた笑顔は悲しみに曇っていて…。
「梨華ちゃん…」
そんな風に思ってたんだ…。
そんな風に思わせてたんだ…。
美貴は…梨華ちゃんにそんな風に思ったこと……あったかな?
「ごめん…」
それしか言えなかった。
梨華ちゃんは小さく首を横に振って美貴の背中に腕を回すと、こつんと額をくっつけた。
「ううん。あたしもきっと、美貴ちゃんを不安にさせてることはあると思う。それにね、それまでの時間には勝てないけど、でも、これからたくさんの時間を使って深く強くしていくことはできるんだよね?」
「……うん…」
頬が少し冷たい梨華ちゃんの手に包まれる。
「本当に…何もなかったんだよね?」
「うん。ウソじゃないから」
「わかった…。お願いだから、もう…つまらないウソはつかないで」
「うん」
「約束ね」
そして、唇にふわりと降りたキス。
ぎゅって抱きしめた。
不安にさせないように、強く。痛いくらいに強く…。
抱きしめる腕に自然と力がこもって、首筋に顔をうずめる。
痛い…。痛いよ……。
梨華ちゃんの声は、切なげに微笑んでいるようで…。
「亜弥ちゃんにとって美貴ちゃんは恋人。もし仮に…たとえそれが冗談かもしれなくてもね、あたしには冗談には聞こえない」
「でも、恋人じゃない…」
「…そうだね。友達以上恋人未満って言ってたっけ」
小さくうなずくと、すっと髪を鋤くようになでられた。
「その場のノリかもしれない。でも、ウソじゃない言葉なんだよね…」
「…」
「時間には勝てないの。美貴ちゃんがあたしとよっすぃに感じてる時間の重さを、あたしは亜弥ちゃんと美貴ちゃんに感じてるの。過ごした時間の深さと重さ。だからね、つまらないウソが重く感じる…。不安になるの…」
髪をなでていた手が頬を包んで、そっと顔を上げさせられた。
ようやく見ることができた笑顔は悲しみに曇っていて…。
「梨華ちゃん…」
そんな風に思ってたんだ…。
そんな風に思わせてたんだ…。
美貴は…梨華ちゃんにそんな風に思ったこと……あったかな?
「ごめん…」
それしか言えなかった。
梨華ちゃんは小さく首を横に振って美貴の背中に腕を回すと、こつんと額をくっつけた。
「ううん。あたしもきっと、美貴ちゃんを不安にさせてることはあると思う。それにね、それまでの時間には勝てないけど、でも、これからたくさんの時間を使って深く強くしていくことはできるんだよね?」
「……うん…」
頬が少し冷たい梨華ちゃんの手に包まれる。
「本当に…何もなかったんだよね?」
「うん。ウソじゃないから」
「わかった…。お願いだから、もう…つまらないウソはつかないで」
「うん」
「約束ね」
そして、唇にふわりと降りたキス。
ぎゅって抱きしめた。
不安にさせないように、強く。痛いくらいに強く…。
「すきだよ。梨華ちゃん…」
誰よりも。
あなただけ…。
誰よりも。
あなただけ…。
あなたは美貴の何って聞かれたら、こう答える。
『世界で一番愛しい人』
何の迷いもなく、曇りもなく、まっすぐに、その素直な瞳を見つめて。
きっとあなたは同じ質問に、こう答える。
『この世で一番愛する人』
何の疑いも迷いもなく、美貴の目を見つめて微笑みながら。
『世界で一番愛しい人』
何の迷いもなく、曇りもなく、まっすぐに、その素直な瞳を見つめて。
きっとあなたは同じ質問に、こう答える。
『この世で一番愛する人』
何の疑いも迷いもなく、美貴の目を見つめて微笑みながら。
愛してるのはあなただけ…。
(2004/3/24)