たぶん素敵妄想集(爆@ ウィキ
帰り道
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rm96
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部室を出たら夕焼けが沈んで一番星。
空はなんとなく藍色。
時計の針はそろそろ19時。
空はなんとなく藍色。
時計の針はそろそろ19時。
「日が長くなったねぇ」
「そうですねぇ」
「そうですねぇ」
絵梨香と空を見上げてなんとなく呟いたら、くーっておなかが鳴った。
おなかを押さえて顔なんか見合ったりして。
「おなか空きましたね」
「ね」
背中にはラケットバッグ。
肩には学校指定のスクールバッグ。
短いスカートがひらりって風に揺れる。
おなかを押さえて顔なんか見合ったりして。
「おなか空きましたね」
「ね」
背中にはラケットバッグ。
肩には学校指定のスクールバッグ。
短いスカートがひらりって風に揺れる。
校門を出て駅へと続く並木道を並んで歩きながらするのは他愛のないおしゃべり。
「あー。もー黒くなってきちゃったよ」
「あれ? 石川さん?」
「へ? なになに? どーしたの? きょろきょろしちゃって」
「あ。いた。いやー暗くなってきたからどこかなぁーなんて…って、いたっ!」
「もぉー! 自分だって黒いじゃないよぉ」
なによぉ。にやにやしちゃってぇ。
「ふふふっ。そうなんですけどね。あー。でもこれじゃ大会終わる頃には2人して真っ黒ですね」
「ねー。あ。今やなこと思い出した」
「なに?」
「もーすぐ中間だし」
「あー。そー言えばべんきょーしてないや」
「あれ? 石川さん?」
「へ? なになに? どーしたの? きょろきょろしちゃって」
「あ。いた。いやー暗くなってきたからどこかなぁーなんて…って、いたっ!」
「もぉー! 自分だって黒いじゃないよぉ」
なによぉ。にやにやしちゃってぇ。
「ふふふっ。そうなんですけどね。あー。でもこれじゃ大会終わる頃には2人して真っ黒ですね」
「ねー。あ。今やなこと思い出した」
「なに?」
「もーすぐ中間だし」
「あー。そー言えばべんきょーしてないや」
そんなこんなでコンビニに着いて、だらだらーと中を見て…。
「あー。三好が払いますよぉ」
「えー。いいのぉ?」
「えー。いいのぉ?」
なーんて、そんなこんなで5分後。
お店から出て、また駅に向かって歩き出す。
お店から出て、また駅に向かって歩き出す。
「石川さん、から揚げ棒ですか」
「だっておなか空いたんだもん。そーゆー絵梨香だって豚ばら串じゃん」
「まぁ、そーなんですけどね。育ち盛りですから」
へへへって笑って、その顔がなんかくしゃって感じで目なんか垂れちゃってほのぼのな感じ。
「まぁねぇ。ね、一口ちょうだい」
「いいよ。はい。梨華ちゃん、どーぞ」
「はい。絵梨香も。どーぞ」
食べさせあいっこして。
なんかよくわかんないけどおかしくって、くすぐったくって、くすくす笑いっぱなし。
「だっておなか空いたんだもん。そーゆー絵梨香だって豚ばら串じゃん」
「まぁ、そーなんですけどね。育ち盛りですから」
へへへって笑って、その顔がなんかくしゃって感じで目なんか垂れちゃってほのぼのな感じ。
「まぁねぇ。ね、一口ちょうだい」
「いいよ。はい。梨華ちゃん、どーぞ」
「はい。絵梨香も。どーぞ」
食べさせあいっこして。
なんかよくわかんないけどおかしくって、くすぐったくって、くすくす笑いっぱなし。
「あ。石川さん」
「ん?」
「ん?」
ふわりと唇に触れたあたたかい絵梨香の唇。
一瞬時間が止まったかと思った。
一瞬時間が止まったかと思った。
「スパイシーですね」
そう言って微笑んで、そっと唇を掠めるようになぞった指先。
パクって銜えようとしたら逃げられた。
パクって銜えようとしたら逃げられた。
「自分だって、タレの味じゃん」
「ふふっ。そうですね」
「ふふっ。そうですね」
いたずらな指先はすっと下に下りてあたしの手を取って、しっかりと繋がる。
目線を少しだけ上げれば、ニコニコと目を細める絵梨香。
「くせになりそうです。甘くて…」
「おいしかった?」
それは言葉じゃなくって、キスで返ってきた。
目線を少しだけ上げれば、ニコニコと目を細める絵梨香。
「くせになりそうです。甘くて…」
「おいしかった?」
それは言葉じゃなくって、キスで返ってきた。
すっかり陽は落ちて、辺りは藍色。
少し人通りの少ない学校から続く公園通りの並木道。
手を繋いで、並んで歩く。
少し人通りの少ない学校から続く公園通りの並木道。
手を繋いで、並んで歩く。
「ねぇ、梨華ちゃん」
「ん?」
「明日も暑いかな?」
「暑いよ。きっと」
「ん?」
「明日も暑いかな?」
「暑いよ。きっと」
見上げたらぽつりぽつりと星の姿。
しっかりと繋いだ手はあったかくて、少し汗ばんで、でも離す気なんかなくって。
そんなあたしと絵梨香を雲の隙間から半分だけの月が微笑んで見つめていた。
しっかりと繋いだ手はあったかくて、少し汗ばんで、でも離す気なんかなくって。
そんなあたしと絵梨香を雲の隙間から半分だけの月が微笑んで見つめていた。
(2006/11/24)