たぶん素敵妄想集(爆@ ウィキ
夕焼けと鐘の音
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rm96
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きーんこーんかーんこーん…。
時計は4時を指して、教室には赤い夕日が差し込む。
窓際に二人。
センパイはあたしの肩に頭を乗っけてもたれかかったまま。
窓際に二人。
センパイはあたしの肩に頭を乗っけてもたれかかったまま。
「センパイ」
「んー」
「いいの?」
「んー」
「んー」
「いいの?」
「んー」
動く気配なし。
それはそれでうれしいんだけど、いいの? まっつー、けっこうヤキモチ焼くじゃん。
いつのころからかわかんないけど、生徒会のまっつーを待つ間、暇つぶしにあたしのところに来るようになったフジモト先輩。
16時のチャイムはシンデレラの鐘。そんな感じ。
生徒会の仕事も終わるから、愛しい恋人をお迎えに行かなきゃいけないから。
だけど、今日もセンパイは動く気配なし。
それはそれでうれしいんだけど、いいの? まっつー、けっこうヤキモチ焼くじゃん。
いつのころからかわかんないけど、生徒会のまっつーを待つ間、暇つぶしにあたしのところに来るようになったフジモト先輩。
16時のチャイムはシンデレラの鐘。そんな感じ。
生徒会の仕事も終わるから、愛しい恋人をお迎えに行かなきゃいけないから。
だけど、今日もセンパイは動く気配なし。
いいんだよ。ごとーは。うれしいし。
でも、いいの?
でも、いいの?
夕焼けに染まった横顔。
ぼんやりと外を眺めてる顔はきれいで、なんかどこかせつなくて、さみしげで…。
ぼんやりと外を眺めてる顔はきれいで、なんかどこかせつなくて、さみしげで…。
「センパイ?」
「…」
「ミキティ」
「ん?」
「…」
「ミキティ」
「ん?」
それでも顔はこっちを向かなくて、でも目だけがこっちを向いた。
見上げるその目は、不思議。なんか泣きそうに思えた。
どうしてだろう。夕焼けが赤いからかな。
見上げるその目は、不思議。なんか泣きそうに思えた。
どうしてだろう。夕焼けが赤いからかな。
「いいの?」
「…」
今度は答えなくて、すっと視線を逸らす。
また外をぼんやりと眺める横顔に、ずっとドキドキしてたあたしの心臓はきゅっと掴まれた。
「…」
今度は答えなくて、すっと視線を逸らす。
また外をぼんやりと眺める横顔に、ずっとドキドキしてたあたしの心臓はきゅっと掴まれた。
しらないよ?
ずっとドキドキしてるんだよ? 笑ってる時も怒ってる時もまっつーのこと話してる時だって。
ねぇ、止まんなくなっちゃうよ?
ずっとドキドキしてるんだよ? 笑ってる時も怒ってる時もまっつーのこと話してる時だって。
ねぇ、止まんなくなっちゃうよ?
「ミキティ?」
「…」
「…」
また顔をこっちに向けて、じっと見つめる瞳。
「…」
どうせ人のものなんだ。
わかってる。だから、せめて…今だけは…。
わかってる。だから、せめて…今だけは…。
「美貴」
センパイが体をこっちに向ける前に抱き寄せて、唇を重ねた。
せめて…今だけ。
わかってるけど、それでもふわっとしたセンパイの唇はやさしかった。
ちょっと胸が痛いけど、でも、うれしい。
せめて…今だけ。
わかってるけど、それでもふわっとしたセンパイの唇はやさしかった。
ちょっと胸が痛いけど、でも、うれしい。
離れた唇をどこか名残惜しそうに見つめているセンパイがかわいくて、もう一度。
コツンと額をつけて、なんか恥ずかしくって、二人で笑った。
そして、ぎゅって抱きしめて…。
コツンと額をつけて、なんか恥ずかしくって、二人で笑った。
そして、ぎゅって抱きしめて…。
赤い夕焼けが眩しくて、せつないね。
だって、センパイはあたしのものじゃないから。
わかってるから、この時間だけのワガママ。
だって、センパイはあたしのものじゃないから。
わかってるから、この時間だけのワガママ。
「じゃ、行くわ」
「うん」
「うん」
センパイがカバンを手にして相変わらずちょっと背中を丸めてかったるそうに歩きだす。
さて。じゃあ、あたしも帰るかな。
んーって、なんとなく空気を変えたくて両腕を上げてのびをしたら、センパイが笑ってた。
さて。じゃあ、あたしも帰るかな。
んーって、なんとなく空気を変えたくて両腕を上げてのびをしたら、センパイが笑ってた。
「ごっちん」
「ん?」
「明日ね」
「ん?」
「明日ね」
またねって、手を振って、センパイは教室を出て行った。
明日。
ちょっと苦しくて、痛くて…。
なのにうれしくて。ごとー、ひどいヤツかも。
それでも期待しちゃう明日。
ちょっと苦しくて、痛くて…。
なのにうれしくて。ごとー、ひどいヤツかも。
それでも期待しちゃう明日。
真っ赤な空。ゆっくりと街の向こうに沈んで行く夕日。
とりあえず、明日も晴れればいいなって…思った。
とりあえず、明日も晴れればいいなって…思った。
(2006/2/8)