たぶん素敵妄想集(爆@ ウィキ
登校風景
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rm96
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青い空。
笑顔の太陽。
笑顔の太陽。
あー…。
くらくらする…。
くらくらする…。
眠い目をこすって、ちっともお目覚めになれない頭を抱えて、ぽってこぽってこと歩く。
駅から学校までの距離の遠いこと遠いこと…。
やっぱさぼる…って決めちゃえば足取りだけはちょっとは軽くなるんだろうけど、やっぱさ、そーゆーわけなにはいかないでしょ。
電車の中で爆睡しかけたけど、がんばって学校に行く美貴はエライと思う。
駅から学校までの距離の遠いこと遠いこと…。
やっぱさぼる…って決めちゃえば足取りだけはちょっとは軽くなるんだろうけど、やっぱさ、そーゆーわけなにはいかないでしょ。
電車の中で爆睡しかけたけど、がんばって学校に行く美貴はエライと思う。
…。
それがふつーとか言わない様に。
それがふつーとか言わない様に。
でもさ、やっぱ遅刻とかサボったりはよくないじゃん?
美貴はこー見えてまじめですから、きちんと登校するわけですよ。
美貴はこー見えてまじめですから、きちんと登校するわけですよ。
ふわーっとあくびをかみ殺しながら、たらたら歩く美貴の横を、朝からキャッキャッと楽しそうに声を弾ませながら追いぬいて行く同じ制服の女の子たち。
みんな朝からテンション高いねー。
いや、美貴が低すぎるとか、そーゆーわけじゃないから。
だいたいさぁ、梨華ちゃんいなかったらいかないって。
だからさ、こーしてがんばって歩いてるわけですよ。まだ寒いのに、こーやって。
なに? 暖かくなってきた?
それ、たぶん気のせいだから。
まだ寒いって。いや、でも、美貴…寒がりだしなぁ…。でもまだ寒いって。梨華ちゃんは今年は暖かいから少し楽だったって言ってたっけ。彼女、ほら冷え性だから。
まぁ、今年の天気ってさぁ、なんかよくわかんなかったけどね。
みんな朝からテンション高いねー。
いや、美貴が低すぎるとか、そーゆーわけじゃないから。
だいたいさぁ、梨華ちゃんいなかったらいかないって。
だからさ、こーしてがんばって歩いてるわけですよ。まだ寒いのに、こーやって。
なに? 暖かくなってきた?
それ、たぶん気のせいだから。
まだ寒いって。いや、でも、美貴…寒がりだしなぁ…。でもまだ寒いって。梨華ちゃんは今年は暖かいから少し楽だったって言ってたっけ。彼女、ほら冷え性だから。
まぁ、今年の天気ってさぁ、なんかよくわかんなかったけどね。
ぽてぽて歩いてるもっのすごいスローな美貴の横を軽やかに何台かの自転車が追い抜いてく。
なんとなくそれを眺めてたら、後ろから軽やかなハスキーボイス。
なんとなくそれを眺めてたら、後ろから軽やかなハスキーボイス。
「ふぅっじっもっとせぇ~んぱぁ~い!」
ちょっときしょくって背中がぞわぞわ~。
なに? この甘えたような声。
だるくてご機嫌麗しくないのに、なんだぁ!?
なに? この甘えたような声。
だるくてご機嫌麗しくないのに、なんだぁ!?
美貴の真横を駆け抜けて、ひらりと舞ったスカートが視界に入った。
キィッとブレーキの音。
少し前で止まった自転車の主は、あったまくるくらい満面の笑顔だった。
「おはよー! ミキティ」
なんだよ。声がたけーぞ…。
「おはよ」
ぶっきらぼうな美貴にお構いなしでにやにや笑ってるし。なんか異様なハイテンション…。
むーっと目の前のご機嫌なナマイキな後輩をにらみつける。
「やっだぁ! フジモト先輩ってば、にらんじゃって! ひーちゃん、こわーい!」
おいおいヨシザーさん。あんたそういうキャラじゃないでしょ?
きらきらカッコいい学園のアイドルが、なに? その笑顔。その声、そのトーク…。
目いっぱいあきれ返ってたら、別人のようにキショい後輩の頭の上から甘い声が降ってきた。
キィッとブレーキの音。
少し前で止まった自転車の主は、あったまくるくらい満面の笑顔だった。
「おはよー! ミキティ」
なんだよ。声がたけーぞ…。
「おはよ」
ぶっきらぼうな美貴にお構いなしでにやにや笑ってるし。なんか異様なハイテンション…。
むーっと目の前のご機嫌なナマイキな後輩をにらみつける。
「やっだぁ! フジモト先輩ってば、にらんじゃって! ひーちゃん、こわーい!」
おいおいヨシザーさん。あんたそういうキャラじゃないでしょ?
きらきらカッコいい学園のアイドルが、なに? その笑顔。その声、そのトーク…。
目いっぱいあきれ返ってたら、別人のようにキショい後輩の頭の上から甘い声が降ってきた。
「美貴ちゃん。おはよう」
えっ…!?
「お…おはよ。梨華ちゃん」
よっちゃんの自転車のステップに立って、彼女の肩に手を置いて微笑む梨華ちゃん。
なるほど。ご機嫌な理由がわかった。
『
よっちゃんがチャリをとばす。
↓
梨華ちゃんがしがみつく。
↓
ぴったりくっつくカラダ。
↓
首にぎゅっと絡まる腕。
↓
背中に胸の感触
』
このやろう…!
「いやー。駅で梨華ちゃんに会ったから、じゃあ乗せてってあげるって…へへっ」
あーうー! 何勝ち誇った顔してんのよぉ!
どーせ待ち伏せてたんじゃないのぉ!?
梨華ちゃんを見ると、ちょっと困ったように眉毛を下げて笑ってる。
「じゃ! フジモト先輩、おっ先~! ぐっちゃ~」
よっちゃんが再び自転車を漕ぎ出す。
「ぐ…ぐっちゃ~!」
よっちゃんについつられた梨華ちゃんにつられて、美貴もなんとなく『ぐっちゃ~』って。
あーうー! 何勝ち誇った顔してんのよぉ!
どーせ待ち伏せてたんじゃないのぉ!?
梨華ちゃんを見ると、ちょっと困ったように眉毛を下げて笑ってる。
「じゃ! フジモト先輩、おっ先~! ぐっちゃ~」
よっちゃんが再び自転車を漕ぎ出す。
「ぐ…ぐっちゃ~!」
よっちゃんについつられた梨華ちゃんにつられて、美貴もなんとなく『ぐっちゃ~』って。
すーっと遠ざかってく自転車。
きゃあってにぎわう女の子たち。
きゃあってにぎわう女の子たち。
「あっ!」
ちょっとまてっ!
ちょっとまてっ!
「こらーーっ! ヨシザーヒトミィーっ!」
ダッシュで見せ付けるようにたらたらと走ってる二人にくらついた。
「あれー。ミキティ、朝から元気いいっすねぇ」
「うっさぃ!」
「ほっほう。じゃあ、しっかりつかまってて。梨華ちゃん」
「え…!?」
「それっ!」
自転車がぐんっと加速して、「きゃっ!」って梨華ちゃんがしがみつく。
ダッシュで見せ付けるようにたらたらと走ってる二人にくらついた。
「あれー。ミキティ、朝から元気いいっすねぇ」
「うっさぃ!」
「ほっほう。じゃあ、しっかりつかまってて。梨華ちゃん」
「え…!?」
「それっ!」
自転車がぐんっと加速して、「きゃっ!」って梨華ちゃんがしがみつく。
かっちーーーーんっ!
「まてっ!」
で、結局学校までの残りの道のり。およそ1キロほどをダッシュするはめに…。
あーーーっ!
わき腹…痛い…。
朝っぱらから…なんでこんな運動……しないと…。
ぜーぜーいっちゃって、呼吸が上手くできないし、心臓痛いし…。
わき腹…痛い…。
朝っぱらから…なんでこんな運動……しないと…。
ぜーぜーいっちゃって、呼吸が上手くできないし、心臓痛いし…。
学校の門を潜り抜けたら、誰かにぎゅっと抱きしめられた。
「お疲れ様」
顔を上げたら梨華ちゃんが申し訳なさそうに笑ってた。
「大丈夫?」
「うん」
たぶん条件反射的。だって、抱きしめられてるんだもん。だって笑ってくれてるんだもん。こんなに優しい顔で。
走った甲斐があったりなんかして。
抱きしめたまま汗で張り付いた前髪を払ってくれる指にちょっとうっとり。
「ごめんね」
「何で梨華ちゃんが謝るの?」
「だって、なんか…ねぇ」
そしたら、すっごく不機嫌な声が後ろからした。
「そうだよ。勝手に追っかけてきたのミキティなんだから」
さりげなーく美貴から梨華ちゃんを引き剥がす。
ぬうーっ。よしざーさーん。
「なにさぁ。そっちが急にスピード上げるからじゃん」
「お疲れ様」
顔を上げたら梨華ちゃんが申し訳なさそうに笑ってた。
「大丈夫?」
「うん」
たぶん条件反射的。だって、抱きしめられてるんだもん。だって笑ってくれてるんだもん。こんなに優しい顔で。
走った甲斐があったりなんかして。
抱きしめたまま汗で張り付いた前髪を払ってくれる指にちょっとうっとり。
「ごめんね」
「何で梨華ちゃんが謝るの?」
「だって、なんか…ねぇ」
そしたら、すっごく不機嫌な声が後ろからした。
「そうだよ。勝手に追っかけてきたのミキティなんだから」
さりげなーく美貴から梨華ちゃんを引き剥がす。
ぬうーっ。よしざーさーん。
「なにさぁ。そっちが急にスピード上げるからじゃん」
笑顔でにらみ合う美貴とよっちゃんの間でおろおろする梨華ちゃん。
「あー。おはよー」
「あ。ごっちん。おはよー」
「おはよ。梨華ちゃん。ははっ。あの二人、朝から仲いいねぇ」
「でしょう。もうさぁ…」
「まっ。いいんじゃない。いこ。チャイム鳴っちゃうし」
ごっちんが梨華ちゃんの腕に腕を絡めて歩き出す。
「昨日なっちとマドレーヌ焼いたんだ」
「ホントに?」
「うん。持ってきたからさ、お昼、みんなで食べよ」
女の子らしい会話と足音が遠ざかっていく。
「あ。ごっちん。おはよー」
「おはよ。梨華ちゃん。ははっ。あの二人、朝から仲いいねぇ」
「でしょう。もうさぁ…」
「まっ。いいんじゃない。いこ。チャイム鳴っちゃうし」
ごっちんが梨華ちゃんの腕に腕を絡めて歩き出す。
「昨日なっちとマドレーヌ焼いたんだ」
「ホントに?」
「うん。持ってきたからさ、お昼、みんなで食べよ」
女の子らしい会話と足音が遠ざかっていく。
…。
…あっ!
…あっ!
「ちょっと待って!」
「へ!? あっ! ごっちん!」
ばたばたとよっちゃんと我先にって感じで走り出す。
梨華ちゃんとごっちんは顔を見合わせてクスクス笑ってた。
「へ!? あっ! ごっちん!」
ばたばたとよっちゃんと我先にって感じで走り出す。
梨華ちゃんとごっちんは顔を見合わせてクスクス笑ってた。
2年生のごっちんとよっちゃんとは校舎が違うから昇降口でお別れ。
「梨華ちゃーん。また後でねー」
手を振るごっちん。その横でなにげーに美貴にガンとばしまくりのよっちゃん。
「うん。また後でね。ごっちん。ひとみちゃんも」
「うんっ! 後でね。梨華ちゃんっ」
おーおー。ひとみちゃんって呼ばれたとたんに満面の笑顔かよ。
べーって美貴には舌を出してくるから、べーって仕返し。ごっちんがそんな二人を見て大笑いしてるし。
「行こう。美貴ちゃん」
「あ、うん」
くるりと背中を向けて歩き出した。
「梨華ちゃーん。また後でねー」
手を振るごっちん。その横でなにげーに美貴にガンとばしまくりのよっちゃん。
「うん。また後でね。ごっちん。ひとみちゃんも」
「うんっ! 後でね。梨華ちゃんっ」
おーおー。ひとみちゃんって呼ばれたとたんに満面の笑顔かよ。
べーって美貴には舌を出してくるから、べーって仕返し。ごっちんがそんな二人を見て大笑いしてるし。
「行こう。美貴ちゃん」
「あ、うん」
くるりと背中を向けて歩き出した。
かつんかつんと階段を並んで歩く。
美貴たちのクラスは5階建ての校舎の3階。
それだけの距離が今の美貴には十分にかったるい。まあ、そうじゃなくてもつらいわけだけど。
隣を歩く梨華ちゃんが、そんな美貴の腰を抱くように寄り添う。
「ごめんね。よっすぃが無茶なことするから」
「いいよ。まぁ。ムキになっちゃったけどさ。それに…」
抱きしめてもらってうれしかったよ。
「それに?」
「ううん。なんでもない」
にこっと不思議そうな顔してる梨華ちゃんに笑いかけた。
「ところでさ、いつも二人で登校してるの?」
「ううん。違うよ。駅でよっすぃが待ってたの」
「ふ~ん」
やっぱりね。たしか、彼女の家、ウチラの中じゃ学校から一番近いし。
美貴は最寄の駅から二つ目。ごっちんは美貴と反対方向の駅から3つ目。ちなみに今、大学生のなっちさんとらぶらぶ半同棲中。
梨華ちゃんは美貴が乗る一つ前の駅。
「ねえ、梨華ちゃん。これからさぁ、朝一緒に行かない?」
そうすれば、今日みたいなことにはならないし。それに、みんなで一緒に行くのも楽しいじゃん。
「うん。いいよ。でも…」
「でも、なによ」
「起きれる?」
「起きる」
美貴たちのクラスは5階建ての校舎の3階。
それだけの距離が今の美貴には十分にかったるい。まあ、そうじゃなくてもつらいわけだけど。
隣を歩く梨華ちゃんが、そんな美貴の腰を抱くように寄り添う。
「ごめんね。よっすぃが無茶なことするから」
「いいよ。まぁ。ムキになっちゃったけどさ。それに…」
抱きしめてもらってうれしかったよ。
「それに?」
「ううん。なんでもない」
にこっと不思議そうな顔してる梨華ちゃんに笑いかけた。
「ところでさ、いつも二人で登校してるの?」
「ううん。違うよ。駅でよっすぃが待ってたの」
「ふ~ん」
やっぱりね。たしか、彼女の家、ウチラの中じゃ学校から一番近いし。
美貴は最寄の駅から二つ目。ごっちんは美貴と反対方向の駅から3つ目。ちなみに今、大学生のなっちさんとらぶらぶ半同棲中。
梨華ちゃんは美貴が乗る一つ前の駅。
「ねえ、梨華ちゃん。これからさぁ、朝一緒に行かない?」
そうすれば、今日みたいなことにはならないし。それに、みんなで一緒に行くのも楽しいじゃん。
「うん。いいよ。でも…」
「でも、なによ」
「起きれる?」
「起きる」
何気に美貴は元遅刻常習犯。
梨華ちゃんに『このままだと一緒に3年生になれないね』の一言で心入れ替えました。はい。
梨華ちゃんに『このままだと一緒に3年生になれないね』の一言で心入れ替えました。はい。
「そっか。じゃあ、後で待ち合わせとか決めよう?」
「うん!」
楽しみだなぁってやわらかく笑って、ぎゅって手を取って指を絡めて繋いでくるから、美貴もぎゅって握り返してなんとなく振ってみた。
なんかすっごくいい感じじゃない?
「うん!」
楽しみだなぁってやわらかく笑って、ぎゅって手を取って指を絡めて繋いでくるから、美貴もぎゅって握り返してなんとなく振ってみた。
なんかすっごくいい感じじゃない?
朝は長く感じる学校までの距離なんて、たぶんあっという間。
だってね、梨華ちゃんとこーして、一緒に歩くんだもん。
だってね、梨華ちゃんとこーして、一緒に歩くんだもん。
(2004/4/8)