たぶん素敵妄想集(爆@ ウィキ
リングと青い空の下
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rm96
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急に寒くなって、今年の冬はなんか冷え性のあたしには少し辛いかも。
そんなことを思いながら見上げた空はすっごくよく晴れてて気持ちいい。
そんなことを思いながら見上げた空はすっごくよく晴れてて気持ちいい。
どこまでも青。
青。青。青。
青。青。青。
太陽が笑ってるみたいで、なんか寒いけど、なんか気持ちいいから、それでいいや。
そう思った午後。
そう思った午後。
『ちょっと待ってて。すぐ行く』
短いメールに呼ばれた収録の休憩時間。
二人で探検して見つけた日当たりのいい外階段の踊り場。
呼び出した本人はまだ来ない。
二人で探検して見つけた日当たりのいい外階段の踊り場。
呼び出した本人はまだ来ない。
「あーもー。遅いぞ。寒いんだからぁ」
なんて独り言。
本当はすっごく空が綺麗だから、なんとなく言ってみたかっただけ。
たぶんマコトにつかまってるんだろうなぁ。
本当はすっごく空が綺麗だから、なんとなく言ってみたかっただけ。
たぶんマコトにつかまってるんだろうなぁ。
『あー! よしざーさんどこいくんすかぁー』
『あー。別にどこだっていーじゃんか。ちょっと急いでんだって』
『あー。別にどこだっていーじゃんか。ちょっと急いでんだって』
なーんてね。
ほら。娘。内恋愛は禁止だから、
ほら。娘。内恋愛は禁止だから、
『あれ? なーんかあやしーなぁ。私というものありながら、他に好きな人でもいるんですかぁ?』
『うっせーなぁ』
『あ。顔赤いですよぉ』
『うっせーなぁ』
『あ。顔赤いですよぉ』
ウソがつけないから、簡単に見破られちゃったりしてね。
マコトもにやにやしちゃって、よっちゃんのことからかって…。
なんか簡単に想像できちゃって、ちょっとおかしくて声に出して笑いそうになるのを堪えてみる。
マコトもにやにやしちゃって、よっちゃんのことからかって…。
なんか簡単に想像できちゃって、ちょっとおかしくて声に出して笑いそうになるのを堪えてみる。
「んだよ。なーにがおかしいの?」
そんな声がして、後ろからぎゅって包むように抱きしめられた。
ふわりと香る甘い香り。
あたしの顔を覗き込むように肩に顎を乗っけて、ちょっといじけたように口を尖らせて。
「ん? ふふっ。マコトにつかまってたんでしょ?」
腕にそっと手を置いて、少しだけ振り向けばほら、ね。唇が近い。
そっと掠めるように唇で触れたら、ほら。不機嫌な唇はすぐにうれしそうにすうっと横に広がって微笑む。
「まぁ、そんなとこかな。でも、ま…いいんだけどさ」
照れくさそうに笑って、きゅうって、腕にこもった力。
ふわりと香る甘い香り。
あたしの顔を覗き込むように肩に顎を乗っけて、ちょっといじけたように口を尖らせて。
「ん? ふふっ。マコトにつかまってたんでしょ?」
腕にそっと手を置いて、少しだけ振り向けばほら、ね。唇が近い。
そっと掠めるように唇で触れたら、ほら。不機嫌な唇はすぐにうれしそうにすうっと横に広がって微笑む。
「まぁ、そんなとこかな。でも、ま…いいんだけどさ」
照れくさそうに笑って、きゅうって、腕にこもった力。
真っ青な空。
北風が寒いけど、ほら。こうしてればあったかい。
北風が寒いけど、ほら。こうしてればあったかい。
「いい天気だねぇ」
「うん。なんかさぁ…吸い込まれそう」
「うん。なんかさぁ…吸い込まれそう」
冬の青い空はどこまでも澄んでるから。
しばらく二人して見上げてたけど、ふと、思い出した。
しばらく二人して見上げてたけど、ふと、思い出した。
「ねぇ、よっちゃん」
「ん?」
「楽屋じゃなくって、わざわざ呼び出して、なんかあったの?」
「ん? あぁ、そうそう。」
コートのポケットを探って、「はいっ」て出てきたのは小さな箱。
ピンクの箱に空色のリボン。
「これ…。よっちゃん?」
「開けて」
「うん」
「ん?」
「楽屋じゃなくって、わざわざ呼び出して、なんかあったの?」
「ん? あぁ、そうそう。」
コートのポケットを探って、「はいっ」て出てきたのは小さな箱。
ピンクの箱に空色のリボン。
「これ…。よっちゃん?」
「開けて」
「うん」
そっと空色のリボンをほどいて箱を開けると、そこには白いケース。
取り出して、そっと手に乗っけて、開いた。
取り出して、そっと手に乗っけて、開いた。
「あ…」
小さなリングが並んで2つ。
一つはすっごくちっちゃくて、もう一つもふふっ。そうだね。小さい。
「ピンキーリング」
小指につける小さな小さなシルバーのリング。
青い空を反射してなんか…すっごく大きな力をもらってみたいな錯覚。
「どうしたの? これ」
「ん? ほしいって言ってたじゃん」
「うん。言った」
「だから。ほら、おそろい」
少し厚みがあるリングには何やら文字が彫ってある。
「きっと梨華ちゃんなら…同じ気持ちかな…って。あたしと」
小さなリングが並んで2つ。
一つはすっごくちっちゃくて、もう一つもふふっ。そうだね。小さい。
「ピンキーリング」
小指につける小さな小さなシルバーのリング。
青い空を反射してなんか…すっごく大きな力をもらってみたいな錯覚。
「どうしたの? これ」
「ん? ほしいって言ってたじゃん」
「うん。言った」
「だから。ほら、おそろい」
少し厚みがあるリングには何やら文字が彫ってある。
「きっと梨華ちゃんなら…同じ気持ちかな…って。あたしと」
I'm Always Here for You -
「いつも…そばにいます」
今も、これからも、その先も。
「いつも、そばに…います」
どんなに離れていても、あたしたちが刻んで時間と想いが繋ぐ心。
硬く、きつく、深く、強く…。
硬く、きつく、深く、強く…。
「うん。そうだね。あたしも…そう思ってるよ」
よっちゃんは抱きしめていた腕を解いて離れると、あたしの前に立った。
そして、リングを一つ手にして、そっとあたしの右手を取る。
そして、リングを一つ手にして、そっとあたしの右手を取る。
「梨華ちゃん」
真剣なのに、いつもみたいにすごくすごくやさしい声はちょっと震えてるような気がした。
ゆっくりと慎重に小指にリングをはめると、ふわりと舞い降りるようにリングに降りたひとみちゃんの唇。
ゆっくりと慎重に小指にリングをはめると、ふわりと舞い降りるようにリングに降りたひとみちゃんの唇。
“ 愛しています ”
あたしの胸はどきって鳴って、すごくあったかくてそりゃもう、熱いくらいで…。
じっとあたしを見つめるひとみちゃんの瞳が、いつもと少しだけ違った。
オトコマエなことしてるくせに、乙女みたいに不安で揺れていて…。
やっぱり、女の子なんだね。
そう思ったら、やっぱりかわいかった。わかってたけど。
じっとあたしを見つめるひとみちゃんの瞳が、いつもと少しだけ違った。
オトコマエなことしてるくせに、乙女みたいに不安で揺れていて…。
やっぱり、女の子なんだね。
そう思ったら、やっぱりかわいかった。わかってたけど。
もう一度、改めて…。
確かめ合うことも時に必要なんだろうな。
だって、今、あたしたちはあの頃とは違うから。
確かめ合うことも時に必要なんだろうな。
だって、今、あたしたちはあの頃とは違うから。
ケースに残ったリング。
内側には“R&H”ってあたしたち。
内側には“R&H”ってあたしたち。
そっと手にとって、箱とケースをコートのポケットにそっとしまうと、同じようにひとみちゃんの右手を取った。
そして、ゆっくりと綺麗な長い小指にリングをはめる。
そして、ゆっくりと綺麗な長い小指にリングをはめる。
“ あたしだけのもの ”
ずっと。あたしも。
そしてリングにキス。
そしたら、その後は二人の距離は自然と縮まって、固く、強く、右手を握り合って、抱き合って、重なる唇。
なにに誓ったのかわからないけど、でも、ずっと二人。
青い空の下。
曇りないすーっと晴れた清清しい冬の青。
北風は冷たいけど、あたしたちはあったかい。
曇りないすーっと晴れた清清しい冬の青。
北風は冷たいけど、あたしたちはあったかい。
包んでくれるぬくもり。伝わってくる鼓動は速くって、なんかね、ちょっとくすぐったい。
それはよっちゃんも同じらしくって、くすぐったそうに笑ってる。
なんか、へんなの。
それはよっちゃんも同じらしくって、くすぐったそうに笑ってる。
なんか、へんなの。
「ねぇ、どうしたの?」
「ん?」
「だって…なんかさ。ねぇ」
「うん。なんていうかさ…」
「ん?」
「うん。確認…したかったんだ。あたしが、どれだけ梨華ちゃんがすきかってこと」
「ふーん。で、わかった?」
「嫌ってほど。で、梨華ちゃんは?」
「ん?」
「だって…なんかさ。ねぇ」
「うん。なんていうかさ…」
「ん?」
「うん。確認…したかったんだ。あたしが、どれだけ梨華ちゃんがすきかってこと」
「ふーん。で、わかった?」
「嫌ってほど。で、梨華ちゃんは?」
その答えは唇に。
ちょっと…照れくさかったけど。でも、だって…したかっただもん。
ちょっと…照れくさかったけど。でも、だって…したかっただもん。
「ははっ。なんだよぉ」
「だって、かわいいんだもん」
「んだょぉ」
「照れちゃって」
「だって、かわいいんだもん」
「んだょぉ」
「照れちゃって」
真っ赤になっちゃった。ひとみちゃん。
ちょっと悔しかったのか、ぎゅうって腕に力が入って、痛いくらい抱きしめられて…。
ちょっと悔しかったのか、ぎゅうって腕に力が入って、痛いくらい抱きしめられて…。
「あとさ…」
「ん?」
「ちょっと…オトナっぽいことしたかったんだ」
「は?」
「せっかく二十歳になったんだし、責任あるけど、でも自分で生きてけってことじゃん」
「うん」
「だから…」
「だから?」
「一緒に…生きてきたいなぁ…なんてね」
「ん?」
「ちょっと…オトナっぽいことしたかったんだ」
「は?」
「せっかく二十歳になったんだし、責任あるけど、でも自分で生きてけってことじゃん」
「うん」
「だから…」
「だから?」
「一緒に…生きてきたいなぁ…なんてね」
恥ずかしいのか言ってすぐにあたしの肩に顔をうずめて、でもパッて起き上がった瞳は真剣で、穏やかで。
「いいよね」
行こう。おいで。
「うん」
いいよ。ついてく。
キラキラと輝く小指のリング。
何に誓ったかわからないけど、でもそれはとても大切で、頭の上の澄み切った冬の空と暖かい太陽が祝福してくれているような気がして、二人で空を見上げた。
何に誓ったかわからないけど、でもそれはとても大切で、頭の上の澄み切った冬の空と暖かい太陽が祝福してくれているような気がして、二人で空を見上げた。
またあと少ししたら収録が始まる。
それまでの間、なかなか取れない二人だけの時間をうんと楽しんで、うんと感じて…。
それまでの間、なかなか取れない二人だけの時間をうんと楽しんで、うんと感じて…。
よく晴れてるから、時間の流れは遅くって、二人でいるから北風もやさしく感じる。
こうやって包まれて、包んでるあたたかい時間。
まだもう少し、このままでいたいなって思った冬の午後。
こうやって包まれて、包んでるあたたかい時間。
まだもう少し、このままでいたいなって思った冬の午後。
(2006/1/18)