たぶん素敵妄想集(爆@ ウィキ
口付けて、そして…
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rm96
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心臓の音。
心地いいぬくもり。
息が詰まるくらいに強く抱きしめてくれる腕。
心地いいぬくもり。
息が詰まるくらいに強く抱きしめてくれる腕。
ふと目があって、なんだかくすぐったくって笑いあう。
一瞬の沈黙が訪れて、唇が重なる。
そしてまた、照れくさくて二人してくすくす笑いながら抱きしめあう。
一瞬の沈黙が訪れて、唇が重なる。
そしてまた、照れくさくて二人してくすくす笑いながら抱きしめあう。
離れないように。
離さないように。
離さないように。
じゃれあいながら取り戻すの。
止まっていた時間を。
満たされなかった気持ちを。
止まっていた時間を。
満たされなかった気持ちを。
そして二人を振り回した想いとキオクに別れを告げる。
邪魔するものなんて、何もないから。
邪魔するものなんて、何もないから。
ただ疲れてるだけだと思ってた。
でも、起こしたときに見た涙が教えてくれた。
たった一滴。
それだけで十分だった。
なんでもないって笑ってたけど、美貴にはわかった。
でも、起こしたときに見た涙が教えてくれた。
たった一滴。
それだけで十分だった。
なんでもないって笑ってたけど、美貴にはわかった。
今朝見た夢が頭の中をぐるぐる回る。
同じ夢を見てたんでしょ?
残した側と残された側と…。
悲しみも切なさも、比べられない。
同じ夢を見てたんでしょ?
残した側と残された側と…。
悲しみも切なさも、比べられない。
ひどく疲れた顔してるよ。
何かを振り切るように笑わないで。見てる方が辛いんだから。
見ないでいてあげるから…。
何かを振り切るように笑わないで。見てる方が辛いんだから。
見ないでいてあげるから…。
見ないでいてあげるから……そんな風に笑わないで。
ユメなのに、ユメのはずなのに。
どうしてこんなに喪失感が胸に残るの?
どうしてこんなに喪失感が胸に残るの?
ただ悲しくて。
ただ切なくて。
ただ切なくて。
油断すると涙が溢れてくるから、無理矢理にでも笑う。
きっと彼女は泣いてるだろうって思ったから。
きっと彼女は泣いてるだろうって思ったから。
一人にするのが心配で、強引に誘った。
戸惑う梨華ちゃんの笑顔が胸の片隅に追いやった世界と繋がって、繋いでいた手に思わず力が入った。
戸惑う梨華ちゃんの笑顔が胸の片隅に追いやった世界と繋がって、繋いでいた手に思わず力が入った。
遠くを見るような目で交わす会話。
ふっと笑顔の中に見え隠れする痛み。
ユメと現在を行ったり来たりしている梨華ちゃん。
ふっと笑顔の中に見え隠れする痛み。
ユメと現在を行ったり来たりしている梨華ちゃん。
あたしはここ!
美貴はここにいるから!
美貴はここにいるから!
連れ戻したい。
取り戻したい。
取り戻したい。
できることなら、力づくでも…。
わがままも、あの人だったから言えたこと。
頼りなさそうで、本当は誰よりも強くて、まっすぐで。困った顔で笑いながら、でも心の中にある不安をきちんと感じ取って、真正面から受け止めてくれた。
頼りなさそうで、本当は誰よりも強くて、まっすぐで。困った顔で笑いながら、でも心の中にある不安をきちんと感じ取って、真正面から受け止めてくれた。
ずっとそばにいて。
絶対に死なないで。
絶対に死なないで。
そんな理不尽な願いに、
『誓います』
って、何の迷いもなく答えてくれた。
でも、それは守られなかった。
切ないのはそのせい?
悲しいのは、なぜ?
悲しいのは、なぜ?
お風呂から上がって部屋に来た梨華ちゃんの目が赤くなっていた。
でも、気づかないフリをして笑って見せた。
でも、気づかないフリをして笑って見せた。
電気を消したけど、痛々しく感じるその表情が頭を離れなくて背中を向けた。
『あのさ、聞いてくれるかな?』
そして、語られる梨華ちゃんが見ていた世界。
そして、語られる梨華ちゃんが見ていた世界。
繋がっていくのがわかった。
梨華ちゃんの目からすーっと零れた涙を指で掬い取った。
梨華ちゃんの頬に落ちる美貴の涙。
驚いて一度開いた目をまた閉じて涙をこらえる梨華ちゃんに、そっと口付けた。
梨華ちゃんの頬に落ちる美貴の涙。
驚いて一度開いた目をまた閉じて涙をこらえる梨華ちゃんに、そっと口付けた。
奇跡が起きるのを願った。
ぬくもりだけが唇に残った最初で最後のキス。
あの人はもう、いなかった…。
ぬくもりだけが唇に残った最初で最後のキス。
あの人はもう、いなかった…。
微笑みかけてもくれないんだね。
涙だけが、ただただ零れて…。
涙だけが、ただただ零れて…。
悲しかったのはそのせい。
せつなかったのも、そのせい。
せつなかったのも、そのせい。
心臓の音。
心地いいぬくもり。
息が詰まるくらいに強く抱きしめてくれる腕。
心地いいぬくもり。
息が詰まるくらいに強く抱きしめてくれる腕。
言葉に上手くできないから、ありったけの力で抱きしめる。
穏やかに微笑む横顔。
穏やかに微笑む横顔。
緩やかに流れていく時間。
満たされていくココロ。
満たされていくココロ。
でも、それでも何か物足りない。
身体と身体を隔てるすべてがもどかしい。
身体と身体を隔てるすべてがもどかしい。
そっと身体を起こす。
「…美貴ちゃん?」
不意に離れたぬくもりに不安げな梨華ちゃんの瞳をまっすぐに捉えて、深呼吸する。
「…抱いて…」
そして、視線を絡めたまま口付けた。
「…美貴ちゃん?」
不意に離れたぬくもりに不安げな梨華ちゃんの瞳をまっすぐに捉えて、深呼吸する。
「…抱いて…」
そして、視線を絡めたまま口付けた。
唇が離れたらそれが合図。
くるりと体勢が入れ替わって、梨華ちゃんが上になる。
戸惑いながらもボタンに手がかかって一つ一つ外されていく。
胸を露にされると、ちょうど心臓の上に辺りキス。
「…っ!」
震えた。
言葉にできない、甘いうずき。
戸惑いながらもボタンに手がかかって一つ一つ外されていく。
胸を露にされると、ちょうど心臓の上に辺りキス。
「…っ!」
震えた。
言葉にできない、甘いうずき。
自分の上着も脱ぎ捨てると、美貴の身体からもパジャマを取り去り、そっと口付けて、そして、ぎゅっと抱きしめられる。
直に伝わるぬくもり。鼓動。感触。
直に伝わるぬくもり。鼓動。感触。
そっと頬を両手で包み込んで、見つめあう。
「…梨華…。もっと…感じて…」
美貴は、ここにいるから…。
「…梨華…。もっと…感じて…」
美貴は、ここにいるから…。
肌を辿るまだ少し震える指先。
熱を帯びていく身体とココロ。
熱を帯びていく身体とココロ。
「…もっと……」
感じさせて。
ここにいるって…。
感じさせて。
ここにいるって…。
せつなさは優しさに。
悲しみは激しさに。
全身でココロごと受け取るあなたの愛。
悲しみは激しさに。
全身でココロごと受け取るあなたの愛。
「美貴…」
耳元で名前を囁かれるたびに不思議なくらい安心したから、押し流そうとするうねりの中で必死に名前を呼んだ。
「…りか」
って。
耳元で名前を囁かれるたびに不思議なくらい安心したから、押し流そうとするうねりの中で必死に名前を呼んだ。
「…りか」
って。
まどろむ美貴を抱いて優しく髪を撫でながら、ポツリと梨華ちゃんが言った。
「ただいま…」
「おかえり」
「ただいま…」
「おかえり」
あなたはここにいる。
あたしもここにいる。
それだけ。
たったそれだけのことで、こんなにも満たされる。
あたしもここにいる。
それだけ。
たったそれだけのことで、こんなにも満たされる。
二人を振り回した想いとキオクに別れを告げた。
邪魔するものなんて、何もないから。
邪魔するものなんて、何もないから。
悲しいユメは、もう見ない。
(2004.1.28)